奥さまは魔王女

奏 隼人

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僕のお嫁さんへ

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小さな光が無数に増えていく…

精霊の集まりは真っ白な光のオオカミの姿に変わった…

「…友達…そうか!エメラルダの森の…」

「そ、そんな…優也くんも精霊を使えるなんて…」

アイはガックリとうなだれた…戦意を無くしたのが精霊にも伝わったのだろうか…紫のキツネはみるみるうちに光の粒に変わって姿を消していった…




「完敗ね…私の負けだわ…」



「あはは…負けただって…⁉︎

一体君は誰に負けたの…?」



「そんなの決まってるじゃない!!

あなたやティナさん…ソーディアやあなたの味方をした精霊…!!

ううっ……」


アイはハッと何かに気付き、よろよろと近くの木にもたれかかる素振りを見せた…

「そう…君は…ミラールは凄い…

これだけ多くの助けが無ければ僕はとうの昔に君やミラールの言いなりにならざるを得なかった…

僕が僕の信念を曲げずに貫けたのはみんなの助けのおかげなんだよ…


君の未来眼の能力は本当に凄いよ…

自分の意思でやりたいようにやってみるのも良いけど…困った時は仲間に頼ってみたら…?

それに君を頼りたい人だってミラールだけじゃなくてジュエラやソーディアにも沢山いるし…

きっと君が得るべき信頼は自分自身で積み立てていくものだと僕は思うよ…」


その場にいる全ての人が優也の言葉に頷いた…


「こ、こんな酷い事をした私でも貴方やティナさんを頼れる資格があるのかしら…」

「勿論だよ…困った事があったら僕の妻に…だってティナはジュエラ王女で国王職だからね…」


「……ありがとう…」


張りつめていた糸が切れたように溢れてくる涙を抑えるアイの肩に優也はそっと手を置いた…



その姿にプラティナはゴルドに耳打ちした…

「ねぇ、お父様…私より国王に相応しい方…おられますわね…」

そう言って彼女は笑った…

「そうじゃのう…ワシは人間の事をあれほど嫌っていた自分が今では信じられんわい!本当にお前は凄い男を捕まえたのう…ティナよ!」

ゴルドのその言葉にプラティナは笑顔で頷いた…

「はい!お父様!」




一先ずジュエラ王宮に帰った僕達はティナやお義父さんの計らいでゆっくり休む事が出来た…



そして…僕はナギさんが見つけてくれたタイムカプセルの中から一通の手紙を取り出した…

「ティナ…」

「…なあに…?ダーリン!!」

「これを受け取ってくれないかな?僕が高校生の時に書いたものなんだけど…」

ティナは手紙を広げた…









僕のお嫁さんへ

遠く高い空の向こうに僕と赤い糸で繋がっているあなたは今、何をしてるのでしょうか…?

僕は自分のように何も取り柄がない人間が果たして結婚してもらえるのだろうかと心配になる時があります。

だから今、もし…あなたと結婚して幸せな家庭を築いていたらあなたに言いたい事があります。

僕と結婚してくれて本当にありがとう。
そして僕と結婚して幸せになると信じてくれてありがとう。

僕はあなたに感謝をする事しか出来なくて
その感謝のお礼に必ずあなたを幸せに出来るように頑張ります。

ずっと永遠にあなたと一緒にいられますように…

                                  






純粋な…愛情のこもった文字を追う大きな瞳から涙が一粒…二粒…手紙の上に落ちて文字を滲ませる…

そして…もうプラティナは溢れてくる涙でもう手紙を読む事が出来なかった…


「ダーリン……!!……わぁぁぁん!!」

ティナが僕の胸に飛び込んできてくれた…


僕はティナを思いきり抱きしめた…



「あの時、空に向かって思い浮かべていたのは、君だったんだね…ティナ…」


ティナは涙を浮かべたまま笑顔で大きく頷いた…


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