sweet sweet pain〜幸せになるためのstory〜

奏 隼人

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コーチ役

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墨絵のような景色の雪山を僕らが乗ったワンボックス・カーが走っていく。
ペンション一泊二日のスキー旅行は夏の海の時と同じメンバーが同じ席に乗っている。

ただ、今回は誰も怪我しないように、八坂神社に結衣とお願いしてきた。

「こら、ガキンチョ!!
もうええ加減にウチと席を変わらんかいな。翔ちゃんの横に行って、唐揚げをあーんしてあげなあかんのや。」

「あーら、ここはペアシートだから彼氏彼女以外は座れません。ババアは黙って、シルバーシートに座ってなさい。」

「何やて?」「何なのよ!」

この二人の負のエネルギーを有効利用出来たら、
きっとサイエンス誌に掲載されるだろう。
僕はそう確信した…

僕らが目指すスキー場は斜度が比較的緩やかなコースや、林を駆け抜ける上級者コースなどバラエティに富んだ楽しいスキー場らしい。

結衣に「手取り足取り教えてね。」と言われているので僕は今回はコーチ役かなと思っている。

優花さんが「翔ちゃんはスキー出来はるの?」
と僕に聞いてきたので、「僕はスノーボードなんですよ。」と言うと耳元で「なぁ、ロッジで二人きりになろな。そしてポッキーを一緒に食べよ。ウチはこっちから、翔ちゃんは向こうから…最後はな…うふふ…」

優花さん…本当に目的解って来てます?

結真にも「あたしもスキーやスノーボードは初めてなんだ。 頼りにしてるよ!」と言われている。

トモヤと泉さんは一緒に滑るだろうし、三人のコーチは責任重大だと思った次の瞬間、トモヤが…

「危ない!」


小さな動物が車の前に飛び出したようで、急ハンドルをきった車は路肩の溝にタイヤを取られてしまった。
アクセルを踏んでもタイヤは空回りする。僕とトモヤが交代で後ろから押しても変わらない。

まだペンションまでは距離があり、どうしようか途方に暮れていた僕らの後ろから一台車がやって来た。

よく見るとマイクロバスである。

その車の中から現れたのは…
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