二重転生!? ~10月10日で私が消える?~

霧ちゃん→霧聖羅

文字の大きさ
17 / 26

初めてのプレゼント

しおりを挟む
 婚姻の儀と言うのは、ちょっぴりだけどアルから教えて貰って知っている。
キトゥンガーデンでのそれは、少し私の知っているモノとは違っていて、指輪の交換はブローチの交換だし、衣装は白じゃなくて銀色だ。
ブローチの飾り石にそれぞれの瞳と同じ色の宝石を入れて、互いの左胸に飾り合うのがこちら流。
『この瞳の持ち主がわたしの心に住んでます。』って事らしい。
コレが通用するって事は、色んな色合いの瞳がスタンダードって事だ。
日本人だと皆、茶系統になっちゃうもんね。
ちなみに、地球での私の瞳は『金茶』色。
純日本人の筈なんだけど、何故か淡い色だったんだよね。
それのせいで、英語も喋れんのに何故か外人に話しかけられる事多数と言う……。
ああ、話しが逸れた。
 衣装が銀色なのは、どうやら創造主様のイメージカラーってヤツらしい。
イメージカラーと言うか、どうやら髪の色が銀髪らしく、そのせいもあって銀髪は男女問わず『モテる髪色』なんだって。
実際、美男美女も多いとか。
今生の母魂の護り手も銀髪の綺麗な女性だったなと、それを聞いて納得した。



 ドレスのサイズ調整はすぐに終った。
余ってる部分をちょこっと摘まんで、魔法を掛けるとあら不思議!
摘まんでた部分がくっついているのですよ、奥さん!
サイズ合わせが一瞬で終わるのです。

 ちなみに、サイズ合わせの為の部屋に置いてあった大きな姿見のお陰で、やっと自分の姿を確認する事が出来た。
だけど、その姿が想像の上を行く代物になっていて、ビックリ仰天だ。
今生のお母さん譲りの顔形に、同じく今生のお父さん譲りのフワフワの黒髪。
体型は、ほっそりしていて折れそうな程に見えるお母さんと比べると幾分骨太だけど、一般的には細身な方かな?
バストの方は……ほっそり巨乳のお母さんの血を感じさせるモノで、オープンスケベなアルは大喜びなんじゃないかと思います。
うん、まぁなんというか。
ぶっちゃけて言うならば、滅茶苦茶、顔立ちも可愛くて、スタイルも良かったと言う事だ。

「リエラちゃん、どうしよう?」
「何がですか?」
「わたし、滅茶苦茶、見た目詐欺師!!!」

 こんなにわたしが可愛い筈が無い! と、力説すると、彼女から返って来たのはあきれ顔。
そしてそんな彼女の代わりに、別の人から返事がくる。

「君は元々可愛らしい方だと思うが……。」
「フィルター付きの人の発言は受け付けません。」

 アルの発言は、切って捨てた。
地球での自分の容姿は、自分でちゃんと分かっているつもりだ。
特別可愛い方じゃなかったさ……。
たまに、美人系と言われる事はあったけど、『系』ってなんだ『系』って!
そう言う類ってだけで、『美人』じゃないんだよね?

「見た目詐欺かどうかはともかく、変な人に連れていかれない様に注意して下さいね?」
「ヘンな人って、子供じゃあるあるまいし……。……まさか、人攫いとか頻繁にあったりとか……?!」
「無い訳じゃありませんね。」
「こわ!?」
「なので、充分ご用心下さいね。」

 リエラちゃんの発言は、『ついでに、アスラーダさんにも近寄らないで下さいね』と言う副音声付で聞こえた気がする。
あの人は、リエラちゃんしか見て無いと思うから神経質になる必要はないと思うよ??
何故にわたしに対して神経質になるのかが、とても謎だ。

「アスタール様? こちらのドレスは少し質素ですから、刺繍を足しても良いかと思うのですけど……。」

 ちなみに、こんな会話が繰り広げられる中、マイペースにアルにドレスの刺繍について話しているのは、彼の従妹だと言うセリスさんと言う女性。
流石アルの身内だなと思わず頷いちゃう位のスラッとしたスタイルの良い美人さんだ。
サラサラの長い黒髪が、お尻の少し下あたりまでストンと流されていて、揺れる毛先にじゃれ付きたくなる。
何より、優しげなその声が素晴らしい。
気のせいで無ければ、リエラちゃんもうっとりしてるし。
このセリスさんって女性の事が、どうもリエラちゃんは大好きらしい。
なんか、崇拝的な方向性で。
アルを相手に主導権を握っていたのを、あっさりとセリスさんに渡しているのにもかかわらず、それでもしっかりアルの手綱を握ってる彼女にはもう、脱帽するしかあるまい。
リエラちゃん、強い。

「確かに、彼女が言う通り刺繍を入れた方がより映えるかも。」
「では、そのようにしよう。」

 椅子に縛られたまま、口を開こうとしないアルに戸惑いの表情を浮かべる彼女の為に助け船を出すと、彼は即座にそう決断した。


即決か。


 元々、ゲーム内で結婚式を挙げる時に作ったモノを忠実に再現したドレスは、それだけでも美しいものではあるんだけれど、ゲーム内でのエフェクトとかの演出が無い事を考えると少し飾り気が足りない様にも見えた。

「着替え中はともかく、着付け終わった状態でならば見てもいいのではないのかね?」

 不貞腐れた口調でそう言われて初めて、ドレスを着た状態を彼が見ていない事に気がつく。
そりゃ、返事のしようが無かったよね……。
ゴメン、あんまりにも目隠し姿が似合っていて気がつかなかった。
……嘘だけど。
ナチュラルに忘れてました!
「あらあら」と呟きながら、セリスさんが目隠しを取ると彼は眩しそうに眼を細める。

「りりん、ゆっくり回ってみてくれるかね?」
「こう??」

 その場でクルンと回ると、ドレスの裾が軽やかに揺れた。

「次は反対。」
「ほいほい?」

 くるりん♪

「裾のあの部分に……いや、そこじゃない。そっちの方だ。……この縛っているのも外してくれ、セリス。」

 何か、指示をしようとして口で示すのに焦れた彼は、セリスさんにそう頼み出す。
彼女も「はいはい」と言いながら、あっさりと彼を椅子から解放した。

「針。」
「はい。」
「糸。」
「この色でよろしいですか?」
「うむ。」

 彼はわたしの足もとにしゃがみ込むと、セリスさんから道具を受け取りせっせとその場で刺繍を始め出す。

「アルさんや?」
「何かね?」
「わたしはいつまでこうしていれば??」
「30分程我慢してくれたまえ。」
「長!?」

 そこから30分の間、彼はモノも言わずに物凄いスピードで刺繍を施していき、30分後には大きめのユリのモチーフを仕上げて見せた。
ぐるりと、これと同じモノを刺せと、まぁそう言う事らしい。

「このスピードでやれるんでしたら、余裕で間に合いそうですね。アスタールさん頑張って下さい。」
「……うむ……?」

 そして、リエラちゃんの一言で全部アルがやる事に決定した。
あれ?と言う風に彼は首を傾げているけど……まぁ、やるんだろうなぁ。

「これが、この世界で初めてのアルからのプレゼントか。」

 そう思うと、とても感慨深い。
そして、目に見えてアルのやる気メーターが上がった。


なんて単純な!
でも、そこも可愛い!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました

iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。 両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。 両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。 しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。 魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。 自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。 一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。 初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。 恋人になりたいが、年上で雇い主。 もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。 そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。 そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。 レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか? 両片思いのすれ違いのお話です。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

捨てられ侯爵令嬢ですが、逃亡先で息子と幸せに過ごしていますので、邪魔しないでください。

蒼月柚希
恋愛
公爵様の呪いは解かれました。 これで、貴方も私も自由です。 ……だから、もういいですよね? 私も、自由にして……。 5年後。 私は、ある事情から生まれ育った祖国を離れ、 親切な冒険者パーティーと、その地を治める辺境伯様のご家族に守られながら、 今日も幸せに子育てをしています。 だから貴方も勝手に、お幸せになってくださいね。 私のことは忘れて……。 これは、お互いの思いがこじれ、離れ離れになってしまった一組の夫婦の物語。 はたして、夫婦は無事に、離婚を回避することができるのか?

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

処理中です...