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エピローグ ESPERANZA -希望-
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「んー!やっぱり、気持ちいい!」
『ニャーン♪』
「やっぱ、沖縄の風はいいよなぁ!」
二人で決めて買った車に乗り、沖縄の風に触れながら『大切なお客さん』を迎えに行く俺たち一向。
そんな車内は、いつも通り二人が大好きな『懐メロ』が俺たちのドライブを彩ってくれている。
「この曲、ほんと好き!」
「ああ、俺も大好きだ」
「なら、一緒に歌っちゃう?」
「それ、ありだな!ほらっ!サビだぞ!」
二人でノリノリなサビを歌い、車内は盛り上がりを見せ、クロもクロで楽しそうな鳴き声を上げている。こんな幸せをこれからも噛み締めたいと願うばかりだ。
「…あ、優太さん、あれじゃない?」
「ああ、そうだな!」
楽しいお迎えのドライブも終わり、お客さんが降り立つ飛行場へとたどり着いた俺たち。
「…あっ!大輔さん…!」
「おおっ!優太くんに一平くん!久しぶりだなっ!」
「お久しぶりです!その節は本当にありがとうございました!」
飛行場のロビーに姿を現したのは大輔さん。
そう『大切なお客さん』とは、大輔さんだ。
そして、どこかで見たことのある男性が大輔さんに寄り添っては「初めまして」と俺たちに声をかけてくれた。
「大輔さん…ま、まさか…?」
「ああ、そのまさか!こいつが俺の『大切な人』で優太くんに一度だけ見せた彼だ」
「こいつって言うな、ってかお前、なにしてん」
「え?何も聞こえねぇな~?」
大切なお客さんの隣にいたのは、大切なお客さんの心から愛する人。そして、聖なる夜にBARで過ごし、互いに大好きな人を披露しあったことは俺と大輔さんしか知らない。
そして、俺と大輔さんがどこで知り合ったのかまでは、きっと大輔さんの彼は知らないのだろう。大輔さんも大輔さんで、寂しさや苦しさを紛らわすためにあの『ハッテン場』へと足を運んでいたのだろうから。
「優太くん、そして一平くん…今日は招いてくれて本当にありがとう」
「いえ…むしろこんな遠くまで来てくれて本当にありがとうございます」
「大輔さんの彼氏さんも長旅ありがとうございます、お疲れですよね?」
「いや、大丈夫だよ?…それより早速で悪いんだけれど俺さ、四人で行きたいところがあるんだ。優太くん、一平くん、連れて行ってくれるかな?」
大輔さんの彼から吐き出される願い。
こちらから大輔さんを招いたわけだ、それならばその願いを俺たちは叶えてあげるのみ。
俺と一平は「もちろん!」と声を合わせては、願いを受け入れ、俺たちは大輔さんの彼が行きたいところへと向かっていった。
『ニャーン♪』
「やっぱ、沖縄の風はいいよなぁ!」
二人で決めて買った車に乗り、沖縄の風に触れながら『大切なお客さん』を迎えに行く俺たち一向。
そんな車内は、いつも通り二人が大好きな『懐メロ』が俺たちのドライブを彩ってくれている。
「この曲、ほんと好き!」
「ああ、俺も大好きだ」
「なら、一緒に歌っちゃう?」
「それ、ありだな!ほらっ!サビだぞ!」
二人でノリノリなサビを歌い、車内は盛り上がりを見せ、クロもクロで楽しそうな鳴き声を上げている。こんな幸せをこれからも噛み締めたいと願うばかりだ。
「…あ、優太さん、あれじゃない?」
「ああ、そうだな!」
楽しいお迎えのドライブも終わり、お客さんが降り立つ飛行場へとたどり着いた俺たち。
「…あっ!大輔さん…!」
「おおっ!優太くんに一平くん!久しぶりだなっ!」
「お久しぶりです!その節は本当にありがとうございました!」
飛行場のロビーに姿を現したのは大輔さん。
そう『大切なお客さん』とは、大輔さんだ。
そして、どこかで見たことのある男性が大輔さんに寄り添っては「初めまして」と俺たちに声をかけてくれた。
「大輔さん…ま、まさか…?」
「ああ、そのまさか!こいつが俺の『大切な人』で優太くんに一度だけ見せた彼だ」
「こいつって言うな、ってかお前、なにしてん」
「え?何も聞こえねぇな~?」
大切なお客さんの隣にいたのは、大切なお客さんの心から愛する人。そして、聖なる夜にBARで過ごし、互いに大好きな人を披露しあったことは俺と大輔さんしか知らない。
そして、俺と大輔さんがどこで知り合ったのかまでは、きっと大輔さんの彼は知らないのだろう。大輔さんも大輔さんで、寂しさや苦しさを紛らわすためにあの『ハッテン場』へと足を運んでいたのだろうから。
「優太くん、そして一平くん…今日は招いてくれて本当にありがとう」
「いえ…むしろこんな遠くまで来てくれて本当にありがとうございます」
「大輔さんの彼氏さんも長旅ありがとうございます、お疲れですよね?」
「いや、大丈夫だよ?…それより早速で悪いんだけれど俺さ、四人で行きたいところがあるんだ。優太くん、一平くん、連れて行ってくれるかな?」
大輔さんの彼から吐き出される願い。
こちらから大輔さんを招いたわけだ、それならばその願いを俺たちは叶えてあげるのみ。
俺と一平は「もちろん!」と声を合わせては、願いを受け入れ、俺たちは大輔さんの彼が行きたいところへと向かっていった。
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