生き残りBAD END

とぅるすけ

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第6章 頂点に立つ

思春期? 反抗期……考えたくねぇ!!

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 楓彩と瑛太が現場となる東区で最大の銀行の前につくと、その一帯を警察が取り囲み、騒然としていた。

「G,S,Aです!」

 瑛太は近くにいた警官に話し掛ける。

「来ましたか!」

「現場は」

「犯人は小規模な組織を組、防犯用シャッターで立て篭もっています」

 瑛太はそれを聞くと、耳についているインカムのスイッチを入れ、司令室と通信を図る。

「こちら現場から司令室、犯人は銀行内に立てこもっている模様、人質などの情報は聞いていませんが───」

「終わらせます」

────刹那

 警官たちの前にあったシャッターは楓彩によって切り刻まれ、粉々になる。

「───はっ!?」

『鬼月! 待て!』

 楓彩の耳に付いているインカムに司令室からの命令が聞こえるが、

「行きます!」

 その後、楓彩は抜刀すると、“鋭利な刀”を手に、強盗犯達を蹂躙した。

 数秒後

 楓彩はスカートだということを気にせずに、強盗犯のヘッドの胸を右足で踏みつけ、喉に刃物を当てていた。

「降伏をオススメします…」

「かっ…!」

 回答する由もなく、犯人は気絶した。

「さてと、皆さん! 無事ですか?」

 楓彩は一変して、人質となっていた市民たちに笑顔で呼びかける。
 それに対してはその場にいた全員が沈黙で答えた。
 それもそうだ、屈強な男達を16歳の少女が一掃してしまったのだから。


 その後、楓彩と瑛太は本部に呼び戻された。

「何やってんだ! お前ら!!」

 本来なら東区の責任者に叱られるのだが、今回は剣得に叱られていた。

「はい…すいません…総督…」

 申し訳なさそうに深く頭を下げる瑛太と、バツが悪そうな顔でそっぽを向いている楓彩。

「おい! 聞いてるのか? 楓彩! お前だよ!」

「なんですか…皆さん無事だったんだからいいじゃないですか…」

「そいうことじゃねぇ! もしも人質を取られていたらどうする気だった!」

 楓彩の態度に、剣得の怒りゲージも徐々に上がってくる。
 たしかに、犯人画が面を食らってしまったから、あっという間に制圧出来たが、もしも敵が能力者で、少しでも戦闘が長引けば、死人は確実に出ていた。
 さらには、人質を取られ、危険な状況にあった場合、楓彩の行為は危険そのものだ。

「だから! 無事だったじゃないですか!」

 ついには、逆ギレ。
 その声に、司令室にいる隊員達の視線を集めた。
 そして、剣得もそれには堪忍袋の尾が切れ、声を上げようとしたその時、

「総督! こ、今回のことは俺からしっかりと言っておきますので! それに、鬼月さんだけじゃなくて俺も悪いですから」

 瑛太のその言葉に、剣得も怒る気が失せたのか、

「わかった…もう行け」

 剣得がそう言うと、楓彩は不機嫌な様子で、瑛太はしっかりお辞儀をしてから司令室を後にした。

「はぁ……」

 剣得が深いため息を吐くと、こちらを見ていた隊員達は仕事に戻り、いつのまにか、ショウが背後に立っていた。

「珍しいね、あんたが楓彩にマジギレしそうになるなんて」

「ショウか…いつからいた…」

「楓彩が逆ギレしたあたりから…。でも、楓彩も楓彩で珍しい表情だったね…」

「なんなんだよ…本当に…」

 剣得はうなじに左手を当てて、難しい表情をする。

「“思春期”かもね…もしくは“反抗期”…」

「………ごめん…なんつった? よく聞こえなかったな…」

「反★抗★期!  剣得、嫌われちゃったねぇ…」

「……………………………………………………」

 一点を見つめて動かなくなった剣得。
 ショウは剣得の目の前で右手をひらひらさせる。

「おーい…剣得ー? 大丈夫ー?」

「………どどどどどど…どうしたらいい!!??」

 剣得はショウの肩にしがみつく。その急接近にショウは顔を赤くする。

「さ、さぁね…私子育てした事ないし…。でも思春期かぁ…剣得の知らないところで何してるのかなぁ…」

 ショウは、剣得から離れて、ニヤニヤする。

「な、なんだよそれ…なにってなんだよ…」

「恋とか?」

「────恋!?」

「その恋の発散とかね?」

「発散って…?」

「そりゃもちろんオナ────」

「────わかったからそれ以上口にするな!!」

 剣得は顔赤くしてショウの口を手で塞ぐ。

その後、剣得は一度休憩を取り、ショウと一緒に、ショウの工房へ向かった。

「コーヒー煎れてくれる?」

「もてなす側のセリフだとは思えないけど、煎れるよ」

 剣得は慣れた手つきで、ガラクタの中から焙煎機を取り出し、煎れ始める。
 それと同時に、ショウはパソコンに向かい、なにやら作業をは始めた。

「ミルクは入れるか?」

「うん、お願い」

 ショウの部屋の冷蔵庫には、コーヒーに入れるものは大体揃っていた。
 その後、15分位経つと、作業中のショウの前に湯気を立てたコーヒーが置かれる。

「どうぞ…」

「ん…ありがとう」

「なにやってるんだ?」

 剣得はコーヒーを啜りながら、「我ながら、素晴らしい」と言って、ショウの作業している画面を覗き込むように、ショウが座っている椅子の背もたれに右手をつく。

「ん? 何でもないよ…。さて! 楓彩の関係を直す作戦だけど!」

「お、おう」

 ショウが急に振り向くので、体制を崩しかけた剣得だったが、しっかりと、ショウの話を聞こうとする。

「これを…」

 ショウはテーブルの下に入り、何やらあさり始めた。
 そして、一つの誇りをかぶった携帯電話ほどの大きさの箱を引っ張り出す。

「ほいこれ!」

 それをテーブルの上に置くと、その箱の蓋を取る。
 中に入っていたのは案の定白いスマートフォンだった。

「これは…」

「うん! 携帯電話! 買ったけど何に使うのか迷ってたらホコリかぶっちゃって…」

 まぁ、たしかに、ショウまでの天才になると、携帯電話位自分で作れるだろう。

「これを使って仲を修復しよう! 適当な時に渡してあげて? 私からのプレゼント!」

 何やら楽しそうにその携帯を箱にしまって渡してくる。

「あ、ありがとうな…」

「頑張ってねぇ…。と、あんたをここに呼んだ本題に入りたい!」

「おう」

「実は、さっきの強盗事件を解決してた瞬間をここで見てたんだけど、楓彩の持っている刀…」

 ショウはパソコンのモニターを切り替え、街中の映像を流す。それも、先程の強盗が入った東区の銀行の前の映像。

「ここ…」

 楓彩が抜刀した瞬間で映像を止める。

「解像度を最大まで上げて…」

 楓彩の持っている刀に焦点を当てて、ズームする。

「鋭い…」

 柄の形状、刺繍から、剣得が楓彩に託した心鉄器だという事が分かる。

「てことは、この楓彩は、もう1人の楓彩ってことか?」

「んーそ~なのかなぁ…でも、なんか“自然”だなー…。いつもなら、スイッチの様に切れ変わるじゃん? 今回は思春期も含めてなんか継続している気がするんだよねぇ…。成長? かな?」

「そーか? ショウはなにか、楓彩に吹き込んだりしたのか?」

「んーー心当たりは無いね…」





 「終わらねぇよ…たった1回の襲撃で…勝ったつもりになるなよ…G,S,A…」
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