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終章
生存者
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「───っと…彩楓? テレポート出来たんだ……? あれ? 彩楓? …?」
ショウは見覚えのあるハワイ島のコテージの中に“1人”で立っていた。
「え? ちょ、ちょっと…彩楓? 彩楓! 彩楓!!」
家の中を動かない右足を引きずって駆け回り、一緒にいるはずの彩楓の姿を探す。
「彩楓! ねぇ! 悪い冗談やめてよ!!」
外に出て夜になった森の中を探すが彩楓の姿は見当たらない。
「(そ、そうだ…多分…彩楓は別の場所にテレポートしたんだ…)」
くらい夜の森を歩くこと2時間。
ショウは歩くのが辛くなり、万能銃を松葉杖にし、尚も歩みを進める。
「早く探してあげないと…彩楓が危ない…」
能力者を抹殺する風習があるハワイ島で、重症であろう彩楓を1人にするのはあまりにも危険だ。
「彩楓…どこにいるの……?」
更に歩くこと6時間。
ショウの周りに波の音が広がっていた。
「……海…」
潮の香りがショウの鼻をくすぐる。
水平線を壁に空一面に広がる煌びやかな星々とそれを映し出す海面。
「……あ、あぁ…あぁぁぁあ!!」
その時、ショウの頭の中で何かを悟った。
「あぁぁ!! …彩楓ぁ…!!」
────幸せになれよ
「どうして…なんで…私なんか…私…なんか…」
ショウは懐から拳銃を取り出して引き金に手をかける。
「もう…生きてる意味なんか…」
その時、偶然上を向いた。
「あ…」
目の前に広がる光景は自分を小さく感じさせた。
「………」
────綺麗…
────こんな綺麗な世界から…私がいなくなった所で…
────彼等が居なくなった方が余程、大きいいんだ…
「ふっ…そうだね…」
ショウは銃を砂浜に投げ捨てる。
「私は助けられたんだね…」
────私は助けられたんだ…
────だから…私は…
「こんどは…誰かを…何かを…」
────助けよう────
ショウは歩き出した。
汚れた手で。思い足を引きずって。
そして、今の過去に、背を向けて。
────それから5年
『続いてのニュースです。未だに原因が解明されていない人工管理島、セラフィスの消滅。そこへ派遣されたケルト・ローレンス率いる生存者《サバイバー》掃討隊。彼等は今どこにいるのでしょうか────』
「ショウ先生…。息子は…」
「はい、大丈夫ですよ。風邪ですね…薬を処方しますから飲ませて安政にさせてください。1日ほどで治りますから」
ショウは薬を貰うための手続書を患者の母に渡す。
「受け付けでお渡しします…お大事に」
ショウは5年の月日を経て街一番と歌われるほどの医師になっていた。
「さてと…例の患者は? 容態に変化は?」
ショウは椅子ごと体をねじって近くにいた看護婦に話しかける。
「はい、体調は段々良くなっていますよ?」
「そう、後で見て、良ければ退院させよう───」
その後も1日、ショウは診断を続け仕事が終わった時には辺りは暗くなり時計を見れば日付は優に超えていた。
「ふぁぁ…疲れたぁ」
病院にはショウ以外には誰も残っておらず、ショウは白衣を着たまま病院を後にする。
帰り道にコンビニに寄り、弁当を1つと缶コーヒーを買っていく。
ショウが家として使っているのはショウがテレポートしたコテージだ。
森に作られた街灯が少ない道を進んでいき、たどり着く。
病院からはさほど遠くはない場所だ。
「……ただいま…」
誰もいないコテージに挨拶して入るショウ。
ショウは入ってすぐのリビングにあるテーブルに提げていたビニール袋を置き、風呂場へ向かう。
ショウが使用している風呂はスイッチ1つで掃除と給湯をしてくれる優れものだ。
風呂のスイッチを入れたショウはリビングへ戻り、白衣とズボン、シャツを脱いで黒の下着姿になる。
「暑いな…」
テーブルの上に置いてあったテレビのリモコンをとり、テレビをつけ、ビニール袋から弁当を取り出してレンジに入れる。
『皆さんこんばんは! 今週もやって参りましたミッドナイトショー! ──』
「この時間帯、こんなのやってるんだ…」
────ピー
レンジのアラームが鳴り、ショウはレンジから弁当を取り出してテーブルに置く。
テーブルを囲む4つの椅子のうちの1つに座り、ビニール袋を漁る。
「…? 箸入ってないじゃん…」
ショウはだるそうに台所から箸を取ってきて弁当の蓋を開け、食べ始める。
「……値段の割には美味しくない…」
ショウは食べ終わった容器を乱雑に流しに置き、ソファへ移動する。
横になったショウは虚ろな目でテレビを見つめる。
────お風呂が湧きました
「……ん…」
ショウはむくりと起き上がって風呂場へ向かう。
頭を洗い、体を洗って湯船に浸かる。
「はぁ……」
そこで毎日考える。
今日はどんな日だったか。
明日はどうしようか。
「…私が目指したのはこれなのかな…」
満たされない気持ち。
虚しい。
その一言でショウの気分は片付けることが出来る。
「……はぁ…」
ショウは今29歳。来年で三十路を迎える。
「(人並みになりたいなら結婚…か…。でも私にそんな資格があるのかな…あの娘たちがなれなかった幸せを1人で掴んでいいのかな…。彩楓を差し置いていいのかな…)」
ショウは風呂から上がり、体を拭いて、髪の毛を乾かす。
寝るときは下着を着けない派のショウはそのままたまたま見つけた浴衣を羽織り、リビングの電気とテレビを消して寝室へ向かう。
「はぁ…」
その時、家の中に冷たい風が吹く。
「?」
ショウは背後に気配を感じて警戒しながら振り返る。
「……誰…」
「…探したぞ…ショウ…」
「え…? その声…」
ショウにはその声に聞き覚えがあった。
目の前にいるのはフードを被った、声からして男性。
「れ、令武…?」
男はフードをとり、素顔を晒す。
紺色の短髪の男性、ショウの古くの仲間で七つの大罪の力を持つ生存者《サバイバー》の中でも最強を指す、憤怒《サタン》の正体でもある、令武という男性。
「まさかセラフィスごと消えるとはな…まぁ、大罪の力の全てが衝突したんだ…世界が滅ばなくてよかったよ…」
「れ、令武…あんた…何でここに…と言うか今まで何をして……」
「言っただろ? 俺は世界が滅ばなければそれでいい…どちらの味方にもならないと……だがな…勝手ながら俺は消えさせてもらう」
「え? どういうこと?」
「アスモデウス…いや、鬼月 楓彩? だったか? あの娘は良くやってくれたよ…」
「楓彩……」
「あの娘はルシファーとぶつかる直前、『終わりの波動』を放った」
「終わりの波動?」
「それは生存者《サバイバー》を終わらせる終焉の波動さ…自らをも死滅させる波動を彼女は放ったんだ…。そのおかげで、この地球上に生存者《サバイバー》は残り1体だ」
「その1体って…」
「そう、俺だよ…5年のタイムラグがあってやっと俺にもその効果が来たさ…だから、お前を探した…いや、それ以前にお前の捜索は“頼まれ事”だったんだがな?」
「たのまれた…?」
「おう、『これ』をお前に渡して欲しいと」
令武は懐から何かを取り出す。
ショウはそれに合わせて両手の平で受け止めようと差し出した。
「誰から…」
「物を見ればわかるさ…」
ショウの手に落ちてきた少し重みのある丸い物。
目が慣れ、その物の形や色が明らかになる。
それは赤黒い石で真ん中に穴が空いたアクセサリーだ。
「こ、これって…!」
ショウには見覚えがあった。
楓彩が昔、剣得に初任給でプレゼントした思い出深い物だ。
「アスモデウスからの伝言だ…ルシファーと衝突する寸前に客観している俺に気づいて話しかけてきやがった。『これをショウさんに渡してください。ショウさんに幸せになってくださいと伝えてください。もう片方は彩楓さんと私で持っています』だそうだ…一語一句違えずに伝えたぞ…」
「………か、楓彩ぇ……」
ショウはその石を握りしめて胸に抱き寄せる。
「…くっ…ひっく……楓彩…!」
「なぁ? ショウ? “幸せ”って…なんだと思う?」
「……わ、分かんないよ…そんなの…今の私には…」
「そっかー…天才でも分からないかぁ…。実のところな? この世で最も神に近い俺でも分からないんだよ…。幸せってのは人それぞれで違う形が存在する。1人が幸せってやつもいれば家庭を持つことが幸せって奴もいる。生きることが幸せって奴もいれば、死んだ方が幸せって奴もいる」
「……」
「でもな? 俺は思うんだ…俺にとっての幸せはとうに消え失せた…だから自らの幸せを見いだせているやつが幸せなんじゃないかって…。ショウ? お前は幸福を望まれている。お前にとっての幸せはなんだ?」
「わ、私にとっての…幸せ…」
令武はフードを被り、ショウに背を向ける。
「ま、とりあえず俺はお前に問題を与えた。天才ならそれを解くだけだろ? 俺の役目は完全に終わったさ…」
「ま、まって…令武…1人に、しないで…」
「それはお前が望んでいるのか?」
「…え?」
「朗報だ…ショウ…ヒントはお前の中にあったぞ…じゃあな…お前にとっての幸せが見つかることを俺は祈っているよ…」
次の瞬間、令武の体は光に溶け込むように姿を消した。
「……私にとっての…幸せ…。…そうか…そういう事か…ありがとう…令武…。」
ショウは握っていた石を見つめる。
「人って幸せな時ほど幸せに気づけないんだね…。私の幸せは」
────誰かに寄り添うこと…
──────ショウさん! 幸せになってください!
「分かったよ…楓彩…皆…私は…幸せになる──」
ショウは見覚えのあるハワイ島のコテージの中に“1人”で立っていた。
「え? ちょ、ちょっと…彩楓? 彩楓! 彩楓!!」
家の中を動かない右足を引きずって駆け回り、一緒にいるはずの彩楓の姿を探す。
「彩楓! ねぇ! 悪い冗談やめてよ!!」
外に出て夜になった森の中を探すが彩楓の姿は見当たらない。
「(そ、そうだ…多分…彩楓は別の場所にテレポートしたんだ…)」
くらい夜の森を歩くこと2時間。
ショウは歩くのが辛くなり、万能銃を松葉杖にし、尚も歩みを進める。
「早く探してあげないと…彩楓が危ない…」
能力者を抹殺する風習があるハワイ島で、重症であろう彩楓を1人にするのはあまりにも危険だ。
「彩楓…どこにいるの……?」
更に歩くこと6時間。
ショウの周りに波の音が広がっていた。
「……海…」
潮の香りがショウの鼻をくすぐる。
水平線を壁に空一面に広がる煌びやかな星々とそれを映し出す海面。
「……あ、あぁ…あぁぁぁあ!!」
その時、ショウの頭の中で何かを悟った。
「あぁぁ!! …彩楓ぁ…!!」
────幸せになれよ
「どうして…なんで…私なんか…私…なんか…」
ショウは懐から拳銃を取り出して引き金に手をかける。
「もう…生きてる意味なんか…」
その時、偶然上を向いた。
「あ…」
目の前に広がる光景は自分を小さく感じさせた。
「………」
────綺麗…
────こんな綺麗な世界から…私がいなくなった所で…
────彼等が居なくなった方が余程、大きいいんだ…
「ふっ…そうだね…」
ショウは銃を砂浜に投げ捨てる。
「私は助けられたんだね…」
────私は助けられたんだ…
────だから…私は…
「こんどは…誰かを…何かを…」
────助けよう────
ショウは歩き出した。
汚れた手で。思い足を引きずって。
そして、今の過去に、背を向けて。
────それから5年
『続いてのニュースです。未だに原因が解明されていない人工管理島、セラフィスの消滅。そこへ派遣されたケルト・ローレンス率いる生存者《サバイバー》掃討隊。彼等は今どこにいるのでしょうか────』
「ショウ先生…。息子は…」
「はい、大丈夫ですよ。風邪ですね…薬を処方しますから飲ませて安政にさせてください。1日ほどで治りますから」
ショウは薬を貰うための手続書を患者の母に渡す。
「受け付けでお渡しします…お大事に」
ショウは5年の月日を経て街一番と歌われるほどの医師になっていた。
「さてと…例の患者は? 容態に変化は?」
ショウは椅子ごと体をねじって近くにいた看護婦に話しかける。
「はい、体調は段々良くなっていますよ?」
「そう、後で見て、良ければ退院させよう───」
その後も1日、ショウは診断を続け仕事が終わった時には辺りは暗くなり時計を見れば日付は優に超えていた。
「ふぁぁ…疲れたぁ」
病院にはショウ以外には誰も残っておらず、ショウは白衣を着たまま病院を後にする。
帰り道にコンビニに寄り、弁当を1つと缶コーヒーを買っていく。
ショウが家として使っているのはショウがテレポートしたコテージだ。
森に作られた街灯が少ない道を進んでいき、たどり着く。
病院からはさほど遠くはない場所だ。
「……ただいま…」
誰もいないコテージに挨拶して入るショウ。
ショウは入ってすぐのリビングにあるテーブルに提げていたビニール袋を置き、風呂場へ向かう。
ショウが使用している風呂はスイッチ1つで掃除と給湯をしてくれる優れものだ。
風呂のスイッチを入れたショウはリビングへ戻り、白衣とズボン、シャツを脱いで黒の下着姿になる。
「暑いな…」
テーブルの上に置いてあったテレビのリモコンをとり、テレビをつけ、ビニール袋から弁当を取り出してレンジに入れる。
『皆さんこんばんは! 今週もやって参りましたミッドナイトショー! ──』
「この時間帯、こんなのやってるんだ…」
────ピー
レンジのアラームが鳴り、ショウはレンジから弁当を取り出してテーブルに置く。
テーブルを囲む4つの椅子のうちの1つに座り、ビニール袋を漁る。
「…? 箸入ってないじゃん…」
ショウはだるそうに台所から箸を取ってきて弁当の蓋を開け、食べ始める。
「……値段の割には美味しくない…」
ショウは食べ終わった容器を乱雑に流しに置き、ソファへ移動する。
横になったショウは虚ろな目でテレビを見つめる。
────お風呂が湧きました
「……ん…」
ショウはむくりと起き上がって風呂場へ向かう。
頭を洗い、体を洗って湯船に浸かる。
「はぁ……」
そこで毎日考える。
今日はどんな日だったか。
明日はどうしようか。
「…私が目指したのはこれなのかな…」
満たされない気持ち。
虚しい。
その一言でショウの気分は片付けることが出来る。
「……はぁ…」
ショウは今29歳。来年で三十路を迎える。
「(人並みになりたいなら結婚…か…。でも私にそんな資格があるのかな…あの娘たちがなれなかった幸せを1人で掴んでいいのかな…。彩楓を差し置いていいのかな…)」
ショウは風呂から上がり、体を拭いて、髪の毛を乾かす。
寝るときは下着を着けない派のショウはそのままたまたま見つけた浴衣を羽織り、リビングの電気とテレビを消して寝室へ向かう。
「はぁ…」
その時、家の中に冷たい風が吹く。
「?」
ショウは背後に気配を感じて警戒しながら振り返る。
「……誰…」
「…探したぞ…ショウ…」
「え…? その声…」
ショウにはその声に聞き覚えがあった。
目の前にいるのはフードを被った、声からして男性。
「れ、令武…?」
男はフードをとり、素顔を晒す。
紺色の短髪の男性、ショウの古くの仲間で七つの大罪の力を持つ生存者《サバイバー》の中でも最強を指す、憤怒《サタン》の正体でもある、令武という男性。
「まさかセラフィスごと消えるとはな…まぁ、大罪の力の全てが衝突したんだ…世界が滅ばなくてよかったよ…」
「れ、令武…あんた…何でここに…と言うか今まで何をして……」
「言っただろ? 俺は世界が滅ばなければそれでいい…どちらの味方にもならないと……だがな…勝手ながら俺は消えさせてもらう」
「え? どういうこと?」
「アスモデウス…いや、鬼月 楓彩? だったか? あの娘は良くやってくれたよ…」
「楓彩……」
「あの娘はルシファーとぶつかる直前、『終わりの波動』を放った」
「終わりの波動?」
「それは生存者《サバイバー》を終わらせる終焉の波動さ…自らをも死滅させる波動を彼女は放ったんだ…。そのおかげで、この地球上に生存者《サバイバー》は残り1体だ」
「その1体って…」
「そう、俺だよ…5年のタイムラグがあってやっと俺にもその効果が来たさ…だから、お前を探した…いや、それ以前にお前の捜索は“頼まれ事”だったんだがな?」
「たのまれた…?」
「おう、『これ』をお前に渡して欲しいと」
令武は懐から何かを取り出す。
ショウはそれに合わせて両手の平で受け止めようと差し出した。
「誰から…」
「物を見ればわかるさ…」
ショウの手に落ちてきた少し重みのある丸い物。
目が慣れ、その物の形や色が明らかになる。
それは赤黒い石で真ん中に穴が空いたアクセサリーだ。
「こ、これって…!」
ショウには見覚えがあった。
楓彩が昔、剣得に初任給でプレゼントした思い出深い物だ。
「アスモデウスからの伝言だ…ルシファーと衝突する寸前に客観している俺に気づいて話しかけてきやがった。『これをショウさんに渡してください。ショウさんに幸せになってくださいと伝えてください。もう片方は彩楓さんと私で持っています』だそうだ…一語一句違えずに伝えたぞ…」
「………か、楓彩ぇ……」
ショウはその石を握りしめて胸に抱き寄せる。
「…くっ…ひっく……楓彩…!」
「なぁ? ショウ? “幸せ”って…なんだと思う?」
「……わ、分かんないよ…そんなの…今の私には…」
「そっかー…天才でも分からないかぁ…。実のところな? この世で最も神に近い俺でも分からないんだよ…。幸せってのは人それぞれで違う形が存在する。1人が幸せってやつもいれば家庭を持つことが幸せって奴もいる。生きることが幸せって奴もいれば、死んだ方が幸せって奴もいる」
「……」
「でもな? 俺は思うんだ…俺にとっての幸せはとうに消え失せた…だから自らの幸せを見いだせているやつが幸せなんじゃないかって…。ショウ? お前は幸福を望まれている。お前にとっての幸せはなんだ?」
「わ、私にとっての…幸せ…」
令武はフードを被り、ショウに背を向ける。
「ま、とりあえず俺はお前に問題を与えた。天才ならそれを解くだけだろ? 俺の役目は完全に終わったさ…」
「ま、まって…令武…1人に、しないで…」
「それはお前が望んでいるのか?」
「…え?」
「朗報だ…ショウ…ヒントはお前の中にあったぞ…じゃあな…お前にとっての幸せが見つかることを俺は祈っているよ…」
次の瞬間、令武の体は光に溶け込むように姿を消した。
「……私にとっての…幸せ…。…そうか…そういう事か…ありがとう…令武…。」
ショウは握っていた石を見つめる。
「人って幸せな時ほど幸せに気づけないんだね…。私の幸せは」
────誰かに寄り添うこと…
──────ショウさん! 幸せになってください!
「分かったよ…楓彩…皆…私は…幸せになる──」
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