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桃源星編
いざ出陣
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あれから3ヶ月。2100年12月15日。トレーニングや実戦練習の日々を乗り越えて、ついにU-20バトルトーナメントの予選に挑む。
「じゃ、行ってくるよ。」
寮まで会いに来てくれたアダムとビティにそう言うと、俺は予選の会場まで向かった。会場はサンサドルという国にあるらしい。アダムが言うには、ベツレヘムとサンサドルの位置関係はオーストラリアとアメリカくらいの感じなのだとか。実際、サンサドルという国は、昔アメリカから桃源星に移住してきた人の子孫が多く住んでいるらしい。ちなみにベツレヘムはオーストラリアとは無関係らしい。
そんな遠くに行くのに当日までベツレヘムにいて大丈夫なのか?と昨日までは思っていたが、流石はアダムである。
実は前日にこんなものを渡されていた。
「これは何だ?」
アダムに呼び出された俺は、突然ルービックキューブのようなものを渡された。
「これはトランスキューブと言います。これを使うと、桃源星の中であれば、一度行った場所に瞬時に行けます。」
「どういうことだ?」
アダムの説明に頭が追いつかない。
「まぁド◯エモンに出てくるピンクのドアみたいなものです。とりあえず使い方を説明します。」
アダムはそう言うと、トランスキューブに付いているボタンを押した。ボタンを押すと、ボタンが付いている反対の面についているカメラレンズのようなものが光り出した。まるで写真を撮ったかのようである。
「今、この青いボタンを押したことでトランスキューブにこの場所の情報が保存されました。では今から外に出ましょうか。」
「外…?」
外に出ると、アダムは再びトランスキューブについての説明を始めた。
「そして青いボタンの隣にある赤いボタンを押すと…。」
アダムがボタンを押すと、そのボタンが付いている面の横の4つ面に映像が映し出された。
「スゲェ…。なんだこれ…。」
「映像にはこれまでにトランスキューブで情報が保存されている場所が出てきます。そして行きたい場所にタッチすると…。」
ボン
アダムが映像のうちの1つをタッチすると、トランスキューブが光出した。そして、一瞬にしてさっきまでいた研究所まで戻ってきた。
「ここは…研究所…か?」
「はい。」
「…。こんなルービックキューブみたいなので瞬間移動が出来るなんて…。」
「ヒロ君にはこれを使って明日は予選会場まで行ってもらいます。既に予選会場の情報は保存されているのであとはさっき言った通りにお願いします。」
「あぁ。分かった。もう今さら驚かないけど改めて凄いな。」
「凄い驚いているように見えましたけどね(笑)でも欠点もあります。まず保存出来るのは4ヶ所までです。新しく5ヶ所目を保存すると1番古い情報が消えてしまいます。それと、場所が遠いとどうしても時間がかかります。また、その場所に人が密集していたり、その場所が改築されてたりすると上手く移動出来ない可能性があります。」
「それでも十分凄いけどな…。」
昨日アダムに言われた通りにトランスキューブを使うと、トランスキューブが光り出した。場所が遠いため昨日のように一瞬とは行かなかったが、それでもすぐに会場まで瞬間移動することに成功した。
「ここが予選会場か…。」
桃源星とは言え、会場は地球で見かける球技場とあまり変わらない。
中へ入ると、既に沢山の人がいた。予選の開始時刻は11時。今の時刻は10時58分。思ったよりギリギリに着いてしまった。
11時になると、司会者らしき人が現れた。
「えーみなさん。今日はお集まり頂き誠にありがとうございます。今回の司会を務めさせて頂くベンジャミン•プラスと申します。よくベンと呼ばれます。それでは早速ですが、予選の内容について説明したいと思います。予選では第一次審査と第二次審査があります。第一次審査では皆様のエネルギー量と身体能力を見ます。そして、第二次審査では第一次審査を通過した者同士で実際に一対一で戦ってもらいます。」
なるほど…。事前にアダムから聞いていた通りだった。おそらく毎年予選の内容は同じなのだろう。
「これは余談ですが、U-20バトルトーナメントには毎年2000人程の参加者が応募してきます。ですが、予選を通過するのは16名だけです。それでは第一次審査を始めて行きます。ここからはスタッフの指示通りに進んで下さい。」
司会者のベンジャミン•プラスはそう言い終わるとその場から去っていった。その後、俺たち参加者はスタッフの指示通りに第一次審査を進めていく。
審査の前に俺たちはアームバンドのようなものを付けさせられた。どうやらエネルギー量を正確に測るための装置らしい。
その後、俺を含む参加者は体力テストを行った。短距離走、長距離走、握力、立ち幅跳び、反復横跳び、etc…。中にはパンチ力を測ったり、エネルギーの飛距離を測ったりなど桃源星ならではのテストもあった。
全てのテストが終わると、アームバンドに数値が表れた。
エネルギー量 6/10
パワー 7/10
スピード 7/10
テクニック 6/10
スタミナ 7/10
メンタル 9/10
合計 42/60
これは…どうなんだ?微妙な点数にやや不安を覚える。
しばらくして、参加者全員が第一次審査を終えたのか、司会のベンジャミン•プラスが再び戻ってきた。
「皆様、第一次審査お疲れ様でした。えー残念ながら第一次審査で7割、つまり42/60を下回った方は残念ながら不合格とさせて頂きます。41点以下の方はアームバンドを置いてお帰り下さい。不正をしてもバレますからやめた方がいいですよ。」
ギリギリ…。なんとか持ち堪えた。けどこんなギリギリで第二次審査は大丈夫なのだろうか…。
ベンジャミン•プラスの宣言通り、不正をした者はすぐにバレて帰らされていた。おそらくアームバンドに細工がしてあるのだろう。結局、第二次審査に残った人数は1/4程にまで減少した。それでも本戦に出れるのは16人。当然油断など出来るはずもない。
「それでは第二次審査は翌日行います。明日再びここに来る時には必ずアームバンドを忘れないで下さい。忘れたら出場資格を失います。」
そして、俺は予選会場のすぐ近くにあるホテルで翌朝まで過ごすことにした。一度ベツレヘムに戻ろうとも思ったが、そうすると緊張感がなくなりそうだからやめた。ホテル代諸々はありがたいことにアダムから貰っていたため、特に困ることはなかった。
そして、翌日。ついに第二次審査が始まった。
「じゃ、行ってくるよ。」
寮まで会いに来てくれたアダムとビティにそう言うと、俺は予選の会場まで向かった。会場はサンサドルという国にあるらしい。アダムが言うには、ベツレヘムとサンサドルの位置関係はオーストラリアとアメリカくらいの感じなのだとか。実際、サンサドルという国は、昔アメリカから桃源星に移住してきた人の子孫が多く住んでいるらしい。ちなみにベツレヘムはオーストラリアとは無関係らしい。
そんな遠くに行くのに当日までベツレヘムにいて大丈夫なのか?と昨日までは思っていたが、流石はアダムである。
実は前日にこんなものを渡されていた。
「これは何だ?」
アダムに呼び出された俺は、突然ルービックキューブのようなものを渡された。
「これはトランスキューブと言います。これを使うと、桃源星の中であれば、一度行った場所に瞬時に行けます。」
「どういうことだ?」
アダムの説明に頭が追いつかない。
「まぁド◯エモンに出てくるピンクのドアみたいなものです。とりあえず使い方を説明します。」
アダムはそう言うと、トランスキューブに付いているボタンを押した。ボタンを押すと、ボタンが付いている反対の面についているカメラレンズのようなものが光り出した。まるで写真を撮ったかのようである。
「今、この青いボタンを押したことでトランスキューブにこの場所の情報が保存されました。では今から外に出ましょうか。」
「外…?」
外に出ると、アダムは再びトランスキューブについての説明を始めた。
「そして青いボタンの隣にある赤いボタンを押すと…。」
アダムがボタンを押すと、そのボタンが付いている面の横の4つ面に映像が映し出された。
「スゲェ…。なんだこれ…。」
「映像にはこれまでにトランスキューブで情報が保存されている場所が出てきます。そして行きたい場所にタッチすると…。」
ボン
アダムが映像のうちの1つをタッチすると、トランスキューブが光出した。そして、一瞬にしてさっきまでいた研究所まで戻ってきた。
「ここは…研究所…か?」
「はい。」
「…。こんなルービックキューブみたいなので瞬間移動が出来るなんて…。」
「ヒロ君にはこれを使って明日は予選会場まで行ってもらいます。既に予選会場の情報は保存されているのであとはさっき言った通りにお願いします。」
「あぁ。分かった。もう今さら驚かないけど改めて凄いな。」
「凄い驚いているように見えましたけどね(笑)でも欠点もあります。まず保存出来るのは4ヶ所までです。新しく5ヶ所目を保存すると1番古い情報が消えてしまいます。それと、場所が遠いとどうしても時間がかかります。また、その場所に人が密集していたり、その場所が改築されてたりすると上手く移動出来ない可能性があります。」
「それでも十分凄いけどな…。」
昨日アダムに言われた通りにトランスキューブを使うと、トランスキューブが光り出した。場所が遠いため昨日のように一瞬とは行かなかったが、それでもすぐに会場まで瞬間移動することに成功した。
「ここが予選会場か…。」
桃源星とは言え、会場は地球で見かける球技場とあまり変わらない。
中へ入ると、既に沢山の人がいた。予選の開始時刻は11時。今の時刻は10時58分。思ったよりギリギリに着いてしまった。
11時になると、司会者らしき人が現れた。
「えーみなさん。今日はお集まり頂き誠にありがとうございます。今回の司会を務めさせて頂くベンジャミン•プラスと申します。よくベンと呼ばれます。それでは早速ですが、予選の内容について説明したいと思います。予選では第一次審査と第二次審査があります。第一次審査では皆様のエネルギー量と身体能力を見ます。そして、第二次審査では第一次審査を通過した者同士で実際に一対一で戦ってもらいます。」
なるほど…。事前にアダムから聞いていた通りだった。おそらく毎年予選の内容は同じなのだろう。
「これは余談ですが、U-20バトルトーナメントには毎年2000人程の参加者が応募してきます。ですが、予選を通過するのは16名だけです。それでは第一次審査を始めて行きます。ここからはスタッフの指示通りに進んで下さい。」
司会者のベンジャミン•プラスはそう言い終わるとその場から去っていった。その後、俺たち参加者はスタッフの指示通りに第一次審査を進めていく。
審査の前に俺たちはアームバンドのようなものを付けさせられた。どうやらエネルギー量を正確に測るための装置らしい。
その後、俺を含む参加者は体力テストを行った。短距離走、長距離走、握力、立ち幅跳び、反復横跳び、etc…。中にはパンチ力を測ったり、エネルギーの飛距離を測ったりなど桃源星ならではのテストもあった。
全てのテストが終わると、アームバンドに数値が表れた。
エネルギー量 6/10
パワー 7/10
スピード 7/10
テクニック 6/10
スタミナ 7/10
メンタル 9/10
合計 42/60
これは…どうなんだ?微妙な点数にやや不安を覚える。
しばらくして、参加者全員が第一次審査を終えたのか、司会のベンジャミン•プラスが再び戻ってきた。
「皆様、第一次審査お疲れ様でした。えー残念ながら第一次審査で7割、つまり42/60を下回った方は残念ながら不合格とさせて頂きます。41点以下の方はアームバンドを置いてお帰り下さい。不正をしてもバレますからやめた方がいいですよ。」
ギリギリ…。なんとか持ち堪えた。けどこんなギリギリで第二次審査は大丈夫なのだろうか…。
ベンジャミン•プラスの宣言通り、不正をした者はすぐにバレて帰らされていた。おそらくアームバンドに細工がしてあるのだろう。結局、第二次審査に残った人数は1/4程にまで減少した。それでも本戦に出れるのは16人。当然油断など出来るはずもない。
「それでは第二次審査は翌日行います。明日再びここに来る時には必ずアームバンドを忘れないで下さい。忘れたら出場資格を失います。」
そして、俺は予選会場のすぐ近くにあるホテルで翌朝まで過ごすことにした。一度ベツレヘムに戻ろうとも思ったが、そうすると緊張感がなくなりそうだからやめた。ホテル代諸々はありがたいことにアダムから貰っていたため、特に困ることはなかった。
そして、翌日。ついに第二次審査が始まった。
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