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トレルリ神民国~『普通』を体験してみよう~
露店の感想
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露店を出した二日目の売れ行きは、かなり順調だった。
日が陰る前にお宿に戻ったわたし達は、期待にシッポを揺らしつつ売上金を数えはじめる。
「いっちまーい、にーまい、さっんまっい、よっんまっい、ご~まっい――」
にぃにと二人、床に敷いた毛皮の上に腹ばいになって一枚一枚積み上げて、十枚になったら次の塔。くっつけて並べたものが縦に十個並んだら、少しだけ間を空けてまた最初から数えてく。
最初は声に出して数えていたけど、だんだんとめんどくさくなってきて、今では無言だ。わたしの売り物は、銅貨ばっかりなので、声に出して数えるのは結構大変。
「――ずいぶんと売れたな」
わたしの積んだ銅貨の塔の列が、三つ目になったところでクリナムさんが呟いた。
売上銅貨は、あと少し。
塔を二つ積み上げたら、残った銅貨はあと四枚。
「わたしの分は、三百二十四枚っ!」
昨日の銅貨五十一枚とくらべて大幅に売上が増加したので、起き上がりつつ万歳三唱。
これは、単価が銅貨九枚のチーズを三十個を売り切った上で、劣化遅延のお札を九セットと冷却のお札を十五セット売った成果だねっ!
ただ、チーズに関しては仕入れのない商品だというのもあって、ちょっと反則のような気がしないでもない。
――やっぱり、お札系の種類を充実させたほうがいいかなぁ……?
コレは、要検討事項だね。
どうしたもんかと悩みつつ、ベッドの上でうつ伏せになって、お金を数えているのを眺めていたピエリスさんの横に転がり、にぃにが数える姿を眺める。
――なるほど。
こうして見てると、ちょっと面白いかも。
ちょっぴり高い場所からお金を数えているにぃにを見ていると、お耳がピコピコ、シッポがユラユラ揺れたり、まっすぐピンと頭に向かって伸びたりと忙しない。ときどき口の端っこが締まりなく緩むのは、何を考えてるんだろうね?
ところでにぃにのお金の塔はわたしのと違って、銅貨以外のお金もある。
単価が高い商品があったからだと分かるけど、ちょっぴりソレは羨ましい。
こう……重さ的な方向で。
銅貨が三百枚って、結構重いんだもの。
最終的に、にぃにの塔は、大銅貨が二つと銅貨が十六個。あとは銀貨二枚に大銅貨が四枚と銅貨が一枚で――銅貨なら六百一枚分だ。
高額商品があったとはいえ、昨日の売上の三倍超えだから大したものだと思います。
ちなみに、お高かったのはDランクのショートソードで、単価が銅貨で百十三枚。
一般的にはCランクのものが作れるようになると一人前扱いになるそうなので、露店の売り物としては、なかなか際どいランクで攻めてる気がする。
実際、製作者を紹介しろって人が何人かいたし……クリナムさんが、適当にいなしてくれたけど。
「――んで、二日間、露店出してみてどーだった?」
なんだかやりきった気持ちで、にぃにとクリナムさんとハイタッチをしていたら、ピエリスさんからそんな質問が飛んでくる。
――どうだった……?
改めて聞かれると、どうなんだろうと首を傾げて考える。
お金を稼ぐ手段としては、正直、ビミョー……
お札だけを売った場合のことも考えるなら、売れた金額は銅貨七十二枚分。お宿の代金が銅貨で五十枚だから……ちょっと、ずっと泊まるためには収入的に不安がある。
クリナムさんという保護者付きでやってることを考えると、二人分の宿泊費用にプラスα稼げないとダメだろう。
「正直、かなり微妙」
「あれ? フェリシアちゃんは、チーズ売ってウハウハだったっしょ」
キョトン顔で聞き返され、首を振る。
「チーズは、露店よりも食料品店や食事を出すお宿に卸したほうが楽だと思う。楽しいけど、時間がちょっともったいない。練習で作ったお札が売れるのは助かるから、溜まってきた頃にやるのはいいかも」
むしろ、お札を売って生活するなら、魔道具屋さんに卸すのが面倒もなくて現実的か。
食料品と同じだね。
「なるほど。グーちゃんは?」
「毎日、Dランクの短剣が六本ずつ売れるなら、悪くもない気がするけど――現実的に考えるとムリだよね。露店は、たまに気分転換程度にやるのがいいと思う。でも、自分の作ったものを買った人が嬉しそうにしてるの見れるのは楽しいから……たまにはやりたい」
にぃにの感想は、わたしと同じようでいながらちょっと違う。
お金を稼ぐ手段としては微妙って部分は一緒だけど、露店そのものは楽しいらしい。
――わたしとしては、露店を出してる時間になにか作りたいんだよね。
なにはともあれ、ピエリスさん的にはわたし達のこの答えはある程度想像がついていたみたいで、「だよね~」とドヤ顔で頷いてる。
「んじゃさ、明日は斡旋所でお仕事請けてみよっか」
「「斡旋所?」」
「ん。魔獣狩りや採集、町中の雑用などなど。色んな仕事をしょーかいしてくれるんよ。グーちゃんなんか、そろそろ体動かしたいっしょ?」
狩りのお仕事を請けようと言われて、にぃにのお耳がピンとなる。
明日は町の外に出て、狩りのお仕事をすることになるっぽい。
「あ――フェリシアちゃんは、従魔禁止っ!」
「ええ~っ!」
「同年代の普通っぽい狩りって縛りでヨロシク♪」
そんな縛りプレイ、面倒なだけだと思いますっ!
日が陰る前にお宿に戻ったわたし達は、期待にシッポを揺らしつつ売上金を数えはじめる。
「いっちまーい、にーまい、さっんまっい、よっんまっい、ご~まっい――」
にぃにと二人、床に敷いた毛皮の上に腹ばいになって一枚一枚積み上げて、十枚になったら次の塔。くっつけて並べたものが縦に十個並んだら、少しだけ間を空けてまた最初から数えてく。
最初は声に出して数えていたけど、だんだんとめんどくさくなってきて、今では無言だ。わたしの売り物は、銅貨ばっかりなので、声に出して数えるのは結構大変。
「――ずいぶんと売れたな」
わたしの積んだ銅貨の塔の列が、三つ目になったところでクリナムさんが呟いた。
売上銅貨は、あと少し。
塔を二つ積み上げたら、残った銅貨はあと四枚。
「わたしの分は、三百二十四枚っ!」
昨日の銅貨五十一枚とくらべて大幅に売上が増加したので、起き上がりつつ万歳三唱。
これは、単価が銅貨九枚のチーズを三十個を売り切った上で、劣化遅延のお札を九セットと冷却のお札を十五セット売った成果だねっ!
ただ、チーズに関しては仕入れのない商品だというのもあって、ちょっと反則のような気がしないでもない。
――やっぱり、お札系の種類を充実させたほうがいいかなぁ……?
コレは、要検討事項だね。
どうしたもんかと悩みつつ、ベッドの上でうつ伏せになって、お金を数えているのを眺めていたピエリスさんの横に転がり、にぃにが数える姿を眺める。
――なるほど。
こうして見てると、ちょっと面白いかも。
ちょっぴり高い場所からお金を数えているにぃにを見ていると、お耳がピコピコ、シッポがユラユラ揺れたり、まっすぐピンと頭に向かって伸びたりと忙しない。ときどき口の端っこが締まりなく緩むのは、何を考えてるんだろうね?
ところでにぃにのお金の塔はわたしのと違って、銅貨以外のお金もある。
単価が高い商品があったからだと分かるけど、ちょっぴりソレは羨ましい。
こう……重さ的な方向で。
銅貨が三百枚って、結構重いんだもの。
最終的に、にぃにの塔は、大銅貨が二つと銅貨が十六個。あとは銀貨二枚に大銅貨が四枚と銅貨が一枚で――銅貨なら六百一枚分だ。
高額商品があったとはいえ、昨日の売上の三倍超えだから大したものだと思います。
ちなみに、お高かったのはDランクのショートソードで、単価が銅貨で百十三枚。
一般的にはCランクのものが作れるようになると一人前扱いになるそうなので、露店の売り物としては、なかなか際どいランクで攻めてる気がする。
実際、製作者を紹介しろって人が何人かいたし……クリナムさんが、適当にいなしてくれたけど。
「――んで、二日間、露店出してみてどーだった?」
なんだかやりきった気持ちで、にぃにとクリナムさんとハイタッチをしていたら、ピエリスさんからそんな質問が飛んでくる。
――どうだった……?
改めて聞かれると、どうなんだろうと首を傾げて考える。
お金を稼ぐ手段としては、正直、ビミョー……
お札だけを売った場合のことも考えるなら、売れた金額は銅貨七十二枚分。お宿の代金が銅貨で五十枚だから……ちょっと、ずっと泊まるためには収入的に不安がある。
クリナムさんという保護者付きでやってることを考えると、二人分の宿泊費用にプラスα稼げないとダメだろう。
「正直、かなり微妙」
「あれ? フェリシアちゃんは、チーズ売ってウハウハだったっしょ」
キョトン顔で聞き返され、首を振る。
「チーズは、露店よりも食料品店や食事を出すお宿に卸したほうが楽だと思う。楽しいけど、時間がちょっともったいない。練習で作ったお札が売れるのは助かるから、溜まってきた頃にやるのはいいかも」
むしろ、お札を売って生活するなら、魔道具屋さんに卸すのが面倒もなくて現実的か。
食料品と同じだね。
「なるほど。グーちゃんは?」
「毎日、Dランクの短剣が六本ずつ売れるなら、悪くもない気がするけど――現実的に考えるとムリだよね。露店は、たまに気分転換程度にやるのがいいと思う。でも、自分の作ったものを買った人が嬉しそうにしてるの見れるのは楽しいから……たまにはやりたい」
にぃにの感想は、わたしと同じようでいながらちょっと違う。
お金を稼ぐ手段としては微妙って部分は一緒だけど、露店そのものは楽しいらしい。
――わたしとしては、露店を出してる時間になにか作りたいんだよね。
なにはともあれ、ピエリスさん的にはわたし達のこの答えはある程度想像がついていたみたいで、「だよね~」とドヤ顔で頷いてる。
「んじゃさ、明日は斡旋所でお仕事請けてみよっか」
「「斡旋所?」」
「ん。魔獣狩りや採集、町中の雑用などなど。色んな仕事をしょーかいしてくれるんよ。グーちゃんなんか、そろそろ体動かしたいっしょ?」
狩りのお仕事を請けようと言われて、にぃにのお耳がピンとなる。
明日は町の外に出て、狩りのお仕事をすることになるっぽい。
「あ――フェリシアちゃんは、従魔禁止っ!」
「ええ~っ!」
「同年代の普通っぽい狩りって縛りでヨロシク♪」
そんな縛りプレイ、面倒なだけだと思いますっ!
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