生き残りBAD END

とぅるすけ

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第1章 犯罪制裁 編

苦手な物は苦手でいいじゃないですか。だいたい何で………

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 午後9時 剣得宅
 剣得は楓彩を背負って自分のマンションまで歩いていた。

「ショウ、今日は俺ん家に止まっていけ」

 唐突な剣得の言葉に

「え!? あんた、私を……」

 と手を口に当てて赤面する。

「やかましいわ!! 楓彩を頼む」
「いいけど、1つ聞かせて、確時睡眠症って?」

 ショウは打って変わって真面目な声で尋ねる。

「あぁ、楓彩は夜9時になると何をしていようが電源が切れたみたいに寝てしまう病気なんだよ」

 ショウはそれを聞いて1つ腑に落ちないことがあった。

 “剣得さんがいないと寝れません”

 楓彩のこの発言だった。

「楓彩はさっき剣得がいないと寝れないって言ってたけど?」
「そうなんだよ、楓彩はこの病気を自覚していないみたいなんだ…一種の記憶障害でもあって、朝になると寝る直前の記憶は全くないらしい…なぜか、俺のおかげで寝れてると錯覚しているけど」

「へぇ……発症したのはいつから?」

 腕を組み、考えながら質問を続ける。

「さぁ、俺と出会った時はもう発症してたぞ?」
「そう…G,S,Aに入隊したとして、夜の任務はきつそうだね」

 と心配そうに言う。

「そうだな……こいつの病気は信頼出来るやつにしか言ったことがない…だから…」
「んじゃ、剣得は私を信頼してるんだね?」

 どこか、嬉しそうに言う。

「半分な…お前は楓彩に手を出しそうだから警戒はしてるよ」

とジト目を向けるが

「2095年お前に言われたくない大賞受賞おめでとうございます」

 と、馬鹿にした感じて拍手された。

「酷でぇ」


 程なくして剣得宅に到着する。

「楓彩の体を洗ってやってくれないか?」
「デュヘへ…」

 と、すごく嬉しそうにニヤニヤする。

「頼むぞ」

 と剣得は真剣にショウを睨む。

「わ、分かったよ…剣得はこれからどうするの?」

 ガッカリした後、質問するショウ。

「仕事に戻る…楓彩に手を出すなよ?」

 再度忠告する剣得。
そして剣得は楓彩を浴室に入れてショウに預けると剣得は「手ぇ出すなよ」といって、家から出ていってしまった。
 そしてショウは楓彩の来ている服を脱がせる。すると

「ノーブラ!?」

 ショウは驚愕の後に

「……本当にあんた綺麗な肌してるね」

 と独り言が漏れる。
それほど楓彩の肌は白くまるで白陶器のように綺麗だった。

「ここは残念だけど」

 楓彩の胸は年頃の女の子と比べてしまうとはっきり言って貧乳だろう。
 それもまな板レベルの…。
 その後ショウはニヤニヤしながら楓彩の身体を洗い、一緒のベットで寝ようとする。が

「ああ、楓彩いい匂い───」

 ショウが楓彩の匂いを嗅ごうとした瞬間、楓彩は寝返り、そのまま左の拳がショウの鼻を捉える。

「いったぁぁぁぁぁあいっ!!」

 クリーンヒットだった。
 ショウはベットから転がり落ち、悶絶する。そして、痛みに耐え顔を上げると、

「むにゃぁー」
「ひっ!! ──」

 楓彩の右足がショウの顔面に衝突する。
 ショウの意識はそこで途絶えた。


「──さん! ──ウさん! ──ショウさん!」

 楓彩が激しく揺れている。

「ん、んん? っ!! いたたぁ」

 と、鼻元を抑えるショウ。

「大丈夫ですか? ショウさ」

 と、パジャマ姿の楓彩が覗き込むように尋ねる。

「あれ? 私、気絶しちゃった? ……今何時?」

 と時計を探す。

「11時です…床で寝てたら風邪を引きますよ?」

 楓彩は何故か正座で忠告する。

「11時!? 本部行かなきゃ! って楓彩も寝起き?」

 ショウは起き上がり、楓彩に尋ねると

「はい、寝坊ですね」

 と、柔らかい笑を向けてきた。

「はは(昨日の夜のことが無ければ超可愛い!!)」

 結構遅くなったが、楓彩とショウは朝支度を済ませて本部に向かうことにした。

「楓彩は付いてこなくていいんだよ?」

 と走りながら右後ろについてくる楓彩に言う。

「いえ、剣得さんに会いたいので」

 何ともまぁ、可愛い返答が返ってきた。

「楓彩は剣得が好きなんだね(そのうち、その気になればヤリそうだな)」
「はい! 大好きです」
「っ!!」

 その瞬間、楓彩の曇り無き眼をみて、自分の汚れた心に対してすごく恥ずかしくなるショウ。
 おそらく剣得を恋愛対象として見ておらず、人として大好きらしい。


 G,S,A本部
 2人はやや駆け足で通勤した。

「おはよー」「楓彩」
「おはようござ────」「ちゃぁぁん!!!!」

 ショウと楓彩が本部のフロントに入って約2秒。 

 「──いま──ぶっ!!!!」

 ショウの隣から楓彩が消える現象が起きた。

「いやぁぁ!! 楓彩ちゃぁん! 会いたかったよぉぉ!!」

 楓彩はいま、すごく混乱している。
 柔らかくて大きなものが視界を塞いでいて、身体の上に乗られているのか、全然動けない。

「んんんんん!!」

 大きなもの2つは楓彩の口と鼻を塞ぎ始めたので楓彩は大きなもの2つを手の平で叩き始める。

「痛い痛い」
「くっ…苦しい……」
「あ、ごめんごめん」

 楓彩の上に乗っている女性は楓彩の頭から自分の胸を離し、そして

「楓彩ちゃん! 体柔らかーい! あれ? 成長した?」

 と胸を揉むなど、セクハラ行為を続ける。

「ひゃあぁ!! ど、どこ触ってるんですかぁ!!」

 その瞬間、楓彩を拘束していた、女性の頭に拳が落とされる。

「──いったぁ!」

 楓彩の上で頭を抱えてうずくまる。

「何やってんだよ小雨」

 楓彩を救ったのは拳から少し煙を出した剣得だった。

「剣得くん? すっごい痛いんだけど」

 雨地あまち 小雨こさめ
楓彩の中で胸が大きい事で印象深い女性。戦場の鬼と言われているが、性格が見ての通りなので威厳がない。

「改めて、久しぶり!! 楓彩ちゃん!」

 とハグを求めているのか両手を広げる。

「うぅぅ…」

 楓彩は小雨を警戒して剣得の後ろで涙目で上着を掴んでいた。

「あ、あれぇ?」

 小雨はキョトンとした。
 するとショウは茶番を見るような目をしたまま

「剣得は仕事終わったわけ?」

 と質問する。

「あぁ、終わった…楓彩が昼時だと思って帰ろうと、来てみれば……」

 と小雨に視線を送る。
 小雨は楓彩に向かって

「楓彩ちゃん、ごめんってば! ね? 許してよぅ…ピザ奢るから!」

 と土下座をするほどの全力の小雨の謝罪に

「うぅ、分かりましたよぉ! だからくっつくのやめて下さい!」

 楓彩は完全に警戒している様子だった。
 すると、剣得が

「楓彩、お昼にしよう」

 と楓彩を小雨から遠ざけるためか、昼食を勧める。

「は、はい! で、では」

 と楓彩は小雨を振りほどくと、剣得の後を追って足早に行ってしまった。

「まってぇー」

 小雨は楓彩に右手を伸ばす。が届かず。

「小雨、いい加減諦めなよ」

 ショウは腰に手を当て、呆れた表情を作る。

「はぁ、久しぶりだったから興奮しちゃって」

 と笑い混じりに言ったが、結構悲しそうだった。


「うう、お腹空きましたぁ」

 楓彩は腹を抑えて前かがみになって歩いていた。

「朝は何を食ったんだ?」
「何も食べてません…さっき起きたので。」
「……ショウは何してたんだよ……」

 その後2人は昼食をかかりつけの食堂で取ることにした。

「意外と空いてますね」

 楓彩の言う通り、料理を受け取るカウンターは毎日長蛇の列だが、今日は皆、忙しいのか人が少ない。

「楓彩悪いが、先に注文して食べていてくれ」

 剣得は自分のポケットをあさる。

「剣得さんどこに行くんですか?」
「トイレ」

 楓彩は剣得からカードを受け取ると、カウンターまで行き、四角いお盆を取り、料理を選び始める。

「んーー」

 悩んだあげく、楓彩はきつねうどんとカツ丼、そして、カレーライスを注文した。
 もちろん自分が食べる分だ。
 楓彩が席に座ろうとすると、数少ない顔見知りと目が合う。

「あっ」
「あっ」

 向こうもこちらに気づいたようだ。

「と、隣いいですか? りんさん」

 恐る恐る話しかけると

「あぁ、うん」

 と素っ気ない返事だった。
長机の席で楓彩の隣りに座っている、ショートカットの髪をうなじあたりで2つに結んでいる可愛らしい女性。
 みかど りんG,S,Aの戦闘員。

「あ、あの臨さん」

 会話を切り出そうとする。

「ん、何?」

 基本は無口で視線が冷たい。が

「お待たせ、楓彩、結構頼んだな…食えんのか?」

 トイレから戻った剣得が臨の向かいに座る。

「あ、剣得さん…あげませんよ?」
「いらねぇよ、ん? 臨じゃねぇか、戻ってたのか」

 と臨の目を見て話しかける。

「は、は、は、剣得さん!」

 臨は口をパクパクさせて、両手で顔を隠した。

「?」

 楓彩のいる角度からは臨の顔を見ることが出来た。

「臨さん? 顔赤いですよ? 大丈夫ですか?」

 臨の顔をのぞき込むように尋ねる。

「だ、大丈夫だから、その、み、見ないで」

 両手の指の間から見える臨の顔は真っ赤に染まっていた。

「俺もご一緒させてもらうぞ」

 と臨に取っては輝かしく、楓彩にとっては普通の顔をする。
 臨は俯いたまま、動かなくなった。それを横目に楓彩は気にすることなく、3つの料理を蹂躙していた。

「おいしいー!」

 昨晩のような幸せそうな顔。

「さぁて、俺もなんか食おうかな…楓彩、カード返してくれ」

 と楓彩に手を差し伸べる。

「あ、はい」

 楓彩はポケットからカードをとりだし、渡した。
 その時だった。施設内に警報が鳴り響く。

「っ!!」
「またか、最近多いな…臨! 出るぞ」
「っ!! は、はい!!」

 臨は体をビクッと震わせて、立ち上がると、剣得と一緒に走り出した。

「は、剣得さん!? 臨さん!? 」
「楓彩! 悪いな! 留守番してろ! すぐ戻る!!」

 楓彩は剣得に付いて行こうとするが、料理を残すのも勿体ないという気がしたのでまた食べ始めた。
 この非常事態に。


「総督、海区C-4です…生存者サバイバー警報、レベル5です」

 オペレーターは焦った表情で総督である剣得に報告する。
 この島の近辺の海には度々、本土から生存者サバイバーが接近してくる。
 本来なら海底から海面までの高さの壁があるのだが、“奴ら”は人類の予想を越える生物。海も泳げれば空も飛べる。

「さて、行くか…総員出撃!! 進行を阻止せよ!!」

 剣得は肩からかけている制服をなびかせる。

「「「了解!!」」」

 始まった、G,S,Aの本業が。



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