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乱炎の日
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アーゴット「ミリアム、こっちにも落ちてるぞ」
ミリアム「ほんと、こうしてみると奇麗ね」
二人はギルド会議の夜、家を抜け出してスターライト鉱石を拾いに来ていた。
慌ただしくて二人きりになるのも久しぶりだ、結婚も3日後盛大に行われる予定だ。
まさに幸せの最中にいた。
アーゴットが神に愛されし者となり、スターライト鉱石を加工してみたいと思い拾いに街の壁の周りを二人で歩いているのである。
スターライト鉱石はその光が、原石のままでは微小すぎて、夜でもないとその小さな光を見つけれないのである
しかし、壁のすぐ外の暗闇のなかでは浮かび上がる光が、川面のホタルのように浮かび上がり幻想的な一面を見せる。
二人はなんとなく手をつないでそれを見ていた。
先代ジルことキースだけの家の台所
自作の包丁で魚を捌き、鼻歌交じりにご機嫌のキースは今日も酒盛りの準備に大忙しで、
二人が抜け出したことを意にも介さない様子だ、もっとも結婚の決まった娘と旦那の夜遊びを
咎める理由などないからだ。
キース「さーてこんなもんで良いかな」
今日の酒は猫柳亭のおやじの鍛冶代のつけがわりにくすねた10年物の葡萄酒である。
キース「上等だっていわれる酒はどんな味がすんだろうなあ?たまらねえぜ」
そんな独り言を上機嫌でいいながら席に着いたその時。
入り口の扉がゴンゴンゴンゴンと切迫したように叩かれる
深夜0時、、
一体何事だと思い、ドアを無造作にあけるキース
キースは2Mに迫ろうかという大きな体躯で、強盗が押し込もうとも返り討ちにできる自信がある
普通なら窓そばで聞き耳を立ててからだろうが、キースは開け放った
開け放たれたドアのそばで驚いた様子の男
ジンだ。
キース「おうどうしたジン、こんな時間に。まさか酒の匂いに釣られてきたか?」
ジン「キースさん大変なんだ、とにかく中に入れてくれ!」
後ろの暗がりを目を凝らして見るとジンクスやジリアン、北口の鍛冶師ブリジット、他に鍛冶ギルドの子弟までいる。
キース「わかったとにかく入れ」
素早く、静かに全員が狭いキースの食卓に整然と入りこむ
皆のまなざしが、ただ事ではないことを物語っている。
ジン「ギルド会館が襲われている」
キース「馬鹿言うな、俺の家の隣だ。物音ひとつしないぞ」
ジンクス「俺たちはギルド会議のあと小ハンマーを使ってみたくて、一回のホールの火を消して奥の工房で集まってたのさ、なんたって神に愛されしハンマーだ」
ジン「そうしたらホールの方から階段を上っていく足音が聞こえたんだ、俺たちは全員揃っているのにな」
ジンクス「みれば商工会の連中だ、忍び足で静かに2階に集団で上がっていった、多分狙いは駐屯騎士団の武器防具だ、修理を済ませて梱包したのは今日の夕方だ」
キース「それを全部盗もうってのか?」
ジリアン「商工会の連中、独立の為に戦争始める気なんじゃないか?」
キース「おいおい、駐屯兵団の装備品を奪ったりしたら絞首刑は免れないんだぞ」
ジン「初めから罪に服す気がないならどうだ?」
100人分の武器防具・・・。
騎士団がいかに強かろうと素手ならたしかに勝てるかもしれない。
キース「それでどうする?」
ジン「わからん、俺たちにも、だが協力はできん、俺たちは鍛冶師だ、武器だけ作ってるわけじゃない、町のみんなの生活を支えるのが鍛冶ギルドのはず」
一同がうなずく
ジンクス「俺たちはキースさんについていく」
キース「分かった騒ぎに巻き込まれれば鍛冶師は利用されるかもしれん、みんな家族をつれて街をでよう」
ジン「そうするとしよう」
ジリアン「それが良い賛成だ」
キース「それと騎士団に急いで知らせるんだ、俺たちが盗まれたんだ、黙っていれば武器防具を提供した事になる、それに奴らが放っておくとは思えん」
ブリジット「それなら目立ちませんので私が行きます」
ブリジットは小柄な男だ
ジンクス「よし、一度教会にみんな落ち合おう家族を連れてるんだ」
ジリアン「ジキルのとこにも話に行く、それとアーゴットは?」
キース「それは俺が探しておこう、さあ急いで裏口から行け」
ドンドンドンドン!
先ほどより大きなノック音が聞こえる
「キースさん!いないのか?!悪いがドアを開けさせてもらうぞ!」
強引にドアでも開けそうな勢いだ。
急いで全員を外にだしてキースは玄関に向かう
キース「なんだこんな夜中に!何時だと思ってるんだ」
商工会会長ガレン「ああキースさんいたんですか、いやなに、あなたにちょっと話があってね」
キース「ほう、こんな夜更けに話し合いだと?、その重防具、それと武器どこで手に入れたんだ?」
ガレン「鍛冶ギルドを退職なさるとそんなこともわからないんですか?」
キース「おれをおちょくりにきたのか?」
後ろにはたいまつを掲げた重武装の町の面々100人以上が暗闇にたたずんでいる
ガレン「我々は決断したんですよ、自由のためにね」
ガレン「ところで我らと行動を共にするはずの鍛冶ギルドのメンバーの行方が分からなくなっているんですよ」
キース「行動を共に?強引にの間違いじゃないのか?それにおれはお前のいうとおり退職した身だ、知るわけがないだろう?」
ガレン「わたしは無関係だとは思ってないんです。ちょっと調べさせてもらいますよ?」
全員逃げたあとだ
さすがにキース程の体躯があろうと、手には料理用の包丁一本
重武装の100名あまりに勝てるわけもない
-「会長、誰もいません」
ガレン「わたしの早とちりだったようですね、キースさん我らと行動を共にしませんか?」
キース「断る、あいにく酒の時間なんでな、聞く必要あるのか?おれは強引に連れて行かないのか?」
ガレン「あなたは人気がありすぎるんですよ、拘束でもしようものなら、団結にひびが出来るかもしれません」
キース「たいした団結力だな」
ガレン「あなたは我らの邪魔をしないようにしてもらいたい、新しい国にはあなたの力もいるかもしれませんからね」
ガレン「よし行くぞ!駐屯兵団の寄宿舎を取り囲む」
たいまつをかかげた群衆「おおおおおお!」
(馬鹿な事を、、、アーゴット、、ミリアム、、うまく逃げるんだぞ)
ミリアム「ほんと、こうしてみると奇麗ね」
二人はギルド会議の夜、家を抜け出してスターライト鉱石を拾いに来ていた。
慌ただしくて二人きりになるのも久しぶりだ、結婚も3日後盛大に行われる予定だ。
まさに幸せの最中にいた。
アーゴットが神に愛されし者となり、スターライト鉱石を加工してみたいと思い拾いに街の壁の周りを二人で歩いているのである。
スターライト鉱石はその光が、原石のままでは微小すぎて、夜でもないとその小さな光を見つけれないのである
しかし、壁のすぐ外の暗闇のなかでは浮かび上がる光が、川面のホタルのように浮かび上がり幻想的な一面を見せる。
二人はなんとなく手をつないでそれを見ていた。
先代ジルことキースだけの家の台所
自作の包丁で魚を捌き、鼻歌交じりにご機嫌のキースは今日も酒盛りの準備に大忙しで、
二人が抜け出したことを意にも介さない様子だ、もっとも結婚の決まった娘と旦那の夜遊びを
咎める理由などないからだ。
キース「さーてこんなもんで良いかな」
今日の酒は猫柳亭のおやじの鍛冶代のつけがわりにくすねた10年物の葡萄酒である。
キース「上等だっていわれる酒はどんな味がすんだろうなあ?たまらねえぜ」
そんな独り言を上機嫌でいいながら席に着いたその時。
入り口の扉がゴンゴンゴンゴンと切迫したように叩かれる
深夜0時、、
一体何事だと思い、ドアを無造作にあけるキース
キースは2Mに迫ろうかという大きな体躯で、強盗が押し込もうとも返り討ちにできる自信がある
普通なら窓そばで聞き耳を立ててからだろうが、キースは開け放った
開け放たれたドアのそばで驚いた様子の男
ジンだ。
キース「おうどうしたジン、こんな時間に。まさか酒の匂いに釣られてきたか?」
ジン「キースさん大変なんだ、とにかく中に入れてくれ!」
後ろの暗がりを目を凝らして見るとジンクスやジリアン、北口の鍛冶師ブリジット、他に鍛冶ギルドの子弟までいる。
キース「わかったとにかく入れ」
素早く、静かに全員が狭いキースの食卓に整然と入りこむ
皆のまなざしが、ただ事ではないことを物語っている。
ジン「ギルド会館が襲われている」
キース「馬鹿言うな、俺の家の隣だ。物音ひとつしないぞ」
ジンクス「俺たちはギルド会議のあと小ハンマーを使ってみたくて、一回のホールの火を消して奥の工房で集まってたのさ、なんたって神に愛されしハンマーだ」
ジン「そうしたらホールの方から階段を上っていく足音が聞こえたんだ、俺たちは全員揃っているのにな」
ジンクス「みれば商工会の連中だ、忍び足で静かに2階に集団で上がっていった、多分狙いは駐屯騎士団の武器防具だ、修理を済ませて梱包したのは今日の夕方だ」
キース「それを全部盗もうってのか?」
ジリアン「商工会の連中、独立の為に戦争始める気なんじゃないか?」
キース「おいおい、駐屯兵団の装備品を奪ったりしたら絞首刑は免れないんだぞ」
ジン「初めから罪に服す気がないならどうだ?」
100人分の武器防具・・・。
騎士団がいかに強かろうと素手ならたしかに勝てるかもしれない。
キース「それでどうする?」
ジン「わからん、俺たちにも、だが協力はできん、俺たちは鍛冶師だ、武器だけ作ってるわけじゃない、町のみんなの生活を支えるのが鍛冶ギルドのはず」
一同がうなずく
ジンクス「俺たちはキースさんについていく」
キース「分かった騒ぎに巻き込まれれば鍛冶師は利用されるかもしれん、みんな家族をつれて街をでよう」
ジン「そうするとしよう」
ジリアン「それが良い賛成だ」
キース「それと騎士団に急いで知らせるんだ、俺たちが盗まれたんだ、黙っていれば武器防具を提供した事になる、それに奴らが放っておくとは思えん」
ブリジット「それなら目立ちませんので私が行きます」
ブリジットは小柄な男だ
ジンクス「よし、一度教会にみんな落ち合おう家族を連れてるんだ」
ジリアン「ジキルのとこにも話に行く、それとアーゴットは?」
キース「それは俺が探しておこう、さあ急いで裏口から行け」
ドンドンドンドン!
先ほどより大きなノック音が聞こえる
「キースさん!いないのか?!悪いがドアを開けさせてもらうぞ!」
強引にドアでも開けそうな勢いだ。
急いで全員を外にだしてキースは玄関に向かう
キース「なんだこんな夜中に!何時だと思ってるんだ」
商工会会長ガレン「ああキースさんいたんですか、いやなに、あなたにちょっと話があってね」
キース「ほう、こんな夜更けに話し合いだと?、その重防具、それと武器どこで手に入れたんだ?」
ガレン「鍛冶ギルドを退職なさるとそんなこともわからないんですか?」
キース「おれをおちょくりにきたのか?」
後ろにはたいまつを掲げた重武装の町の面々100人以上が暗闇にたたずんでいる
ガレン「我々は決断したんですよ、自由のためにね」
ガレン「ところで我らと行動を共にするはずの鍛冶ギルドのメンバーの行方が分からなくなっているんですよ」
キース「行動を共に?強引にの間違いじゃないのか?それにおれはお前のいうとおり退職した身だ、知るわけがないだろう?」
ガレン「わたしは無関係だとは思ってないんです。ちょっと調べさせてもらいますよ?」
全員逃げたあとだ
さすがにキース程の体躯があろうと、手には料理用の包丁一本
重武装の100名あまりに勝てるわけもない
-「会長、誰もいません」
ガレン「わたしの早とちりだったようですね、キースさん我らと行動を共にしませんか?」
キース「断る、あいにく酒の時間なんでな、聞く必要あるのか?おれは強引に連れて行かないのか?」
ガレン「あなたは人気がありすぎるんですよ、拘束でもしようものなら、団結にひびが出来るかもしれません」
キース「たいした団結力だな」
ガレン「あなたは我らの邪魔をしないようにしてもらいたい、新しい国にはあなたの力もいるかもしれませんからね」
ガレン「よし行くぞ!駐屯兵団の寄宿舎を取り囲む」
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(馬鹿な事を、、、アーゴット、、ミリアム、、うまく逃げるんだぞ)
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