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宣戦布告
しおりを挟む僕は目が覚めた。
あっ!もうこんな時間だ。
きっとみんな食堂にいるはずだ!
食事の時間が終わってしまう!急がないと…
僕は洗面も後回しにして階段を駆け下りてみんなのところに向かう。
それにしてもトモヤの奴、黙って行くなんて…
あっ!そういえば夜中に泉さんが来て、優花さんに奴さんを折ってって…
あれは夢?
そんなことを考えながら食堂に顔を出すと、
全員食事中で、みんなが僕の顔を見て固まる。
優花さんが、
「翔ちゃん、おはようさん。さあ、一緒にご飯たべようか。ご飯にする?それともウチにする?」
良かった…いつもの優花さんだ!
結衣が真っ赤な顔をして涙を浮かべる!
結真は呆《あき》れ顔で優花の顔を見る。
トモヤと泉さんが僕を鏡の前に連れて行ってくれた…!
見飽きたいつもの自分の顔だった。
頬に付いていた大きなキスマーク以外は…。
その真っ赤なルージュは一目で誰のものか
分かった。
結衣が優花さんの前に立つ。
「どういうこと?」
「どうもこうもあらへん。ウチはもう我慢
せえへんことに決めた。あんたには悪いけど
ウチはあの人の女になるんや。」
僕は結衣が泣き出すのではないかと心配していたのだが…
彼女は僕に近づいて来て、自分の服の袖を使って頬のルージュを綺麗に落とす。
結衣の袖はみるみるうちに真っ赤になってしまった。
更に彼女は自分のピンクのリップを取り出して自分の口唇にたっぷり塗ると僕に、
「翔くん、もう少しよく顔を見せてほしい…。」
「えっ……う、うん…こうかな…⁉︎」
僕が身を屈めると…
「ええっ!!」
結衣は一度拭き取った僕の頬に向かって
長い口づけをする。
みんな呆気に取られて何も言えずに結衣を見ている…
僕が「ゆ、結衣…?」と声をかけると、
結衣は「はっ!」とビックリした後、真っ赤になって僕に抱きついた。
優花さんが結衣に、
「今まで、ガキンチョやと思うてあんたのことバカにしてきたけど、これからは立派なウチのライバルや。
女としてウチと勝負やで。
ウチも全力で翔ちゃんを自分のもんにするさかい、あんたも全力でおいでや。」
そう言って優花さんは食事に戻った…
ははは…僕の朝食はどうなりますか?
帰りの車の中で結衣と優花さんに挟まれて困り顔の僕。
「はあ……」
結真はずっと呆れ顔だった。
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