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ブロッキ神国横断中
その後のこと
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その日の夜。
みんなでじっくりと、今後のことについて話し合った。
東へ向かう道中、人里に立ち寄るかどうかから始まったんだけど、コレに関してはピエリスさんが首を横に振る。
「俺の人相書きが回されてる可能性を考えっと、人里に寄んのは危なすぎっしょ」
というのが理由だったから、みんな揃って納得顔。
ずいぶんと追いかけてくる人を煽りまくってたし、その前に何人もの人を伸していた。他の町や村に、人相書きが回っててもおかしくない。
「ただ、俺以外ならだいじょーぶかっていうと、そこも怪しげなんよね」
「どういうことだ?」
「ん~……なんて~かなぁ」
ちょっぴりモニョモニョと言いづらそうにしながらピエリスさんが口にしたのは、加護の儀前や容姿が良い子供を旅人や商人から奪うという行為が横行してるらしい。
「……だから、真っ先に『子供を出せ』などと言ってきたのか」
クリナムさんは納得顔でうなずきつつ、わたし達が聖域に入っていて見つからずに済んだことを喜んでる。本人も、殴られそうになったそうなのに……お人好しだと思うけど、だからこそピエリスさんがそばにいるのかも。ピエリスさんもピエリスさんで、面倒見がいい人だし。
魔神様は眷属神の暴走で~って感じのことを言ってたけど、クリナムさんならキチンと子供の面倒を見るはずだという信頼があってこその人選だったんだろう。
――ちょっと、薬神様のことになると変になるけど。
薬神様のことを語ってるときは、信心深いを通り越したナニかを感じるよね。
まあ、ソレはソレとして――
「要は、加護の儀前の子供に見えるわたしも、間違いなく美人さんになるにぃにもアブナイと……」
「そゆこと」
「思ってた以上に、ヤバいね。ウチの国」
ちなみにクリナムさんは、ピエリスさんと一緒にいるのを確認されてるからNGらしい。
――なるほど。
それなら人里に立ち寄るのは無理だね。
安全に寝起きできる場所がなかったら『どうしよう』と途方に暮れたかもだけど、幸いなことにわたし達には聖域がある。ぶっちゃけ、魔物の巣の中でも安全だけなら確保できるのだ。
食料だって、その気になれば自給自足できるしね。
問題ない。
ひとりで納得して頷いているうちに、人里のかわりの安全地帯として聖域を利用しながら進むことが決まってた。
うん、問題ない。
「そしたら、クリナムさんとピエリスさんは畜舎の上のお部屋を使ってね」
「ああ、助かる」
クリナムさんとピエリスさんにわたしの領域にある畜舎を使ってもらうことにしたのは、移動神殿がわたし以外の人にも持ち運びが可能だと分かったのと、お部屋付きの施設を作ってあったからだ。わざわざ、新しく作るのはなんとなくシャクだったので。
三つあるお部屋は、奥のお部屋がクリナムさんの調剤室に、真ん中が二人の寝室に、最後の一つが居室として使われることになった。寝室が二人で一緒なのは、クリナムさんが寝る時間になっても戻らなかったらすぐに分かるから。
クリナムさんは寝食を忘れて調薬しているうちに、何度も倒れているらしい。
――そりゃあ、お目付け役は必要だよね。
調剤室はクリナムさん、居室はピエリスさん専用になりそうだなと思っているうちに、今後の活動スケジュールに話題が移る。
「ミルギューのお世話もあるし、ご飯の下ごしらえなんかもしたいから午前中は聖域で過ごしたいですっ」
真っ先に手を上げてそう主張すると、ピエリスさんとクリナムさんは顔を見合わせた。
「畜舎に間借りさしてもらうかんさ、俺らにミルギューの世話は任してもらっても問題ないっしょ?」
「ああ。やり方は分かるんだろう? ピエリス」
「じゃあ、朝ごはんの前にミルギューの乳搾りをするのはピエリスとクリナムの仕事ね」
なんか、わたしが『ウン』と言う前ににぃにが話をまとめてしまう。
朝一番のわたしのお仕事は、みんなの朝ごはんを作りつつ、お昼ごはんの下ごしらえをするだけでいいらしい。
「で、ご飯を食べ終わったら、フェリシアは畜舎の掃除と従魔の毛づくろい」
「うにうに」
畜舎のお掃除は、精霊さん達に頼んだほうが早いしキレイだ。
いつも通りにお願いすればいいわけだから、わたしとしては文句はない。
従魔の毛づくろいだって、心を通わすために必要なスキンシップだからね。サボるつもりはありませんとも。
「ピエリスは僕と一緒に外に出て移動しつつ、森での狩りの仕方を教えて」
「りょーかい」
ピエリスさんが、おかしそうに目を細めて小さくうなずく。にぃにがサラッと混ぜた要望に気づいたらしい。
「私は?」
「午前中は、好きなように薬でも作ってればいいんじゃないかな」
「それはありがたいが……」
クリナムさんは、どうでも良さそうな返事に気付かないくらいに嬉しそうな顔でソワソワしてる。コレは、キチンと生活習慣を管理してあげないといけないダメな大人だ。
趣味にいそしむ時間をあげると見せかけて、午前中だけという時間制限をさり気なくつけたにぃにが腹黒いっ。その腹黒さにピエリスさんが感動してるっぽいんだけど……まぁいっか。多分、害はないだろうし。
「午後は、従魔を護衛代わりにしてクリナムとフェリシアが移動担当ね」
「俺とグーちゃんは?」
「午前中に獲物を狩れてたら、獲物の解体。狩れてなかったら、午後の護衛役……かな」
わたしとクリナムさんは美味しいものや薬の素材に目がくらんで動かなくなる可能性があるから、一箇所にとどまれる時間は制限付き。
「午前組は狩り、午後組は採集かぁ……案外、一日に進める距離って少なそじゃね?」
「まあ、雪が振り始めたら雪解けまで聖域に籠もることもできるからソレはソレでいいじゃない」
なんか、みんなが『なるほど』と納得してしまい、毎日のスケジュールはコレで決定。
東の渓谷に入って少しした場所で川を遡上してくるお魚の群れを発見してしまい、魚捕りに夢中になっているうちに雪が振り始め――渓谷内で、春を待つことになった。
みんなでじっくりと、今後のことについて話し合った。
東へ向かう道中、人里に立ち寄るかどうかから始まったんだけど、コレに関してはピエリスさんが首を横に振る。
「俺の人相書きが回されてる可能性を考えっと、人里に寄んのは危なすぎっしょ」
というのが理由だったから、みんな揃って納得顔。
ずいぶんと追いかけてくる人を煽りまくってたし、その前に何人もの人を伸していた。他の町や村に、人相書きが回っててもおかしくない。
「ただ、俺以外ならだいじょーぶかっていうと、そこも怪しげなんよね」
「どういうことだ?」
「ん~……なんて~かなぁ」
ちょっぴりモニョモニョと言いづらそうにしながらピエリスさんが口にしたのは、加護の儀前や容姿が良い子供を旅人や商人から奪うという行為が横行してるらしい。
「……だから、真っ先に『子供を出せ』などと言ってきたのか」
クリナムさんは納得顔でうなずきつつ、わたし達が聖域に入っていて見つからずに済んだことを喜んでる。本人も、殴られそうになったそうなのに……お人好しだと思うけど、だからこそピエリスさんがそばにいるのかも。ピエリスさんもピエリスさんで、面倒見がいい人だし。
魔神様は眷属神の暴走で~って感じのことを言ってたけど、クリナムさんならキチンと子供の面倒を見るはずだという信頼があってこその人選だったんだろう。
――ちょっと、薬神様のことになると変になるけど。
薬神様のことを語ってるときは、信心深いを通り越したナニかを感じるよね。
まあ、ソレはソレとして――
「要は、加護の儀前の子供に見えるわたしも、間違いなく美人さんになるにぃにもアブナイと……」
「そゆこと」
「思ってた以上に、ヤバいね。ウチの国」
ちなみにクリナムさんは、ピエリスさんと一緒にいるのを確認されてるからNGらしい。
――なるほど。
それなら人里に立ち寄るのは無理だね。
安全に寝起きできる場所がなかったら『どうしよう』と途方に暮れたかもだけど、幸いなことにわたし達には聖域がある。ぶっちゃけ、魔物の巣の中でも安全だけなら確保できるのだ。
食料だって、その気になれば自給自足できるしね。
問題ない。
ひとりで納得して頷いているうちに、人里のかわりの安全地帯として聖域を利用しながら進むことが決まってた。
うん、問題ない。
「そしたら、クリナムさんとピエリスさんは畜舎の上のお部屋を使ってね」
「ああ、助かる」
クリナムさんとピエリスさんにわたしの領域にある畜舎を使ってもらうことにしたのは、移動神殿がわたし以外の人にも持ち運びが可能だと分かったのと、お部屋付きの施設を作ってあったからだ。わざわざ、新しく作るのはなんとなくシャクだったので。
三つあるお部屋は、奥のお部屋がクリナムさんの調剤室に、真ん中が二人の寝室に、最後の一つが居室として使われることになった。寝室が二人で一緒なのは、クリナムさんが寝る時間になっても戻らなかったらすぐに分かるから。
クリナムさんは寝食を忘れて調薬しているうちに、何度も倒れているらしい。
――そりゃあ、お目付け役は必要だよね。
調剤室はクリナムさん、居室はピエリスさん専用になりそうだなと思っているうちに、今後の活動スケジュールに話題が移る。
「ミルギューのお世話もあるし、ご飯の下ごしらえなんかもしたいから午前中は聖域で過ごしたいですっ」
真っ先に手を上げてそう主張すると、ピエリスさんとクリナムさんは顔を見合わせた。
「畜舎に間借りさしてもらうかんさ、俺らにミルギューの世話は任してもらっても問題ないっしょ?」
「ああ。やり方は分かるんだろう? ピエリス」
「じゃあ、朝ごはんの前にミルギューの乳搾りをするのはピエリスとクリナムの仕事ね」
なんか、わたしが『ウン』と言う前ににぃにが話をまとめてしまう。
朝一番のわたしのお仕事は、みんなの朝ごはんを作りつつ、お昼ごはんの下ごしらえをするだけでいいらしい。
「で、ご飯を食べ終わったら、フェリシアは畜舎の掃除と従魔の毛づくろい」
「うにうに」
畜舎のお掃除は、精霊さん達に頼んだほうが早いしキレイだ。
いつも通りにお願いすればいいわけだから、わたしとしては文句はない。
従魔の毛づくろいだって、心を通わすために必要なスキンシップだからね。サボるつもりはありませんとも。
「ピエリスは僕と一緒に外に出て移動しつつ、森での狩りの仕方を教えて」
「りょーかい」
ピエリスさんが、おかしそうに目を細めて小さくうなずく。にぃにがサラッと混ぜた要望に気づいたらしい。
「私は?」
「午前中は、好きなように薬でも作ってればいいんじゃないかな」
「それはありがたいが……」
クリナムさんは、どうでも良さそうな返事に気付かないくらいに嬉しそうな顔でソワソワしてる。コレは、キチンと生活習慣を管理してあげないといけないダメな大人だ。
趣味にいそしむ時間をあげると見せかけて、午前中だけという時間制限をさり気なくつけたにぃにが腹黒いっ。その腹黒さにピエリスさんが感動してるっぽいんだけど……まぁいっか。多分、害はないだろうし。
「午後は、従魔を護衛代わりにしてクリナムとフェリシアが移動担当ね」
「俺とグーちゃんは?」
「午前中に獲物を狩れてたら、獲物の解体。狩れてなかったら、午後の護衛役……かな」
わたしとクリナムさんは美味しいものや薬の素材に目がくらんで動かなくなる可能性があるから、一箇所にとどまれる時間は制限付き。
「午前組は狩り、午後組は採集かぁ……案外、一日に進める距離って少なそじゃね?」
「まあ、雪が振り始めたら雪解けまで聖域に籠もることもできるからソレはソレでいいじゃない」
なんか、みんなが『なるほど』と納得してしまい、毎日のスケジュールはコレで決定。
東の渓谷に入って少しした場所で川を遡上してくるお魚の群れを発見してしまい、魚捕りに夢中になっているうちに雪が振り始め――渓谷内で、春を待つことになった。
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