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The killer of paranoid Ⅳ
第十話
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顔を真っ赤にして、鼻息は荒く怒りの形相を優理に見せている。真剣な眼差しで嘘をついている様には見えない。
「えーっと、じゃあ誤解だった訳ですよね?」
「そうだ」
「それはそれとして、先生が女生徒に暴力って如何なものかなって思うんですけど」
「暴力?これが暴力に見えるのか!?」
どう見ても暴力にしか見えない。それでも会話が成り立つと信じて聞き返す。
「暴力でなければ何なの?」
「ーーーーーー体罰だ!!皆昔こうやって社会の厳しさを知ったんだ!!!」
青鬼が、女生徒を殴り始める。後ろの生徒が、先生に訴えた。
「先生!!私たち先生の事信じてますから!!だからもうこんな事は止めて下さい!!」
「嘘つけ!!構添(かまぞえ)、知ってんだぞお前が昼飯時にベラベラ何喋ってたか。俺の事で大爆笑してた時あったなぁ。3日前の昼だぞ、覚えてるよなぁ。お陰で俺は子供に会えなくなっちゃったんだよ。どう責任取ってくれるんだああ!?」
今度は、捕らえている女生徒の腹部に蹴りを入れる。思わず優理の髪が逆立った。
「そうですか、じゃあ私が行う事も正当化されますよね」
「ていうか、前置きが長いよ。普通の状態じゃないんだから問答無用で叩くべきだって」
そう言って、海人は青鬼にステッキを振りかざした。青鬼の体がゴムで拘束されて身動きがとれなくなってもがいている。優理が持っていた鎌で一刀両断にする。
「くそう、これでは無理か・・・なら・・がッ・」
窓を見るとグラウンドに大きな樹木が急成長を遂げて、木の幹が学校全体を侵食し始める。その木の中から、細長い蜘蛛の様な化け物が出現する。直ぐ様糸を吐き出して学校全体に巣を張り巡らせた。糸を辿って蜘蛛が教室の前までくると怒りを露にして威嚇する。
「まだだ!!俺の怒りはこんなものでは収まらん!!こいつらを食らい尽くせ!!」
「良いね、あいつは中々大きい獲物だし僕がやるよ。君は生徒を守ってなよ」
糸を吐き出して海人の動きを止められる。蜘蛛は槍に貫かれたまま、海人の所まで突進して学校の壁を上って進んでいく。
「何が守ってなよ。んっとに大した事ないんだから!!カッコだけ良くなっても意味ないってば」
優理も、蜘蛛が吐き出した糸をランタンで焼き、サポートに回った。
「耳が痛いね」
動けるようになった海人が、飛んで槍に蹴りを食らわせ、更に深々と押し込んだ。そのまま、再度地面に向かって一緒に落ちて自重を掛けて地面に落とす。槍の上に立って海人は手を翳して蜘蛛をキューブ化する。かなり大きい四角いキューブが出来上がる。その瞬間、世界は崩壊して現実の世界へと戻った。二人は女生徒複数名と教師が全員倒れているテニスコートから離脱して、変身を解いて残っている先生を呼びに行き、救急車を呼ぶ事態となった。救助を先生に任せて二人は、すっかり夜も更けた校門で二人で並び立つ。
「結局、居なくなった生徒は戻ってないけど、しょうがないよね」
「要はさ、明日告白させれば言い訳じゃん」
「・・・僕にメリットないんだけどな、それ」
消去法で巻き込んだ主犯が優理の友人でほぼ間違いない。二人で、帰ろうかと一歩を踏み出した時、自転車の鳴る音が後ろから聞こえた。
「ツイてないなぁ、道具を学校に置き忘れて戻る羽目になるなんて・・・」
少年は、雨も降っていないのに、黄色いレインコートを羽織っていて、ぶつぶつと何か喋っている。そのまま二人を自転車で抜き去ったが二人は息を呑んで、彼のその頭上にある少年の願望を見る。巨大な化け物が今にも動き出しそうに鼓動している。一言も喋らず、優理は止めようと首を横に振る。しかし海人は彼女の視線を無視して彼を追いかける決意を固めた。
「えーっと、じゃあ誤解だった訳ですよね?」
「そうだ」
「それはそれとして、先生が女生徒に暴力って如何なものかなって思うんですけど」
「暴力?これが暴力に見えるのか!?」
どう見ても暴力にしか見えない。それでも会話が成り立つと信じて聞き返す。
「暴力でなければ何なの?」
「ーーーーーー体罰だ!!皆昔こうやって社会の厳しさを知ったんだ!!!」
青鬼が、女生徒を殴り始める。後ろの生徒が、先生に訴えた。
「先生!!私たち先生の事信じてますから!!だからもうこんな事は止めて下さい!!」
「嘘つけ!!構添(かまぞえ)、知ってんだぞお前が昼飯時にベラベラ何喋ってたか。俺の事で大爆笑してた時あったなぁ。3日前の昼だぞ、覚えてるよなぁ。お陰で俺は子供に会えなくなっちゃったんだよ。どう責任取ってくれるんだああ!?」
今度は、捕らえている女生徒の腹部に蹴りを入れる。思わず優理の髪が逆立った。
「そうですか、じゃあ私が行う事も正当化されますよね」
「ていうか、前置きが長いよ。普通の状態じゃないんだから問答無用で叩くべきだって」
そう言って、海人は青鬼にステッキを振りかざした。青鬼の体がゴムで拘束されて身動きがとれなくなってもがいている。優理が持っていた鎌で一刀両断にする。
「くそう、これでは無理か・・・なら・・がッ・」
窓を見るとグラウンドに大きな樹木が急成長を遂げて、木の幹が学校全体を侵食し始める。その木の中から、細長い蜘蛛の様な化け物が出現する。直ぐ様糸を吐き出して学校全体に巣を張り巡らせた。糸を辿って蜘蛛が教室の前までくると怒りを露にして威嚇する。
「まだだ!!俺の怒りはこんなものでは収まらん!!こいつらを食らい尽くせ!!」
「良いね、あいつは中々大きい獲物だし僕がやるよ。君は生徒を守ってなよ」
糸を吐き出して海人の動きを止められる。蜘蛛は槍に貫かれたまま、海人の所まで突進して学校の壁を上って進んでいく。
「何が守ってなよ。んっとに大した事ないんだから!!カッコだけ良くなっても意味ないってば」
優理も、蜘蛛が吐き出した糸をランタンで焼き、サポートに回った。
「耳が痛いね」
動けるようになった海人が、飛んで槍に蹴りを食らわせ、更に深々と押し込んだ。そのまま、再度地面に向かって一緒に落ちて自重を掛けて地面に落とす。槍の上に立って海人は手を翳して蜘蛛をキューブ化する。かなり大きい四角いキューブが出来上がる。その瞬間、世界は崩壊して現実の世界へと戻った。二人は女生徒複数名と教師が全員倒れているテニスコートから離脱して、変身を解いて残っている先生を呼びに行き、救急車を呼ぶ事態となった。救助を先生に任せて二人は、すっかり夜も更けた校門で二人で並び立つ。
「結局、居なくなった生徒は戻ってないけど、しょうがないよね」
「要はさ、明日告白させれば言い訳じゃん」
「・・・僕にメリットないんだけどな、それ」
消去法で巻き込んだ主犯が優理の友人でほぼ間違いない。二人で、帰ろうかと一歩を踏み出した時、自転車の鳴る音が後ろから聞こえた。
「ツイてないなぁ、道具を学校に置き忘れて戻る羽目になるなんて・・・」
少年は、雨も降っていないのに、黄色いレインコートを羽織っていて、ぶつぶつと何か喋っている。そのまま二人を自転車で抜き去ったが二人は息を呑んで、彼のその頭上にある少年の願望を見る。巨大な化け物が今にも動き出しそうに鼓動している。一言も喋らず、優理は止めようと首を横に振る。しかし海人は彼女の視線を無視して彼を追いかける決意を固めた。
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