206 / 246
The killer of paranoid Ⅷ
第二話
しおりを挟む
陰陽庁本部受付のある市役所前に、大勢の市民が集まっている。50人以上は居るだろう老若男女の集団が、ゆらゆらと揺れながら虚ろな目をして歩いている。市庁舎の前の八房星を通り過ぎる人々は集まる人々に怪訝な顔を浮かべた。今日は何かイベントでもあっただろうか。京都マラソンの時期でもないし何かしらの反対運動の抗議にでも来ているのか。はたまた誰かのプロポーズの為に急に踊り出す演出か。ネットで少しばかり疑問に思った少年が短い動画を上げるや否や何が起きるのかと少しネット上で騒がれ現地に向かう野次馬が増えた。
一向に動かない人々に痺れを切らした少年が、動画を撮影しながら問いかける。
「一体、何が始まるんです?」
少年を不敵に笑って、一人の青年が彼の胸倉を掴む。
「・・・え?ああ・・そういう趣向なんすね・・・え?ちょっと・・・」
『テラメアの為にその身を捧げよ!!神の啓示を我は得たり!!』
誰かがそう言うと、少年は殴られ
『ーーーーー我らテラメアの為に!!』
50余名の人々は一斉にそう叫ぶと、周囲の人々に襲い掛かった。それと同時に施設の中へ突入して走り出す暴徒。市役所前には叫び声が響き渡り、役所内に入り込んだ者達は椅子に腰掛けている老人や若者、受付の者達に襲い掛かる。吃驚した職員は暴徒と化した者達を止めに入るが狂暴化していて止まらない。ガラスが割れる音が聞こえて、暴力を受けて血塗れになる男性の姿も見えた。
「何!?あんた達・・・・・・止めて!!」
「テラメアを崇めよ!!!!」
「何言ってるんだ!!・・・こんな事は止めなさい!!」
黒いスーツ服姿の凛とした目をした女性がその場に駆け付けた。女性を押さえつけている男の顔を蹴り上げて、引きがす。次いでトンファーを構えた。廊下から、階段から、陰省庁関係者が現れて黒いスーツの男女と白装束の男性、法被服の者がが暴徒を抑えに入った。
「ーーーーー池島さん!!」
「皆さん、裏へ避難と市民の方に誘導をお願いします。暴徒は我々が鎮圧します」
結衣の目には、頭に浮かぶクリオネの様な一見可愛いらしい存在が、暴徒の頭に浮かんでいるのが見えている。結衣が視線を配るとその場の全員が頷き、ある者は札を飛ばして頭上のクリオネを爆破し、ある者は短刀で切り伏せる。すると糸が切れたかの様に暴徒は気絶して地面に倒れ込んだ。急いで扉を閉めてカギを掛けると次に侵入しようとした暴徒達が扉の前で暴れ始め、ガラスにヒビが入って割れそうになっている。
「拘束して頭上の化け物を排除・・・骨が折れそうね」
「やるしかないだろ」
「こっちから仕掛けるって手もあったんじゃないか?」
「動画で回ってたじゃないですか。先手は無理筋って上の判断でしょう」
「ですね・・・。上花さん大丈夫ですか?。後は我々に任せて避難誘導を」
「はい!!皆さん、宜しくお願いします。皆さん、2階へ避難を!!」
「負傷者を運びます!!手伝って下さい」
「分かりました。医療フロアへ運びます!!」
4月の呪術師の侵入の際、受付の人間が多数殺害された件を重く受けて受付の人間には霊子銃が渡されている。威力は抑えられて非殺傷とはいえ、いざ緊急となった時に使えるかと言われればそうでもなく、机に隠れて安堵した者が大半だった。
一向に動かない人々に痺れを切らした少年が、動画を撮影しながら問いかける。
「一体、何が始まるんです?」
少年を不敵に笑って、一人の青年が彼の胸倉を掴む。
「・・・え?ああ・・そういう趣向なんすね・・・え?ちょっと・・・」
『テラメアの為にその身を捧げよ!!神の啓示を我は得たり!!』
誰かがそう言うと、少年は殴られ
『ーーーーー我らテラメアの為に!!』
50余名の人々は一斉にそう叫ぶと、周囲の人々に襲い掛かった。それと同時に施設の中へ突入して走り出す暴徒。市役所前には叫び声が響き渡り、役所内に入り込んだ者達は椅子に腰掛けている老人や若者、受付の者達に襲い掛かる。吃驚した職員は暴徒と化した者達を止めに入るが狂暴化していて止まらない。ガラスが割れる音が聞こえて、暴力を受けて血塗れになる男性の姿も見えた。
「何!?あんた達・・・・・・止めて!!」
「テラメアを崇めよ!!!!」
「何言ってるんだ!!・・・こんな事は止めなさい!!」
黒いスーツ服姿の凛とした目をした女性がその場に駆け付けた。女性を押さえつけている男の顔を蹴り上げて、引きがす。次いでトンファーを構えた。廊下から、階段から、陰省庁関係者が現れて黒いスーツの男女と白装束の男性、法被服の者がが暴徒を抑えに入った。
「ーーーーー池島さん!!」
「皆さん、裏へ避難と市民の方に誘導をお願いします。暴徒は我々が鎮圧します」
結衣の目には、頭に浮かぶクリオネの様な一見可愛いらしい存在が、暴徒の頭に浮かんでいるのが見えている。結衣が視線を配るとその場の全員が頷き、ある者は札を飛ばして頭上のクリオネを爆破し、ある者は短刀で切り伏せる。すると糸が切れたかの様に暴徒は気絶して地面に倒れ込んだ。急いで扉を閉めてカギを掛けると次に侵入しようとした暴徒達が扉の前で暴れ始め、ガラスにヒビが入って割れそうになっている。
「拘束して頭上の化け物を排除・・・骨が折れそうね」
「やるしかないだろ」
「こっちから仕掛けるって手もあったんじゃないか?」
「動画で回ってたじゃないですか。先手は無理筋って上の判断でしょう」
「ですね・・・。上花さん大丈夫ですか?。後は我々に任せて避難誘導を」
「はい!!皆さん、宜しくお願いします。皆さん、2階へ避難を!!」
「負傷者を運びます!!手伝って下さい」
「分かりました。医療フロアへ運びます!!」
4月の呪術師の侵入の際、受付の人間が多数殺害された件を重く受けて受付の人間には霊子銃が渡されている。威力は抑えられて非殺傷とはいえ、いざ緊急となった時に使えるかと言われればそうでもなく、机に隠れて安堵した者が大半だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
72
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる