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The killer of paranoid Ⅷ
第三十三話
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「なんだぁ、あのお嬢ちゃん達は」
先程、入口から女学生達が数名侵入して青葉の居る方角へと走って行った。可哀想な巻き込まれた者達ではなく確固たる意思を持って進んでいる様に感じられた。ここへ来るなり、騒動の元凶がどこにいるのかと聞いてきた。聞くやいなや、感謝を述べて戦場へと走って行ったのだ。
(理解に苦しむね。俺なら逃げの一択だが)
とはいえ状況が好転しているとも思えない。案外奮戦しているんじゃないかと感心する。呪術捜査官3名のうち、2人の会話も筒抜けで。東京の襲撃、京都の陰陽庁も上手くいっているらしい。青葉の朱雀の撃破まで聞いて、まるで応援している野球のラジオ中継を聞いているかの様に興奮した。
「明野鞍馬、騒ぐな」
「分かったよ、ちょっとくらい良いだろうが」
「こっちへこい」
「なんだ、移動かよ」
呪術捜査官の一人に連れられて、明野は少し歩く。残りの二人は少し離れた場所で話こんでおり気づいていない。呑気な物だと感心する。2人から見えない場所にまで来ると、唐突に捜査官が銃を突き付けた。その顔には怒りが滲んでいる。一発殴られ、地面に顔面が着いた。
「何で脱走しやがった。お陰でうちの一族がまた白い目で見られるんだぞ?何度家の名を汚せば気が済むんだ!!」
「・・・ああ、誰かに似てると思ったら。大きくなったなぁ。姉貴の子供がまさかこんなデカくなってるとは時代の流れを感じるよ」
まさかの甥との対面に明野は気持ちが和らいだ。
「母さんが言ってた通り、クズは生涯治らない。あんたのお陰で退魔師連中からは白い目で見られ退魔師稼業が出来なくなった。唯一呪術捜査官の道を進む事で周囲の摩擦を和らげたが、脈々と続く伝統を捨てるしか道がなかった!!全部あんたのせいだぞ!!」
呪術捜査官を幾人も殺した為か、陰陽省という身内からも明野の家を蔑視する者達が続出したのは言うまでもない。身内に一人でも幹部に登り詰めていれば話も違うだろうが、家柄や格もそう大きくは無いので狭い世間の逆風に転倒せざるを得なかった。
「酷え言い様だな、幸喜君。呪術捜査官も立派な仕事だとおじさん思うがね」
「あんたはここで死ぬべきだ!!俺たち家族の人生を捻じ曲げたあんたを俺は許さない!!」
銃を持つ手が震えている。
「何で俺が呪術師に落ちたか知りたいか?」
「ーーー??」
「生粋のクズだからだよ」
影を伸ばして甥の首を刈る。その事に気づいて残りの二人も駆け付けたが、影で拘束してそのまま首を捻じ曲げる。初めは、遅くに生まれたからと正統になれず、退魔師の仕事をしていくうちに、家の中や周囲の差に嫌気が差した。次に呪術で人を壊すのが面白かった。普通の人間以上の力があるのに使わないのは面白みが無い。というより我慢出来なくなった。青葉という存在に出会えて呪術師としての仕事も幅が広がった。それなりに充実した日々であったと明野は思い出す。
あの日全て奪われるまでは。
甥との邂逅で明野は自分の核を思い出した。あの頃にあったこの世界の成り立ちに対する義憤が明野の中で渦巻く。雷光と炎が昇る戦場に目を向けると明野も確かな意思を持って前へ進んだ。
先程、入口から女学生達が数名侵入して青葉の居る方角へと走って行った。可哀想な巻き込まれた者達ではなく確固たる意思を持って進んでいる様に感じられた。ここへ来るなり、騒動の元凶がどこにいるのかと聞いてきた。聞くやいなや、感謝を述べて戦場へと走って行ったのだ。
(理解に苦しむね。俺なら逃げの一択だが)
とはいえ状況が好転しているとも思えない。案外奮戦しているんじゃないかと感心する。呪術捜査官3名のうち、2人の会話も筒抜けで。東京の襲撃、京都の陰陽庁も上手くいっているらしい。青葉の朱雀の撃破まで聞いて、まるで応援している野球のラジオ中継を聞いているかの様に興奮した。
「明野鞍馬、騒ぐな」
「分かったよ、ちょっとくらい良いだろうが」
「こっちへこい」
「なんだ、移動かよ」
呪術捜査官の一人に連れられて、明野は少し歩く。残りの二人は少し離れた場所で話こんでおり気づいていない。呑気な物だと感心する。2人から見えない場所にまで来ると、唐突に捜査官が銃を突き付けた。その顔には怒りが滲んでいる。一発殴られ、地面に顔面が着いた。
「何で脱走しやがった。お陰でうちの一族がまた白い目で見られるんだぞ?何度家の名を汚せば気が済むんだ!!」
「・・・ああ、誰かに似てると思ったら。大きくなったなぁ。姉貴の子供がまさかこんなデカくなってるとは時代の流れを感じるよ」
まさかの甥との対面に明野は気持ちが和らいだ。
「母さんが言ってた通り、クズは生涯治らない。あんたのお陰で退魔師連中からは白い目で見られ退魔師稼業が出来なくなった。唯一呪術捜査官の道を進む事で周囲の摩擦を和らげたが、脈々と続く伝統を捨てるしか道がなかった!!全部あんたのせいだぞ!!」
呪術捜査官を幾人も殺した為か、陰陽省という身内からも明野の家を蔑視する者達が続出したのは言うまでもない。身内に一人でも幹部に登り詰めていれば話も違うだろうが、家柄や格もそう大きくは無いので狭い世間の逆風に転倒せざるを得なかった。
「酷え言い様だな、幸喜君。呪術捜査官も立派な仕事だとおじさん思うがね」
「あんたはここで死ぬべきだ!!俺たち家族の人生を捻じ曲げたあんたを俺は許さない!!」
銃を持つ手が震えている。
「何で俺が呪術師に落ちたか知りたいか?」
「ーーー??」
「生粋のクズだからだよ」
影を伸ばして甥の首を刈る。その事に気づいて残りの二人も駆け付けたが、影で拘束してそのまま首を捻じ曲げる。初めは、遅くに生まれたからと正統になれず、退魔師の仕事をしていくうちに、家の中や周囲の差に嫌気が差した。次に呪術で人を壊すのが面白かった。普通の人間以上の力があるのに使わないのは面白みが無い。というより我慢出来なくなった。青葉という存在に出会えて呪術師としての仕事も幅が広がった。それなりに充実した日々であったと明野は思い出す。
あの日全て奪われるまでは。
甥との邂逅で明野は自分の核を思い出した。あの頃にあったこの世界の成り立ちに対する義憤が明野の中で渦巻く。雷光と炎が昇る戦場に目を向けると明野も確かな意思を持って前へ進んだ。
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