宇宙大戦記

Uruka

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桃源星編

超能力とは

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 翌日になり俺はビティから超能力を教わった。

「よし。まずは超能力についての説明をする。超能力とは自分の体内エネルギーを通常より多く消費することで発動する能力だ。超能力は大きく分けて2種類ある。肉体を鍛える強化型とエネルギーを放出する放出型の2つだ。まぁ正確には強化型と放出型の両方の性質を持つ複合型やどの型にも当てはまらない特殊型なんてのもあるがそれはこの際気にするな。ここまででなんか聞きたいことはあるか?」

「あの…昨日のやつってやっぱり超能力なんですか?」

 昨日のやつとはビティとの勝負の時に身体が動かなくなったである。

「あぁそうだ。俺の能力は重力を操る能力だ。俺の能力は放出型に分類されるものだな。」

「超能力ってどうやって決めたんです?」

「俺はテキトーだな。重力を操れたら強そう的なノリで決めた気がする。」

「そんな適当でいいんですか!?」

「それはなんとも言えないなぁ(笑)ただ、お前の武器である知性を活かすなら放出型の方がいいかもしれんな。放出型は強化型と比べると接近戦には弱いがその分攻撃の射程範囲が広くなるし攻撃のバリエーションも増える。それに強化型はお前の身体能力的にもキツいかもしれないな。」

「なるほど。」

「ただ、放出型はエネルギーを放出する分、エネルギーの消費量が多くなる。つまり体力を強化する必要がある。体力とエネルギー量は比例するからな。だがハッキリ言って今のお前の体力じゃ話にならん。だから超能力を覚える前に体力を鍛えてもらう。当然、その他の身体能力も鍛えるがな。」

「わかりました。」

 超能力を教えて貰えると思っていたので少し残念ではあったが仕方がない。俺はビティの指導に従うことにした。

「まずはお前のエネルギー量がどれ程なのか測定するぞ。」

 そう言うとビティは携帯を取り出した。

「携帯のアプリでエネルギー量を測定出来るアプリがある。今からそれでお前のエネルギー量を測る。」

 ピピッ

 ビティは携帯を俺の方にかざした。どうやら数値が出たようである。

「数値は…620か…。まぁこんなもんか。」

「ちなみにビティさんは…?」

「最近は測ってないから覚えてないが5500位はあった気がするなぁ。まぁU-20の本戦に出場する奴らは強化型で1200前後、放出型なら1500前後だろうな。」

「は?!全然足りてない…。」

 予想以上に数値が低いことが分かってかなりショックだった。

「まぁ確かに低いがこっから伸ばせばいい話だ。1年ありゃお前の努力次第では倍くらいには伸ばせるかも知れない。」

 励ましてくれてはいるが、逆に言えば1年努力しても620の倍、つまり1240程度にしかならないということである。それが現実なのだろう。だが、むしろ本音を言ってくれる方がいい。

「幸いここには色んなトレーニング器具も揃ってるし、何より俺が直々に教えるんだ。強くならない訳がない。しばらくは筋トレや体力強化がメインになるがしっかりついてこいよ。」

「はい。」

 そうしてビティの指導の下、俺はトレーニングに打ち込んだ。まるでスポーツ選手かのようなトレーニングの日々であったが、なんとかこなすことが出来た。

 トレーニングを始めてから1ヶ月が過ぎた。
だが、俺はまだ超能力を教えてもらうことはなかった。俺は少し不安になった。

「よし、今日はこれで終わりだ。おつかれさん。」

「あの…」

「ん?なんだ?」

「超能力はいつ教えてもらえるんですか?」

「もうすぐ教える。今はまだ早い。」

「わかりました。」




 トレーニングが終わり、ビティはアダムのいる研究室に向かった。珍しくアダムから呼び出しの電話が来たからである。

 研究室に入ると相変わらずアダムはリンゴを食べていた。

「ヒロ君の調子はどうですか?」 

「あぁ、アイツはよくやってる。桃源星に来たばっかなのに大したもんだ。だがU-20バトルトーナメントの予選は12月15日から始まるんだろ?今日は6月20日。何如(いかん)せん時間がない。」

「まぁそうですよねぇ…。」

「で、用件はなんだ?聞きたいのはそんなことじゃないだろ?」

「まぁそうですね(笑)君には警告しておこうと思いましてね。おそらく今彼は焦っておます。なにせ時間がないですからね。そして彼は真面目だから必要以上にトレーニングをしてしまうかもしれない。まだ彼は桃源星に来たばかりで、過度なトレーニングはむしろマイナスに作用しかねません。ですから、君にはこれをなんとかして阻止してもらいたい。」

「何故そこまで言い切れる。」

「彼の今の状況と性格を考えるとそうなるような気がします。あくまで予測ですが。」

《まぁ、一番は借金と生活費を私に工面してもらっていることへの負い目でしょうけど。》
 
「仮にそうなっても俺にはどうしようもないだろ…。無理に早く超能力を教えたってそれこそ本末転倒だぞ。」

「そこをなんとか頼みます!」

「お前がなんとかしてくれよ。そういうの得意だろ?」

「でも私はヒロ君のトレーニングを見てないので…。」

「確かにな…。まぁ考えておく。」

「君ならそういってくれると思ってました。ではお願いします。」

「ったくよぉ…。無茶を言ってくれる。」


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