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第3章「奪還」編
仲間として、家族として、父親として
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「これから一緒に暮らす、王志 剣得だ…宜しくな」
雪のある日、剣得が住んでG,S,A本部に通っているアパートの近くの公園。
剣得は白いG,S,Aの制服の肩に積もる雪を気にせず、右手に赤色のマフラーを握りしめていた。
1人の黒い大人用の傘を両手で握りしめて白い息を吐いて立っている少女を見下ろす。
「…色々、思うことがあるだろうが…長い付き合いになる…」
鬼月 楓彩。
その日を境に、楓彩と剣得の生活が始まった。
この日、東区のあるマンションの一室に強盗と思わしき事件が起こった。
その部屋の住人である楓彩はまだ6歳だ。
今の状況を理解することの方が難しいだろう。
「………」
「え?」
「お母さん…は…?」
その事件で出た死人はただ1人。
楓彩の母親───鬼月 楓生(ふうせい)。
目の前で地面に生えている芝生に積もる雪を見つめているのか、泣いているのか、はたまた、剣得を心配そうに見上げているのか、傘で顔が隠れていて見えない。
「お母さんはどこですか…?」
その声で剣得は確信を持てた。
震えた声。
どうやら怯えているらしい。
剣得はしゃがみ、楓彩の顔をのぞき込む。
「うぅぅ…お、お母さん…は?」
不安、恐怖、混乱。
そんな感情を混ぜたような表情だった。
「ぐすっ……ふうぅ…」
ついに泣き出してしまった楓彩。
剣得は楓彩の代わりに傘を持ち、さらに楓彩に近づく。
「…楓彩って呼んでいいか?」
楓彩は涙ながらに頷く。
そして、楓彩は息を整えて、剣得と目線を合わせると、剣得は持っていたマフラーを楓彩に巻いてあげる。
「いいか? もう楓彩には何も起こらない…俺がずっと面倒をみる…死ぬまで…何があろうと…もう寂しい思いをさせないように俺は頑張るから…」
剣得も真っ直ぐ楓彩の目の奥を見る。
綺麗な、まるで海のように青く、深く澄んだ瞳。
「だから…俺を信じてくれるか?」
そんな剣得に少女が放った第一歩となる言葉。
────剣得さん…って呼んでもいいですか…?
「(まてよ…楓彩…俺はまだ…)」
楓彩の殺気ばしった目。
首元を狙った鋭い斬撃。
「(俺はまだ…お前の…楓彩の責任を果たしてない…)」
───刹那
剣得は楓彩の体に当たらないように、楓彩の斬撃よりも早く、そして楓彩が死なないように拳圧で楓彩を吹き飛ばす。
その攻撃は楓彩の持っていた短刀で防がれたが、短刀の1本が砕ける。
「───ふっ!!」
楓彩は空中で姿勢を立て直し、見事に着地する。
「楓彩…飲まれたのか…」
剣得は右肩に手を置く。
出血が酷い…。
「(これは…時間との勝負か…)」
楓彩は吹き飛ばされた先に落ちていた刀を拾い上げる。
そして抜刀し、切っ先を剣得へ向ける。
銀色の綺麗な刀身は失われ、代わりに、見るからに不気味な紅色に光る刀身がそこにはあった。
放たれるは楓彩の殺気その物。
「楓彩、すまない…俺が情けないばかりに…こんな目に遭わせてしまって…」
楓彩はその刀の切っ先を高く掲げる。
いろは が得意とする、多数の箇所への同時攻撃の構えだ。
───刹那
剣得の目前に4本の刀がそれぞれ、首、右脇腹、左脇腹、胸。
「すまない」
───刹那
剣得の周りを太陽がこぼした火のような橙が包む。
「っ!!」
その熱気は遠くにいた瑛太にまで届いた。
「熱っ!!」
楓彩はその熱気に晒され、軽々しく吹き飛ぶ。
楓彩の体は遠くの壁に打ち付けられるが、その後、すぐに着地をする。
「はぁぁ…」
炎に包まれる剣得を尚、殺気ばしった目が見つめる。
楓彩は再度、刀の切っ先を高く掲げる。
「楓彩…今、助けてやる」
剣得は残された左腕を前に突き出し、握りしめる。
───刹那
瑛太を襲ったのは強烈な風に乗って舞った灼熱。
「うわぁぁぁ!!」
そして、橙の光の後、黒煙は、風に流されすぐに消えた。
黒煙が晴れ、姿を現したのは気を失った楓彩を片腕で抱き抱える剣得。
「はぁ…はぁ…」
瑛太は気を取り直し、その剣得へ駆け寄る。
「総督!!」
「?」
剣得は駆け寄ってきた瑛太を見上げる。
「…お前は?」
「あぁ、神ヶ丘 瑛太です、楓彩とペアを組んで…」
「状況説明は要らない…大体分かる…本部はSABERの手の内に堕ちて、まさにショウを中心に奪還作戦を決行した体だろ。」
さすがの剣得だ。
頭の回転は早い。
「あ、あの、楓彩は…」
「気を失っているだけだ…」
楓彩は先ほどの炎で穴だらけになった制服のまま、ぐったりしている。
「そ、総督もその出血……」
「あぁ、止血材持ってるか?」
瑛太はその後、剣得の失った右腕の切断面を覆う形で止血する。
「悪いな…えっと? 瑛太でいいか?」
「あ、はい!」
「楓彩を頼む…俺はすることがある」
剣得はそう言って楓彩を瑛太に預けると自分の制服を探し、拾い上げて肩から掛けてその場を後にした。
「……(総督…さっきのは一体…)」
瑛太はしっかり見ていた。
突如、剣得を包んだ神々しい炎を…。
その炎は切りかかる楓彩を包み、そっと優しく眠らせた瞬間を…。
「……」
楓彩の体に火傷跡などは一切ない。
「まったく…常人は居ないのかな…」
瑛太はそんなことを言いながら、楓彩を背負い、戦闘実演室を後にした。
雪のある日、剣得が住んでG,S,A本部に通っているアパートの近くの公園。
剣得は白いG,S,Aの制服の肩に積もる雪を気にせず、右手に赤色のマフラーを握りしめていた。
1人の黒い大人用の傘を両手で握りしめて白い息を吐いて立っている少女を見下ろす。
「…色々、思うことがあるだろうが…長い付き合いになる…」
鬼月 楓彩。
その日を境に、楓彩と剣得の生活が始まった。
この日、東区のあるマンションの一室に強盗と思わしき事件が起こった。
その部屋の住人である楓彩はまだ6歳だ。
今の状況を理解することの方が難しいだろう。
「………」
「え?」
「お母さん…は…?」
その事件で出た死人はただ1人。
楓彩の母親───鬼月 楓生(ふうせい)。
目の前で地面に生えている芝生に積もる雪を見つめているのか、泣いているのか、はたまた、剣得を心配そうに見上げているのか、傘で顔が隠れていて見えない。
「お母さんはどこですか…?」
その声で剣得は確信を持てた。
震えた声。
どうやら怯えているらしい。
剣得はしゃがみ、楓彩の顔をのぞき込む。
「うぅぅ…お、お母さん…は?」
不安、恐怖、混乱。
そんな感情を混ぜたような表情だった。
「ぐすっ……ふうぅ…」
ついに泣き出してしまった楓彩。
剣得は楓彩の代わりに傘を持ち、さらに楓彩に近づく。
「…楓彩って呼んでいいか?」
楓彩は涙ながらに頷く。
そして、楓彩は息を整えて、剣得と目線を合わせると、剣得は持っていたマフラーを楓彩に巻いてあげる。
「いいか? もう楓彩には何も起こらない…俺がずっと面倒をみる…死ぬまで…何があろうと…もう寂しい思いをさせないように俺は頑張るから…」
剣得も真っ直ぐ楓彩の目の奥を見る。
綺麗な、まるで海のように青く、深く澄んだ瞳。
「だから…俺を信じてくれるか?」
そんな剣得に少女が放った第一歩となる言葉。
────剣得さん…って呼んでもいいですか…?
「(まてよ…楓彩…俺はまだ…)」
楓彩の殺気ばしった目。
首元を狙った鋭い斬撃。
「(俺はまだ…お前の…楓彩の責任を果たしてない…)」
───刹那
剣得は楓彩の体に当たらないように、楓彩の斬撃よりも早く、そして楓彩が死なないように拳圧で楓彩を吹き飛ばす。
その攻撃は楓彩の持っていた短刀で防がれたが、短刀の1本が砕ける。
「───ふっ!!」
楓彩は空中で姿勢を立て直し、見事に着地する。
「楓彩…飲まれたのか…」
剣得は右肩に手を置く。
出血が酷い…。
「(これは…時間との勝負か…)」
楓彩は吹き飛ばされた先に落ちていた刀を拾い上げる。
そして抜刀し、切っ先を剣得へ向ける。
銀色の綺麗な刀身は失われ、代わりに、見るからに不気味な紅色に光る刀身がそこにはあった。
放たれるは楓彩の殺気その物。
「楓彩、すまない…俺が情けないばかりに…こんな目に遭わせてしまって…」
楓彩はその刀の切っ先を高く掲げる。
いろは が得意とする、多数の箇所への同時攻撃の構えだ。
───刹那
剣得の目前に4本の刀がそれぞれ、首、右脇腹、左脇腹、胸。
「すまない」
───刹那
剣得の周りを太陽がこぼした火のような橙が包む。
「っ!!」
その熱気は遠くにいた瑛太にまで届いた。
「熱っ!!」
楓彩はその熱気に晒され、軽々しく吹き飛ぶ。
楓彩の体は遠くの壁に打ち付けられるが、その後、すぐに着地をする。
「はぁぁ…」
炎に包まれる剣得を尚、殺気ばしった目が見つめる。
楓彩は再度、刀の切っ先を高く掲げる。
「楓彩…今、助けてやる」
剣得は残された左腕を前に突き出し、握りしめる。
───刹那
瑛太を襲ったのは強烈な風に乗って舞った灼熱。
「うわぁぁぁ!!」
そして、橙の光の後、黒煙は、風に流されすぐに消えた。
黒煙が晴れ、姿を現したのは気を失った楓彩を片腕で抱き抱える剣得。
「はぁ…はぁ…」
瑛太は気を取り直し、その剣得へ駆け寄る。
「総督!!」
「?」
剣得は駆け寄ってきた瑛太を見上げる。
「…お前は?」
「あぁ、神ヶ丘 瑛太です、楓彩とペアを組んで…」
「状況説明は要らない…大体分かる…本部はSABERの手の内に堕ちて、まさにショウを中心に奪還作戦を決行した体だろ。」
さすがの剣得だ。
頭の回転は早い。
「あ、あの、楓彩は…」
「気を失っているだけだ…」
楓彩は先ほどの炎で穴だらけになった制服のまま、ぐったりしている。
「そ、総督もその出血……」
「あぁ、止血材持ってるか?」
瑛太はその後、剣得の失った右腕の切断面を覆う形で止血する。
「悪いな…えっと? 瑛太でいいか?」
「あ、はい!」
「楓彩を頼む…俺はすることがある」
剣得はそう言って楓彩を瑛太に預けると自分の制服を探し、拾い上げて肩から掛けてその場を後にした。
「……(総督…さっきのは一体…)」
瑛太はしっかり見ていた。
突如、剣得を包んだ神々しい炎を…。
その炎は切りかかる楓彩を包み、そっと優しく眠らせた瞬間を…。
「……」
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