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第2章 「征」編
「征」
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G,S,A本部に爆音が響き渡る。
「っ!! な、なんですか!?」
一階を突き進む3人は一度足を止める。
「爆発だね…なんだか…こっちの本拠地なのにやけに…統率が取れない…」
次の瞬間、辺りの証明が落ち、照らす光は外から差し込める日光だけになった。
しかし、これは今3人がいるのが一階ならではの事。
エントランスや出入口が多いいため、光も入ってくる。
二階より上は暗闇に覆われているだろう。
「まぁ、今私たちに出来ることをしっかりやろう」
ショウはそう言って懐から拳銃を取り出す。
次の瞬間、その銃は銀色の液体になり、証明付きのライフルを型どると、ショウの右腕に収まる。
「さぁ、行こうか」
3人は静かな一階を走り抜ける。
そして、3人は五階に到着する。
「静かだね…」
先導する楓彩は真っ直ぐ、司令室に向かう。
「楓彩、ちょっと速いよ…」
楓彩の足取りに焦りが見て取れる。
やはり楓彩も剣得のことが心配で堪らないようだ。
そして、司令室付近に入る。
「楓彩、止まって」
ショウの声に、足を止める楓彩。
「ショウさん?」
「静かすぎる…司令室は制圧済みと考えていい…」
司令室ドア付近は暗闇で良く見えないが、危険な香りがする。
3人は足音を極力、立てないように静かに司令室ドア付近を取り囲む。
「…」
ショウは3人の顔を見て頷き、合図する。
そして、司令室の中に突入し、3人ともそれぞれの戦型に合わせた構えをする。
だが、室内は暗闇に覆われ、ショウ以外には何があるのかわからない状況だった。
室内は煙たく、楓彩の嗅覚を妨害していた。
ショウは自慢の視力で見えた、床に落ちている発煙筒を広い、着火する。
「っ! 遅かったか…」
「っ!!」
「うっ!」
発煙筒から出る赤い光はあたりを照らし、額を撃ち抜かれた女性隊員の死体を露わにする。
「うぶっ!」
楓彩は手で口を抑え、膝を付いてしまった。
「楓彩ちゃん!」
小雨は楓彩の元へ駆け寄り、背中をさする。
「ゲホッ! オエッ!!」
その死体だけではなく、その部屋にはたくさんの銃殺されたG,S,A隊員の死体が無惨に散らかっていた。
「…? …まって、大丈夫だよ、楓彩! 剣得の死体は無い! 生きてるよ!」
今、ショウが楓彩にかけることが出来る唯一の言葉だった。
だが、楓彩は死体を初めて見たショックが大きく、ついに嘔吐してしまう。
「か、楓彩!! ちょっと!」
その後、楓彩の体調を気遣って、司令室を一度出る。
「楓彩? 落ち着いた?」
楓彩は無言で頷き、ショウはしゃがんでいる楓彩の背中をずっとさすっていた。
「ショウちゃん、何か分かった?」
「…奴らは、ここでの全滅を図ろうとしたけど、運悪く、剣得がいて、失敗したので工作員を働かせ、私達の機動力と統率力を奪った…そして、剣得達だけど、恐らく、通信機能を復活させるため屋上に向かってると思う…」
「じゃあ、屋上に行けば剣得達と合流できそう?」
「うん」
小雨はポケットから携帯を取り出して簡易ライトを起動させる。
「なんだ、そんなの持ってるなら早く使いなよ」
「ごめんごめん、忘れてたよ」
そして、小雨は司令室付近の廊下の壁に表示されている館内図を携帯から出る光で照らす。
「多分、屋上に行く前に、工房に寄ってるんじゃない?」
「どうして?」
「剣得くんだよ? 仲間を集めてるに決まってるじゃん!」
「確かにそうだね…だとすると…先回りして、人が避難場所として集まり、かつ、兵器もある…六階の…」
楓彩は顔をあげ、目的地の場所だけでも聞く。
「「戦闘実演室」」
「生存者はいたか?」
剣得は兵器開発部門の施設内にいる生存者を探し出し、かき集めていた。
結果、20人ほどの生存者が見つかり、剣得達の武器が充実する。
「よし、次は戦闘実演室だな…」
戦闘実演室
「やっ! やめっ!!──」
戦闘実演室の薄暗い光の中、小雨の実兄、雨地 晴雲は逃げてきた、G,S,A隊員達をバラしていた。
「ぎゃはははっ!! あっけねぇな! 抵抗しろよ!!」
数人のG,S,A隊員は晴雲目がけて発砲する。
しかし、晴雲の能力により、弾丸は晴雲に命中する直前に両断されてしまう。
「撃て撃て!!」
G,S,A隊員の抵抗も虚しく、あっという間に、総勢30名の隊員は全滅してしまう。
「はぁあ、つまんねーな…だらしねーな、寄って集ってこんなもんかよ…この島の人類を救うGSAさんよー…」
晴雲は死体の山で勝利に酔う。
「まぁこれくらい殺せばいいだろ? ダイヤ…」
部屋の隅の暗闇から姿を表したのは右腕関節部の断面に包帯を巻いた先程、剣得にやられた男性だった。
「あぁ、上出来だ…これならあいつ(王子剣得)の精神に綻びが生まれる…そうなれば我のM(マインドコントロール)の餌食だ」
剣得率いる本隊
「止まれ、何かが、近づいてくる…」
剣得は前方の暗闇から気配を感じ、右拳を上げ、後ろに続く隊員達に停止を促す。
「…」
剣得はまじかに気配を感じ取り、左手で懐から拳銃を取り出して、構える。
ショウ率いる即席部隊
「楓彩、止まって、後ろに何か来てる…」
ショウは近づいてくる気配をまじかに感じ、ライフルを構える。
「っ!!」
暗闇から姿を表したのは口から血を吹き、死に絶えた重装備の男性。
その男性は倒れ込み、床を血だらけにした。
その際、小雨は咄嗟に楓彩の視界を奪った。
「……こ、これは…」
そして、暗闇から姿を現す人影。
小雨はライトを向ける。
「…り、臨……」
浮かび上がったのは西区に出現した生存者(サバイバー)の討伐に当たっていた、帝 臨。
「臨さん?」
楓彩は小雨に目を隠されたまま、臨の名前を呼ぶ。
「やぁ、敵襲だね……」
臨は、銀の槍を肩に乗せ、余裕な表情で登場する。
「オレ、一人で寂しかったからちょうどよかったよ」
と、臨はにこやかに笑って見せる。
「こっちも戦力が欲しかったからちょうどよかった」
ショウも微笑み返す。
普段は犬猿の仲の二人だが、さすが非常時といったところだろうか。
そして、3人は、臨を戦力に迎え、戦闘実演室へ向かう。
「っ!! …こ、これは……」
その頃、剣得がめにしていたのは、通路の右側の壁に、肩や、足をナイフで止められ、貼り付けになっている、敵兵だった。
そして、暗闇の中から、姿を現したのは
「…お、お前は…」
テレポート使いの男性だった。
「この敵襲は、お前を助けるためじゃないのか?」
剣得は混乱した。
目の前にいる男の後ろの壁に、目の前の死体と同じ手口で貼り付けられている、死体が、数体あったから。
「ったく、俺の“神楽”を探してたら、これだ……お前らはだらしがないな……」
「か、神楽…?」
男は、剣得に向けて、日本刀を提示する。
綺麗な、黒い鞘に収められた、刀。
男を逮捕した際に、装備していた物だ。
「まぁいい、お前、名前は……?」
「は?」
男は、唐突な質問に、素っ頓狂な声を上げる。
「いいから、お前を呼ぶ時に困る…」
「………そうだな…では、“いろは”と、呼んでくれ」
「いろはか、随分可愛い名前だな…」
「ほっとけ…」
そして、いろはを仲間に加えた剣得たちは、戦闘実演室前に到着する。
剣得の合図で、隊員たちは入り口を取り囲み、剣得はいろはとともに、ドアの前に躍り出る。
だが、異変に気ずく。
「静かすぎる……」
「あぁ、静かだな……」
剣得は、ドアを静かに開き、隊員達を引き連れ、突入する。
その時、部屋の奥から、血の匂いが押し寄せてくる。
「お、遅かった…!」
さらに進むと、見えてきた、禍々しい山の上にあぐらをかいて、王のように居座っている晴雲の姿が。
「晴雲!! テメェ……!!」
剣得は、大気を震わせるほどの殺気を放つ。
「王志 剣得…! 来たか……」
ショウ率いる即席部隊
「よし、着いた…? …人の気配が無い…」
ショウは警戒して、恐る恐る、中の様子を確認する。
そして、目にしたのは死体の山。
「なっ!! ………だ、だめだった、次に行こう…」
ショウは向き直り、深呼吸して、歩き出そうとする。
と次の瞬間
「ショウさん!!」
ショウの肩に血塗れの男の大きい手が乗る。
「っ!!」
ショウが振り返ると
「あ、あんた!!」
そこにはテレポート使いの男性が、虫の息で、ショウに捕まっていた。
「かはっ! …に、逃げろ……!!」
ショウは咄嗟に、男の脇の下に入り、肩を貸す。
「何があったの!?」
「はぁ、はぁ、は、話は後だ…!! …離脱する!!」
楓彩はテレポートの能力を知っているため、咄嗟に、臨と小雨に触れ、男に背中を触れさせる。
次の瞬間、辺りに張り詰めていた圧迫した空気は開放され、心地よい夜風が吹いていた。
目の前にはスラム街だろうか、粗末な建物が敷き詰めるように建っていた。
「「っ!!」」
臨と小雨は一瞬何が起きたのか、理解出来なかった。
そう思うのも束の間。
「おい! しっかりしろ!!」
ショウの肩に掴まってる男はもはや自立できないほどに弱り果てていた。
この日、島の平和を保っていたG,S,Aの本部は反社会組織、SABERによって壊滅状態に追い込まれた。
「っ!! な、なんですか!?」
一階を突き進む3人は一度足を止める。
「爆発だね…なんだか…こっちの本拠地なのにやけに…統率が取れない…」
次の瞬間、辺りの証明が落ち、照らす光は外から差し込める日光だけになった。
しかし、これは今3人がいるのが一階ならではの事。
エントランスや出入口が多いいため、光も入ってくる。
二階より上は暗闇に覆われているだろう。
「まぁ、今私たちに出来ることをしっかりやろう」
ショウはそう言って懐から拳銃を取り出す。
次の瞬間、その銃は銀色の液体になり、証明付きのライフルを型どると、ショウの右腕に収まる。
「さぁ、行こうか」
3人は静かな一階を走り抜ける。
そして、3人は五階に到着する。
「静かだね…」
先導する楓彩は真っ直ぐ、司令室に向かう。
「楓彩、ちょっと速いよ…」
楓彩の足取りに焦りが見て取れる。
やはり楓彩も剣得のことが心配で堪らないようだ。
そして、司令室付近に入る。
「楓彩、止まって」
ショウの声に、足を止める楓彩。
「ショウさん?」
「静かすぎる…司令室は制圧済みと考えていい…」
司令室ドア付近は暗闇で良く見えないが、危険な香りがする。
3人は足音を極力、立てないように静かに司令室ドア付近を取り囲む。
「…」
ショウは3人の顔を見て頷き、合図する。
そして、司令室の中に突入し、3人ともそれぞれの戦型に合わせた構えをする。
だが、室内は暗闇に覆われ、ショウ以外には何があるのかわからない状況だった。
室内は煙たく、楓彩の嗅覚を妨害していた。
ショウは自慢の視力で見えた、床に落ちている発煙筒を広い、着火する。
「っ! 遅かったか…」
「っ!!」
「うっ!」
発煙筒から出る赤い光はあたりを照らし、額を撃ち抜かれた女性隊員の死体を露わにする。
「うぶっ!」
楓彩は手で口を抑え、膝を付いてしまった。
「楓彩ちゃん!」
小雨は楓彩の元へ駆け寄り、背中をさする。
「ゲホッ! オエッ!!」
その死体だけではなく、その部屋にはたくさんの銃殺されたG,S,A隊員の死体が無惨に散らかっていた。
「…? …まって、大丈夫だよ、楓彩! 剣得の死体は無い! 生きてるよ!」
今、ショウが楓彩にかけることが出来る唯一の言葉だった。
だが、楓彩は死体を初めて見たショックが大きく、ついに嘔吐してしまう。
「か、楓彩!! ちょっと!」
その後、楓彩の体調を気遣って、司令室を一度出る。
「楓彩? 落ち着いた?」
楓彩は無言で頷き、ショウはしゃがんでいる楓彩の背中をずっとさすっていた。
「ショウちゃん、何か分かった?」
「…奴らは、ここでの全滅を図ろうとしたけど、運悪く、剣得がいて、失敗したので工作員を働かせ、私達の機動力と統率力を奪った…そして、剣得達だけど、恐らく、通信機能を復活させるため屋上に向かってると思う…」
「じゃあ、屋上に行けば剣得達と合流できそう?」
「うん」
小雨はポケットから携帯を取り出して簡易ライトを起動させる。
「なんだ、そんなの持ってるなら早く使いなよ」
「ごめんごめん、忘れてたよ」
そして、小雨は司令室付近の廊下の壁に表示されている館内図を携帯から出る光で照らす。
「多分、屋上に行く前に、工房に寄ってるんじゃない?」
「どうして?」
「剣得くんだよ? 仲間を集めてるに決まってるじゃん!」
「確かにそうだね…だとすると…先回りして、人が避難場所として集まり、かつ、兵器もある…六階の…」
楓彩は顔をあげ、目的地の場所だけでも聞く。
「「戦闘実演室」」
「生存者はいたか?」
剣得は兵器開発部門の施設内にいる生存者を探し出し、かき集めていた。
結果、20人ほどの生存者が見つかり、剣得達の武器が充実する。
「よし、次は戦闘実演室だな…」
戦闘実演室
「やっ! やめっ!!──」
戦闘実演室の薄暗い光の中、小雨の実兄、雨地 晴雲は逃げてきた、G,S,A隊員達をバラしていた。
「ぎゃはははっ!! あっけねぇな! 抵抗しろよ!!」
数人のG,S,A隊員は晴雲目がけて発砲する。
しかし、晴雲の能力により、弾丸は晴雲に命中する直前に両断されてしまう。
「撃て撃て!!」
G,S,A隊員の抵抗も虚しく、あっという間に、総勢30名の隊員は全滅してしまう。
「はぁあ、つまんねーな…だらしねーな、寄って集ってこんなもんかよ…この島の人類を救うGSAさんよー…」
晴雲は死体の山で勝利に酔う。
「まぁこれくらい殺せばいいだろ? ダイヤ…」
部屋の隅の暗闇から姿を表したのは右腕関節部の断面に包帯を巻いた先程、剣得にやられた男性だった。
「あぁ、上出来だ…これならあいつ(王子剣得)の精神に綻びが生まれる…そうなれば我のM(マインドコントロール)の餌食だ」
剣得率いる本隊
「止まれ、何かが、近づいてくる…」
剣得は前方の暗闇から気配を感じ、右拳を上げ、後ろに続く隊員達に停止を促す。
「…」
剣得はまじかに気配を感じ取り、左手で懐から拳銃を取り出して、構える。
ショウ率いる即席部隊
「楓彩、止まって、後ろに何か来てる…」
ショウは近づいてくる気配をまじかに感じ、ライフルを構える。
「っ!!」
暗闇から姿を表したのは口から血を吹き、死に絶えた重装備の男性。
その男性は倒れ込み、床を血だらけにした。
その際、小雨は咄嗟に楓彩の視界を奪った。
「……こ、これは…」
そして、暗闇から姿を現す人影。
小雨はライトを向ける。
「…り、臨……」
浮かび上がったのは西区に出現した生存者(サバイバー)の討伐に当たっていた、帝 臨。
「臨さん?」
楓彩は小雨に目を隠されたまま、臨の名前を呼ぶ。
「やぁ、敵襲だね……」
臨は、銀の槍を肩に乗せ、余裕な表情で登場する。
「オレ、一人で寂しかったからちょうどよかったよ」
と、臨はにこやかに笑って見せる。
「こっちも戦力が欲しかったからちょうどよかった」
ショウも微笑み返す。
普段は犬猿の仲の二人だが、さすが非常時といったところだろうか。
そして、3人は、臨を戦力に迎え、戦闘実演室へ向かう。
「っ!! …こ、これは……」
その頃、剣得がめにしていたのは、通路の右側の壁に、肩や、足をナイフで止められ、貼り付けになっている、敵兵だった。
そして、暗闇の中から、姿を現したのは
「…お、お前は…」
テレポート使いの男性だった。
「この敵襲は、お前を助けるためじゃないのか?」
剣得は混乱した。
目の前にいる男の後ろの壁に、目の前の死体と同じ手口で貼り付けられている、死体が、数体あったから。
「ったく、俺の“神楽”を探してたら、これだ……お前らはだらしがないな……」
「か、神楽…?」
男は、剣得に向けて、日本刀を提示する。
綺麗な、黒い鞘に収められた、刀。
男を逮捕した際に、装備していた物だ。
「まぁいい、お前、名前は……?」
「は?」
男は、唐突な質問に、素っ頓狂な声を上げる。
「いいから、お前を呼ぶ時に困る…」
「………そうだな…では、“いろは”と、呼んでくれ」
「いろはか、随分可愛い名前だな…」
「ほっとけ…」
そして、いろはを仲間に加えた剣得たちは、戦闘実演室前に到着する。
剣得の合図で、隊員たちは入り口を取り囲み、剣得はいろはとともに、ドアの前に躍り出る。
だが、異変に気ずく。
「静かすぎる……」
「あぁ、静かだな……」
剣得は、ドアを静かに開き、隊員達を引き連れ、突入する。
その時、部屋の奥から、血の匂いが押し寄せてくる。
「お、遅かった…!」
さらに進むと、見えてきた、禍々しい山の上にあぐらをかいて、王のように居座っている晴雲の姿が。
「晴雲!! テメェ……!!」
剣得は、大気を震わせるほどの殺気を放つ。
「王志 剣得…! 来たか……」
ショウ率いる即席部隊
「よし、着いた…? …人の気配が無い…」
ショウは警戒して、恐る恐る、中の様子を確認する。
そして、目にしたのは死体の山。
「なっ!! ………だ、だめだった、次に行こう…」
ショウは向き直り、深呼吸して、歩き出そうとする。
と次の瞬間
「ショウさん!!」
ショウの肩に血塗れの男の大きい手が乗る。
「っ!!」
ショウが振り返ると
「あ、あんた!!」
そこにはテレポート使いの男性が、虫の息で、ショウに捕まっていた。
「かはっ! …に、逃げろ……!!」
ショウは咄嗟に、男の脇の下に入り、肩を貸す。
「何があったの!?」
「はぁ、はぁ、は、話は後だ…!! …離脱する!!」
楓彩はテレポートの能力を知っているため、咄嗟に、臨と小雨に触れ、男に背中を触れさせる。
次の瞬間、辺りに張り詰めていた圧迫した空気は開放され、心地よい夜風が吹いていた。
目の前にはスラム街だろうか、粗末な建物が敷き詰めるように建っていた。
「「っ!!」」
臨と小雨は一瞬何が起きたのか、理解出来なかった。
そう思うのも束の間。
「おい! しっかりしろ!!」
ショウの肩に掴まってる男はもはや自立できないほどに弱り果てていた。
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