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トレルリ神民国~魔道具師のたまご~
ソレはない
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お宿に戻ると、早速わたしは『彫金』スキルを取得した。
手に入れたばっかりのスキルは、なんだか嬉しくて、ワクワクするよね。せっかくなので、一時間ほど銅板にお花を彫って楽しんでから、リアーナちゃんに多めに作るように言われた『冷却』のお札を作り足す。
「フェリシア。そろそろ寝ようよ」
「うにゅ? もう、そんな時間?」
「うん。ピエリスに頼まれたのは出来上がったし……僕は、そろそろ眠い」
言いながら、途中でにぃにの口から大きな欠伸が飛び出した。
つられてわたしも、ふわわわわ~。
「ん……寝る」
あくびが出たら、とたんに眠気を感じる。
目元を手の甲で拭いつつ、お道具を片付け寝室へと向かう。
「ピエリスさんに、何、頼まれてたの?」
二人そろっておふとんに潜り込み、いつものポジションに落ち着いたところで「そういえば」と、気になったことを訊ねる。にぃには、ピエリスさんに何を頼まれてたんだろうね?
「蛇に襲われたときに、剣、折れたでしょ。代用品を作って渡して調整してたんだけど、ゴーサインが出たから本番のを作ってた」
「……そっか」
蛇って、危うくわたしとピエリスさんが死にかけた、ベアイーターのことか……
ピエリスさんの体がグニャグニャになってたくらいだし、そりゃあ剣も折れてただろう。自分は獣魔師だと言いながら、剣士としても強い(と思う)ピエリスさんなので、武具にはこだわりもあるよね。
オーダーメイドも納得です。
「ピエリスの依頼品を渡したら、赤字生活は終了」
「ナントっ」
「露店で売るなら、Cランク以上はつくらない方がいいっぽいしね。卸値で売る代わりに、Aランクを作ったらピエリスが適当な店に売りにいってくれることになってるんだ」
「ほうほう」
なんかにぃには、お金を稼ぐ方法を思った以上にきちんと考えているらしい。
「むぅう……。わたし、魔道具師では稼げてないのになぁ……」
「それは、『もったいない』って言って低ランクで量産した素材をチマチマ使ってるせいでしょ。フェリシアの場合、別に魔道具師にこだわる必要もないんだから楽しんでるならいいと思うけど」
「……まあ、そうだね。それなりに楽しい」
――うん。
そうだね、楽しい。
この町に来てから本格的に作り始めた魔道具のおかげで、わりと充実した日を過ごしてると思う。
人に教えるなんて初めての経験だけど、サロ君に教えながら作業するのも悪くない。
「フェリシアはさ、この町に住みたい?」
「ええ~? やだよ」
なんでにぃにがそんなことを言い出したのか知らんけど、ソレはない。
「だって、町を出られないなんてつまんない」
わたしだってホントは、町に閉じこもってなんていないで、にぃに達と一緒に森に出かけたいのだ。結構、ガマンしてるんですよ?
町の中ですごすのも悪くないけど、森にも入りたい。
「それに、ねぇ――」
言いかけたところで、大きな欠伸。
欠伸ついでに目が閉じて、そのまま重くて開けられない。
――わたし、もっと、色んな物や場所を見て歩きたいと思ってるんですよ?
にぃにと一緒に。
って、キチンと言えたかわからないけど、頭をワシャワシャ撫でられたので、安心して眠りに落ちた。
手に入れたばっかりのスキルは、なんだか嬉しくて、ワクワクするよね。せっかくなので、一時間ほど銅板にお花を彫って楽しんでから、リアーナちゃんに多めに作るように言われた『冷却』のお札を作り足す。
「フェリシア。そろそろ寝ようよ」
「うにゅ? もう、そんな時間?」
「うん。ピエリスに頼まれたのは出来上がったし……僕は、そろそろ眠い」
言いながら、途中でにぃにの口から大きな欠伸が飛び出した。
つられてわたしも、ふわわわわ~。
「ん……寝る」
あくびが出たら、とたんに眠気を感じる。
目元を手の甲で拭いつつ、お道具を片付け寝室へと向かう。
「ピエリスさんに、何、頼まれてたの?」
二人そろっておふとんに潜り込み、いつものポジションに落ち着いたところで「そういえば」と、気になったことを訊ねる。にぃには、ピエリスさんに何を頼まれてたんだろうね?
「蛇に襲われたときに、剣、折れたでしょ。代用品を作って渡して調整してたんだけど、ゴーサインが出たから本番のを作ってた」
「……そっか」
蛇って、危うくわたしとピエリスさんが死にかけた、ベアイーターのことか……
ピエリスさんの体がグニャグニャになってたくらいだし、そりゃあ剣も折れてただろう。自分は獣魔師だと言いながら、剣士としても強い(と思う)ピエリスさんなので、武具にはこだわりもあるよね。
オーダーメイドも納得です。
「ピエリスの依頼品を渡したら、赤字生活は終了」
「ナントっ」
「露店で売るなら、Cランク以上はつくらない方がいいっぽいしね。卸値で売る代わりに、Aランクを作ったらピエリスが適当な店に売りにいってくれることになってるんだ」
「ほうほう」
なんかにぃには、お金を稼ぐ方法を思った以上にきちんと考えているらしい。
「むぅう……。わたし、魔道具師では稼げてないのになぁ……」
「それは、『もったいない』って言って低ランクで量産した素材をチマチマ使ってるせいでしょ。フェリシアの場合、別に魔道具師にこだわる必要もないんだから楽しんでるならいいと思うけど」
「……まあ、そうだね。それなりに楽しい」
――うん。
そうだね、楽しい。
この町に来てから本格的に作り始めた魔道具のおかげで、わりと充実した日を過ごしてると思う。
人に教えるなんて初めての経験だけど、サロ君に教えながら作業するのも悪くない。
「フェリシアはさ、この町に住みたい?」
「ええ~? やだよ」
なんでにぃにがそんなことを言い出したのか知らんけど、ソレはない。
「だって、町を出られないなんてつまんない」
わたしだってホントは、町に閉じこもってなんていないで、にぃに達と一緒に森に出かけたいのだ。結構、ガマンしてるんですよ?
町の中ですごすのも悪くないけど、森にも入りたい。
「それに、ねぇ――」
言いかけたところで、大きな欠伸。
欠伸ついでに目が閉じて、そのまま重くて開けられない。
――わたし、もっと、色んな物や場所を見て歩きたいと思ってるんですよ?
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