205 / 246
The killer of paranoid Ⅷ
第一話
しおりを挟む
病室にて海人、夏樹、優理、霞がベッドに仰向けで全員静かに眠っている。京子は携帯で状況を報告しながら彼等の進展を待っていた。側には椅子に腰掛ける浦美と、立って腕を組んでいる一人の女性が居り無防備な彼女達を護衛する為に呼び出された退魔師の大人組の一人。巫女服の恰好でこの場に来ており場違い感は否めない。
「それで、私が必要な理由をお伺いしても?夢に入って手助けも出来ませんし本当に見守る事くらいしか出来そうにないと思うのですが」
女性が京子に尋ねる。何かあるのではないかと睨んでいる様子。
「問題は彼にあるんですけど、どうも呪術師と関わりがあるみたいなんですよね。状況や関わり方も想像は付くんですが」
京子は自分の体に封じられた禁書の力を思い出す。妹を救う為にこの力が必要だと唆されれば行動に出る可能性は高い。
「呪術師と・・・それが本当ならもっと警護を増やしてもいいのでは?」
「そう思って本部に要請は出しているんですが返事が遅くて」
「何か嫌な感じね。この国が騒々しいというか」
浦美が、何かを感じ取ったのか落ち着かない様子を見せている。
「むず痒いくしゃみみたいに言わないで下さい。国が騒々しいってどう言う意味です?」
丁度、京子の携帯に電話が鳴り響く。相手は本部の人間で見知った相手で市役所の窓口で働く女性。
『京子ちゃん、今どこに?』
暴徒の声、金属音、静まるように声を張り上げる女性等が聞こえてくる。
「病院ですが、何かありました?・・・何やら騒々しいですね」
『市役所が一般人によって強襲されてます!!。他にも京都の市内で暴徒が暴れているとの情報も!!』
「・・・!?」
『至急に戻って・・・』
「それは、困るなぁ。これから色々と段取りを組んでるんだ。君には本部へじゃなく僕等の所に来て貰わないとね」
「ーーーーー不味い!!呪術師よ!!」
浦美が臨戦態勢に入るよりも早く、京子が声の方へ振り向くよりも先に手套で後ろの首に一撃を入れられ、京子は昏倒して携帯を落とす。次いで浦美の方へ黒い球を放り投げるとそれは彼女を飲み込み小さくなった。護衛の女性が術札を槍に変えて一太刀入れるも手にした短刀で槍が細切れにされ、女性の懐に入って斬った槍の先を女性の腹に突き刺した。女性が後ろへ倒れると、黒い装束を着た30代男性の姿が見える。何事でも無かったかのように男は見下している。
「カハッ・・・・・・お前は・・・・・」
「気にしなくて良いよ。どうせ君は死ぬんだしね」
止めを刺すように、槍を足の裏で深く差し込もうとすると
「止めなさい。後で私が怨みを晴らすわよ?」
小さい黒い球から浦美の声が聞こえ、男を静止させる。
「そんな事を僕が気にするとでも?暫くは出て来れないだろうに」
深々と足を踏んで突き刺した。同時に術札の効果が消えて槍の先が消滅し女性の痛々しい悲鳴が聞こえて意識を失う。
「さて、後は少年とこの禁書持ちは貰っていくよ」
どこから現れたのか、サングラスを掛けた坊主の大男が二人の子供を両肩に抱える。目の前の空間が歪んで、男二人はその場から消え失せた。
「それで、私が必要な理由をお伺いしても?夢に入って手助けも出来ませんし本当に見守る事くらいしか出来そうにないと思うのですが」
女性が京子に尋ねる。何かあるのではないかと睨んでいる様子。
「問題は彼にあるんですけど、どうも呪術師と関わりがあるみたいなんですよね。状況や関わり方も想像は付くんですが」
京子は自分の体に封じられた禁書の力を思い出す。妹を救う為にこの力が必要だと唆されれば行動に出る可能性は高い。
「呪術師と・・・それが本当ならもっと警護を増やしてもいいのでは?」
「そう思って本部に要請は出しているんですが返事が遅くて」
「何か嫌な感じね。この国が騒々しいというか」
浦美が、何かを感じ取ったのか落ち着かない様子を見せている。
「むず痒いくしゃみみたいに言わないで下さい。国が騒々しいってどう言う意味です?」
丁度、京子の携帯に電話が鳴り響く。相手は本部の人間で見知った相手で市役所の窓口で働く女性。
『京子ちゃん、今どこに?』
暴徒の声、金属音、静まるように声を張り上げる女性等が聞こえてくる。
「病院ですが、何かありました?・・・何やら騒々しいですね」
『市役所が一般人によって強襲されてます!!。他にも京都の市内で暴徒が暴れているとの情報も!!』
「・・・!?」
『至急に戻って・・・』
「それは、困るなぁ。これから色々と段取りを組んでるんだ。君には本部へじゃなく僕等の所に来て貰わないとね」
「ーーーーー不味い!!呪術師よ!!」
浦美が臨戦態勢に入るよりも早く、京子が声の方へ振り向くよりも先に手套で後ろの首に一撃を入れられ、京子は昏倒して携帯を落とす。次いで浦美の方へ黒い球を放り投げるとそれは彼女を飲み込み小さくなった。護衛の女性が術札を槍に変えて一太刀入れるも手にした短刀で槍が細切れにされ、女性の懐に入って斬った槍の先を女性の腹に突き刺した。女性が後ろへ倒れると、黒い装束を着た30代男性の姿が見える。何事でも無かったかのように男は見下している。
「カハッ・・・・・・お前は・・・・・」
「気にしなくて良いよ。どうせ君は死ぬんだしね」
止めを刺すように、槍を足の裏で深く差し込もうとすると
「止めなさい。後で私が怨みを晴らすわよ?」
小さい黒い球から浦美の声が聞こえ、男を静止させる。
「そんな事を僕が気にするとでも?暫くは出て来れないだろうに」
深々と足を踏んで突き刺した。同時に術札の効果が消えて槍の先が消滅し女性の痛々しい悲鳴が聞こえて意識を失う。
「さて、後は少年とこの禁書持ちは貰っていくよ」
どこから現れたのか、サングラスを掛けた坊主の大男が二人の子供を両肩に抱える。目の前の空間が歪んで、男二人はその場から消え失せた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
72
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる