奥さまは魔王女

奏 隼人

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一致団結

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「くそっ!姉ちゃんが拐われてもうた…兄ちゃん…どうしよう…」

ムラサメが不安から感情をあらわにした。

「いや、待て…ここは落ちつくんだ…みんなでキチンと作戦を練って絶対に取り返す…絶対に…」

その言葉を優也は一番自分に言い聞かせていた…

その時、ヴァルプルギスの姿が具現化して皆の前に現れた…

「ヴァ、ヴァル…」

「わらわもそのように思うぞよ…流石は我がパートナーじゃ…」




「師匠…あれは伝説の神獣…ベヒモスですよね…何故あやつが…イミテが召喚することが出来たのですかな?」

ゴルドの問いにヴァルプルギスは遠くを見つめた…

「…それはのう…わらわよりお主達に説明するのに相応しい奴等がおるぞよ…のう…エクス、パルテよ…」

ヴァルの呼びかけに応じるように小さな光の粒が二つ…僕達の前に現れた。


「…すまない…私達の責任だ…」

「…世界征服を実現する為の秘密兵器だと言われ…」

光の粒子となった二人の魂は全員に事の顛末を説明した…


「…なるほど…貴女方は魔法力を得る為にあやつに利用されたんですな…実は以前に奴と
私達ジュエラ王族には確執がありましてな…

我々にも責任はあるのです…」

ゴルドの口惜しそうな言葉に反応するようにプラティナの目が紅く輝いて「ゴルドよ…気にする事ではない…全ては皆で解決する事…原因を探すより今は対策を練ることが大事じゃ…」

プラティナの口から本人とは違う聞き覚えのある声が聞こえてきた…

「ダ、ダイナ…お主、ダイナではないか?何故…」

「お主…ジュエラ王女の守護霊に…」


「うむ…そなたらに黙っておひい様に付いたのはどうしても見極めたくてな…」

「見極める…?」

「私はこの者たちから時代は変わった…我々に出来る事は見守り、そっと手を差し伸べる…それが誇りになると言われた…

私はお前達二人の様子をあえて遠くから見ていたが、ソーディア侵攻の際もミラール侵攻の際も向こうからは決して攻めてこなかった…不思議だとは思わぬか?

我々が群雄割拠…天下を取ると意気込んでいた頃は国と国と…民と民との戦であったはず…ところがどうじゃ…これではまるで我々が侵略者ではないか…⁉︎

それにもう我々が潰し合って誰が天下を取っても一人であの怪物に立ち向かえるだろうか?

私は確信したのじゃ…今は人間達もお互いを認め合い、人と人とが寄り添う世界になった…同じように魔界も変わりつつある…

そして大きく強大な敵にはみんなで力を合わせて立ち向かう…私はそんな世界を作る手助けが出来れば天下統一を果たすよりもずっと意義があるのではないかと気付いたのじゃ…私よりも一早くその事に気付かれたおひい様と共にこの世界を守っていきたい…だからこうして我が子孫の守護霊となったのだ…」

エクスとパルテの光の粒子はフワリフワリとヴァルプルギスの前に移動して輝きを増して語りかけた…

「おひい様…我々も一緒に…」そう言いかけた二つの光に対してヴァルプルギスは言い放った…

「鬱陶しいのう…わらとそなた達三人は切っても切れない仲…わざわざそんな事を今更確認する必要がどこにある?拐われたのはそなた達の子孫じゃぞ!さっさと知恵を貸さんか…!」
 
ぶっきらぼう…だけどたっぷりの愛情のこもった彼女の言葉を聞いて二つの光は輝きを更に増す…

そしてその様子を見ていたみんなはヴァルプルギスの言葉に頷き、微笑んだ…
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