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第4章 見えた世界 偏
今思えば夏でしたね
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「うわぁぁあん!!」
あぐらをかく剣得の腰に抱きつく少女が2人に増えた。
「瑛太が浮気をしたぁ!!」
先程から花麗はそう言って剣得の腰をしっかりホールドし、剣得の来ている服を濡らしていた。
そんなことは気にせずに、全員集まった客間で、世界の真相を知るための話しは進む。
「ところで、彩楓? “アスモデウス”って何?」
ショウはこの前、彩楓が話した過去に出てきた一つの単語に焦点を当てた。
「すまないが分からない…だから言っただろ? 俺は私情でこれまで生きてきた。詳しい世界の真相は知らないと」
ごもっともだ。
だが、ショウはこのことを見越して、ある行動に出ていた。
「まぁ、そうだよね…」
「ショウ…」
その時、剣得の心配したような声が聞こえる。
「なに?」
「なんか、嫌なことでもあったのか? 偵察機がどうとか…」
「まぁね、偵察機が壊された…けどもう大丈夫」
「そうか」
ショウは暗い表情一つ見せずに、話を続ける。
「私が思うに、“アスモデウス”って言うのは生存者《サバイバー》だと思うの…」
「それはなぜ?」
「“アスモデウス”…遥か昔、七つの大罪…の“色欲”の悪魔として人々に語られていた…」
「それが何か関係あるのか?」
すると、ショウは懐から布に包まれたものをテーブルの上に置く。
「それは?」
「小雨達を襲ったって言う生存者《サバイバー》の欠片…昨晩ずっと探してた」
ショウは布をとり、物を皆に見せる。
「それは…俺が折った“奴”の角か…?」
「これの分析が終わってね…なんと、生存者《サバイバー》の細胞の集合体でした!」
「「「「は?」」」」
ショウが、また訳の分からない事を言い始めたので、皆キョトンとする。
「生存者《サバイバー》って言うのはさ、一つの生存者《サバイバー》細胞が、色々な動物を食べて巨大化していくの…しかし、小雨達を襲った生存者《サバイバー》は共食いをした個体だね…1個でも強力な生存者《サバイバー》細胞が何万と集まった個体…証拠として、前回、偵察機の映像で確認した生存者《サバイバー》の群れが綺麗さっぱり消えている…“奴”に食べられたんだろう」
淡々と喋り続けるショウ。
恐らく理解しているのは剣得位だろう。
「…まて、奴はなぜ人間の形をしている!」
剣得が気になったのはそこだ。
実は生存者《サバイバー》の細胞と人間の細胞は拒絶し合うことが、近年明らかになった。
よって、人型の生存者《サバイバー》というのは存在しない。
昔、ショウ達を襲った生存者《サバイバー》は人型ではあったが、「猿」と断定された。
よって、生存者《サバイバー》の大半は死んでしまったとの予測がされている。
「そんなの簡単だよ…人間を食べて死んでしまった生存者《サバイバー》の肉塊を食べたんでしょ? そうすれば間接的に人間を食べたことになる。さらにこの角を調べてわかったんだけど、あの生存者《サバイバー》は普通じゃない…それは剣得がよくわかってると思うけど」
ショウは剣得を見つめる。
その言葉通り、剣得は深刻な顔をして、左拳を見つめていた。
「あぁ、今の俺では勝てるかどうか…不安だ」
ショウは「ふっ」と、鼻で笑うと、
「まぁ、とにかく、私はその警戒すべき個体を暴食の限りを尽くすことから“ベルゼブブ”と呼ぶことに決めた」
“ベルゼブブ”───暴食の悪魔。
何ともわかりやすい。
「彩楓が言う、“アスモデウス”の存在から、人々が生存者《サバイバー》の事を熟知しているとは考えにくかったけど、恐らく、生存者《サバイバー》っていうのは人為的に生み出された可能性が高い…まぁ、ひとまず? その犯人探しは放っておいて、ベルゼブブの始末から始めよう…これ以上巨大化されると困る」
その後、朝ご飯を終え、皆それぞれの仕事に向かうことにした。
「あのぉ…楓彩? 花麗ちゃん?」
剣得は皆が仕事に向かったにも関わらず、花麗と楓彩のおかげで立てない状況にあった。
「こら! 花麗! 離れなさい!」
瑛太も、このままでは仕事に行けないので、花麗を引き剥がそうと引っ張るが、
「この浮気者!! 触るでないわ!!」
剣得の体に埋めていた顔を一度離し、充血した目で瑛太を睨む花麗。
「大っ嫌いだ!!」
「花麗! 誤解だ!!」
「誤解?」
「あぁ、鬼月さんとは、よく分からないが、ショウさんとはただの事故だ!」
「楓彩とは何をしたのだ? あんなに仲良さそうに抱き合っていたくせに…」
その時、楓彩も、剣得の体から顔を上げて、
「ち、違うんです…あれは私が寝ぼけてしまったんです…ぐすっ」
「むっ…そうか…」
花麗は突然、気が済んだのか、立ち上がる。
「楓彩、次は気をつけるのだぞ!」
と言って、部屋から出ていってしまった。
剣得はそれを見届けると
「ほら、楓彩…年下の子が立ち直ったんだから楓彩もしっかりしてくれ」
その言葉に、楓彩は立ち直り、正座をする。
尚、機嫌が悪そうな顔だ。
「むぅ…剣得さんは…その…おっぱい大きい方がいいですか?」
と、右手を胸にそえて、頬を赤く染めて剣得に聞いた。
「ん? そんなこと気にしてたのか…俺は楓彩なら胸が大きくても小さくても気にしないぞ? というか、俺は父親だろーが…気にすると思うか?」
楓彩はその言葉に顔を真っ赤にして、うつむいてしまった。
「変なことを聞いてしまってごめんなさい…」
剣得は左手で楓彩の小さな頭を撫で回す。
「まぁ、いつか大きくなるから気にすんなよ」
「むぅーー、頭撫でないでくださいよぉ…」
その後、朝支度を済ませて、神ヶ丘邸の外に出ると、剣得は本部の方へ、楓彩と瑛太は東区の方へ。
「瑛太! 楓彩を頼んだぞー!」
と、離れていく瑛太達に大きく手を振る剣得。
それに応えて、「はーーい!」と大きい声で返答する瑛太。
その後、楓彩と瑛太はG,S,A東区支部に到着する。
事件が起こったあとなので、隊員達は少なかった。
楓彩と瑛太は心配になり、代表室へ向かうことにした。
東区内も、すっかり荒れ果てていた。
白い壁に、銃弾のあとや、すすが付いているのが目立っていた。
2人はやがて、代表室の前にたどり着く。
割と綺麗な方だ、掃除をしたのか、朝日が守り抜いていたのか。
「失礼しまーす」
楓彩はそう言ってドアを押し開けて入る。
「はぁ…ちゅぱっ……ゅ…朝日…さ…ん…」
「んむ……んぱぁ……真希菜…久しぶりだな…───」
熱ーーいキスをしている真希菜と朝日は楓彩と瑛太の視線に気づく。
「あわわわっ……」
楓彩と瑛太は目を丸くし、顔を真っ赤にして硬直していた。
すると、瞬時に真希菜と朝日は距離をとって、誤魔化しの表情をした。
「な…何かな…鬼月ちゃん……あはは」
「い、いえ……し、失礼しました」
楓彩はロボットみたいな動きをして方向転換して出ていこうとする。
と、その時、
「あ、鬼月ちゃん!」
朝日の声に、ロボットの様な動きで振り向く楓彩。
「これこれ」
と、1枚の青い紙を差し出してきた。
そこには
「海? ですか?」
「うん、夏だし、しばらくG,S,Aは機能しないから…暇なんだよね…剣得とかは行けるかどうか分からないけど…誘ってみたらいいんじゃないかな…今のところ、俺と真希菜しか来ないし」
どうやら暇を持て余した朝日が考えた催しのようだ。
「分かりました…誘っておきます……で…では…」
楓彩はまたもやロボットの様な動きで瑛太の腕を掴んで出ていく。
あぐらをかく剣得の腰に抱きつく少女が2人に増えた。
「瑛太が浮気をしたぁ!!」
先程から花麗はそう言って剣得の腰をしっかりホールドし、剣得の来ている服を濡らしていた。
そんなことは気にせずに、全員集まった客間で、世界の真相を知るための話しは進む。
「ところで、彩楓? “アスモデウス”って何?」
ショウはこの前、彩楓が話した過去に出てきた一つの単語に焦点を当てた。
「すまないが分からない…だから言っただろ? 俺は私情でこれまで生きてきた。詳しい世界の真相は知らないと」
ごもっともだ。
だが、ショウはこのことを見越して、ある行動に出ていた。
「まぁ、そうだよね…」
「ショウ…」
その時、剣得の心配したような声が聞こえる。
「なに?」
「なんか、嫌なことでもあったのか? 偵察機がどうとか…」
「まぁね、偵察機が壊された…けどもう大丈夫」
「そうか」
ショウは暗い表情一つ見せずに、話を続ける。
「私が思うに、“アスモデウス”って言うのは生存者《サバイバー》だと思うの…」
「それはなぜ?」
「“アスモデウス”…遥か昔、七つの大罪…の“色欲”の悪魔として人々に語られていた…」
「それが何か関係あるのか?」
すると、ショウは懐から布に包まれたものをテーブルの上に置く。
「それは?」
「小雨達を襲ったって言う生存者《サバイバー》の欠片…昨晩ずっと探してた」
ショウは布をとり、物を皆に見せる。
「それは…俺が折った“奴”の角か…?」
「これの分析が終わってね…なんと、生存者《サバイバー》の細胞の集合体でした!」
「「「「は?」」」」
ショウが、また訳の分からない事を言い始めたので、皆キョトンとする。
「生存者《サバイバー》って言うのはさ、一つの生存者《サバイバー》細胞が、色々な動物を食べて巨大化していくの…しかし、小雨達を襲った生存者《サバイバー》は共食いをした個体だね…1個でも強力な生存者《サバイバー》細胞が何万と集まった個体…証拠として、前回、偵察機の映像で確認した生存者《サバイバー》の群れが綺麗さっぱり消えている…“奴”に食べられたんだろう」
淡々と喋り続けるショウ。
恐らく理解しているのは剣得位だろう。
「…まて、奴はなぜ人間の形をしている!」
剣得が気になったのはそこだ。
実は生存者《サバイバー》の細胞と人間の細胞は拒絶し合うことが、近年明らかになった。
よって、人型の生存者《サバイバー》というのは存在しない。
昔、ショウ達を襲った生存者《サバイバー》は人型ではあったが、「猿」と断定された。
よって、生存者《サバイバー》の大半は死んでしまったとの予測がされている。
「そんなの簡単だよ…人間を食べて死んでしまった生存者《サバイバー》の肉塊を食べたんでしょ? そうすれば間接的に人間を食べたことになる。さらにこの角を調べてわかったんだけど、あの生存者《サバイバー》は普通じゃない…それは剣得がよくわかってると思うけど」
ショウは剣得を見つめる。
その言葉通り、剣得は深刻な顔をして、左拳を見つめていた。
「あぁ、今の俺では勝てるかどうか…不安だ」
ショウは「ふっ」と、鼻で笑うと、
「まぁ、とにかく、私はその警戒すべき個体を暴食の限りを尽くすことから“ベルゼブブ”と呼ぶことに決めた」
“ベルゼブブ”───暴食の悪魔。
何ともわかりやすい。
「彩楓が言う、“アスモデウス”の存在から、人々が生存者《サバイバー》の事を熟知しているとは考えにくかったけど、恐らく、生存者《サバイバー》っていうのは人為的に生み出された可能性が高い…まぁ、ひとまず? その犯人探しは放っておいて、ベルゼブブの始末から始めよう…これ以上巨大化されると困る」
その後、朝ご飯を終え、皆それぞれの仕事に向かうことにした。
「あのぉ…楓彩? 花麗ちゃん?」
剣得は皆が仕事に向かったにも関わらず、花麗と楓彩のおかげで立てない状況にあった。
「こら! 花麗! 離れなさい!」
瑛太も、このままでは仕事に行けないので、花麗を引き剥がそうと引っ張るが、
「この浮気者!! 触るでないわ!!」
剣得の体に埋めていた顔を一度離し、充血した目で瑛太を睨む花麗。
「大っ嫌いだ!!」
「花麗! 誤解だ!!」
「誤解?」
「あぁ、鬼月さんとは、よく分からないが、ショウさんとはただの事故だ!」
「楓彩とは何をしたのだ? あんなに仲良さそうに抱き合っていたくせに…」
その時、楓彩も、剣得の体から顔を上げて、
「ち、違うんです…あれは私が寝ぼけてしまったんです…ぐすっ」
「むっ…そうか…」
花麗は突然、気が済んだのか、立ち上がる。
「楓彩、次は気をつけるのだぞ!」
と言って、部屋から出ていってしまった。
剣得はそれを見届けると
「ほら、楓彩…年下の子が立ち直ったんだから楓彩もしっかりしてくれ」
その言葉に、楓彩は立ち直り、正座をする。
尚、機嫌が悪そうな顔だ。
「むぅ…剣得さんは…その…おっぱい大きい方がいいですか?」
と、右手を胸にそえて、頬を赤く染めて剣得に聞いた。
「ん? そんなこと気にしてたのか…俺は楓彩なら胸が大きくても小さくても気にしないぞ? というか、俺は父親だろーが…気にすると思うか?」
楓彩はその言葉に顔を真っ赤にして、うつむいてしまった。
「変なことを聞いてしまってごめんなさい…」
剣得は左手で楓彩の小さな頭を撫で回す。
「まぁ、いつか大きくなるから気にすんなよ」
「むぅーー、頭撫でないでくださいよぉ…」
その後、朝支度を済ませて、神ヶ丘邸の外に出ると、剣得は本部の方へ、楓彩と瑛太は東区の方へ。
「瑛太! 楓彩を頼んだぞー!」
と、離れていく瑛太達に大きく手を振る剣得。
それに応えて、「はーーい!」と大きい声で返答する瑛太。
その後、楓彩と瑛太はG,S,A東区支部に到着する。
事件が起こったあとなので、隊員達は少なかった。
楓彩と瑛太は心配になり、代表室へ向かうことにした。
東区内も、すっかり荒れ果てていた。
白い壁に、銃弾のあとや、すすが付いているのが目立っていた。
2人はやがて、代表室の前にたどり着く。
割と綺麗な方だ、掃除をしたのか、朝日が守り抜いていたのか。
「失礼しまーす」
楓彩はそう言ってドアを押し開けて入る。
「はぁ…ちゅぱっ……ゅ…朝日…さ…ん…」
「んむ……んぱぁ……真希菜…久しぶりだな…───」
熱ーーいキスをしている真希菜と朝日は楓彩と瑛太の視線に気づく。
「あわわわっ……」
楓彩と瑛太は目を丸くし、顔を真っ赤にして硬直していた。
すると、瞬時に真希菜と朝日は距離をとって、誤魔化しの表情をした。
「な…何かな…鬼月ちゃん……あはは」
「い、いえ……し、失礼しました」
楓彩はロボットみたいな動きをして方向転換して出ていこうとする。
と、その時、
「あ、鬼月ちゃん!」
朝日の声に、ロボットの様な動きで振り向く楓彩。
「これこれ」
と、1枚の青い紙を差し出してきた。
そこには
「海? ですか?」
「うん、夏だし、しばらくG,S,Aは機能しないから…暇なんだよね…剣得とかは行けるかどうか分からないけど…誘ってみたらいいんじゃないかな…今のところ、俺と真希菜しか来ないし」
どうやら暇を持て余した朝日が考えた催しのようだ。
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