月と秘密とプールサイド

スケキヨ

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人前なのに、机の下で……

人前なのに、机の下で……(2)※

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「ん? どうした、羽澄はすみ。ほら、続けて」
「……っ!」

 涼しい顔をした火神かがみが恨めしい。
 それでも須藤すどう先生がいる手前、文句の一つも言いたいところを必死に堪えて、ひな子は続けた。

すい Heへー Liリー Be   N O  Ne Naなな Мgまが……あ、……んぅ……っ」

 須藤からは死角になっていて見えないのをいいことに、火神の悪戯いたずらはエスカレートしていく。ツツー……っと内股をなぞっていた指が、徐々に上昇して、脚の付け根の際どいところを指先でつついてくる。

「んんっ……」

 堪えきれないひな子の口から鼻にかかった声が漏れる。

(ダメ!)

 心の中ではそう思っているのに……。
 ひな子の脚はいつの間にか……火神の指を自ら招き入れるように……ゆっくりと開いていく。
 火神の指が下着の上から割れ目をなぞる。
 すでにソコがじっとりと湿り気を帯びているのが自分でもわかった。

「あぁ……」

 思わずうっとりとした声が漏れてしまったひな子は慌てて咳き込んだフリをして誤魔化そうとしたけれど。

「ゴホっ、ゴホっ……んっ……ぁ」

 敏感な粒の上に火神の指がピタリと押し付けられた。

「ん? 羽澄さん……風邪?」
「はぃ、あの……んっ……そう、みたい……です」

 心配そうに声をかけてくれる須藤先生に、ひな子は何とか平静を装う。

「そう、気をつけなさいよ。受験は体調管理が大事だから」

 須藤のアドバイスにコクコクと頷きながら、

(もう、やめて)

 ひな子は縋りつくような目で火神をめた。
 そんな彼女の視線に気づいていないわけはないのに、火神は指を退けるでもなく、動かすでもなく、軽く触れたままの姿勢を崩さない。

(もう……っ!)

 下着越しに伝わる火神の熱に、ひな子の陰核はもう痛いほど充血していた。
 
 ――もどかしさにおかしくなりそう。

 刺激を求めたひな子の腰が、いやらしく前後に揺れはじめる。

(だめ……)

 頭ではわかってるのに、身体が勝手に動いてしまう。
 ただ快感を求めて……まるでそこだけが別の生き物のように……机の下で、ひな子の腰が淫靡に揺れる。

「はぁ……っ、ん……」

 ひな子の鼻から漏れる息が熱を帯びる。

(……ダメ……こんな声出したら……須藤先生にバレちゃう……!)

 そう思うのに、腰の動きが止まらない。
 ひな子は咳を抑えるフリををして、口元を手で覆った。

「お、もう五時か」

 腕時計に目を落とした須藤が誰にともなく呟く。

「じゃあ、私はそろそろ職員室に戻るから。火神くん、戸締り頼むよ」
「わかりました。お疲れ様です」
「羽澄さん、勉強がんばってね」
「は、はぃ……」

 ひな子が返事をする間も、火神の指は敏感なトコロに密着したままだ。
 ガラガラと戸を開けて須藤が立ち去るのを見届けてから、

「もう! 須藤先生にバレたら、どうするつもりですかっ!?」

 ひな子は顔を真っ赤にして抗議した。

「俺は何もしてないぞ。腰を振って擦りつけてきたのは、羽澄のほうだろう?」

 ――ズルい、そんな言い方……。

 しかしひな子は何も言い返せなかった。火神の言うことは事実だったから……。
 ひな子が黙り込むと、

「……ん、ぁ……っ」

 下着の隙間から、火神の指が入り込んできた。
 指の動きに合わせて、ぐちゅぐちゅ……と生々しい音が立つ。狭い室内だけに、嫌でも耳についてしまう。

「すごいな……次から次に溢れてくる」
「もぅ……やだ……ぁ」

 ひな子は恥ずかしさのあまり、両手で顔を覆った。

「嫌じゃないだろう、こんなに濡らして……。俺の指、こんなになっちまったじゃねえか。ほら」

 火神は愉しそうに笑いながら、人差し指をひな子の目の前に突き出した。
 ひな子がチラリと目を向けると、火神の指はお風呂に浸かった後のように、ふにゃふにゃにフヤけている。

「……どうして……せんせぃ……も、結局…………それより……自分、が……もぅ……やだ……」

 火神の指に絡みつく自分の愛液をまざまざと見せつけられて……。ひな子の目からは、自分でも気付かないうちに涙が溢れていた。

「……ちょっと意地悪しすぎたな」

 泣き出したひな子の肩に火神がそっと手を添えた。

「…………ごめん」

 火神はひな子の耳元でそっと囁くように言って、ふわりと彼女の身体を包み込んだ。今日は煙草の臭いはしなかった。
 ひな子は火神の肩に顔を埋めて、しばらくほろほろと泣いた。

「……すみません、もう大丈夫です」

 涙を拭いながら、ひな子は顔を上げて火神を見上げた。潤んだ目で見つめられて、火神はそっと目を逸らした。

「今日はもう帰ったほうがいいな」

 ひな子の身体を抱きしめていた火神がゆっくりと離れていく。

「ぁ……」

 自分を包んでいたぬくもりをなくしたひな子は、無意識のうちに、もぞりと太腿を擦り合わせた。火神によって灯された官能の火は、身体の奥で燻ったまま消えていなかった。

(なんとか、して……)

 言いたいけど――
 言えない。言えるわけない。
 ひな子がうつむいて身をよじらせていると、

「羽澄」

 火神がひな子の身体をもう一度抱き寄せた。

「悪いのは全面的に俺だ。お前は悪くない。だから、」
「きゃ……っ」

 火神の指が再びひな子の秘所に侵入してくる。

「素直になれ。お前が何を隠してるのかは知らないが……全部忘れて、俺に身を委ねろ」
「あっ……あぁ……んっ…………はぁ……っ」

 膨らんだ陰核を集中的に攻められて、ひな子の理性が吹き飛びそうになる。トロトロの愛液をたっぷりと塗りつけて愛撫されると、ひな子の目からまた涙がこぼれた。それが羞恥のためなのか、快感のためなのか、それとも――。
 ひな子は自分の感情の名前を知りたいと思ったが、頭も身体もぐちゃぐちゃで、もう何も考えられなかった。

「はぁあ……はぁ……はぁ……っ」

 昇りつめたひな子が火神の胸に身体を預けながら乱れた呼吸を整えていると、

「これで、勉強に集中できるな?」

 ひな子の耳元で、火神がからかうような軽い口調で囁いた。

「うぅ……がんばります」

 ひな子は火神の胸に顔を伏せたまま、蚊の鳴くような声で答えた。

「今度また赤点取ったら……お仕置き、な」

 火神はそう言ってひな子の耳をペロリとひと舐めすると、茶化すように笑った。


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