リフレイン

桃瀬わさび

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本編

ず、ずるい! 3 〚カナ〛 *

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キサちゃんはすごすぎるから、きっとすぐに、有名になってしまうだろう。
でも、ベッドの上のキサちゃんだけは、これからずっと、俺だけが見ていたいな。
獰猛な光を放つ瞳とか、優しく丁寧な愛撫とか。
顔中にキスをしながら服を脱がせ、首筋を伝って鎖骨、鎖骨からさらに下がって乳首を口に含む。
耳の中に「すきだ」という言葉が残って、毒みたいにカラダに巡って、今日はひどく敏感だ。おへそにちゅっとキスされただけで、体がびくんと跳ねてしまう。
いよいよズボンが脱がされたとき、はたと気がついた。
今日、ほぐしてない…!
トイレ行くとウォシュレットで中まで洗うから洗浄は大丈夫だけど、いつもキサちゃんと会う前みたいにほぐしてはいない。
だって今日会うなんて思ってなかったし!

「あの、今日、ほぐしてないから、その、」

あぁ、手間、掛けさせたくないのに。
女の子と違って濡れないからめんどくさいと思われたくなくて、会う時はいつもちゃんとほぐしてたのに。
虚をつかれたような顔をしたキサちゃんが、少ししょんぼりした俺の股間を見て、少し思案げに視線を巡らせた。
―――今日は中止かな。それか、すこし時間もらってお風呂でほぐしてくればいいかな。
ほんのすこし俯いたら、膝裏に手が掛けられて、そのまま体を折りたたまれた。
胸元に膝がくっついて、かぱりと脚が広げられて、股間にキサちゃんの顔が…………!!

「いぶきっ!まって!………ひぁっ、」

ぱくんと一口で俺のを咥えて、元気をなくしたそれを舌で転がす。
まって、まって、なんでキサちゃんがそんなこと、
だめ、だめと啼いたらくつくつと喉の奥で笑って、その振動でまた体が震える。
じゅうっと吸い上げられたのにもなんとか耐えたら、ようやく口が離された。
くったりと力を抜いたら今度は腰が抱えあげられて、うしろのそこに、吐息が、

「まって!やだっ!やだぁぁっ!!」

今度ばかりは全力で抵抗して泣きに泣いた。
身を捩って脚をばたつかせて、キサちゃんが力を緩めた隙に布団だけひっつかんでベッドから逃げ出す。
部屋の隅っこで布団をかぶって丸まって、声を出さないように泣いた。

キサちゃんが、あんなとこ、舐めようとした
あんな、きたないとこ、

ぼろぼろと涙が止まらなくて、歯を食いしばっていたら、みしりと近くの床が軋んだ。
背中に、手の重み。布団越しに優しく撫でてくれてる。

「カナ、おいで。」

キサちゃんが座り込んだ気配がして、優しい声が布団越しでもしっかりと届いた。
がばりと抱きついて、胸に涙を擦りつけて、しゃくりあげると優しく背中が撫でられる。

とんとんと一定のリズムで背中を叩かれて、いつの間にか全身の力が抜けていた。




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