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桃源星編
勝負
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「勝負…?」
「ああ。お前が勝ったら俺はお前に超能力を教える。俺が勝ったらお前はバトルに出るのはやめて地上にでも戻れ。」
「アンタ絶対超能力者だろ!素人の俺じゃ勝ち目がないに決まってる。それに100周走った後なんだぞ!」
2ヶ月間鍛えてきたとは言え向こうは確実に熟練者である。無鉄砲に挑むほど俺はアホではない。
「あぁ、安心しろよ。当然手加減してやる。勝負の内容は二分間でお前が俺に触れることが出来たら勝ち。ただし俺は一切動かない。これでどうだ?」
「は?そんなの勝負にすらなってねぇだろ!」
いくら広々とした運動場だとて2分もあれば、たとえ隅っこにいたとしても触ることは可能だ。舐めるのもいい加減にして欲しい。
「じゃ、決まりだな。」
「とっとと終わらせてやるよ。」
「じゃ始まるぞ。」
ビティは持っていたタイマーを押すと俺の目の前に立ち始めた。
「とっとと終わらせるんだろ?」
ビティは明らかに俺に対して挑発している。
「オイ舐めてんじゃ…」
ガクンッ!
気がつくと俺は両手と両膝を地面についていた。ビティに触ろうとした瞬間、全身が硬直して動けなくなった。まるで背中に岩を乗せられているような感覚である。体が重い。なんだこれは?まさかこれが超能力なのか…?
「フッ。この勝負に乗った時点でお前の負けだ。アツくなってたとはいえ、何かしら裏があるとも思わないお前にはやはりバトルは向いてねぇ。」
俺としたことが挑発に乗ってつい易々と勝負に乗ってしまった。思えば、ただ体に触るだけなら手加減もクソもない。その違和感に今さら気が付いた。今すぐ顔面を殴りたいが、触れることすら出来ない。標的は目の前にいるというのに。
俺が苦戦している間に気がつけば30秒が過ぎていた。
「ほらほらー。こーんな目の前にいるんだぜー?触ってみろよ。ほらほら。」
ビティは俺の顔の前で手を振りながら煽り始めた。だが俺は声を出すことすら出来なかった。体が重すぎて上手く発声が出来ないのである。
「あんなにイキってたのにお前の力はそんなもんかー?」
ビティに煽られているうちに1分が過ぎた。しかし、全く体が動く気がしない。俺は完全に超能力を舐めていた。そう認めざるを得ない。
「おいもう勝負になんねぇだろ。その程度の力じゃ触れることは不可能だな。ハハッ」
確かにビティの言う通り、正直もう勝負は決まった感がある。だがそれは認めたくない。
その後もなんとか体を動かそうと抵抗するが、無情にも時間は過ぎていく。ビティも挑発に飽きて欠伸をする始末である。…クソが。
そうこうしているうちに1分40秒が経過した。
「あとにじゅーびょー」
わざとふざけた言い方をするところに腹が立ったが、今はそんなことを気にしている場合ではない。俺は母さんのためにも地球へ戻るわけにはいかない。
「あとじゅーごびょー」
俺は必死でビティに触れようとする。だが、触れようと思えば思うほどむしろ体が重くなっているような気さえした。
「あとじゅーびょー」
いや待てよ…?もしかして…。
残り時間は10秒を切っている。もう賭けるしかない。
フッ
途端に俺の体は軽くなった。俺の予想は的中した。
「なっ!まさか!」
予想だにしない展開に流石のビティも驚いている。
「もう遅ぇ!」
俺はビティの手を払い除けてビティの顔面目掛けて殴りかかろうとした。
しかし、次の瞬間、
「うわっ!?」
俺の体が上空へ吹っ飛んだ。
「やべっ!つい本気で…」
上空に吹っ飛んだ体は今度はゆっくりと地面に向かって降りていく。おそらくこれもビティも能力だろう。
「おい!大丈夫か?」
「あぁ…。それより約束だからな。」
「ま、正確に言えばお前が俺の手に触れた時、タイマーは2分を越えてたから勝負は俺の勝ちだが、特別に超能力について教えてやる。」
「あぁ…?!適当な嘘つくな!ギリギリ間に合ってだろ!」
「ったく…。まぁいい。教えてやるが今日はもう休め。」
「は?!まだ始めたばっかりだろ。まさか教えないつもりじゃ…」
「俺の能力をお前ごときが二分間も受けてこの後まともに動けるわけねーだろが。安心しろ。ちゃんと明日教える。」
「…わかったよ。」
俺は渋々寮へと戻った。アドレナリンが出てたのか、今になって急激に疲労が溜まってきた。
アダムが寮に戻る一方で、ビティはアダムがいる研究室へ向かった。アダムはいつものように好物であるリンゴを食べながらなんかの研究をしていた。
「お前がアイツを評価する理由が分かった気がする。」
「それはよかったです。」
「アイツの判断力は確かに凄い。まさか俺の能力を見破るとは思わなかった。それに、あそこまで諦めなかった精神力も見事なもんではある。だが、それでもやはり予選を勝ち上がるのは難しいと言わざるを得ない。」
ビティの能力は重力を操るという能力だった。ビティはその能力を利用して、ヒロの体内エネルギーに重力を加えていた。力を加えれば加える程重くなっていたのはそのためであった。ヒロはそのカラクリに気付いたため、一瞬だけ力を抜くことで体内エネルギーをゼロにして能力を解除することが出来たのだ。
「それはわかりませんよ。なんなら賭けますか?」
「…遠慮しとくわ。この手の勝負じゃお前はまず負けないからな。」
これまでアダムとビティは事あるごとに賭けをしていたが、大体勝つのはアダムだった。
「けど、なんでわざわざ地球出身のアイツに超能力を覚えさせようとするんだ?流石に1年じゃ優勝どころか本戦に出ることすら難しい。」
「それは彼のポテンシャルが他の桃源星出身の同世代の子よりも上だと私が感じたからですよ。君が言った通り、ヒロ君の判断力と精神力は並大抵のものではありません。特に前者は同年代の中でもズバ抜けているでしょう。なにせ東京大学に受かっていますからね。これらの力は鍛えようと思って鍛えられるモノではありません。ですが、身体能力に関して言えば、鍛えた分だけ強くなります。1年あれば他の出場者との差も大分縮められるでしょう。確かに優勝するのは難しいかも知れませんが、可能性はあると私は思っています。」
「なるほどな。けどアイツ、感情的になると周りが見えなくなるタイプだぞ。実際、俺が挑発したらアッサリ乗ってきたからな。」
「そうなんですね(笑)それは意外。要改善ですね(笑)」
「でももしアイツが辞めるって言い出したらどうするんだよ?どんな理由でこっちに来たかは知らねーがアイツにだって決める権利はあるんだぞ。」
「君は相変わらず優しいですねぇ。さっきの勝負も大分手加減してたじゃないですか。それに、重力を空気とかにかけてればヒロ君は君に触れることは不可能だったでしょうね。」
「…全部見てたのかよ。で、どうなんだよ。」
「もちろん本人が辞めると言えば辞めさせます。」
《けど…おそらくヒロ君は借金のことを引け目に感じているでしょうし言うに言えない状態ではある…。今後話し合う必要があるかもしれない。》
アダムは心の中でそう思った。
「まぁいい。しばらくは俺が面倒を見てやる。俺がアイツに超能力を教えてやりゃいんだろ。」
「わー助かります!ありがとうございます♪」
「ところでさっき言ってたトーキョー大学?てそんな凄いのか?」
「ええ。日本で一番でしょうね。ちなみに私は世界一の大学で首席でしたが。」
「…一言余計だがそんなに凄いとはな。」
「ありがとうございます♪」
「お前じゃねーよ!」
「では明日もお願いしますよ。それじゃあ私は研究に戻りますので。」
ビティはそう言うと研究室から出ていった。
「ああ。お前が勝ったら俺はお前に超能力を教える。俺が勝ったらお前はバトルに出るのはやめて地上にでも戻れ。」
「アンタ絶対超能力者だろ!素人の俺じゃ勝ち目がないに決まってる。それに100周走った後なんだぞ!」
2ヶ月間鍛えてきたとは言え向こうは確実に熟練者である。無鉄砲に挑むほど俺はアホではない。
「あぁ、安心しろよ。当然手加減してやる。勝負の内容は二分間でお前が俺に触れることが出来たら勝ち。ただし俺は一切動かない。これでどうだ?」
「は?そんなの勝負にすらなってねぇだろ!」
いくら広々とした運動場だとて2分もあれば、たとえ隅っこにいたとしても触ることは可能だ。舐めるのもいい加減にして欲しい。
「じゃ、決まりだな。」
「とっとと終わらせてやるよ。」
「じゃ始まるぞ。」
ビティは持っていたタイマーを押すと俺の目の前に立ち始めた。
「とっとと終わらせるんだろ?」
ビティは明らかに俺に対して挑発している。
「オイ舐めてんじゃ…」
ガクンッ!
気がつくと俺は両手と両膝を地面についていた。ビティに触ろうとした瞬間、全身が硬直して動けなくなった。まるで背中に岩を乗せられているような感覚である。体が重い。なんだこれは?まさかこれが超能力なのか…?
「フッ。この勝負に乗った時点でお前の負けだ。アツくなってたとはいえ、何かしら裏があるとも思わないお前にはやはりバトルは向いてねぇ。」
俺としたことが挑発に乗ってつい易々と勝負に乗ってしまった。思えば、ただ体に触るだけなら手加減もクソもない。その違和感に今さら気が付いた。今すぐ顔面を殴りたいが、触れることすら出来ない。標的は目の前にいるというのに。
俺が苦戦している間に気がつけば30秒が過ぎていた。
「ほらほらー。こーんな目の前にいるんだぜー?触ってみろよ。ほらほら。」
ビティは俺の顔の前で手を振りながら煽り始めた。だが俺は声を出すことすら出来なかった。体が重すぎて上手く発声が出来ないのである。
「あんなにイキってたのにお前の力はそんなもんかー?」
ビティに煽られているうちに1分が過ぎた。しかし、全く体が動く気がしない。俺は完全に超能力を舐めていた。そう認めざるを得ない。
「おいもう勝負になんねぇだろ。その程度の力じゃ触れることは不可能だな。ハハッ」
確かにビティの言う通り、正直もう勝負は決まった感がある。だがそれは認めたくない。
その後もなんとか体を動かそうと抵抗するが、無情にも時間は過ぎていく。ビティも挑発に飽きて欠伸をする始末である。…クソが。
そうこうしているうちに1分40秒が経過した。
「あとにじゅーびょー」
わざとふざけた言い方をするところに腹が立ったが、今はそんなことを気にしている場合ではない。俺は母さんのためにも地球へ戻るわけにはいかない。
「あとじゅーごびょー」
俺は必死でビティに触れようとする。だが、触れようと思えば思うほどむしろ体が重くなっているような気さえした。
「あとじゅーびょー」
いや待てよ…?もしかして…。
残り時間は10秒を切っている。もう賭けるしかない。
フッ
途端に俺の体は軽くなった。俺の予想は的中した。
「なっ!まさか!」
予想だにしない展開に流石のビティも驚いている。
「もう遅ぇ!」
俺はビティの手を払い除けてビティの顔面目掛けて殴りかかろうとした。
しかし、次の瞬間、
「うわっ!?」
俺の体が上空へ吹っ飛んだ。
「やべっ!つい本気で…」
上空に吹っ飛んだ体は今度はゆっくりと地面に向かって降りていく。おそらくこれもビティも能力だろう。
「おい!大丈夫か?」
「あぁ…。それより約束だからな。」
「ま、正確に言えばお前が俺の手に触れた時、タイマーは2分を越えてたから勝負は俺の勝ちだが、特別に超能力について教えてやる。」
「あぁ…?!適当な嘘つくな!ギリギリ間に合ってだろ!」
「ったく…。まぁいい。教えてやるが今日はもう休め。」
「は?!まだ始めたばっかりだろ。まさか教えないつもりじゃ…」
「俺の能力をお前ごときが二分間も受けてこの後まともに動けるわけねーだろが。安心しろ。ちゃんと明日教える。」
「…わかったよ。」
俺は渋々寮へと戻った。アドレナリンが出てたのか、今になって急激に疲労が溜まってきた。
アダムが寮に戻る一方で、ビティはアダムがいる研究室へ向かった。アダムはいつものように好物であるリンゴを食べながらなんかの研究をしていた。
「お前がアイツを評価する理由が分かった気がする。」
「それはよかったです。」
「アイツの判断力は確かに凄い。まさか俺の能力を見破るとは思わなかった。それに、あそこまで諦めなかった精神力も見事なもんではある。だが、それでもやはり予選を勝ち上がるのは難しいと言わざるを得ない。」
ビティの能力は重力を操るという能力だった。ビティはその能力を利用して、ヒロの体内エネルギーに重力を加えていた。力を加えれば加える程重くなっていたのはそのためであった。ヒロはそのカラクリに気付いたため、一瞬だけ力を抜くことで体内エネルギーをゼロにして能力を解除することが出来たのだ。
「それはわかりませんよ。なんなら賭けますか?」
「…遠慮しとくわ。この手の勝負じゃお前はまず負けないからな。」
これまでアダムとビティは事あるごとに賭けをしていたが、大体勝つのはアダムだった。
「けど、なんでわざわざ地球出身のアイツに超能力を覚えさせようとするんだ?流石に1年じゃ優勝どころか本戦に出ることすら難しい。」
「それは彼のポテンシャルが他の桃源星出身の同世代の子よりも上だと私が感じたからですよ。君が言った通り、ヒロ君の判断力と精神力は並大抵のものではありません。特に前者は同年代の中でもズバ抜けているでしょう。なにせ東京大学に受かっていますからね。これらの力は鍛えようと思って鍛えられるモノではありません。ですが、身体能力に関して言えば、鍛えた分だけ強くなります。1年あれば他の出場者との差も大分縮められるでしょう。確かに優勝するのは難しいかも知れませんが、可能性はあると私は思っています。」
「なるほどな。けどアイツ、感情的になると周りが見えなくなるタイプだぞ。実際、俺が挑発したらアッサリ乗ってきたからな。」
「そうなんですね(笑)それは意外。要改善ですね(笑)」
「でももしアイツが辞めるって言い出したらどうするんだよ?どんな理由でこっちに来たかは知らねーがアイツにだって決める権利はあるんだぞ。」
「君は相変わらず優しいですねぇ。さっきの勝負も大分手加減してたじゃないですか。それに、重力を空気とかにかけてればヒロ君は君に触れることは不可能だったでしょうね。」
「…全部見てたのかよ。で、どうなんだよ。」
「もちろん本人が辞めると言えば辞めさせます。」
《けど…おそらくヒロ君は借金のことを引け目に感じているでしょうし言うに言えない状態ではある…。今後話し合う必要があるかもしれない。》
アダムは心の中でそう思った。
「まぁいい。しばらくは俺が面倒を見てやる。俺がアイツに超能力を教えてやりゃいんだろ。」
「わー助かります!ありがとうございます♪」
「ところでさっき言ってたトーキョー大学?てそんな凄いのか?」
「ええ。日本で一番でしょうね。ちなみに私は世界一の大学で首席でしたが。」
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