26 / 28
26
しおりを挟む
「……婚約破棄」
その言葉は、物語の冒頭で私が一番恐れていたものだ。
しかし、今の私にとっては、別の意味で現実味のない言葉になっていた。
「破棄なんてできるわけがないだろう。彼女に逆らったら、物理的に城が崩壊するぞ」
「ああ。殿下がもし浮気でもしようものなら、ミディア様は素手で王都を更地になさるだろう……」
貴族たちの間で、私は「歩く天災」として認識されていたからだ。
そんな中。
王宮の大広間にて、再び重要な集まりが開かれることになった。
名目は「ガルド帝国皇太子ジークフリート殿下の送別会」。
だが、誰もが予感していた。これが単なる送別会では終わらないことを。
◇
会場の空気は、前回の夜会とはまた違った緊張感に包まれていた。
私が漆黒のドレス(例の「魔王装備」)を着て入場すると、全員がビシッ! と音を立てて直立不動の姿勢をとる。
「ごきげんよう、皆様」
私が軽く手を振る。
「ハッ! 本日も麗しゅうございます、総統閣下!」
誰かが叫び、会場中が唱和する。
「総統はやめて」
私は小声でツッコミを入れたが、もう訂正する気力もなかった。
隣には、筋肉ダルマのジークフリート殿下が、なぜか私の護衛のように立っている。
「師匠! 今日も素晴らしい覇気だ! 周りの雑魚どもが震え上がっているぞ!」
「あなたの声が大きすぎて震えているだけです」
そして反対側には、いつものように涼しい顔をしたフレデリック殿下。
「人気者は辛いな、ミディア」
「誰のせいですか、誰の」
私がジト目で睨むと、殿下は嬉しそうに微笑んだ。
会の中盤。
フレデリック殿下が、スッと壇上に上がった。
会場が静まり返る。
「皆、聞いてくれ」
殿下のよく通る声が響く。
「今日は、我が友ジークフリートの送別と共に、一つ、国としてハッキリさせておきたいことがある」
ザワッ……。
貴族たちが顔を見合わせる。
「巷では、私とミディアの婚約について、様々な噂が飛び交っているようだな。『婚約破棄される』だの、『実は政略結婚で愛がない』だの」
殿下は冷ややかな視線で会場を見渡した。
「火のない所に煙を立てた愚か者が誰かは……まあ、もう改心(洗脳)しているようだから問わないが」
会場の隅で、リリナ嬢が「ヒィッ!」と小さくなって震えていた。
「ここで、私の口から正式に宣言する」
殿下は私を手招きした。
「おいで、ミディア」
私は深呼吸をして、壇上へと上がった。
数千の視線が突き刺さる。
(緊張する……また胃が痛くなってきた……)
私は胃薬の効果が切れたことを恨みながら、殿下の隣に立った。
殿下は私の手を取り、皆に見せつけるように掲げた。
「私、フレデリック・アークライトは、ここにいるミディア・ベルンシュタイン嬢との婚約を、いかなる理由があろうとも破棄しないことを誓う」
「おお……」
「そして」
殿下は私の方を向き、その場に片膝をついた。
「えっ?」
私は驚いて後ずさった。
王子が、公衆の面前で跪くなんて。
「ミディア。君に改めて申し込みたい」
殿下は懐から、小箱を取り出した。
パカッ。
中に入っていたのは、巨大なブルーダイヤモンドの指輪だった。
私の瞳の色と同じ、深く、冷たく、美しい青色。
「私と結婚してくれ。……いや、どうか私の妻になって、一生私を楽しませて(・ ・ ・ ・ ・)ほしい」
プロポーズの言葉が独特すぎる。
「君のその不器用さも、いざという時の強さも(物理含む)、そして私に向ける鋭い眼光も、すべて愛している」
殿下の瞳は真剣だった。
冗談でも、演技でもない。
真っ直ぐな愛の言葉。
(どうしよう……嬉しい)
私は胸がいっぱいになった。
これまでの苦労――悪役令嬢と呼ばれ、笑顔を通報され、魔獣と戦い、皇太子を投げ飛ばした日々――が走馬灯のように蘇る。
それら全てを受け入れて、この人は私を選んでくれたのだ。
「……はい」
私は震える声で答えた。
「私でよければ……謹んで、お受けいたします」
涙が溢れそうになる。
私は感動で顔をくしゃくしゃにしながら、殿下の手を取ろうとした。
しかし。
極度の緊張と、溢れ出る涙を堪えようとした結果、私の顔面筋肉は誤作動を起こした。
眉間にはマリアナ海溝のような深いシワ。
口元は感極まってワナワナと震え、引きつった笑みのような形に。
そして、涙で潤んだ瞳は、照明を反射してギラリと怪しく光った。
その表情は、愛の告白を受けた乙女の顔ではない。
『ようやく私の軍門に下ったか。……一生、逃がさないからな?』
と、契約書に血判を押させる魔王の顔だった。
「ヒッ……!」
会場の最前列にいた貴族が失禁寸前になる。
「み、見たか? あの顔……!」
「『お前は私の所有物だ』っていう、独占欲と支配欲の塊だ……!」
「殿下……脅されているのでは?」
「いや、殿下も相当嬉しそうだぞ? まさか、そういうプレイ……?」
ざわめきが広がる中、殿下は私の指に指輪を嵌めた。
「美しい。最高の表情だ、ミディア」
殿下は私の「魔王顔」を見て、恍惚の表情を浮かべていた。
「君が感極まって、世界を滅ぼしそうな顔をする瞬間が、私は一番好きなんだ」
「……褒め言葉に聞こえません」
私が鼻をすすると、殿下は立ち上がり、私を抱き寄せた。
「愛しているよ」
そして、衆人環視の中で、口づけを落とした。
キャーッ!!
悲鳴にも似た歓声が上がる。
「見たか! 契約成立だ!」
「これでこの国は、最強の夫婦によって統治されることが決定した!」
「我々の命運は尽きた……いや、安泰だ!」
リリナ嬢がハンカチを噛み締めながら叫ぶ。
「おめでとうございます、閣下! 末長く……末長く支配してくださいませぇぇ!」
ジークフリート殿下が斧を掲げて吠える。
「師匠! 結婚おめでとう! 披露宴では余興で俺と決闘してくれ!」
「しません!」
私は殿下の腕の中で、顔を真っ赤にして叫んだ。
(もう、めちゃくちゃだわ……)
でも、殿下の体温は温かく、指輪の重みは心地よかった。
誤解は解けなかった。
むしろ、「最強の悪役令嬢(物理)」というレッテルは、王家公認のものとなってしまった。
けれど。
「……私も、愛しています。フレデリック様」
私が小さく囁くと、殿下は満足げに笑い、私をさらに強く抱きしめた。
「知っているよ。君の顔を見れば、全部分かるからな」
「顔は見ないでください……!」
こうして、私たちの婚約破棄騒動は、「婚約強化(物理・精神ともに)」という形で幕を閉じた。
その言葉は、物語の冒頭で私が一番恐れていたものだ。
しかし、今の私にとっては、別の意味で現実味のない言葉になっていた。
「破棄なんてできるわけがないだろう。彼女に逆らったら、物理的に城が崩壊するぞ」
「ああ。殿下がもし浮気でもしようものなら、ミディア様は素手で王都を更地になさるだろう……」
貴族たちの間で、私は「歩く天災」として認識されていたからだ。
そんな中。
王宮の大広間にて、再び重要な集まりが開かれることになった。
名目は「ガルド帝国皇太子ジークフリート殿下の送別会」。
だが、誰もが予感していた。これが単なる送別会では終わらないことを。
◇
会場の空気は、前回の夜会とはまた違った緊張感に包まれていた。
私が漆黒のドレス(例の「魔王装備」)を着て入場すると、全員がビシッ! と音を立てて直立不動の姿勢をとる。
「ごきげんよう、皆様」
私が軽く手を振る。
「ハッ! 本日も麗しゅうございます、総統閣下!」
誰かが叫び、会場中が唱和する。
「総統はやめて」
私は小声でツッコミを入れたが、もう訂正する気力もなかった。
隣には、筋肉ダルマのジークフリート殿下が、なぜか私の護衛のように立っている。
「師匠! 今日も素晴らしい覇気だ! 周りの雑魚どもが震え上がっているぞ!」
「あなたの声が大きすぎて震えているだけです」
そして反対側には、いつものように涼しい顔をしたフレデリック殿下。
「人気者は辛いな、ミディア」
「誰のせいですか、誰の」
私がジト目で睨むと、殿下は嬉しそうに微笑んだ。
会の中盤。
フレデリック殿下が、スッと壇上に上がった。
会場が静まり返る。
「皆、聞いてくれ」
殿下のよく通る声が響く。
「今日は、我が友ジークフリートの送別と共に、一つ、国としてハッキリさせておきたいことがある」
ザワッ……。
貴族たちが顔を見合わせる。
「巷では、私とミディアの婚約について、様々な噂が飛び交っているようだな。『婚約破棄される』だの、『実は政略結婚で愛がない』だの」
殿下は冷ややかな視線で会場を見渡した。
「火のない所に煙を立てた愚か者が誰かは……まあ、もう改心(洗脳)しているようだから問わないが」
会場の隅で、リリナ嬢が「ヒィッ!」と小さくなって震えていた。
「ここで、私の口から正式に宣言する」
殿下は私を手招きした。
「おいで、ミディア」
私は深呼吸をして、壇上へと上がった。
数千の視線が突き刺さる。
(緊張する……また胃が痛くなってきた……)
私は胃薬の効果が切れたことを恨みながら、殿下の隣に立った。
殿下は私の手を取り、皆に見せつけるように掲げた。
「私、フレデリック・アークライトは、ここにいるミディア・ベルンシュタイン嬢との婚約を、いかなる理由があろうとも破棄しないことを誓う」
「おお……」
「そして」
殿下は私の方を向き、その場に片膝をついた。
「えっ?」
私は驚いて後ずさった。
王子が、公衆の面前で跪くなんて。
「ミディア。君に改めて申し込みたい」
殿下は懐から、小箱を取り出した。
パカッ。
中に入っていたのは、巨大なブルーダイヤモンドの指輪だった。
私の瞳の色と同じ、深く、冷たく、美しい青色。
「私と結婚してくれ。……いや、どうか私の妻になって、一生私を楽しませて(・ ・ ・ ・ ・)ほしい」
プロポーズの言葉が独特すぎる。
「君のその不器用さも、いざという時の強さも(物理含む)、そして私に向ける鋭い眼光も、すべて愛している」
殿下の瞳は真剣だった。
冗談でも、演技でもない。
真っ直ぐな愛の言葉。
(どうしよう……嬉しい)
私は胸がいっぱいになった。
これまでの苦労――悪役令嬢と呼ばれ、笑顔を通報され、魔獣と戦い、皇太子を投げ飛ばした日々――が走馬灯のように蘇る。
それら全てを受け入れて、この人は私を選んでくれたのだ。
「……はい」
私は震える声で答えた。
「私でよければ……謹んで、お受けいたします」
涙が溢れそうになる。
私は感動で顔をくしゃくしゃにしながら、殿下の手を取ろうとした。
しかし。
極度の緊張と、溢れ出る涙を堪えようとした結果、私の顔面筋肉は誤作動を起こした。
眉間にはマリアナ海溝のような深いシワ。
口元は感極まってワナワナと震え、引きつった笑みのような形に。
そして、涙で潤んだ瞳は、照明を反射してギラリと怪しく光った。
その表情は、愛の告白を受けた乙女の顔ではない。
『ようやく私の軍門に下ったか。……一生、逃がさないからな?』
と、契約書に血判を押させる魔王の顔だった。
「ヒッ……!」
会場の最前列にいた貴族が失禁寸前になる。
「み、見たか? あの顔……!」
「『お前は私の所有物だ』っていう、独占欲と支配欲の塊だ……!」
「殿下……脅されているのでは?」
「いや、殿下も相当嬉しそうだぞ? まさか、そういうプレイ……?」
ざわめきが広がる中、殿下は私の指に指輪を嵌めた。
「美しい。最高の表情だ、ミディア」
殿下は私の「魔王顔」を見て、恍惚の表情を浮かべていた。
「君が感極まって、世界を滅ぼしそうな顔をする瞬間が、私は一番好きなんだ」
「……褒め言葉に聞こえません」
私が鼻をすすると、殿下は立ち上がり、私を抱き寄せた。
「愛しているよ」
そして、衆人環視の中で、口づけを落とした。
キャーッ!!
悲鳴にも似た歓声が上がる。
「見たか! 契約成立だ!」
「これでこの国は、最強の夫婦によって統治されることが決定した!」
「我々の命運は尽きた……いや、安泰だ!」
リリナ嬢がハンカチを噛み締めながら叫ぶ。
「おめでとうございます、閣下! 末長く……末長く支配してくださいませぇぇ!」
ジークフリート殿下が斧を掲げて吠える。
「師匠! 結婚おめでとう! 披露宴では余興で俺と決闘してくれ!」
「しません!」
私は殿下の腕の中で、顔を真っ赤にして叫んだ。
(もう、めちゃくちゃだわ……)
でも、殿下の体温は温かく、指輪の重みは心地よかった。
誤解は解けなかった。
むしろ、「最強の悪役令嬢(物理)」というレッテルは、王家公認のものとなってしまった。
けれど。
「……私も、愛しています。フレデリック様」
私が小さく囁くと、殿下は満足げに笑い、私をさらに強く抱きしめた。
「知っているよ。君の顔を見れば、全部分かるからな」
「顔は見ないでください……!」
こうして、私たちの婚約破棄騒動は、「婚約強化(物理・精神ともに)」という形で幕を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】悪役令嬢だったみたいなので婚約から回避してみた
22時完結
恋愛
春風に彩られた王国で、名門貴族ロゼリア家の娘ナタリアは、ある日見た悪夢によって人生が一変する。夢の中、彼女は「悪役令嬢」として婚約を破棄され、王国から追放される未来を目撃する。それを避けるため、彼女は最愛の王太子アレクサンダーから距離を置き、自らを守ろうとするが、彼の深い愛と執着が彼女の運命を変えていく。
婚約破棄を望む伯爵令嬢と逃がしたくない宰相閣下との攻防戦~最短で破棄したいので、悪役令嬢乗っ取ります~
甘寧
恋愛
この世界が前世で読んだ事のある小説『恋の花紡』だと気付いたリリー・エーヴェルト。
その瞬間から婚約破棄を望んでいるが、宰相を務める美麗秀麗な婚約者ルーファス・クライナートはそれを受け入れてくれない。
そんな折、気がついた。
「悪役令嬢になればいいじゃない?」
悪役令嬢になれば断罪は必然だが、幸運な事に原作では処刑されない事になってる。
貴族社会に思い残すことも無いし、断罪後は僻地でのんびり暮らすのもよかろう。
よしっ、悪役令嬢乗っ取ろう。
これで万事解決。
……て思ってたのに、あれ?何で貴方が断罪されてるの?
※全12話で完結です。
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
死亡予定の脇役令嬢に転生したら、断罪前に裏ルートで皇帝陛下に溺愛されました!?
六角
恋愛
「え、私が…断罪?処刑?――冗談じゃないわよっ!」
前世の記憶が蘇った瞬間、私、公爵令嬢スカーレットは理解した。
ここが乙女ゲームの世界で、自分がヒロインをいじめる典型的な悪役令嬢であり、婚約者のアルフォンス王太子に断罪される未来しかないことを!
その元凶であるアルフォンス王太子と聖女セレスティアは、今日も今日とて私の目の前で愛の劇場を繰り広げている。
「まあアルフォンス様! スカーレット様も本当は心優しい方のはずですわ。わたくしたちの真実の愛の力で彼女を正しい道に導いて差し上げましょう…!」
「ああセレスティア!君はなんて清らかなんだ!よし、我々の愛でスカーレットを更生させよう!」
(…………はぁ。茶番は他所でやってくれる?)
自分たちの恋路に酔いしれ、私を「救済すべき悪」と見なすめでたい頭の二人組。
あなたたちの自己満足のために私の首が飛んでたまるものですか!
絶望の淵でゲームの知識を総動員して見つけ出した唯一の活路。
それは血も涙もない「漆黒の皇帝」と万人に恐れられる若き皇帝ゼノン陛下に接触するという、あまりに危険な【裏ルート】だった。
「命惜しさにこの私に魂でも売りに来たか。愚かで滑稽で…そして実に唆る女だ、スカーレット」
氷の視線に射抜かれ覚悟を決めたその時。
冷酷非情なはずの皇帝陛下はなぜか私の悪あがきを心底面白そうに眺め、その美しい唇を歪めた。
「良いだろう。お前を私の『籠の中の真紅の鳥』として、この手ずから愛でてやろう」
その日から私の運命は激変!
「他の男にその瞳を向けるな。お前のすべては私のものだ」
皇帝陛下からの凄まじい独占欲と息もできないほどの甘い溺愛に、スカーレットの心臓は鳴りっぱなし!?
その頃、王宮では――。
「今頃スカーレットも一人寂しく己の罪を反省しているだろう」
「ええアルフォンス様。わたくしたちが彼女を温かく迎え入れてあげましょうね」
などと最高にズレた会話が繰り広げられていることを、彼らはまだ知らない。
悪役(笑)たちが壮大な勘違いをしている間に、最強の庇護者(皇帝陛下)からの溺愛ルート、確定です!
断罪されてムカついたので、その場の勢いで騎士様にプロポーズかましたら、逃げれんようなった…
甘寧
恋愛
主人公リーゼは、婚約者であるロドルフ殿下に婚約破棄を告げられた。その傍らには、アリアナと言う子爵令嬢が勝ち誇った様にほくそ笑んでいた。
身に覚えのない罪を着せられ断罪され、頭に来たリーゼはロドルフの叔父にあたる騎士団長のウィルフレッドとその場の勢いだけで婚約してしまう。
だが、それはウィルフレッドもその場の勢いだと分かってのこと。すぐにでも婚約は撤回するつもりでいたのに、ウィルフレッドはそれを許してくれなくて…!?
利用した人物は、ドSで自分勝手で最低な団長様だったと後悔するリーゼだったが、傍から見れば過保護で執着心の強い団長様と言う印象。
周りは生暖かい目で二人を応援しているが、どうにも面白くないと思う者もいて…
前世ブラックOLの私が転生したら悪役令嬢でした
タマ マコト
ファンタジー
過労で倒れたブラック企業勤めのOLは、目を覚ますと公爵令嬢アーデルハイトとして転生していた。しかも立場は“断罪予定の悪役令嬢”。だが彼女は恋愛や王子の愛を選ばず、社交界を「市場」と見抜く。王家の財政が危ういことを察知し、家の莫大な資産と金融知識を武器に“期限付き融資”という刃を突きつける。理想主義の王太子と衝突しながらも、彼女は決意する――破滅を回避するためではない。国家の金脈を握り、国そのものを立て直すために。悪役令嬢の経済戦争が、静かに幕を開ける。
悪役令嬢のはずですが、年上王子が幼い頃から私を甘やかす気でいました
ria_alphapolis
恋愛
私は、悪役令嬢なのかもしれない。
王子の婚約者としては少し我儘で、周囲からは気が強いと思われている――
そんな自分に気づいた日から、私は“断罪される未来”を恐れるようになった。
婚約者である年上の王子は、今日も変わらず優しい。
けれどその優しさが、義務なのか、同情なのか、私にはわからない。
距離を取ろうとする私と、何も言わずに見守る王子。
両思いなのに、想いはすれ違っていく。
けれど彼は知っている。
五歳下の婚約者が「我儘だ」と言われていた幼い頃から、
そのすべてが可愛くて仕方なかったことを。
――我儘でいい。
そう決めたのは、ずっと昔のことだった。
悪役令嬢だと勘違いしている少女と、
溺愛を隠し続ける年上王子の、すれ違い恋愛ファンタジー。
※溺愛保証/王子視点あり/幼少期エピソードあり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる