奥さまは魔王女

奏 隼人

文字の大きさ
75 / 105

あなたしか出来ない

しおりを挟む
ジュエラ王宮のみんなを巻き込んだ闘いは一先ず終わりを迎えた…

「ダーリン…!!」

僕の元へと駆け寄ってきたティナを微笑みながら見つめる…


「ティナ…それにしても…今日は特に綺麗だね…」

「あら…ダーリンだって…私、なかなかドキドキが止まらなくって…変だわ…しばらくあなたとゆっくり出来なかったからかしら…」


「おーい!皆の者ー!大変じゃ!」ラリーさんが僕達の所に駆け寄って来た…


「ヴァルプルギス殿が吹き飛ばした伝説の魔法使いのエクスとパルテがソーディアを襲ったそうで…国を挙げての防衛でなんとか撃退は出来たらしいのだが…ソーディア王が深いダメージを負われてしまったらしいのです…」

「何!マサムネが…こうしてはおれん!ラリー、ワシと一緒にソーディアへ行くぞ…

マサムネが居ない今、防衛ラインの継続と国の立て直しが必要じゃ…ティナよ…お前は婿殿と一緒に急いで向かってくれ!」

「お父様…私達はどこへ…?」

「決まっておる!!奴等はソーディアを一旦諦めた…次に向かうのはミラールじゃ!」

「なるほど…分かりました…」

ティナは僕の手を握って呟く…

「…ねえ…ダーリン…私、この世界が嫌で…私の事を誰かに救って欲しくて人間界に逃げ込んだの…

そんな私をあなたはその優しい眼差しで見つめてくれた…

だから私、あなたの事がすぐに好きになっちゃった…

でも、人間のあなたを魔法使いの私達の事に巻き込んでしまったらいけないって…私はあなたから離れようと考えたこともあったわ…

それでも…あなたは私を深い深い愛情で包んでくれた…私、その時から今も…そしてこれからもずっとあなたから離れられなくなっちゃった…」

ティナの目に浮かんでいた涙が頬を伝って流れ出した…

「あなたは私だけでなく、その純粋な心でお父様やお母様、ナギやアイさん…みんなの…人間や色々なものに頑なだった心を包み込んで来たわ…

だからお願い…もうあなたしか出来ないの…

私と私の大好きなこの世界を守って…」


止めどなく流れる涙を拭うことなく僕を見つめるティナの前に僕はひざまずいた…

そして彼女の手を取り…いつの日か誓ったあの言葉を改めて大切な妻に贈る…


「ティナ…君とこの世界は絶対に僕が守る…
いつまでも大切にすると誓うよ…」

「ダーリン…私も…」

ティナは僕の胸で思いきり泣いた…

僕はティナを強く抱きしめた…



そんな二人を見ながらゴルドは小さく呟いた…

「シルヴァよ…ワシもお前をこれからも大切にするからのう…あの幸せな二人に負けんくらいにな…」

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります> 政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・? ※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

異世界転生したおっさんが普通に生きる

カジキカジキ
ファンタジー
 第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位 応援頂きありがとうございました!  異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界  主人公のゴウは異世界転生した元冒険者  引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。  知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

いいえ、望んでいません

わらびもち
恋愛
「お前を愛することはない!」 結婚初日、お決まりの台詞を吐かれ、別邸へと押し込まれた新妻ジュリエッタ。 だが彼女はそんな扱いに傷つくこともない。 なぜなら彼女は―――

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

処理中です...