生き残りBAD END

とぅるすけ

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第6章 頂点に立つ

克服

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 瘴気が晴れてから、セラフィスの人々の生活はいつも通りになった。
 しかし、平和になっただけではなく、犯罪率も爆発的に増えた。

「と、言うわけで、楓彩が寝てても俺らの仕事は続くので、皆頑張るように!」

「へーい」

 朝礼が終わり、隊員達が部屋を出たあと、

「朝日!」

 剣得は来ていた朝日を呼び止める。

「ん?」

 朝日は振り向く。

「ちょっといいか?」




 その頃、ショウの工房に幼い少女が訪れていた。

「まーた無理して…」

「悪い…」

 臨はどうやらまたP《パワー》の能力を使ってしまい、体が縮んでしまったようだ。
 
「まったく…」

 サイズの合う服がなく臨は毛布にくるまっていた。

「まぁ、調子が良さそうでよかったよ」

「まぁね…」

 その時、

「おーすっ、入るぞー」

 と、剣得がドアを開けて入ってくる。

「───ぴぇっ!!」

 臨はどこから出しているのか分からない声を出してしまう。

「? ショウ…この子は? 臨に似てるけど」

「……えっと…えっと…うん、臨の…妹…」

「っ!! (なぁっ!! ショウ!?)」

 臨はショウを睨みつける。

「へぇー、例の…ってなんで服着てないの?」

 苦笑いでショウを見る剣得。若干引いているようだ。
 
「ふぇ!? な、何か勘違いしてない? 合う服がなかっただけだよ!」

「んじゃ、この子は全裸でここまで来たと…」

「なっ…(しまったぁ! 墓穴をほった!)」

 数秒の沈黙。

「は、剣得さん…オレです…」

 その沈黙を破ったのは臨だった。

「え? その口調……臨か!?」

「はい…」

 その後、臨は体が縮んだ理由を説明する。

「へぇー臨もハイブリッドだったんだ…俺と同じだな?」

「そういえば剣得さんは…」

「あぁ、P《パワー》と、F《フレア》だ」

 F《フレア》。熱に関係する能力。
 臨の場合、能力はS《サイコ》に偏っているが、剣得はP《パワー》、F《フレア》共に最上級の制度を誇る。
 これがセラフィスで人類最強と呼ばれる由縁だろう。
 だが、剣得は理由があって封印していた。ので、先日、自身を炉心として機動力を上げた際に体が耐えきれなかった様だ。
 今は火傷の跡はすっかり消えたが、剣得は能力の使用を制限しているようだ。

「そう考えると剣得さんも大変ですね…」

「そうだ、臨! 能力の使い方教えてやるよ」

「ふぇ!?」


 その後、臨の体を元に戻すと、ショウの指導の元、戦闘実演室で、訓練することに。
 2人は声の届くくらいの間を開け立っていた。
 剣得はいつも通り、大きな上着を肩から掛け、両腕を隠すスタイル。
 対する臨は白のいつもの制服に、膝下までの赤のチェック柄のスカート。

「本当にいいんですか? 貴重な時間を…」

「構わん…近親感が湧くしな…」

 臨はその言葉に少し顔を赤くする。

「まず、そのスカートでいいのか? 運動するのに…」

 剣得はとりあえず、臨のスカートを指摘する。

「え? まぁ、割と動きやすいので…」

「いやいや…少しは目線を気にしないのか?」

「?」

「─────!!!!」

 ────こいつ! まじか!?

 スカートを履いている事は女の子らしいと言えるが、その中に見えるものを気にしないのはどうかと、臨に軽い矛盾を感じる剣得であった。

「さてと、臨? 俺を見て気付くことはあるか?」

「え? んん…いや何も…“いつも通り”だと思い増ますけど」

「そう、それだ…俺は今、これが普通だ」

「え? だから…?」

「俺は常に少量だが能力を使っている」

「…え…」

「少しでいい、力を込め続けろ、全身にな?」

「は、はい…」

 臨は足を肩幅に開き、全身に力を込める。

「…ふっ…」

「うん、入れすぎ入れすぎもっと抑えて」

 と、剣得が臨に近づき、方に触れたその時、

「ひゃあっ!!!!」

 剣得の体が吹き飛ぶほどの空気の圧が戦闘実演室に広まった。

「ぐおっ!!」

 剣得は空中で半回転して見事な着地を決める。

「痛ってぇ…すげぇ力だ…って…」

「ふぇ? …」

 剣得が気がつくと、臨の体は縮み服はダボダボ、そこに座り込んでいた。

「うっ……ふぇぇっ!!」

 
 その後、剣得は臨を背負ってショウの工房へ戻る。廊下で、

「うぅすみません…剣得さん…」

「いやいいよ、慣れが肝心だからな…また今度付き合おう」

「…ありがとうございます」

 臨は剣得の肩に掛けている両手に力を入れる。
 その時、

「ん? 」

 剣得のポケットで携帯が振動する。
 剣得は右腕の義手で携帯を取り出して操作し、耳元に当てる。

「もしもし? ふむふむ…あぁわかったすぐ行く」

「?」

「すまん、臨、ちょっと急ぐぞ?」

「どうしたんですか?」

「犯罪があちこちで起こってる…臨も出来れば手を貸してほしい…早めに体を元通りにしてくれるか?」

「はい!」



 その頃、街は剣得達の想像もつかないような事態に陥っていた。

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