一番悪いのは誰

jun

文字の大きさ
15 / 36

義父からの手紙

しおりを挟む


ローズ様達の協力を得て、大量の魔石を手に入れる事が出来た。
そして、妃殿下に付けさせてとローズ様の聖力を込めた魔石の付いた指輪を渡された。

「これを付けていれば妃殿下は力を使う事は出来ないわ。
イヴァン様も付けていれば間違いないわね。
後は魔石を置けば、王宮の中は浄化されるからもう大丈夫だと思うわ。
どうか気をつけて。魅了などを使う人は根本的に自分の事しか考えていないわ。
力が使えないとなった時に何をするか分からないと思うの。
皆さん、本当にお気をつけて。」

そう言って俺達を送り出してくれた。

それからは宿にも泊まらず休憩を挟みながら、一刻も早く帰ろうと急いだ。

そして深夜に城に着くと、俺達は陛下に謁見を申し入れ、陛下に報告した。

深夜の今、すぐに手分けして魔石を配置しろと命を受け、城内の地図を見ながら魔石の配置場所を決め、近衛騎士総出で魔石を見つからない場所に置いた。

朝までかかったが、なんとか置く事が出来た。

そして、俺、アルベルト、ロジーニ、パウロ、陛下、王妃様、ジーノ様、フェデリカ様にも魔石を持たせる事にし、やっと一息つけた。

自分の執務室に戻り、ソファにドサっと座ると知らずに眠ってしまった。

「ファビオ!ファビオ、起きろ!ファビオ!」

パウロが俺を揺り起こした。

「なんだ、パウロ。何かあったのか?」

「城内で変な噂が流れてる。お前とフェデリカ様の噂が流れてるんだよ!」

「フェデリカ様と?何の噂だ?」

「お前とフェデリカ様が出来てるって話しだよ!さっきメイド達から聞いた。
街にまで流れてるらしいぞ!」

「ハア⁉︎なんで⁉︎俺とフェデリカ様なんて最近だぞ、話したのは⁉︎
二人きりにもなった事はないし!」

「知らんが、急にだ!あの女がオルドニ家から一人男を呼んだ後からだ。何かやったんだよ、あの女!」

俺とパウロはイヴァン様の執務室へ急いだ。
イヴァン様は執務室で寝泊まりしているのですぐ話しが出来た。

「堕ちないお前と邪魔なフェデリカを一片に片付けようと思ったんだろう。
ファビオ、奥さん大丈夫なのか?心配してるんじゃないか?」

そうだ。しばらく帰っていない俺の噂を聞いたらローラを悲しませてしまう。

「帰ります!」

「ああ、その方が良い。」

そして、俺は久しぶりに自分の屋敷にようやく帰れる事になった。

そういえば屋敷からの知らせは何も来なかったな。
俺も数回ほどしか手紙を出していないが、返事も来ていない。
人をやり、様子を見てもらったが何の問題もないと報告を受けている。
でもそれも城に来てすぐの頃だ。
それから屋敷からの知らせが何もないのは、ローラが怒っているからなのか?
いや、例え怒っていたとしてもマルコが知らせてくれるだろう。
では何故だ。

まあ帰れば分かるだろう。
久しぶりにローラに会える。
初夜に抱いたきりだ。
可愛いローラ。
寂しい思いをさせてしまった。
もしあのくだらない噂を聞いてしまっていたら、どんなに悲しんでいるだろう…。
一刻も早く帰らなければ!

騎士隊の厩に行き、愛馬に跨り家路を急いだ。
途中、花屋でローラの好きな花を買い、出迎えたローラに渡そう。

俺はローラの事ばかり考えていたから、ここに来るまでにすれ違った者たちの顔など見ていなかったし、コソコソ何かを話している事にも気付かなかった。

屋敷に付き、馬を預かると屋敷に駆け込んで叫んだ。

「ローラ、今帰った!寂しい思いをさせて済まなかった!」

出迎えたのは執事のマルコ。

「おかえりなさいませ、ファビオ様。」

「ああ、なかなか帰れず済まなかった。
ローラは何処にいる?」

「ローラ様は・・・・」

「ローラがどうした?具合が悪いのか?」

急いでローラの部屋に向かうが、誰もいない。

「ローラは何処だ、マルコ!」

「ファビオ様は何故、何の連絡もくれず、私共を城にも入れさせず、面会も拒んでいたのは何故ですか。」

「は⁉︎何の事だ⁉︎」

「何度も連絡は致しました。城にも行きました。ですが返事も来ず、お会いする事も叶わず、街には変な噂が流れ、不安になっているローラ様に知らせもせず、一体何をなさっておいでになったのですか⁉︎」

「待て待て、知らせ?何の事だ、俺に知らせなど来てもいないし、面会の知らせも来ていない。
俺が出した手紙にも返事は来なかったが、手紙が届いていないのか?」

「やはりどなたかに妨害されていたのですね…。
ローラ様のご実家のダンゼン伯爵様にも協力して頂きましたが、そちらの手紙も届いてはいないのですね…」

「何も俺は受け取ってはいない。1週間程国を離れていたが、昨日帰ってきた。
変な噂が流れていると聞いて急ぎ帰ってきた。それよりローラは何処だ!」

「ローラ様は・・・」

「さっきから何なのだ!ローラがどうしたというのだ!」

「ファビオ様、ダンゼン伯爵から手紙を預かっております。
そちらを読んでから説明致します。」

マルコはそう言って手紙を俺に渡した。

「ファビオ様のお部屋に行きましょう」と俺を自室へ連れて行きお茶を入れ、手紙を読むよう促した。

義父上からの手紙を読んだ俺は動く事も話す事もできなかった。


その手紙には、
『ローラは死んだ。』と書かれていた。















しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

2番目の1番【完】

綾崎オトイ
恋愛
結婚して3年目。 騎士である彼は王女様の護衛騎士で、王女様のことを何よりも誰よりも大事にしていて支えていてお護りしている。 それこそが彼の誇りで彼の幸せで、だから、私は彼の1番にはなれない。 王女様には私は勝てない。 結婚3年目の夫に祝われない誕生日に起こった事件で限界がきてしまった彼女と、彼女の存在と献身が当たり前になってしまっていたバカ真面目で忠誠心の厚い騎士の不器用な想いの話。 ※ざまぁ要素は皆無です。旦那様最低、と思われる方いるかもですがそのまま結ばれますので苦手な方はお戻りいただけると嬉しいです 自己満全開の作品で個人の趣味を詰め込んで殴り書きしているため、地雷多めです。苦手な方はそっとお戻りください。 批判・中傷等、作者の執筆意欲削られそうなものは遠慮なく削除させていただきます…

寡黙な貴方は今も彼女を想う

MOMO-tank
恋愛
婚約者以外の女性に夢中になり、婚約者を蔑ろにしたうえ婚約破棄した。 ーーそんな過去を持つ私の旦那様は、今もなお後悔し続け、元婚約者を想っている。 シドニーは王宮で側妃付きの侍女として働く18歳の子爵令嬢。見た目が色っぽいシドニーは文官にしつこくされているところを眼光鋭い年上の騎士に助けられる。その男性とは辺境で騎士として12年、数々の武勲をあげ一代限りの男爵位を授かったクライブ・ノックスだった。二人はこの時を境に会えば挨拶を交わすようになり、いつしか婚約話が持ち上がり結婚する。 言葉少ないながらも彼の優しさに幸せを感じていたある日、クライブの元婚約者で現在は未亡人となった美しく儚げなステラ・コンウォール前伯爵夫人と夜会で再会する。 ※設定はゆるいです。 ※溺愛タグ追加しました。

騎士の妻ではいられない

Rj
恋愛
騎士の娘として育ったリンダは騎士とは結婚しないと決めていた。しかし幼馴染みで騎士のイーサンと結婚したリンダ。結婚した日に新郎は非常召集され、新婦のリンダは結婚を祝う宴に一人残された。二年目の結婚記念日に戻らない夫を待つリンダはもう騎士の妻ではいられないと心を決める。 全23話。 2024/1/29 全体的な加筆修正をしました。話の内容に変わりはありません。 イーサンが主人公の続編『騎士の妻でいてほしい 』(https://www.alphapolis.co.jp/novel/96163257/36727666)があります。

買われた彼を解放しろと言うのなら返品します【完】

綾崎オトイ
恋愛
彼を解放してあげてください!お金で縛り付けるなんて最低です! そう、いきなり目の前の少女に叫ばれたルーナ。 婚約者がこの婚約に不満を感じているのは知っていた。 ルーナにはお金はあるが、婚約者への愛は無い。 その名前だけで黄金と同価値と言われるほどのルーナの家との繋がりを切ってでも愛を選びたいと言うのなら、別に構わなかった。 彼をお金で買ったというのは、まあ事実と言えるだろう。だからルーナは買ってあげた婚約者を返品することにした。 ※勢いだけでざまぁが書きたかっただけの話 ざまぁ要素薄め、恋愛要素も薄め

立派な王太子妃~妃の幸せは誰が考えるのか~

矢野りと
恋愛
ある日王太子妃は夫である王太子の不貞の現場を目撃してしまう。愛している夫の裏切りに傷つきながらも、やり直したいと周りに助言を求めるが‥‥。 隠れて不貞を続ける夫を見続けていくうちに壊れていく妻。 周りが気づいた時は何もかも手遅れだった…。 ※設定はゆるいです。

番を辞めますさようなら

京佳
恋愛
番である婚約者に冷遇され続けた私は彼の裏切りを目撃した。心が壊れた私は彼の番で居続ける事を放棄した。私ではなく別の人と幸せになって下さい。さようなら… 愛されなかった番。後悔ざまぁ。すれ違いエンド。ゆるゆる設定。 ※沢山のお気に入り&いいねをありがとうございます。感謝感謝♡

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

【完結】愛していないと王子が言った

miniko
恋愛
王子の婚約者であるリリアナは、大好きな彼が「リリアナの事など愛していない」と言っているのを、偶然立ち聞きしてしまう。 「こんな気持ちになるならば、恋など知りたくはなかったのに・・・」 ショックを受けたリリアナは、王子と距離を置こうとするのだが、なかなか上手くいかず・・・。 ※合わない場合はそっ閉じお願いします。 ※感想欄、ネタバレ有りの振り分けをしていないので、本編未読の方は自己責任で閲覧お願いします。

処理中です...