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本編
13話 夏の日の策謀 その2
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エレインは午後になるとオリビアと共にブラスを連れて帰寮した、
「あら、お疲れ様どうしたの?」
厨房にいたソフィアはパタパタと出迎える、
「どうも、お世話様です」
ブラスは日焼けした顔に笑顔を浮かべる、白い歯が眩しく見える程浅黒い、
「すいません、ソフィアさん、少しばかり、立ち合いをお願いしたいのですが」
エレインは済まなそうにそう言った、
「立ち合い?」
「はい、馬屋を使わせて頂く事にしたのです、突然ですいません」
「へぇー、何?何するの?」
ソフィアにとっては寝耳に水であったが、楽し気である、
「はい、お店を、そのための下見と見積です」
4人は表に出ると馬屋の前に立った、
「ブノワトさんは?」
「あいつは、店番です、ほらあの細工物が大繁盛でして、あぁ、そうだ、ちゃんとお礼を言わないとですね、ありがとうございます、いろいろと」
ブラスはニカッと笑みを見せる、
「いやいや、私は何もしてないわよ、生徒達のおかげよあれは」
「でも、あれはお土産として頂いた物でしたし、そういう意味では・・・」
オリビアが口を鋏むと、
「それを言ったらリシア様のおかげでしょうね、この件に関しては、私は大した事してないわよ」
ソフィアは尚も謙遜する、
「まぁまぁ、とりあえず今日の用件なんですが」
エレインは3人の視線を馬屋に戻すと、
「この馬屋を飲食の店舗にしたいんですね、で、学園の許可を取りました」
エレインは胸を張る、
「あら、凄い、面倒な所を先に抑えるなんて、エレインさんも出来る人になったわねぇ」
ソフィアは素直に関心した、
「ふふん、それほどでもありませんわ、この馬屋は現在使う人もいませんし、有効活用したいなと思いまして、それでなんですが、どうでしょう?店舗として改築をお願いできますでしょうか?」
ソフィアはブラスに問う、ブラスは馬屋全体を俯瞰し、内側に入ると各部の状態を確認した、
「改築は可能だよ、材料も良い物使ってるし、作りも頑丈だ、石も煉瓦も使ってないから作業は楽な方かな、でも、どうだろう、あれかな?常設の屋台みたいな感じでいいのかな?」
「そうですね、調理場所と窓口があって、商品を受け渡しできればなと考えておりますの」
「そうすると、どうだろう、殆どが調理空間として使えるけど、勿論火も使うんだよね?」
「そうですわね・・・」
ブラスとエレインの打合せは細かい所に入っていった、
「へー、でもエレインさん良く考えたわね、確かにこの馬屋使ってないし、通りに面してるし、学園と近いし、そういう意味では良い物件かもね」
「そうですね、流石お嬢様です」
オリビアは鼻息を荒くして嬉しそうである、
「でも、いつから考えてたの?」
「いつからかは存じませんが、ギルドで店舗について調べてからですかね、正直な所新たに事業を始めるのは不安しかないですもの、それも資金を募って始めるのは・・・各方面に影響が大きいですからね、ですので、まずは私達でできる事からとお嬢様は仰っていました」
「へー、すごーい、地に足がついてるわー、まぁ最初はそうよねぇ、何度でも橋は叩きたいものねぇ」
「まったくです」
ソフィアが関心していると、
「ソフィアさん、ちょっと相談いいですか?」
ソフィアはエレインに呼ばれ馬屋の裏の納屋について問われた、
「うーん、そうねぇ、以前ほら、屋台を収納した時にも思ったんだけど、使えそうで使えないゴミも多いと思うのよね、だから、ついでに廃棄して貰えると嬉しいわ」
「あぁ、やっぱりそうですか」
納屋の中を確認してブラスは納得する、
「でも、藁とか薪とかどうします?他に倉庫作ります?」
「他にという事は、この納屋も店舗にするの?」
「納屋は納屋として使用したいと思っています、ただ、その、店舗関係で使わせて頂ければ嬉しいのですが・・・」
エレインは遠慮がちにそう言うが、恐らくそのつもりなのであろう、
「うーん、そうか、そうすると確かに藁もだけど薪かー、寮内に置く場所は無いしなぁー、一階の個室の一つを倉庫にしてしまおうかしら、でもそうなると石壁を壊す事になるかしら、手間よねぇ・・・」
「そうだねぇ、寮のこっち側の事だろ?この石壁は手を付けたくないかなぁ・・・」
ブラスの目から見なくても、建物の石壁はホイホイ壊せるものでは無い事は良く分かる、
「では、納屋は現状のままの方が宜しいでしょうか?出来れば店舗と寮の道具は完全に別けて管理するのが良いと考えていたのですが・・・」
エレインの言う事は尤もな事である、これについてはソフィアも同意であった、
「そりゃ、そうよね、うん、エレインさんが正しいわ、うーんでもそうなると・・・」
「薪は無くてもいいような・・・」
オリビアがボソリと呟く、
「いいんじゃない?凍えて死ぬわよ、あと、煮炊きも出来ないわ」
ソフィアが即座に返すと、
「ですよねー」
とオリビアは笑った、どうやら冗談であったらしい、
「では、どうだろう、2階建てにするのは」
ブラスが馬屋の天井を見上げてエレインに問うた、
「2階建てですか?」
「おう、この馬屋天井高いのよ、まぁ、馬屋ってそういう作りなんだがさ、だから、少しばかり圧迫感はあるけど低めの天井を新たに作って、その上を倉庫にするのさ、店舗用の、で、裏の納屋は現状のまま、藁と薪小屋、それと屋台置き場にすれば良いんじゃないかな?2階部分も天井は低いけど、十分立てる位の高さは確保できると思うしね、あっ、でもあれだ階段分若干狭くなるかな、うん、そんな感じでどうだろう」
「なるほど、それは良い案です、流石熟練の職人さんですね」
エレインの笑顔と誉め言葉にブラスは実に分かりやすく赤面した、
「へへ、いや、熟練ってほどじゃねぇけどよー」
「いえいえ、とても私達では出てこない発想でしたわ」
エレインのよいしょは続き、ブラスは分かりやすく高揚している、
「では、後はどうします?」
オリビアが問うと、
「おう、店舗の詳細をじっくり伺いたいかな、それを元にして図面と見積を作るから」
「では、座って話したほうがよさそうね」
ソフィアの意見に3人は賛同して食堂に入った。
「あら、お疲れ様どうしたの?」
厨房にいたソフィアはパタパタと出迎える、
「どうも、お世話様です」
ブラスは日焼けした顔に笑顔を浮かべる、白い歯が眩しく見える程浅黒い、
「すいません、ソフィアさん、少しばかり、立ち合いをお願いしたいのですが」
エレインは済まなそうにそう言った、
「立ち合い?」
「はい、馬屋を使わせて頂く事にしたのです、突然ですいません」
「へぇー、何?何するの?」
ソフィアにとっては寝耳に水であったが、楽し気である、
「はい、お店を、そのための下見と見積です」
4人は表に出ると馬屋の前に立った、
「ブノワトさんは?」
「あいつは、店番です、ほらあの細工物が大繁盛でして、あぁ、そうだ、ちゃんとお礼を言わないとですね、ありがとうございます、いろいろと」
ブラスはニカッと笑みを見せる、
「いやいや、私は何もしてないわよ、生徒達のおかげよあれは」
「でも、あれはお土産として頂いた物でしたし、そういう意味では・・・」
オリビアが口を鋏むと、
「それを言ったらリシア様のおかげでしょうね、この件に関しては、私は大した事してないわよ」
ソフィアは尚も謙遜する、
「まぁまぁ、とりあえず今日の用件なんですが」
エレインは3人の視線を馬屋に戻すと、
「この馬屋を飲食の店舗にしたいんですね、で、学園の許可を取りました」
エレインは胸を張る、
「あら、凄い、面倒な所を先に抑えるなんて、エレインさんも出来る人になったわねぇ」
ソフィアは素直に関心した、
「ふふん、それほどでもありませんわ、この馬屋は現在使う人もいませんし、有効活用したいなと思いまして、それでなんですが、どうでしょう?店舗として改築をお願いできますでしょうか?」
ソフィアはブラスに問う、ブラスは馬屋全体を俯瞰し、内側に入ると各部の状態を確認した、
「改築は可能だよ、材料も良い物使ってるし、作りも頑丈だ、石も煉瓦も使ってないから作業は楽な方かな、でも、どうだろう、あれかな?常設の屋台みたいな感じでいいのかな?」
「そうですね、調理場所と窓口があって、商品を受け渡しできればなと考えておりますの」
「そうすると、どうだろう、殆どが調理空間として使えるけど、勿論火も使うんだよね?」
「そうですわね・・・」
ブラスとエレインの打合せは細かい所に入っていった、
「へー、でもエレインさん良く考えたわね、確かにこの馬屋使ってないし、通りに面してるし、学園と近いし、そういう意味では良い物件かもね」
「そうですね、流石お嬢様です」
オリビアは鼻息を荒くして嬉しそうである、
「でも、いつから考えてたの?」
「いつからかは存じませんが、ギルドで店舗について調べてからですかね、正直な所新たに事業を始めるのは不安しかないですもの、それも資金を募って始めるのは・・・各方面に影響が大きいですからね、ですので、まずは私達でできる事からとお嬢様は仰っていました」
「へー、すごーい、地に足がついてるわー、まぁ最初はそうよねぇ、何度でも橋は叩きたいものねぇ」
「まったくです」
ソフィアが関心していると、
「ソフィアさん、ちょっと相談いいですか?」
ソフィアはエレインに呼ばれ馬屋の裏の納屋について問われた、
「うーん、そうねぇ、以前ほら、屋台を収納した時にも思ったんだけど、使えそうで使えないゴミも多いと思うのよね、だから、ついでに廃棄して貰えると嬉しいわ」
「あぁ、やっぱりそうですか」
納屋の中を確認してブラスは納得する、
「でも、藁とか薪とかどうします?他に倉庫作ります?」
「他にという事は、この納屋も店舗にするの?」
「納屋は納屋として使用したいと思っています、ただ、その、店舗関係で使わせて頂ければ嬉しいのですが・・・」
エレインは遠慮がちにそう言うが、恐らくそのつもりなのであろう、
「うーん、そうか、そうすると確かに藁もだけど薪かー、寮内に置く場所は無いしなぁー、一階の個室の一つを倉庫にしてしまおうかしら、でもそうなると石壁を壊す事になるかしら、手間よねぇ・・・」
「そうだねぇ、寮のこっち側の事だろ?この石壁は手を付けたくないかなぁ・・・」
ブラスの目から見なくても、建物の石壁はホイホイ壊せるものでは無い事は良く分かる、
「では、納屋は現状のままの方が宜しいでしょうか?出来れば店舗と寮の道具は完全に別けて管理するのが良いと考えていたのですが・・・」
エレインの言う事は尤もな事である、これについてはソフィアも同意であった、
「そりゃ、そうよね、うん、エレインさんが正しいわ、うーんでもそうなると・・・」
「薪は無くてもいいような・・・」
オリビアがボソリと呟く、
「いいんじゃない?凍えて死ぬわよ、あと、煮炊きも出来ないわ」
ソフィアが即座に返すと、
「ですよねー」
とオリビアは笑った、どうやら冗談であったらしい、
「では、どうだろう、2階建てにするのは」
ブラスが馬屋の天井を見上げてエレインに問うた、
「2階建てですか?」
「おう、この馬屋天井高いのよ、まぁ、馬屋ってそういう作りなんだがさ、だから、少しばかり圧迫感はあるけど低めの天井を新たに作って、その上を倉庫にするのさ、店舗用の、で、裏の納屋は現状のまま、藁と薪小屋、それと屋台置き場にすれば良いんじゃないかな?2階部分も天井は低いけど、十分立てる位の高さは確保できると思うしね、あっ、でもあれだ階段分若干狭くなるかな、うん、そんな感じでどうだろう」
「なるほど、それは良い案です、流石熟練の職人さんですね」
エレインの笑顔と誉め言葉にブラスは実に分かりやすく赤面した、
「へへ、いや、熟練ってほどじゃねぇけどよー」
「いえいえ、とても私達では出てこない発想でしたわ」
エレインのよいしょは続き、ブラスは分かりやすく高揚している、
「では、後はどうします?」
オリビアが問うと、
「おう、店舗の詳細をじっくり伺いたいかな、それを元にして図面と見積を作るから」
「では、座って話したほうがよさそうね」
ソフィアの意見に3人は賛同して食堂に入った。
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