【完結】婚約破棄された令嬢ですが、冷酷公爵の溺愛が過ぎて困っています

22時完結

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永遠を誓う日

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    空が高く晴れ渡る麗らかな春の日。
グランフィールド公爵家の庭園は、まるで夢の世界のように美しく装飾されていた。
色とりどりの花々、緩やかに流れる噴水、そして集まった数多の貴族たちの優美な笑顔。

本日、リディア・ウィンストンとレオンハルト・グランフィールドの婚約披露の祝賀式が盛大に開かれていた。

邸内の一室、鏡の前に立つリディアは、しずかに自分を見つめる。

「……まるで、夢みたい」

肩を包むようにふわりと広がるオフホワイトのドレス。
レオンハルトが贈ってくれた蒼玉(サファイア)のネックレスが、胸元で清らかに輝く。

侍女たちは、まるで花嫁のようだと口々に感嘆していた。

コンコン、とノックが鳴る。
「入ってもいいか?」という低く穏やかな声。
それにリディアが「どうぞ」と応じると、ドアが開き、黒の礼装に身を包んだレオンハルトが現れた。

「……美しい。まるで、花嫁だな」

「まだ正式な結婚式ではありませんけれど、そんなふうに言っていただけると……少し照れますわ」

「君が照れる姿を見るのが、最近の俺の癒しなんだ。……愛してる、リディア」

そっと差し出された手に、リディアはためらいなく自分の手を重ねた。

「わたくしも、愛しています。……あなたと出会えて、本当によかった」

二人はそのまま、庭園へと歩き出す。
祝福の鐘が、静かに鳴り響いていた。



披露の儀式が終わり、夜には親しい者たちだけを招いた舞踏会が催された。

レオンハルトとリディアは、何度も軽やかにステップを踏み、楽しげに微笑み合う。
その姿は周囲の誰の目にも幸福そのものに映っていた。

――だが、その裏で一つの来訪者があった。

「……おめでとう、リディア」

その声に、リディアは瞬きする。
姿を現したのは、かつての婚約者――アルフレッド王太子。

「どうして……ここに?」

「式の招待状はなかったが、彼(レオンハルト)から、言伝があった。“過去に区切りをつけに来るなら、今が最期の機会だ”と」

リディアは少しだけ眉をひそめた。

「……過去は、もう必要ありませんわ」

「それでも……俺は、お前に謝りたかった。あのとき、もっと冷静に君を信じていれば……君がこんなにも強く、気高い女性だったと、もっと早く気づいていれば」

彼の声は真摯だった。
だがリディアの表情は静かで、どこまでも穏やかだった。

「わたくしの傷は、すべてあの方が癒してくれました。あなたの言葉は、もう必要ないのです」

その言葉を聞いた王太子は、深く頭を下げてから立ち去っていった。

リディアはレオンハルトの腕にそっと寄り添い、囁く。

「……これで、本当に終わりました」

「ああ。君の過去はもう、俺がすべて引き受ける。これから先は、君の幸せしかない」

レオンハルトの瞳は、炎のようにまっすぐだった。
リディアは、その優しさに静かに微笑む。

「わたくしの人生で一番良かったのは、あのとき捨てられたことではなく――あなたに拾われたことです」



その翌朝。
ふたりは、家族だけを招いた小さな誓約の儀を行った。

場所はグランフィールド家の藤棚の下。
そこは、初めてリディアが涙を見せた場所であり、レオンハルトが彼女に“もう泣かなくていい”と告げた場所。

レオンハルトが、ひざをついて手のひらを差し出す。

「これは、母が父から贈られたものだ。今度は、俺から君へ。……この指輪は、代々、“愛した女性一人だけ”に与えると決まっている」

「……わたくしが、それをいただいていいのでしょうか」

「君以外の誰がいる」

リディアの薬指に嵌められたその指輪は、深く輝く青。

――まるで、彼の瞳のような色だった。

「愛してる、リディア。君のすべてが愛おしい。君の過去も、今も、そして未来も――俺が守る」

リディアは涙を溢れさせながら、そっと笑みを返した。

「わたくしも、あなたのすべてを受け入れ、支えます。永遠に」

そっと重なる唇。
月明かりの下、ふたりの誓いは静かに永遠となった。

詳細な長文化や追加シーンご希望あればお知らせくださいね。
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