セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

今卓&

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82話 合戦に向けて その13

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それから随分と落ち着き表情も明るくなったエレインはマリエッテを抱いて二階に下りた、マリアも続くがさてどんな顔をして王妃様達と対するべきかと少しばかり悩んでしまう、状況から考えるに恐らく王妃達には知らされていない様子で、もし知らされていたとすれば先程ガラス鏡店で顔を合わせた瞬間になんらかの反応があったと思われる、王妃二人はまったくもって普段通りで、パトリシアの所で新しい料理とやらをおあずけされたと笑顔で腹を立てていた、それはまたどういう状況なのかと首を傾げたマリアであったが、どうやら楽しんでいるらしいとすぐに察して、とりあえず笑顔で対応していたりする、そして乳母はすっかりメイドの顔である、ようは表情は柔らかく、何も考えていない素振りを見せる、若干気怠そうなしかし不愉快そうには見えない絶妙な面相となってマリアに続いた、

「あっ、エレインさんこっちー」

キッサ室に顔を出した途端ウルジュラが叫んだ、エッと足を止めるエレイン、見ればウルジュラとレアン、マルヘリートが若い令嬢達と同席しており、王妃達とアンネリーン、ユスティーナらのテーブルには御婦人方が座っている、どういう事かしらと首を傾げてしまうエレイン、マリアもあれまと目を丸くした、

「ウルジュラ、はしたないですよ」

すぐにマルルースの叱責が飛ぶもどこ吹く風のウルジュラである、

「いいからいいから、ほら、こっち来てー、あのねー、お店の事とか聞きたいんだってー」

キャーキャー続けるウルジュラ、レアンとマルヘリートも笑顔を浮かべ、御令嬢達も楽しそうに振り返る、

「えっと・・・まぁ・・・はい」

ウルジュラの屈託の無い笑顔に少しばかり安堵するエレインであった、事務室ではだいぶ落ち着けたと思ったエレインであったが、いざ王妃達が視界に入ればやはり緊張するもので、それは昨日迄の緊張ではない、昨日迄のそれは貴族としての義務感が先に立つものであったが、今日は少しばかり違っている、若干の後ろめたさと同時になんだか申し訳ないという思いが強く、何も悪い事はしていないし、決まった事でもないとマリエッテを抱き締めて自分に言い聞かせるエレインであった、そしてゆっくりと一礼し、

「申し訳ありません、取り乱してしまったようです」

とその場全員に謝罪した、あらまそりゃそうかと目を丸くする御婦人方と御令嬢達、王妃やアンネリーン、ユスティーナらとエレインの関係を楽し気に語られた後であり、この高位貴族達に慣れているのかなと思い込んでいたのである、しかしどうやらしっかりと貴族としての礼儀は保っているようで、なるほどこれは大事かもなと背筋を正してしまう御婦人方と御令嬢であった、

「構いませんよ、なにかあったの?」

ニコリと微笑むエフェリーン、

「そうね、あなたの周りは騒がしいから」

ニコニコと微笑むマルルース、確かにねと頷くユスティーナ、

「確かに・・・騒がしい事は騒がしいのですが」

エレインはゆっくりと頭を上げて誤魔化すように微笑む、ここは黙するのが正しいであろう、マリアと乳母にもそのようにお願いしていた、そしてどうやらテラもそうしてくれたらしい、壁際に控え心配そうにエレインを見つめているが、特に口出しはないようで、

「まぁ、座りなさい、マリアさんも、このスフレ、大変に美味しいですよ」

マルルースがその場を取り成してくれたようである、

「そうね、あっ、マリエッテちゃんにはどうかしら?」

「柔らかいから食べられそうですけど・・・難しそうね・・・」

アンネリーンも綺麗になった皿を見つめる、見ればその場全員にスフレが振舞われたようで、大量に用意しておいて良かったなと安堵するエレイン、従者さん達も来るであろうし、ソフィアは北ヘルデルのメイドさん達にも食べてもらおうと言っていた、となればこちらに来た御付きの者達にも提供しようとリーニーが頑張ってくれたのである、それがどうやら丁度良かったらしい、どうやら何事も大目に仕込んでおいた方が良いのだな等と考えてしまうエレインであった、

「・・・そうですねー、マリエッテはホイップクリームかしらねー・・・」

これ幸いとマリエッテの顔を覗き込むエレイン、ここは少しでも話題を逸らせるのが得策である、

「はいはい、あまり贅沢させては駄目ですよ」

マリアもここは母親の顔となった、

「大丈夫でちゅよねー、マリエッテは賢い娘だからねー」

マリエッテを抱き直しニマニマと笑顔になるエレイン、その様子になんだ大した事はないのかなと王妃らは判断し、テラもマリエッテの存在は大きいなと微笑む、そうして王妃らとテーブルを囲むマリアとエレイン、ウルジュラがこっちが先ーと叫ぶも、だまらっしゃいと叱りつけるマルルース、ウー怒られたーとしょげて見せるウルジュラ、ウフフと微笑む御令嬢達となる、ウルジュラもまた見事に御令嬢達と楽しんでいる様子で、レアンやマルヘリートも力の抜けた柔らかい笑顔を浮かべている、王女であるのにこんなに明るく砕けた人なのかと御令嬢達は驚いてしまったが、徐々にその人となりに魅了されたらしい、若者達は若者達ですっかりその距離を縮めている、そして、

「で、エレインさん、演劇の件なんだけど」

マリアがこれは素晴らしいとスフレを楽しみ、エレインはエレインでホイップクリームをマリエッテの口に運び美味しいでしゅかーと幼児言葉となっている、それを微笑ましく見ていた王妃達であったが、どうやら今日の本題であった、エフェリーンが笑顔のままを口を開く、

「はっ、はい、どう致しましたでしょうか?」

変な敬語になったと思いつつ背筋を正すエレインである、マリエッテがもっとくれとばかりに手を伸ばし、あっはいはいとスプーンを動かすエレイン、

「フフッ、まぁ、大した事では無いんだけど・・・」

「そうですね、取り合えず」

アンネリーンもニコリと微笑む、エレインが来るまで実はその話しで盛り上がっていたりする、まずもって御婦人方の半数がエレインが件の演劇のエレインと同一人物だとは知り得ず、そうだったのですかと目を丸くし、また噂程度で聞いていた御婦人方も王妃とアンネリーン、ユスティーナが真実であると認めればやはり驚くしかない、まさかその当人がこんな近くで店舗を構え、さらには高位貴族らと友人であったとはと何が何やらと困惑する他なかったのである、そしてその続きとなる台本が完成したと聞けば盛り上がるのも必定で、中にはアンネリーンに負けず劣らず演劇好きな御夫人もいたようで、モニケンダムに嫁ぐ前はヘルデルで三日と空けずに演劇通いをしていたと興奮する者もいた、それは行きすぎよとアンネリーンは嗜めるも、そのアンネリーンも似たような生活であったりする、すっかり意気投合したようで、雪が解けたら一緒に回りましょうかとアンネリーンは微笑み、その御夫人も是非にと浮かれる始末であった、

「まずは王都ね」

とゆっくりと始めるマルルース、はぁと気の抜けた反応を見せるエレインであった。



それから少しして寮である、その三階の研究室では、

「これは・・・なるほど・・・」

学園長が爛々と目を光らせ、

「素晴らしいですな」

事務長も小さなガラス管から目を離せない、

「はい、なので、所長からうかがっていると思いますが、錬金術科にお渡ししたいと考えておるのです」

カトカが食堂から回収した黒板を確認しながら呟く、ゾーイとサビナもそりゃそうなるよなーと二人の反応を素直に楽しんでいる、一階ではティルとミーンが戻って夕食の準備中であった、ハナコも起きだし寂しそうにしていたが、そこは流石のハナコである、ミナのように泣き喚く事は無く、厨房の入口付近にチョコンと座りティルとミーンを眺めていたりする、寒くないのかなとサビナは思うも、まぁ、ハナコも犬である、寒かったら暖炉の前のいつもの場所に向かうであろうと放っておくことにした、

「ふむ、そうだな、ユーリ先生からも聞いている・・・しかし・・・このような計測が可能であったとは・・・」

学園長が水銀の温度計を手に取り、事務長はアルコールのそれを手にした、水銀のそれは熱湯に入れた為100度を示し、アルコールのそれはそのちょうど半分、50度付近を示している、その二つの違いを見せる為カトカが少しばかり工夫したのであった、

「実に興味深い・・・」

シゲシゲと温度計を見つめる事務長、

「つまりは・・・その、物質の膨張であったか・・・」

ギンとカトカを睨む学園長、

「はい、まさに物質ですね、タロウさんは液体のみならず物体の殆どが熱によって膨らむものであると言ってました、であれば水でもなんでも、他の物質でも似たような物が作れるとは思いますが、こうして簡単に計測できるのがアルコールと水銀であるとのことです、どちらも液体である事が重要との事で」

「確かにな、いや、水銀にこんな使い方があったとは・・・」

「水では駄目なのかな?」

「はい、出来ないことは無いとの事です、しかし、水ですと、氷以下の温度を測れないのですよ」

「氷以下・・・むぉっ、そうか、氷よりも冷たいものもあるか」

「はい、なので、今朝、寝起きで確認しましたら私の部屋、氷よりも冷たかったです」

カトカがスッと顔を上げ、ナントと驚く学園長と事務長、ゾーイとサビナもその報告を朝に聞いて、そうなの?と叫んでしまっていたりする、

「で、考えればそうなんですよね、ほら、外もですけど、氷が張る程に冷たいという事は、その周囲が氷よりも冷たいから凍ってしまうんですよ・・・でも、こうして目にしてみないとまさかと思って、まだタロウさんには確認できていないのですが、先程氷で観測し直したのです、ほら、間違っているかもなって思って、でも、確かにその傷ですね、その目盛りにピッタリだったので、ちゃんと計測出来ている事は確認しています、なので、この季節、外は氷よりも冷たいのです、特に朝は・・・」

「・・・確かに、水瓶に氷が張っている事もありますからな・・・建物内でも・・・」

「そうじゃな、うん、その通りだ」

思わず顔を見合わせる学園長と事務長、特に学園長は学問の徒として長年生きてきたのであるが、その小さな事実にまるで気付かなかったと愕然としてしまう、いや気にした事も無かったのだ、これはまったくもって目が曇っていたと反省せざるを得ない、

「で、その他にもなのですが・・・詳しくは報告書をと思うのですけど、まずは・・・そうですね、精度を高めるのが肝要かと、タロウさんもこれでは細かく測れないからねーって笑ってましたけど・・・」

「うむ、それはユーリ先生からも聞いていた、で、細かく測るとはなんじゃ?」

ハッとカトカを見つめて身を乗り出す学園長、

「はい、一つの基準として水が氷と湯気になる温度、これを0~100としまして・・・」

とより詳しい説明に移るカトカである、学園長と事務長はフンフンと真面目に耳を傾け、ゾーイとサビナは他にどう使えるのだろうかと考え込む、今朝のカトカの発見は何気に衝撃であった、二人としても氷は冷たく、これ以上冷たい物はないのではないかと考えなしに考えてしまっていた、しかし実際にはそうでは無かったのである、タロウの見識を確認したいところであるが、どうやらこの季節、外気は氷よりも冷たくなるらしく、となれば氷よりも冷たい物質があるのは当然であろうと思う、どのような物質かはまるで想像しえないが、それはそれで何かに使えそうではある、また、その逆もまた然りで、炎よりも熱いものがあるのかもしれないとも考えてしまう、いや、こうなると炎の温度を測りたいとも考える、こりゃまた何気にとんでもない代物だぞと認識を新たにしてしまっていた、

「・・・うむ、これはしかし・・・いや、まずは報告者じゃな、王都にも至急連絡せねばじゃ・・・」

「ですな、向こうの学者達も色めき立ちましょう」

「ですねー・・・ただ、まぁ、それはあれですけど、水銀とガラス細工ですね、そこがまず懸念されます」

「これはあれかガラスでなければならんのか?」

「あっ、それは確認してます、タロウさん曰く、この膨張が確認できれば正直何でもいいとの事でして、ですが、考えてみればガラスが確かに最も・・・うん、分かりやすいのかなって思います、中が見えてないとどうしようもないのですよ、もしくはより・・・なんていうか細工が必要になるかもでして、これが一番簡潔な形なのかもしれません」

「・・・それもそうだな・・・」

「はい、なので、ほら、私どもが使っている陶器板でも可能かと思いますが、結局その、半面をこう、ガラスで閉じる感じにして、その細い管を陶器板の方に傷を付ける感じでなんとかとも考えました、なんぼでも細くしたいとタロウさんが言ってまして、となると・・・まぁ、私がほら、よく使う素材ですからそれしか思い浮かばなかったのですが・・・それも一応報告書には付記するつもりではありますが・・・まぁ、それはお任せしたいなと」

「へー、そんな事考えてたの?」

サビナが思わず口を挟む、ニヤリと微笑み答えとするカトカ、ゾーイも流石だなーと目を丸くしている、

「・・・うん、分かった、では、どうする?」

学園長が事務長に確認する、

「はい、まずは報告書、その前に・・・錬金術科の講師達に見せたいとも思いますが・・・」

具体的な打合せに入る二人である、取り合えず任せてしまっていいのかなと安堵するとともに、もう少し色々やりたかったかなーと寂しく感じるカトカであった。
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