にいにと一緒に世界をめぐる~奉納スキルでアイテムゲット☆彡~

霧ちゃん→霧聖羅

文字の大きさ
90 / 123
トレルリ神民国~『普通』を体験してみよう~

町散策

しおりを挟む
 晩御飯のあと、とっとと聖域で魔神様にたっぷり甘えさせてもらったから、今日の私は元気いっぱい!
まずは、朝食の前にお部屋で町の構造を確認しつつ、ご相談タイムだ。


「俺らが入ってきたのが、北にある『冬の門』。そっから右回りで、東が『春の門』、南が『夏の門』、西が『秋の門』って順で、中央神殿を囲ってんだけど――」

「中央神殿を四季の門で囲うことによって、加護結界を強化してるのか」


 何を言ってるのか分からなくて首を傾げていると、クリナムさんが注釈を入れてくれた。

 まず、この町の真ん中には、中位神殿と呼ばれる神殿がある。
この神殿には創生四神だけでなく彼らの眷属神も祀られており、眷属神の加護者が内部にいることによって加護結界が形成される。
 地方の小さな村にある神殿と似ているけれど、村は基本的に森の中にあるから『森神』様だけを祀っていることが多い。森神様のように、権能を一つしか顕現させていない下位神を一柱しか祀っていない神殿は、『小神殿』と呼ばれている。複数の権能を顕現させている中位神を祀っている神殿は『中位神殿』。
この町のように、創生四神を含めた複数の神々を祀っている神殿は『上位神殿』と呼ばれるらしい。


「こんな、国の端に『季節門』を配置出来るというのは、信仰に厚く神々に愛されている土地であるという証のようなものだ」


 と言うのが、クリナムさんのご感想だ。
『季節門』というのは、創生四神をそれぞれの司る季節を冠した神殿に祀り、門に併設したもののこと。

 冬は魔神様、春は技術神様。夏は武神様で、秋は情報神様と言うのが季節の割り振り。
ご本人達にどうしてその割り振りになったのかを聞いたら、「自らを高めてくれた環境が懐かしいから」だとか「「髪の色」」なんて返事が返ってきたんだけど……一応、ソレっぽい神話があるらしい。
最初のはともかく、自分の髪の色にあわせて春と秋を選ぶだなんてあんまりだと思います。どっちも美味しい季節なのに……

 なにはともあれ、季節門で周囲を囲い、中央に神殿を配置すると従来の村や町の倍近くの敷地に加護結界を張ることができるそうだ。


「……ってことは、かなり大きな町だってことだね」

「んでもって治安も悪くないから、許可証が使える間ここに滞在しても問題ないっしょ」


 にぃに・・・の言葉に大きく頷いたピエリスさんが太鼓判を押してくれたので、わたしはもう、町の中を探検して歩く気満々だ。『どうする?』とばかりにこっちを見たにぃに・・・は、ソレを察して、額に手を当て天を仰いで大きなため息。


「とりあえず、今日は町歩きを楽しんで――その後で決めればいいよね?」


 ってことで、モッシャモッシャと朝ご飯を食べたあと、みんなで揃って町へと繰り出した。
まず最初に向かうのは、薬屋さん。
このくらい大きな町でお薬は、効能や品質の検査が間違いなくされたものでないと売り買いすることができないらしい。


「冬の間に作りすぎてしまったからな。検品ついでに買い取ってもらって、素材も少し買い足したい」

「んなこと言って、買った素材でまた作るんっしょ~?」

「そしたら、また作り過ぎちゃいそう」

「うわ、無限ループだ」


 クリナムさんがやりそうなことを言い合いながら、みんなで笑う。「みんなひどいな」と文句を言いつつも、本人だって笑ってる。

――自分でもやりそうだと思ってるのかな?

 数軒の薬屋さんに寄ってクリナムさんの荷物を軽くすると、町の中心部にある壁内壁に沿ってしばらく歩いてから春の門へと向かう。
 ちなみに、この内壁の内側に神殿があり、この街の富裕層やお役所があるらしい。ただ、誰でも入れる外壁の門と違って、内壁の中に入れるのはこの町の住民だけになっているそうだ。
 冬の門に近かったお宿の周囲には魔道具や薬品を扱うお店が多かったけれど、春の門のあたりには雑貨屋さんや工芸品を扱うお店が多い。


「ピエリスさん。夏の門のあたりは武具のお店が多い?」

「あ~、服屋も多いかなぁ」

「服??」

「身に着けるモンって区分かも」


 夏の門から伸びる道沿いには、金物屋や装飾品のお店も多いらしい。
金物屋はともかく、装飾品は服と同じで身に着けるものっていう区分かな?
 秋の門の周辺は、肉や皮の買い取りや加工をしている店が多いものの、割りと満遍なく色んな種類のお店が入っているそうだ。ちなみに、お宿・食堂・食料品店なんかは町中のいたるところにあるみたい。


「……安い店は外壁の近く。高い店は内壁の近くという、暗黙の了解はやはりこの町にもあるみたいだな」


 そういえば、冬ごもりの間に教わったなと思いつつ、小さくうなずく。
たしかに、内壁の近くに行くほど、お店の敷居が高いというか――入りづらい雰囲気がしてました。
そして、そういうお店は、外だけでなく中もきれいで、商品には値段がついていないのだ。
クリナムさんもピエリスさんも普通に入っていくからついてったけど、内心ビクビクものだった。


「……外壁に近いお店なら一人でも入れそうだけど、内壁に近いお店は入りづらいよね」

「言えてる」


 なんてことをにぃに・・・と話していたら、二人してピエリスさんにお耳をピンと引っ張られる。


「チビ達が入っていいのは、むしろ逆っしょっ!」

「外壁に近い店に二人が入ると、まず、間違いなくぼったくられる」

「「えええ?」」


 自慢じゃないけど、わたしもにぃに・・・も貧乏農家で生まれ育ったんですよ? と思いつつ驚きの声を上げると、ピエリスさんに毎日おフロに入ってる事自体が金持ちの行動なんだとほっぺをつっつきながら諭される。着ている服も、魔神様にいただいたものだから仕立てが良すぎるそうだ。


「あ。だから、お店の中に入っても何も言われなかったんだ……」


 内壁の近くのお店に入っても何も言われなかったのが不思議だったけど、そういうことかと納得する。ついでに、外壁近くのお店でやたらと視線を感じたワケも。

――コレは、行動に合わせた服の用意も必要なのでは?

 そう思って相談してみたら、『月イチのお風呂で我慢できるなら』って返事が返ってきて、速攻諦めた。

――もう、お風呂のない生活には戻れませんっ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】

水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】 【一次選考通過作品】 ---  とある剣と魔法の世界で、  ある男女の間に赤ん坊が生まれた。  名をアスフィ・シーネット。  才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。  だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。  攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。 彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。  --------- もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります! #ヒラ俺 この度ついに完結しました。 1年以上書き続けた作品です。 途中迷走してました……。 今までありがとうございました! --- 追記:2025/09/20 再編、あるいは続編を書くか迷ってます。 もし気になる方は、 コメント頂けるとするかもしれないです。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

【完結保証】科学で興す異世界国家 ~理不尽に死んだ技術者が、「石炭」と「ジャガイモ」で最強を証明する。優秀な兄たちが膝を折るまでの建国譚~

Lihito
ファンタジー
正しいデータを揃えた。論理も完璧だった。 それでも、組織の理不尽には勝てなかった。 ——そして、使い潰されて死んだ。 目を覚ますとそこは、十年後に魔王軍による滅亡が確定している異世界。 強国の第三王子として転生した彼に与えられたのは、 因果をねじ曲げる有限の力——「運命点」だけ。 武力と経済を握る兄たちの陰で、継承権最下位。後ろ盾も発言力もない。 だが、邪魔する上司も腐った組織もない。 今度こそ証明する。科学と運命点を武器に、俺のやり方が正しいことを。 石炭と化学による国力強化。 情報と大義名分を積み重ねた対外戦略。 準備を重ね、機が熟した瞬間に運命点で押し切る。 これは、理不尽に敗れた科学者が、選択と代償を重ねる中で、 「正しさ」だけでは国は守れないと知りながら、 滅びの未来を書き換えようとする建国譚。

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

無能勇者の黙示録~勝手に召喚されて勝手に追放されたので勝手に旅に出ます~

枯井戸
ファンタジー
力も強くない、足も速くない、魔法も使えないし、頭も大してよくない、どこにでもいるちょっとオタク趣味の主人公・東雲真緒が白雉国に勇者として転生する。 同期の勇者はそれぞれ力が強かったり、魔法が使えたり、回復ができたりと各々の才能を開花させ頭角を現していくのだが、真緒に与えられた才能は異世界転生モノでよく見る〝ステータスオープン〟のみだった。 仲間には使えないと蔑まれ、ギルドには落第勇者の烙印を押され、現地人には殺害されかけ、挙句の果てに大事な人を亡くし、見ず知らずの土地の最底辺で生きていくことになった真緒だったが、彼女はまだ〝ステータスオープン〟の可能性に気づいていないだけだった。 ───────────── ※投稿時間は多少前後しますが毎日投稿は続けていくつもりです。 ※タイトルは予告なしにガラリと変わる場合があるのでご了承ください。 ※表紙は現在の主人公のイメージ図です。もしまた別の国へ行く場合、彼女の装いも変化するかもしれません。

「雑草係」と追放された俺、スキル『草むしり』でドラゴンも魔王も引っこ抜く~極めた園芸スキルは、世界樹すら苗木扱いする神の力でした~

eringi
ファンタジー
「たかが雑草を抜くだけのスキルなんて、勇者パーティには不要だ!」 王立アカデミーを首席で卒業したものの、発現したスキルが『草むしり』だった少年・ノエル。 彼は幼馴染の勇者に見下され、パーティから追放されてしまう。 失意のノエルは、人里離れた「魔の森」で静かに暮らすことを決意する。 しかし彼は知らなかった。彼のスキル『草むしり』は、対象を「不要な雑草」と認識すれば、たとえドラゴンであろうと古代兵器であろうと、根こそぎ引っこ抜いて消滅させる即死チートだったのだ。 「あれ? この森の雑草、ずいぶん頑丈だな(ドラゴンを引っこ抜きながら)」 ノエルが庭の手入れをするだけで、Sランク魔物が次々と「除草」され、やがて森は伝説の聖域へと生まれ変わっていく。 その実力に惹かれ、森の精霊(美女)や、亡国の女騎士、魔王の娘までもが彼の「庭」に集まり、いつしかハーレム状態に。 一方、ノエルを追放した勇者たちは、ダンジョンの茨や毒草の処理ができずに進行不能となり、さらにはノエルが密かに「除草」していた強力な魔物たちに囲まれ、絶望の淵に立たされていた。 「ノエル! 戻ってきてくれ!」 「いや、いま家庭菜園が忙しいんで」 これは、ただ庭いじりをしているだけの少年が、無自覚に世界最強に至る物語。

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います

町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。

【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~

石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。 ありがとうございます 主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。 転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。 ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。 『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。 ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする 「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。

処理中です...