にいにと一緒に世界をめぐる~奉納スキルでアイテムゲット☆彡~

霧ちゃん→霧聖羅

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トレルリ神民国~『普通』を体験してみよう~

路銀を稼ごうっ! その2

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 にぃに・・・にねだられて、ピエリスさんが説明してくれた内容は、だいたいこんな感じだ。

 まず、基本的に露店は、わたし達みたいな流れ者が不用品を売り捌くのにも使われている。
露店の魅力は、誰でもお店を出せることと、町中で正式に店舗を構えているお店よりも価格が安いことの二点だ。だいたい、二~三割程度は安いのが普通らしい。

 朝一には近隣の農村から野菜のたぐいが持ち込まれ、形や鮮度がイマイチなものが露店に並ぶ。この人達は村でのお仕事もあるから、だいたい昼前には店じまいをして帰ってしまう。
掘り出しモノが見つかるのも、この時間帯が多い。

 昼前~夕方にかけては、見習い連中の小遣い稼ぎと行商人という常連に近い人達が店を開く。
行商人が良い品物を並べていることもあるけれど、高値で売りつけられることもあるから、コレは要注意。
あと、見習い(だいたい十一~十五歳くらい)は、小遣い稼ぎのついでに別の工房のスカウト待ちをしてることもあるらしい。だから、あまりにも質の良いものを売っていると、難癖つけてくる可能性もあるそうだ。
そういうのは、ちょっとめんどくさいね。

 夕方近くになると、狩人さんたちが獲物を売りに来る。
コレは、お肉屋さんの買い取りに間に合わなかったものや、買い取り拒否されたもの。買い取り拒否されたものの中には、素人には見た目で分かりづらい内臓に損傷があるものなんてのもあって、買うのはなかなかリスキーらしい。


「基本的に、血抜きしただけの状態で並ぶから――毛皮が目的ならお買い得品と言えなくもないんよね。肉は食えんけど」

「魔石は抜かれてる?」

「あ、ソレは小型の以外は取られてんカモ」

「そっか……」


――まあ、興味ないよね。
  ピエリスさんにとって、魔石は換金アイテム以上でも以下でもないだろうし。

 魔石は魔道具を作るために必要な素材の一つで、肺の中で個体化した魔素の塊だ。
魔獣一体から一個――魔道具作成スキルを持っていれば、適切な処理をすることによって必ず二個得ることが出来る。スキルを使って処理した場合、スキルランクによっては魔物のランクよりも質を上げることだって出来るのだ。なので、魔石が取られていない小型の魔獣なら、買い取るの価値は有るかもしれない。
魔石をとったあとの死骸は、自分達が食べないのならミントやガルゥのご飯にしてもいいよね。


「魔石欲しいんだったら、買ったほうが早いっしょ」


 小型の魔獣からとれる魔石のランクはGかF。
せいぜい銅貨一・二枚にしかならないのにと、ピエリスさんはキョトン顔だ。


「だけど、ピエリスさん。たかが銅貨一枚。されど、銅貨一枚ですよ?」

「いやいや。フェリシアちゃんの場合、騎獣を売ったほうが儲かんよ?」


 なんと、ピエリスさん達と出会った時に従えたフォレチェル森鹿が、一頭あたり大銀貨五枚で売れたらしい。昨日の晩、売り払ってくれると言うから預けてたんだけど、一体いつの間に売ってきたんだろう?


「うにゃ……っ!?」

「シーッ!」


 驚きすぎて叫んでしまっただけでなく、シッポがピーンッ!と天を差す。
だって、全部で大銀貨三十五枚って、大金すぎるっ!
大銀貨一枚で、にぃに・・・とわたしの二人が、今のお宿に十日も泊まれるんだよ?
それが三十五枚となると、なんと三百五十日だ。
大事なことだからもう一回言っちゃうけど、大金すぎる……!
 とは言え、大声で話すことでもないので慌てて手で口を押さえて、周囲を見回す。幸いなことに、だれもこっちを気にしている様子がなくてホッと一安心。


「……そんなに高かったんだ?」

「いやいや、フツー」


――普通……ってことは相場通りのお値段ってことだよね?

 どうりで、フォレチェルを捕まえた時に怪我だらけだったピエリスさんが、ニコニコ笑顔になってたわけだ。機会があるたびにこまめに魔獣を従属させられてれば、旅暮らしをする資金にもそれほど苦労しないだろう。

――そもそもピエリスさんって、狩人としても優秀だもんね。

 心の中でそんなことを考えていると、ピエリスさんの言葉を聞いたにぃに・・・が口を開く。


「となると、フェリシアは従魔師として稼げば充分なんじゃない?」


 露店なんてやらなくてもいいじゃないと言わんばかりのその表情に、思わず口から出たのはブーイングだ。


「ぶーぶーぶーぶーぶー」

「いや、ブーブー言われても……必要なくない?」

にぃに・・・、稼ぐ手段はいくつあってもいいものだよ」


 と、もっともらしいことを言ってみたけど、『楽しそうだからやってみたい』っていうのが正直な気持ち。分かってるよ、遊びじゃないのは。でも、楽しそうなことはやってみたい。


「フェリシアが思ってるみたいに楽しくはないと思うんだけど……」

「そんなの、やってみないと分からないじゃない」


 げんなりした表情で呟くにぃに・・・に、プンスカしながらほっぺを膨らませ、鼻から息を吐く。


「グラジオラスの言いたいことも理解できるが、稼ぐ手段がいくつあってもいいと言うフェリシアの意見にも私は同意できる」

「ま、とりあえず明日は、一緒に露天を出すってことでいいっしょ」


 クリナムさんとピエリスさんがそう言って話を締めてくれたおかげで、明日は無事、わたしも露店を開くことが出来ることになったのだった。

――今日は、お宿に戻ってから、明日売りに出す商品を作らないとね。

 食品系は避けたほうがいいっぽいから、露店でよく見たお札を作ることにしようと思います。
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