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The killer of paranoid Ⅷ
第三十九話
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空中には、芦屋道満が乗り移る京子の姿と、呪いを受けて苦痛に顔を歪ませる晴明が対峙している。首より黒い血が流れて、手で抑えるが対処が出来ない。出血多量により、長く意識を保つ事も容易ではない。
「禁書の術式は魂に紐づいとる。お前がさっき京子の魂を潰した言うとったが、自分で自分の目的を消したも同然。お前が手に入れたのは妹の体だけや」
「成程。だが目的はあくまでお前の排除と組織の再編。その為に今回は協力者が大勢いてね」
携帯を取り出して、電話の吉報を受ける
「そっちはどうだい?片付いた頃合いじゃないかな」
「道満貴様!!話が違うじゃないか!!死焔は最強の呪術者達で不死身と言ってたが、一人の男に一瞬で消し炭にされとるじゃないか!!どうなってる!!ああ、もうすぐあの男がここまで来る!!作戦は失敗だ!!」
「ーーーーーーーーーーーーー?」
聞きたい言葉と事実が違う。
今度は指を鳴らして映像を展開する。潜り込ませた同士からの呪術交信で反応があった。笑顔で道満は一声を伝える。
「そっちは終わったようだね、邪魔な政治家は一層出来たかな?」
同士が顔面蒼白で映り込む。
「終わったとも。全員そこに寝て貰っているよ」
時重総理大臣が映り込み、消したかった議員が全員生存している。
「見覚えがあるな。晴明の妹を人質に身体を乗っ取っているのか。流石、稀代の呪術師。しかし君に来て貰って助かった。礼を言うよ咲君に星蘭君」
女性がにこ、と微笑み次に険しい表情に変わる。
「うちの旦那を非番に連れ回すんですもの。このくらいは当然ですわ。所で、清治さん状況はどうなってますの?」
言わねばならない苦痛に清治の表情が曇る。
「・・・京子の魂と共に禁書も消滅。・・・差し当たっての脅威は眼の前に居る奴だけです・・・」
それを聞いて咲も安堵した。不謹慎ではあるが、禁書が手に渡れば状況も違う。
それは日本のみならず、この世界全ての危機となる。咲が予め決めていたサインをジェスチャー。指を一本立てて後は握り閉める。
「君に何の要求があるとも我が国がテロリストに屈する事は無い」
「舐められた物だな!!こちらには禁書が無くとも無限に湧く呪術式があるんだぞ!!」
瞬時に、化け物を抑えていた呪術結界が解除される。
そこには、要となる大悪魔が忽然と姿消していた。
「京都の騒動も鎮圧されたってさっき報告があったわよ。残念ね」
それを見て京都の状況も察して目を大きく見開いた。
「こんな・・・こんな馬鹿な話があってたまるか!!何をした晴明!!せめてお前だけでも冥府へ送ってくれる!」
京子が晴明を攻撃しようとした瞬間、身体が結界に閉じ込められて身動きが取れなくなる。空中に浮遊する少女が道満の眼の前に現れ、静かな怒りを放っていた。和服に身を包んでおり、髪型は長髪に黒髪ではあるが京子の面影は残っている。ゆっくりと晴明の首に触れると、呪いが消滅する。
「お前・・・京子か?」
「うん。心配かけさせてごめんなさい」
「俺こそすまんな。お前の窮地に何も出来んかった。晴明なんぞと言われてもこの様や」
「自分を卑下しないで。お兄ちゃんは安倍晴明なんだから」
「京子ちゃんね?無事で良かったわ。後で話があるけど、今は目を瞑ったげる」
思っきりやっちゃいなさいと映像が途切れた。
「晴明の妹だと!?魂を握りつぶしたのに何故生きている!!」
「分からなくて結構。私の身体で兄を傷つけましたね?絶対にゆるしません!!」
周囲が、歪んで空間が作られる。地面は溶岩が沸き立ち、小さい噴火が繰り返されている。遠い山々からは溶岩が流れており、先程空中に居たはずが別の空間が現れた。道満は身動きが取れず、眼の前の少女に憤る。眼の前に何をしてでも欲しかった太陽が目前にあり、自分の放つ光が松明程度に過ぎない事を嫌でも思い知らされる。
「国家転覆を画策する大悪霊芦屋道満、どうせ、針千本程度では貴方は死にません。私の拵えた大叫喚地獄で貴方を完全に滅します」
「待て!!こいつはオマエの身体だろう!!本当に死んでしまうぞ!!」
「ご安心を」
手を掲げると空中に無数の刀が現れる。360度に渡り、どんどん増えていく。
「結界をすり抜けて、身体に触れた瞬間に消滅します。ですが貴方の魂を削りとる。千本、万本、億本、兆本、貴方が私の身体から消滅するまで」
「やめろおおおおおおおおおおお!!」
「大叫喚針地獄」
手を振り降ろすと、刀が一斉に発射される。無限に思える攻撃の乱打は、閃光となり、超新星爆発の様な衝撃が迸った。
「禁書の術式は魂に紐づいとる。お前がさっき京子の魂を潰した言うとったが、自分で自分の目的を消したも同然。お前が手に入れたのは妹の体だけや」
「成程。だが目的はあくまでお前の排除と組織の再編。その為に今回は協力者が大勢いてね」
携帯を取り出して、電話の吉報を受ける
「そっちはどうだい?片付いた頃合いじゃないかな」
「道満貴様!!話が違うじゃないか!!死焔は最強の呪術者達で不死身と言ってたが、一人の男に一瞬で消し炭にされとるじゃないか!!どうなってる!!ああ、もうすぐあの男がここまで来る!!作戦は失敗だ!!」
「ーーーーーーーーーーーーー?」
聞きたい言葉と事実が違う。
今度は指を鳴らして映像を展開する。潜り込ませた同士からの呪術交信で反応があった。笑顔で道満は一声を伝える。
「そっちは終わったようだね、邪魔な政治家は一層出来たかな?」
同士が顔面蒼白で映り込む。
「終わったとも。全員そこに寝て貰っているよ」
時重総理大臣が映り込み、消したかった議員が全員生存している。
「見覚えがあるな。晴明の妹を人質に身体を乗っ取っているのか。流石、稀代の呪術師。しかし君に来て貰って助かった。礼を言うよ咲君に星蘭君」
女性がにこ、と微笑み次に険しい表情に変わる。
「うちの旦那を非番に連れ回すんですもの。このくらいは当然ですわ。所で、清治さん状況はどうなってますの?」
言わねばならない苦痛に清治の表情が曇る。
「・・・京子の魂と共に禁書も消滅。・・・差し当たっての脅威は眼の前に居る奴だけです・・・」
それを聞いて咲も安堵した。不謹慎ではあるが、禁書が手に渡れば状況も違う。
それは日本のみならず、この世界全ての危機となる。咲が予め決めていたサインをジェスチャー。指を一本立てて後は握り閉める。
「君に何の要求があるとも我が国がテロリストに屈する事は無い」
「舐められた物だな!!こちらには禁書が無くとも無限に湧く呪術式があるんだぞ!!」
瞬時に、化け物を抑えていた呪術結界が解除される。
そこには、要となる大悪魔が忽然と姿消していた。
「京都の騒動も鎮圧されたってさっき報告があったわよ。残念ね」
それを見て京都の状況も察して目を大きく見開いた。
「こんな・・・こんな馬鹿な話があってたまるか!!何をした晴明!!せめてお前だけでも冥府へ送ってくれる!」
京子が晴明を攻撃しようとした瞬間、身体が結界に閉じ込められて身動きが取れなくなる。空中に浮遊する少女が道満の眼の前に現れ、静かな怒りを放っていた。和服に身を包んでおり、髪型は長髪に黒髪ではあるが京子の面影は残っている。ゆっくりと晴明の首に触れると、呪いが消滅する。
「お前・・・京子か?」
「うん。心配かけさせてごめんなさい」
「俺こそすまんな。お前の窮地に何も出来んかった。晴明なんぞと言われてもこの様や」
「自分を卑下しないで。お兄ちゃんは安倍晴明なんだから」
「京子ちゃんね?無事で良かったわ。後で話があるけど、今は目を瞑ったげる」
思っきりやっちゃいなさいと映像が途切れた。
「晴明の妹だと!?魂を握りつぶしたのに何故生きている!!」
「分からなくて結構。私の身体で兄を傷つけましたね?絶対にゆるしません!!」
周囲が、歪んで空間が作られる。地面は溶岩が沸き立ち、小さい噴火が繰り返されている。遠い山々からは溶岩が流れており、先程空中に居たはずが別の空間が現れた。道満は身動きが取れず、眼の前の少女に憤る。眼の前に何をしてでも欲しかった太陽が目前にあり、自分の放つ光が松明程度に過ぎない事を嫌でも思い知らされる。
「国家転覆を画策する大悪霊芦屋道満、どうせ、針千本程度では貴方は死にません。私の拵えた大叫喚地獄で貴方を完全に滅します」
「待て!!こいつはオマエの身体だろう!!本当に死んでしまうぞ!!」
「ご安心を」
手を掲げると空中に無数の刀が現れる。360度に渡り、どんどん増えていく。
「結界をすり抜けて、身体に触れた瞬間に消滅します。ですが貴方の魂を削りとる。千本、万本、億本、兆本、貴方が私の身体から消滅するまで」
「やめろおおおおおおおおおおお!!」
「大叫喚針地獄」
手を振り降ろすと、刀が一斉に発射される。無限に思える攻撃の乱打は、閃光となり、超新星爆発の様な衝撃が迸った。
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