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The killer of paranoid Ⅲ
第五話
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優里は数日後、海人を呼び出して経過を報告した。完全にカリスマへの没入を止めて今は悔い改めている事を告げると、彼もほっと胸を撫で下ろしている様子だった。駅前のカフェで二人コーヒーとジュースを注文し、ケーキを頬張ると改めて優里は尋ねる。
「それで、海人君の力って結局、何なの?催眠術っぽくはなかったけど」
「いや、聞かない方がいいんじゃないかな」
海人はそう断ろうとするが、優里の耳に別の声が聞こえた。
「いえ、ここは協力者として手伝ってもらいましょう。人手が必要ですし」
ぎょっと優里が顔を声の聞こえた方角に向けると、パタパタとあの日見た物体が浮かんでいる。思わずビックリして優里は仰け反った。
「海人君、何かいるんだけど?」
「初めまして、ハクと申します。夢の世界の住人でして。この度は貴方に折り入ってお願いがあって参りました」
丁寧にお辞儀して、ハクと呼ばれた物体は事情を説明し始めた。海人の妹の姫の事、彼女に課せられた死神の死刑宣告日を回避する為の方法。その為には思いの力を集めなければならない事。一通り説明を受け、優里は二つ返事で協力を申し出た。自分が救われた事をするだけなら簡単だし、救ってくれた彼に恩返しもしたいと思ったからでもある。その日の夜、二人は改めてハクの説明を受けた。ハクが人間の夢の中に入り、種を撒いて妄執をしやすくする。大きく育った感情は人間の頭上に浮かび上がりそれを吸収し集めて回収、最終的に彼女の妹に与え、彼女の生きる意思の増幅を図り、死神を退ける。期限は3月中旬頃。まだ時間はある。そして二人はハクに力を分け与え、海人は怪盗として、優里は魔女のイメージを意識する。怪盗はタキシードにマントを翻し、ステッキを手に持ち、笑みを浮かべたお面を着用している。魔女はカボチャのジャックランタンをイメージし、マントと手には鎌と鉄製のランプを掲げ、中は火を灯っており周囲を照らす。二人はその日を境に、街を徘徊する者として活動を始めた。
「それで、海人君の力って結局、何なの?催眠術っぽくはなかったけど」
「いや、聞かない方がいいんじゃないかな」
海人はそう断ろうとするが、優里の耳に別の声が聞こえた。
「いえ、ここは協力者として手伝ってもらいましょう。人手が必要ですし」
ぎょっと優里が顔を声の聞こえた方角に向けると、パタパタとあの日見た物体が浮かんでいる。思わずビックリして優里は仰け反った。
「海人君、何かいるんだけど?」
「初めまして、ハクと申します。夢の世界の住人でして。この度は貴方に折り入ってお願いがあって参りました」
丁寧にお辞儀して、ハクと呼ばれた物体は事情を説明し始めた。海人の妹の姫の事、彼女に課せられた死神の死刑宣告日を回避する為の方法。その為には思いの力を集めなければならない事。一通り説明を受け、優里は二つ返事で協力を申し出た。自分が救われた事をするだけなら簡単だし、救ってくれた彼に恩返しもしたいと思ったからでもある。その日の夜、二人は改めてハクの説明を受けた。ハクが人間の夢の中に入り、種を撒いて妄執をしやすくする。大きく育った感情は人間の頭上に浮かび上がりそれを吸収し集めて回収、最終的に彼女の妹に与え、彼女の生きる意思の増幅を図り、死神を退ける。期限は3月中旬頃。まだ時間はある。そして二人はハクに力を分け与え、海人は怪盗として、優里は魔女のイメージを意識する。怪盗はタキシードにマントを翻し、ステッキを手に持ち、笑みを浮かべたお面を着用している。魔女はカボチャのジャックランタンをイメージし、マントと手には鎌と鉄製のランプを掲げ、中は火を灯っており周囲を照らす。二人はその日を境に、街を徘徊する者として活動を始めた。
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