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幼馴染
しおりを挟む僕は二人の顔を見比べた…
「ティナ…彼女を知ってるの?」
「ええ…私の幼馴染なのよ…それより何故ダーリンとナギが…」
「実は…私がオオカミに囲まれてるところを助けてくださったのよ…」
「まあ…大丈夫?誰もケガは無かったの?」
僕はリルを見つめて「大丈夫。その前にリルが転んで少し膝を擦りむいたけど…」
「ぼく…こんなのへっちゃらだよ…」
「リル…こっちへ来なさい…」
ティナはリルに治癒魔法をかけている…
「さ、これで大丈夫よ…後は…」
ティナは指をまるで指揮者のタクトのように動かすと王宮の奥から車椅子がひとりでに動いてやって来た。
僕は彼女を車椅子に乗せてあげた…
「ありがとうございます。」
「さあ、王宮の中で少し休みましょう。ナギのお父様も来ておられるしね!」
「なんだ…王宮へのお客様だったのですね…でも何事も無くて良かった…
さあ…中に行きましょう…」
「はい!!あっ…ありがとうございます…」
僕はナギさんの車椅子を押して王宮へと入った…
王宮の上階ではゴルド前国王が、客人と窓の外を見降ろしながら会談中だった…
「あの…我が娘…ナギの車椅子を押しているのが…」
「そうだ…プラティナの婿殿でな…
人間だが、我が娘を大切にしてくれるいい男よ…」
「しかし…人間嫌いのお前がのう…」
「言うてくれるな…マサムネよ…お前とは魔法学校からの親友…そして良きライバルでもある…
ワシの長所も短所も知り尽くしているお前だからこそワシは間違っていたと反省している気持ちも分かるじゃろ?」
「うむ…しかしそれはワシも同じじゃ、ワシは元々人間にそんなに嫌悪感は抱いておらん。我が国ソーディア王国はもともと強大な武力を以って他の国との均衡を図ってきた…国の男も屈強な血の気の多い奴が多くての…
じゃから野蛮で自分勝手だと言われる人間とさほど変わりはせん。国を守るには力も確かに必要じゃ…しかしこれからは力だけではダメじゃ。国の民の事を思いやって皆を導く…そんな男がナギの婿になってくれたら…
お主が言うようにお主の娘婿にそういう資質があるというならワシなら喜んで王の座を譲るがのう…」
「そうじゃな…しかしもう一つの問題もあるからのう…」
ナギは肩越しに振り向いて自分の車椅子を押している優也を見つめた…
そして助けてもらった時のことを思い出して微笑むのだった。
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