The Cross Bond Side Story

夜桜一献

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The Cross Bond Side Story Ⅱ

第八話

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攻撃が効いたのか、青い血を撒き散らして悲鳴をあげている。それから急に地面に倒れて動かなくなった。

【目標の沈黙を確認。指示を】

【陰陽師がそちらに向かっている。各々ぞれまで待機。気は緩めるな。何が起こるかわからん】

【了解】

「倒したんですよね?」

絵美の質問に近くにいた秋山が答える。

「気は抜かないで。妖怪っていうのはね、強い奴は幾ら銀の弾を食らっても死なない奴もいるのよ。この世の生物とは思わない事ね」

「詳しいんですね」

「・・・貴女よりはね」

何かを思い出した様に、秋山は真剣な顔で化け物を銃口に捉える。遠藤が無線で連絡を入れると、一番前に立っている白木が生唾を飲んで、一歩近づいた。以前にも化け物を見た事はあるが、これ程の異形の物は見た事がない。少し近くで見てみたいという興味が、化け物との距離を縮めた。爬虫類のような滑らかな皮膚、無数の傷から青い血が流れているのが分かる。

「おい、迂闊に近付くな!!」

「大丈夫ですって」

化け物から目を話して会話した瞬間、化け物が白木の背後に回り、人質に取った。銃を扱い白木の頭に銃口を向ける。

「嘘だろ!?」

白木は銃を落として降参の意志を示す。

「言わんこっちゃない!!」

遠藤は心の中で顔を手で覆い被せながら、銃口を向けると、その場の全員が同じ行動を取った。しかし一斉射撃すれば白木の命はない。膠着状態に陥ったが、光の鎖が急に現れて銃を絡めとり、化け物から引き剥がした。白木も大猿に抱えられて化け物から離される。

「皆さん、大丈夫ですか!!後は我々が処理しますので撤退を!!」

八坂と小波もそれぞれ札と小太刀を構えており、式神の大猿を八坂が操っている。化け物も突然現れた新手を脅威に感じたのか、忌々しい目をさせた後、森の中を駆け抜けていく。その後を、大猿と八坂、小波が追いかけていく。

【状況を報告せよ】

【目標、沈黙ならず。また、隊員一人を人質に取られたものの、陰陽師の協力によって救出。目標は未だ健在で逃走中。我々も追走しますか?】

【後は陰陽師に任せて、A班の状況を確認せよ】

【・・・了解】

それからの捜索でA班は全滅している事が判明。銃の試し撃ちを行った後が見受けられ、遺体には被弾した後が残っていて、悲惨な状態で発見された。遠藤達が森から帰って一夜が明けると、あの化け物がネットやテレビで、人を殺めた未知の生物として存在が拡散されていた。

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