セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

今卓&

文字の大きさ
1,397 / 1,445
本編

82話 雪原にて その31

しおりを挟む
そして学園講堂の隅っこでは、

「聞こえてますよー」

カトカの声が木板から響いた、ギョッと手にした木板を見つめるユーリ、アッと一声上げて、

「・・・なによー、いやらしいわねー・・・」

ムフフとふざけてみる、

「・・・キモッ・・・」

カトカの端的で嫌悪感丸出しの一声が返ってきた、

「ナッ、なによそれ」

「なによもなにも・・・なんですか気持ち悪いなー・・・」

実に正直なカトカである、

「いつもの事でしょー、今更なによ」

「そうですけどー・・・あー・・・なんかあれですね、これで話すとその辺の距離感が曖昧な感じですかねー」

「そう?」

「そうですよー、だって、エレインさんにも、リーニーさんにも聞かれてますからねー」

「ゲッ・・・マジ?」

「マジです、あれですね、相手の様子が見えないから・・・だって、そっちはあれですよね、ソフィアさんが近くにいるのは分かるんですけど・・・広い所にいます?」

「正解、講堂、学園の」

「ですよね、なんか声が広がっているっていうか、そういうのも分かります」

「へー・・・そりゃまた大したもんだ」

「ですね、で、こっちはほら、エレインさんのお仕事部屋ですから、こっちはあれですよ、それなりに真面目な雰囲気なんですよ」

ヘーと呟くユーリ、

「ですよー」

とエレインが口を挟む、

「わっ、あっ、まだいたの?」

「まだいたのって・・・」

もうと顔を顰めるエレイン、リーニーも何を言っているんだかと苦笑してしまう、リーニーとしても講師職を離れたユーリにはまだ慣れなかった、少なくとも講師として教壇に立つユーリは厳しくも真面目な講師であり、それなりに人気もあって尊敬もされていたように思う、しかし素の彼女はなんとも明け透けで飾らない女性のように見えた、そしてそれは実際にそうであるらしく、またそれ以上に恐らくがさつで大雑把である、

「そりゃいますよ、私がお邪魔してる方なんですから」

「それも・・・そうか、まぁ、あれよね、そういう感じのやつもこれから慣れて行かないと駄目かしら?」

ウーンと首を傾げるユーリ、ソフィアもなるほどなーと木板を覗き込んでいる、

「そういう感じってなんですか?相変わらず曖昧ですよ」

もうと眉を顰めるカトカ、確かに曖昧で何を言わんとしているのか理解が難しいとエレインとリーニーが同時に首を傾げる、

「そういう感じはそういう感じよ、ほら、なんていうの?こっちとそっちの雰囲気の違いとかさ、それこそ、あれよ、偉い人が側にいる事を想定したり、他人の悪口は言わない?」

「悪口って・・・それは誰に対しても言っては駄目です」

「・・・そうだけどさ、あくまでほら例えってやつよ、もうカトカも真面目なんだからー」

再びおちゃらけるユーリ、何を言っているんだかとカトカはムッと木板を睨む、

「・・・まぁ、言わんとしている事はやっとわかりました、ようはあれです、普段以上に気を使って話せって事ですね」

確かにその通りかもとエレインは納得し、リーニーも良く分からないがこの状況を見る限り確かにそうだと大きく頷く、

「そうねー、あれかしら・・・大事な相談とかは難しそうだしなー・・・でも、まぁ、軽い連絡には使えるわね」

「それはだって、昨日もそう話したじゃないですか」

「そうだっけ?」

「そうですよ」

「そっか、まぁ、そんな感じね・・・あれだ、これもっと作ってさ、全員で持ち歩く?」

「全員って・・・だって、これ、あれですよ、タロウさん曰く一対一でしか作れないでしょ」

「そうよ」

「だとすると、あれですか?全員分の木板を持ち歩くんですか?」

アッと絶句するユーリ、そうなると結構な数だなーとその隣でソフィアが首を傾げる、

「研究所員だけならほら、えーっと、三枚ずつ?になります?」

「・・・その計算であってる?」

「多分ですけど、ようは繋がりたい相手の数だけ必要って事ですからね」

「そっか・・・そうなると、寮の生徒全員に持たせたら・・・」

「それだけでも10枚くらい簡単にいきますよ、いくらちっこい板とは言っても・・・邪魔くさそうだなー・・・」

「確かにねー、ちょっと無理があるわねー、それに・・・別に毎日会う相手に持たせなくてもね」

「ですよー、だから・・・必要な時に持って行くって感じで、数枚あればいいんじゃないですか?なんとなく・・・たぶんですけど」

「・・・それが賢そうね」

「ですよ、それと結局所長はだって、研究所か学園にしか用は無いんですから、どうせ持ち歩かなくなりますよ」

「どうせってどういう意味よ」

「どうせはどうせです、ソフィアさんもだって結局使わなかったって言ってたでしょ」

「そうだっけ?」

ユーリが顔を上げ、

「そうねー、結局ねー」

とソフィアが微笑む、アッ、ソフィアさんもまだいたんだと気付く木板の先の三人、

「まぁ、いいわ、あれば何かと使えそうだし、細かい事はおいおい考えましょう」

適当に切り上げる事としたユーリである、

「ですね、あっ、ゾーイさんがさっそく作るらしいですけど、なにかあります?」

「んー・・・あっ、あれだ、タロウが言ってたでしょ、一対多のやつ?あれ作れない?まだ作ってないのよね」

「それは・・・できるでしょうけど、それこそ何に使うんです?」

「今朝ねー、ミナがさー、これを使って起こすーって騒いでたのよ」

「なんですそれ?」

「ほら、私を起こしたかったんだってー、で、これを耳元に置いて、ワッって感じ?」

「・・・あー・・・想像できますね・・・」

んーと目を閉じるカトカ、エレインとリーニーはなんのこっちゃと顔を見合わせる、

「だからさ、だったら、ほら、生徒全員の寝台にさ、これを置いておけば、一度に起こせる?」

どう?とばかりにソフィアに微笑むユーリ、

「それいいかもねー」

ソフィアがニヤーと微笑む、しかし実際の所生徒達で寝坊するのはエレインかジャネット程度であり、エレインはオリビアが、ジャネットは他の生徒達が気を利かせて起こしに行っていたりする、故にそれほど必要性は感じず、ソフィアが唯一必要だと感じるのはユーリだけであったりした、その為今朝はソフィアが何となくミナにその事を伝え、ミナが楽しそうーとはしゃぎだしたのである、見事に空ぶったようであるが、

「まぁ、いいですけど、じゃ、とりあえずそう伝えますね」

「宜しくー」

「他にあります?」

「特に無いかな、あったらまた連絡するー」

「はい、了解しましたー」

カトカの明るい声が響き、フッと木板の輝きが失せた、なるほど、ちゃんと切らないと駄目だわねと理解するユーリとソフィア、

「・・・便利ねこれ・・・」

「そうみたいねー」

二人は木板を見つめて呟く、なるほど実際に使ってみないとやはり理解が足りなかったようで、先程まではただ単に好奇心もあって起動してみたそれであったが、ちゃんと会話をしてみればその有用性が実感でき、さらには問題点が焙りだされている、やはりそれなりに考えて使わないと、いらない諍いの元にもなりかねないらしい、まぁそれは人付き合い全般に言える事ではある、

「でも・・・あれよ、タロウはそれほどじゃないけどなーって言ってたかしら?」

「そうなの?」

「まずねー・・・なんか、板と板が一対一になってるのが気に食わないとかって言ってて、本来だと、この板同士がね、相手を選んで繋がるようにしたかったんだって・・・」

「何それ・・・」

ギロッとソフィアを睨むユーリ、

「そのままよー・・・でも・・・どうだったかなー・・・私もうろ覚えなんだけど・・・」

「思い出しなさい」

「・・・あー・・・無理」

「無理じゃない」

「無理は無理よ、もう暫く前の事だし、そういうものかーって聞き流したし」

「役に立たない女だわねー」

「ムカッ・・・まぁ、そうだけどさ」

「なによ、殊勝じゃない」

「悪い?おぼえてないもんはしょうがないでしょ、あれがいるんだからあれに聞きなさい」

フンと鼻を鳴らすソフィア、

「そうね、そうする、あっ、でさ、アンタね、ルーツのあれ使えるってホント?」

ユーリが本題を思い出してズイッとソフィアに詰め寄った、ユーリは荒野での一仕事を終え、昨日同様暇になるなと察し、戦闘が本格化する前であれば話しもできるであろうと講堂に顔を出し、アフラがバタバタしていた為、大丈夫?と声をかけ、なんとかしますとアフラは苦笑しつつエレインへの伝言を頼まれ、であればとソフィアを捕まえつつカトカに連絡し、そうしてアフラからの伝言をエレインへ伝えたのである、ユーリとしてはこの木板での会話こそ寄り道も良い所であったりする、

「あれってなにさ?」

「ほら、監視魔法とかなんとか?遠くを見るやつ」

「あー・・・使えるわよー」

「教えなさい」

「・・・エー・・・」

思いっきり顔を顰めるソフィア、コノーと頬を引きつらせるユーリである、

「・・・だってさ・・・あー・・・どうせあれでしょ、呪文を織れとか言うんでしょ」

「当然よ」

「・・・無理」

「待って、タロウに聞いたわよ、ブツブツ言いながら魔法使ってたって」

「・・・そんな事まで言ってるの?あの人」

「別に良いでしょ、私とあんたの仲なんだから」

「まぁ・・・いいけどさ・・・といってもなー」

ムーと首を傾げるソフィア、確かにソフィアはルーツの得意とするその独自とも言える魔法に近い事は可能である、しかし、

「あれはだって・・・魔法・・・なのかなー・・・」

「何それ?」

「広義に於いては魔法である事は確かなのよね・・・あっ、あんたとしてはどう思う?」

「何が?」

「なんていうか・・・魔力を操る手段を魔法と呼ぶのが自然・・・というか、そういうものよね?」

「そうよ、他に何があるのよ」

「なんだけど・・・ほら、基本としては呪文が無いと出来ない訳でしょ」

「・・・あー、それの事・・・」

何を今更と呆れるユーリ、

「それの事?」

「そうよー、魔法の定義でしょ、その程度はだって、今更論ずる必要は無いわね」

「そうなの?」

「そうなの、あんたもあれだ、学園の教科書読んでみなさい、しっかり定義されてるから」

「へー・・・知らなかった・・・」

「でしょうね、で、簡単に言えばよ、あんたの言うように魔法とは魔力を操る技術全般をそう呼称しているに過ぎなくて、呪文についてはあくまでその介添えに過ぎないって事になってるのよ、実際あんたも呪文なしで魔法使ってるじゃない」

「あらま・・・なんだー、逃げる口実が無くなったかしら・・・」

ムーと口を尖らせるソフィア、

「逃げるつもりだったの?」

ムッとユーリが睨みつける、

「そうよー、だって・・・まぁ、あんたなら分かるだろうけど、ルーツのあれはほら、魔力操作でしかなくて、あれを魔法って言うのはどうかなーって感じなのよね、で、私も出来るっちゃ出来るけど、正直・・・なんていうか・・・性に合わない?」

「あんたでも?」

「私でも、だから・・・あれやタロウさんがなんて言ってるか知らないけど、それこそ・・・ケイスさんの空間魔法みたく人を選ぶ類の魔力操作だから・・・正直・・・呪文にしておいても・・・使える人いないんじゃない?」

「それはあんたが考える事じゃないでしょ、それを言ったらね、あんたの麻酔魔法の呪文だってとてもじゃないけど使えないじゃない」

「だから難しいって言ったでしょ」

「それにしてもよ」

「あんたはだって使えるようになったじゃない」

「私はね、でも、他の人が使えないんじゃ意味ないの」

「それはわかるけど・・・だったらあんたが織り直せばいいのよ、私に頼らないで」

「無理」

「あんたなら簡単でしょ」

「めんどい」

「もう・・・なに?人にそのめんどうを押し付けるつもり?」

「そのつもり、いい?あんたもね、いい加減に本気で動きなさい」

「またそれ・・・」

「またってなによ」

「昨日も似たような事言われたのよ、学園長とか事務長さんとか、なんとかってケイスさんの先生にも」

「・・・そうなの?」

「そうよー、治療魔法だの麻酔魔法だの教えてくれって」

「・・・で、どう答えたのよ?」

「・・・なんか有耶無耶になった・・・」

「なにそれ?」

「ラインズが突っ込んできたのよ」

「あっ・・・それ、なんか聞いたかな?」

「そうね、話したでしょ、それで、時間も無かったし・・・」

「・・・そっ、で、どうするの?」

腕を組み、ムッとソフィアを睨むユーリ、ユーリの感触ではどうやらソフィアも少しばかり前向きに考えているように感じられる、

「そうねー・・・まぁ・・・暇潰し程度であればいいかなーって思ってるかなー」

フーと鼻息を荒くし、視線を逸らせるソフィア、

「それでいいのよー」

ユーリがニマーと微笑む、すると、

「やっぱ、ヤダ」

「アン?」

「なんかムカつく」

「ちょ、ガキみたいな事言うんじゃないわよ」

「ガキで結構よ」

「この・・・あんたねー」

いよいよユーリが肩を怒らせた瞬間、

「あっ、いたー、なんだよ二人揃って丁度良い」

能天気な大声が講堂に響く、ラインズであった、ニコニコと大量の黒板を抱えて二人に近付いてきており、ウゲッと同時に呻いたソフィアとユーリであった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?

ばふぉりん
ファンタジー
 中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!  「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」  「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」  これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。  <前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです> 注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。 (読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』

とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~ -第二部(11章~20章)追加しました- 【あらすじ】 「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」 王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。 彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。 追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった! 石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。 【主な登場人物】 ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。 ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。 アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。 リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。 ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。 【読みどころ】 「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...