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週末。アイゼン公爵家の本邸。
煌びやかなシャンデリアの下、私は戦場に立っていました。
「……空気が重いですわね」
「すまない。ここには『純粋な善意』というものが一ミリも存在しないんだ」
私の隣で、レオンハルト様が申し訳なさそうに囁きました。
広間には、着飾った紳士淑女たちが五十人ほど集まっています。
彼らは皆、グラスを傾けながら、値踏みするような視線を私に送っていました。
(あれが『スカーレット』か)
(悪役令嬢が、よくもまあ抜け抜けと)
(宰相だか何だか知らないが、所詮は小娘だろう?)
ヒソヒソ話が聞こえてきます。
私の正面には、玉座のような椅子に座る「絶対零度の貴婦人」こと、お義母様(予定)が優雅に扇を揺らしていました。
「さあ、スカーレット嬢。皆様にご挨拶を」
彼女の合図で、ゴングが鳴らされました。
「ごきげんよう、皆様。スカーレット・ヴァレンタインです」
私がカーテシーを披露すると、早速、第一の刺客が進み出てきました。
派手なピンクのドレスを着た、恰幅の良い中年女性です。分家の夫人でしょう。
「あらあら~、ごきげんよう。でも……宰相閣下とお呼びした方がよろしいかしら? それとも『元・婚約破棄された令嬢』様?」
夫人は扇で口元を隠し、嫌な笑い声を上げました。
「それにしても、地味なドレスですこと。アイゼン家の夜会に、そんな古臭いデザインでいらっしゃるなんて。……お金にお困りなの?」
周囲からクスクスと失笑が漏れます。
私が着ているのは、装飾を極限まで削ぎ落とした、ダークネイビーのシンプルなドレスです。
レオンハルト様が怒って踏み出そうとしましたが、私は笑顔で制しました。
「ご指摘ありがとうございます、夫人。……ですが、これは『最新の国家戦略』ですの」
「は? 国家戦略?」
「ええ。現在、国は財政再建の真っ最中です。財政を預かる私が華美なドレスを着ていては、国民に示しがつかないでしょう? これは『質実剛健』こそが新しいトレンドであるという、私からのメッセージなのです」
私は夫人の、宝石でジャラジャラと飾り立てられた首元を見ました。
「それに比べて、夫人は随分と……『景気の良い』格好ですわね。そのネックレス、重すぎて肩こりの原因になりません? 医療費の増大は国の損失ですので、もう少し軽量化されることをお勧めしますわ」
「な、な……っ!」
夫人は顔を真っ赤にして言葉を詰まらせました。
「そ、それに、その色は貴女には似合わなくてよ! もっと可愛らしい色を着たらどうなの!」
「私のパーソナルカラーと、執務室での威厳維持を計算した結果、この色が最適解です。貴女こそ、その年齢でピンクは……いえ、勇気ある選択だと称賛いたします」
「キィィィッ!」
夫人は泡を吹いて倒れそうになりました。
すかさず、第二の刺客が登場します。
今度は、鷲鼻の厳めしい老人でした。アイゼン家の重鎮と呼ばれる叔父上でしょう。
「ふん! 口が減らん小娘だ!」
老人は杖で床を突きました。
「ワシは認めんぞ! 女が政治を行うなど、言語道断! 女は家に入り、夫を支え、子供を産むのが務めだ! レオンハルトの嫁になりたいなら、即刻宰相など辞めて家庭に入れ!」
「叔父上! 時代錯誤も甚だしい!」
レオンハルト様が声を荒げました。
しかし、私は冷ややかに老人を見下ろしました。
「……お言葉ですが、叔父様」
「なんだ!」
「貴方が経営されている『アイゼン貿易商会』。……昨年度の決算報告書、拝見しましたわ」
「っ!?」
老人の顔色がサッと変わりました。
私は一歩近づき、誰にも聞こえない声で囁きました。
「東方諸国からの輸入関税、誤魔化していますよね? 帳簿の『雑費』の項目、異常に膨れ上がっていますが……あれ、裏金の隠し場所でしょう?」
「な、ななな、何を……!」
「私がその気になれば、明日すぐに国税局の査察官を送り込めます。……『女が政治を行うな』と仰るなら、政治権力を使って貴方の脱税を暴くのも控えますが、それでよろしいですか?」
「ひぃっ!」
老人はガタガタと震え出しました。
「い、いや! そ、その……女性の社会進出は素晴らしいことだ! 応援しておるぞ、スカーレット君!」
「ありがとうございます。物分かりの良い親戚を持って、私も鼻が高いです」
私がニッコリ笑うと、老人は脱兎のごとく逃げ出しました。
会場がざわめきます。
「おい、あいつ……叔父上を秒殺したぞ」
「何をしたんだ?」
「関わらない方がいい、目を付けられたら終わるぞ……」
親族たちの視線が、「値踏み」から「恐怖」へと変わっていきます。
その時。
パン、パン、パン。
乾いた拍手の音が響きました。
玉座に座っていたお義母様――エリザベス夫人が、ゆっくりと立ち上がり、こちらへ歩いてきました。
「……見事ですわ」
夫人は、先ほどまでの氷の仮面を少しだけ崩し、口元に微かな笑みを浮かべていました。
「ドレスの件は『国家の品格』という大義名分で黙らせ、叔父の件は『弱み(情報)』を握ってコントロールする。……噂以上の手腕ね」
「お褒めにあずかり光栄です、お義母様」
「ただの生意気な小娘かと思っていましたが、訂正します。貴女は……」
夫人は私の目の前で立ち止まり、私の手を取りました。
「私と同じ、『猛獣使い』の素質があるわ」
「猛獣使い?」
「ええ。このアイゼン家という、プライドと欲にまみれた猛獣たちを支配できるのは、貴女のような冷徹な計算と、胆力を持った女だけ」
夫人は振り返り、親族たちに宣言しました。
「お聞きなさい! このスカーレット・ヴァレンタインこそ、次期公爵夫人として私が認めた後継者です! 文句がある者は、私の前へ出なさい!」
シーン……。
誰一人として声を上げる者はいません。
お義母様の絶対的な権力と、私の未知数の恐ろしさに、妖怪たちは完全に沈黙しました。
「……決まりね」
夫人は再び私に向き直り、ニヤリと笑いました。
「合格よ、スカーレット。貴女なら、レオンハルトを尻に敷いて……いえ、支えていけるでしょう」
「ありがとうございます。……家事はしませんが、よろしいですね?」
「構いません。その代わり、アイゼン家の財産管理と、親族の粛清――いえ、指導をお願いします。私一人では手が回らなかったので、優秀な嫁が来てくれて助かるわ」
どうやら私は、「嫁」ではなく「共同経営者(兼・掃除屋)」として採用されたようです。
「母上……」
レオンハルト様が、呆れたように、しかし安堵した顔で溜息をつきました。
「私の嫁選びの基準が『母上と共闘できるか』だったとは知らなかった」
「あら、最強の布陣でしょう?」
夫人は初めて、母親らしい顔で息子を見ました。
「大事にしなさい、レオンハルト。こんな面白いお嫁さん、二度と現れないわよ」
「ええ。骨の髄まで愛し抜くつもりです」
レオンハルト様は私の腰を引き寄せ、親族たちの前で見せつけるように頬にキスをしました。
「キャーッ!」
悲鳴(主に独身女性からの)が上がりましたが、私はもう動じません。
最強の騎士団長、最強の弁護士、最強の姑。
私の周りには、いつの間にか最強の味方ばかりが集まっています。
「さあ、スカーレット。ダンスの時間だ」
「……踊れるかしら。ドレスが地味すぎて、壁の花かと思いましたわ」
「世界一美しい花だ。私が保証する」
私たちは音楽に合わせて踊り出しました。
かつて婚約破棄された夜会とは違う、祝福と勝利のダンス。
こうして、最後の砦であった「親族問題」も、効率的かつ平和的(?)に解決されたのでした。
煌びやかなシャンデリアの下、私は戦場に立っていました。
「……空気が重いですわね」
「すまない。ここには『純粋な善意』というものが一ミリも存在しないんだ」
私の隣で、レオンハルト様が申し訳なさそうに囁きました。
広間には、着飾った紳士淑女たちが五十人ほど集まっています。
彼らは皆、グラスを傾けながら、値踏みするような視線を私に送っていました。
(あれが『スカーレット』か)
(悪役令嬢が、よくもまあ抜け抜けと)
(宰相だか何だか知らないが、所詮は小娘だろう?)
ヒソヒソ話が聞こえてきます。
私の正面には、玉座のような椅子に座る「絶対零度の貴婦人」こと、お義母様(予定)が優雅に扇を揺らしていました。
「さあ、スカーレット嬢。皆様にご挨拶を」
彼女の合図で、ゴングが鳴らされました。
「ごきげんよう、皆様。スカーレット・ヴァレンタインです」
私がカーテシーを披露すると、早速、第一の刺客が進み出てきました。
派手なピンクのドレスを着た、恰幅の良い中年女性です。分家の夫人でしょう。
「あらあら~、ごきげんよう。でも……宰相閣下とお呼びした方がよろしいかしら? それとも『元・婚約破棄された令嬢』様?」
夫人は扇で口元を隠し、嫌な笑い声を上げました。
「それにしても、地味なドレスですこと。アイゼン家の夜会に、そんな古臭いデザインでいらっしゃるなんて。……お金にお困りなの?」
周囲からクスクスと失笑が漏れます。
私が着ているのは、装飾を極限まで削ぎ落とした、ダークネイビーのシンプルなドレスです。
レオンハルト様が怒って踏み出そうとしましたが、私は笑顔で制しました。
「ご指摘ありがとうございます、夫人。……ですが、これは『最新の国家戦略』ですの」
「は? 国家戦略?」
「ええ。現在、国は財政再建の真っ最中です。財政を預かる私が華美なドレスを着ていては、国民に示しがつかないでしょう? これは『質実剛健』こそが新しいトレンドであるという、私からのメッセージなのです」
私は夫人の、宝石でジャラジャラと飾り立てられた首元を見ました。
「それに比べて、夫人は随分と……『景気の良い』格好ですわね。そのネックレス、重すぎて肩こりの原因になりません? 医療費の増大は国の損失ですので、もう少し軽量化されることをお勧めしますわ」
「な、な……っ!」
夫人は顔を真っ赤にして言葉を詰まらせました。
「そ、それに、その色は貴女には似合わなくてよ! もっと可愛らしい色を着たらどうなの!」
「私のパーソナルカラーと、執務室での威厳維持を計算した結果、この色が最適解です。貴女こそ、その年齢でピンクは……いえ、勇気ある選択だと称賛いたします」
「キィィィッ!」
夫人は泡を吹いて倒れそうになりました。
すかさず、第二の刺客が登場します。
今度は、鷲鼻の厳めしい老人でした。アイゼン家の重鎮と呼ばれる叔父上でしょう。
「ふん! 口が減らん小娘だ!」
老人は杖で床を突きました。
「ワシは認めんぞ! 女が政治を行うなど、言語道断! 女は家に入り、夫を支え、子供を産むのが務めだ! レオンハルトの嫁になりたいなら、即刻宰相など辞めて家庭に入れ!」
「叔父上! 時代錯誤も甚だしい!」
レオンハルト様が声を荒げました。
しかし、私は冷ややかに老人を見下ろしました。
「……お言葉ですが、叔父様」
「なんだ!」
「貴方が経営されている『アイゼン貿易商会』。……昨年度の決算報告書、拝見しましたわ」
「っ!?」
老人の顔色がサッと変わりました。
私は一歩近づき、誰にも聞こえない声で囁きました。
「東方諸国からの輸入関税、誤魔化していますよね? 帳簿の『雑費』の項目、異常に膨れ上がっていますが……あれ、裏金の隠し場所でしょう?」
「な、ななな、何を……!」
「私がその気になれば、明日すぐに国税局の査察官を送り込めます。……『女が政治を行うな』と仰るなら、政治権力を使って貴方の脱税を暴くのも控えますが、それでよろしいですか?」
「ひぃっ!」
老人はガタガタと震え出しました。
「い、いや! そ、その……女性の社会進出は素晴らしいことだ! 応援しておるぞ、スカーレット君!」
「ありがとうございます。物分かりの良い親戚を持って、私も鼻が高いです」
私がニッコリ笑うと、老人は脱兎のごとく逃げ出しました。
会場がざわめきます。
「おい、あいつ……叔父上を秒殺したぞ」
「何をしたんだ?」
「関わらない方がいい、目を付けられたら終わるぞ……」
親族たちの視線が、「値踏み」から「恐怖」へと変わっていきます。
その時。
パン、パン、パン。
乾いた拍手の音が響きました。
玉座に座っていたお義母様――エリザベス夫人が、ゆっくりと立ち上がり、こちらへ歩いてきました。
「……見事ですわ」
夫人は、先ほどまでの氷の仮面を少しだけ崩し、口元に微かな笑みを浮かべていました。
「ドレスの件は『国家の品格』という大義名分で黙らせ、叔父の件は『弱み(情報)』を握ってコントロールする。……噂以上の手腕ね」
「お褒めにあずかり光栄です、お義母様」
「ただの生意気な小娘かと思っていましたが、訂正します。貴女は……」
夫人は私の目の前で立ち止まり、私の手を取りました。
「私と同じ、『猛獣使い』の素質があるわ」
「猛獣使い?」
「ええ。このアイゼン家という、プライドと欲にまみれた猛獣たちを支配できるのは、貴女のような冷徹な計算と、胆力を持った女だけ」
夫人は振り返り、親族たちに宣言しました。
「お聞きなさい! このスカーレット・ヴァレンタインこそ、次期公爵夫人として私が認めた後継者です! 文句がある者は、私の前へ出なさい!」
シーン……。
誰一人として声を上げる者はいません。
お義母様の絶対的な権力と、私の未知数の恐ろしさに、妖怪たちは完全に沈黙しました。
「……決まりね」
夫人は再び私に向き直り、ニヤリと笑いました。
「合格よ、スカーレット。貴女なら、レオンハルトを尻に敷いて……いえ、支えていけるでしょう」
「ありがとうございます。……家事はしませんが、よろしいですね?」
「構いません。その代わり、アイゼン家の財産管理と、親族の粛清――いえ、指導をお願いします。私一人では手が回らなかったので、優秀な嫁が来てくれて助かるわ」
どうやら私は、「嫁」ではなく「共同経営者(兼・掃除屋)」として採用されたようです。
「母上……」
レオンハルト様が、呆れたように、しかし安堵した顔で溜息をつきました。
「私の嫁選びの基準が『母上と共闘できるか』だったとは知らなかった」
「あら、最強の布陣でしょう?」
夫人は初めて、母親らしい顔で息子を見ました。
「大事にしなさい、レオンハルト。こんな面白いお嫁さん、二度と現れないわよ」
「ええ。骨の髄まで愛し抜くつもりです」
レオンハルト様は私の腰を引き寄せ、親族たちの前で見せつけるように頬にキスをしました。
「キャーッ!」
悲鳴(主に独身女性からの)が上がりましたが、私はもう動じません。
最強の騎士団長、最強の弁護士、最強の姑。
私の周りには、いつの間にか最強の味方ばかりが集まっています。
「さあ、スカーレット。ダンスの時間だ」
「……踊れるかしら。ドレスが地味すぎて、壁の花かと思いましたわ」
「世界一美しい花だ。私が保証する」
私たちは音楽に合わせて踊り出しました。
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