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本編
22話 鏡工場と根回しと その4
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「遅れましたー、すいませーん」
ブノワトとコッキーがハアハアと荒い息を吐いて玄関口へあらわれた、
「おはよう、お二人さん、あら、大丈夫」
へへっと二人は疲れた笑いを見せて、
「大丈夫です、だいぶ良い物が出来たので、朝一で角を研磨しまして、何とか納得いく品になったかと思います」
ブノワトは綺麗な布に包まれた大振りなガラス鏡を、コッキーはその三分の一程度のガラス鏡を持っている、
「さ、入って、エレインさんの案試してみた?」
「いえ、まだです、仕上げるのを先にって思ってまして」
二人は息も絶え絶えである、ソフィアは労いつつ先にガラス鏡を受け取ると食堂へ戻る、
「エレインさん、確認してみましょう」
大振りのガラス鏡を、既存のそれの隣りに置いて布を取った、
「おおー、全然違いますねー」
エレインは素直に感嘆の声を上げ、
「すごーい、別物ね、うん、これなら売り物になるわ」
ソフィアは隅々に目を配りつつ、瑕疵を探すが気になる点は少ない、完璧とは言えないが充分に商品として出せる品質であるとソフィアは判断した、さらに以前の品との大きな差は木枠が無い所であろうか、故にガラス鏡そのものが剥き出しになっている状態である、側面からは断面が丸見えになっているが、ガラス面と木製の下地の間にある筈の銀の膜は見ただけではその存在を知る事はできない、さらにその側面は丁寧に角が落とされており、ガラスと言えど手を切る心配は無さそうである、
「ブノワトねーさん、コッキーねーさん、オハヨー」
上機嫌のミナが二人を出迎えている、
「あら、ミナちゃんおめかしして、可愛いねー」
「ホントだ、お嬢様みたい」
「えへへー、今日はお淑やかなのよー」
だらしない笑みを見せるミナに、
「ホントにー、お淑やかに出来るのー」
「出来るー、任せてー」
二人はミナとキャイキャイとはしゃぎつつソフィアを見ると、
「如何でしょう?自信作なのですが」
「うん、バッチリね、これなら何処に出しても恥ずかしくないわ、それどころか、うん、今なら天井知らずに値が付くかもね」
ソフィアは腕を組んで感心している、
「そうですわね、これに値を付けるのは難しそうです、どうしましょう、お幾ら払えばいいかしら?」
エレインも腕を組んで鏡に見入っている、
「えへへ、昨日のソフィアさんの助言が的確でした」
「そうですね、研磨もだいぶ楽になったので、そっちの新しい方も確認下さい」
ブノワトはコッキーが手にしていた方のガラス鏡を指差す、
「そうね、エレインさん見てみて、あなたの案よ」
エレインは、はいと返事をして、布を取り外した、大きさは手鏡の3倍以上、真四角に形成されておりこちらには木製の枠が付けられている、それが2枚、布に包まれていた、
「そちらはエレインさんの案によると手で持つことが多いかなと思いまして、枠を付けてます、じゃ、実際にどうなるか見てみましょうか」
コッキーは率先して枠の付いた鏡を手にすると、
「ミナちゃん、座って座って」
とミナを鏡の前に座らせ、
「こうかしら?」
とその後ろ頭に鏡を翳す、ミナは不思議そうにその仕草を鏡越しに見ていたが、
「あー、ミナの背中、ミナの頭が見えるー、えー、これホントー?」
「見える?どう見えるか知りたいですわ」
エレインがミナの隣りに座ると、
「はい、では、エレインさんも」
とコッキーがエレインの背後に立った、
「見えますね、わ、分かり易い、あら、右と左が分かりにくい?、あれ、正しいのか?こっち?こっちかしら?」
視線は一定で鏡に向かい頭だけが動いている、
「わー、面白ーい、こっちからだとミナの顔が映ってる」
鏡越しに鏡を見てはしゃぐミナ、
「これは、そうか、メイドさんのいる生活をしてないと思い付かない事よね」
ソフィアはなるほどと納得した、
「ミナ、ブノワトさんと代わってあげて、コッキーさんも、エレインさん代わってあげましょう」
「え、いや、申し訳ないですよ」
ブノワトとコッキーは遠慮するが、ソフィアとエレインは強引に二人を座らせて、その後ろ頭を鏡へ映す、
「わ、何か不思議、自分の後ろ頭って初めて見たなー」
「あ、右?左か?あはは、えー、楽しいー」
二人は疲労を忘れキャッキャとはしゃいでいる、
「じゃ、どうしましょう、2枚あるから1枚はここで、もう1枚を向うへお持ちしましょうか」
エレインはそう提案し、
「いいの?」
とソフィアが問うと、
「私も使いたいですよ」
とエレインはほくそ笑むのであった。
それからその鏡はあわせ鏡と呼称される事になった、普通の鏡としても十分使用できる品であるが、大鏡、手鏡に対して分類上の名前が必要だろうというエレインの発案からである、そして鏡の前での一騒動が落ち着いて、パトリシア訪問の準備を始める、ガラス鏡を布で包み、オリビアとケイスが朝から作成したロールケーキの籠詰めを開始する、
「この上で寝たら気持ちよさそー」
テーブルに並べられた大量のロールケーキを見たミナの感想である、
「そうね、気持ち良さそうだけど、ホイップクリームでベタベタになっちゃうわよ」
「・・・それはそれで気持ちよさそうですね」
エレインが真面目な顔で答える、
「やってみる?」
ソフィアの問いに、
「えっと、ソフィアさんの冗談は冗談に聞こえないので困ります」
「そう?それは問題ね、あれかしら、先にこれは冗談です、って前置きが必要かしら?」
「そうするとなんだか素直に笑えないですよ」
「うーん、冗談って結構難しいのよね、軽口とも違うしなー、まぁ、いっか、そうだ、ブノワトさんとコッキーさんも連れていきましょうか、荷物持ちも欲しいし」
「大丈夫でしょうか、以前も言いましたが、向うよりもこちら側が危ないですよ」
「大丈夫じゃない?何気にブノワトさんとは面識あるし、ブノワトさんが大丈夫ならコッキーさんも何とかなるわ、それにね、お客さんは多い方が楽しいものよ」
「・・・ソフィアさんがそう言うなら・・・」
ブノワトとコッキーはミナとレインと戯れながらロールケーキの籠詰めを手伝っている、籠は婦人部特製の品で、ロールケーキが2本綺麗に納まるサイズで藁を編んで作られた品である、こちらも店舗での販売を検討中であるらしい、
「じゃ、それを革袋でもいいかしら?」
「はい、この籠であれば丈夫なので少々積み重ねてもいいはずです」
ソフィアは4つの革袋に種類別に入れると、
「さて、私達はこれを持つから、ブノワトさんとコッキーさんは鏡をお願いね」
当然のように言うソフィアを、ブノワトとコッキーは不思議そうに見る、
「なによ、少し手伝いなさい、あ、エレインさん手鏡は持った?」
「はい、そこの木箱です」
「じゃ、それもお願いね」
とソフィアは革袋を二つ持って勝手口へ向かう、ミナとレインは弾むようにその背を追った、
「えっと」
とブノワトとコッキーがエレインを見る、
「ま、取って食われないから、お二人もいきましょう、良い経験になると思いますよ」
エレインも革袋を持つと玄関へ向かい、二人は何とも困った顔になるが、
「ソフィアさんの言う事だし」
「うん、エレインさんもあー言ってるし」
とブノワトは大鏡を持ち、コッキーはあわせ鏡とエレインの指差した木箱を手に取り、玄関へ向かう、玄関口ではエレインが待っており、3人は店舗の脇を抜けて寮母宿舎へ向かった、
「さて、お二人にはそうね、ここで見た事は一切他言してはいけないわよ」
寮母宿舎の前でエレインは唐突に二人に言い放った、
「えっと、それはどういう」
ブノワトが怪訝そうに問うと、
「ま、現実離れした事だから、誰に言っても信じて貰えないと思うけど、噂になったら、お二人は勿論、家族も、そして恐らく私とオリビアの命も無いから」
足を止め深刻そうに話すエレイン、
「またまたそんなー」
とコッキーは笑顔を見せるが、エレインの硬い表情は変わらない、
「えっと、そんなに大事なの?」
ブノワトが問うと、
「そうですわね、きっと楽しいと思うけど、絶対に他言しない事、お二人供これからその鏡で大儲け出来るんだから、こんな事で失敗しては駄目よ」
「はー」
二人は理解が及ばず小首を傾げた、
「あ、行くわよ、ほら、3人供いらっしゃい」
宿舎の玄関からソフィアが顔を出す、エレインははいはいと歩を進め、二人は緊張した顔でその後に続いた。
ブノワトとコッキーがハアハアと荒い息を吐いて玄関口へあらわれた、
「おはよう、お二人さん、あら、大丈夫」
へへっと二人は疲れた笑いを見せて、
「大丈夫です、だいぶ良い物が出来たので、朝一で角を研磨しまして、何とか納得いく品になったかと思います」
ブノワトは綺麗な布に包まれた大振りなガラス鏡を、コッキーはその三分の一程度のガラス鏡を持っている、
「さ、入って、エレインさんの案試してみた?」
「いえ、まだです、仕上げるのを先にって思ってまして」
二人は息も絶え絶えである、ソフィアは労いつつ先にガラス鏡を受け取ると食堂へ戻る、
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「おおー、全然違いますねー」
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「すごーい、別物ね、うん、これなら売り物になるわ」
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「ブノワトねーさん、コッキーねーさん、オハヨー」
上機嫌のミナが二人を出迎えている、
「あら、ミナちゃんおめかしして、可愛いねー」
「ホントだ、お嬢様みたい」
「えへへー、今日はお淑やかなのよー」
だらしない笑みを見せるミナに、
「ホントにー、お淑やかに出来るのー」
「出来るー、任せてー」
二人はミナとキャイキャイとはしゃぎつつソフィアを見ると、
「如何でしょう?自信作なのですが」
「うん、バッチリね、これなら何処に出しても恥ずかしくないわ、それどころか、うん、今なら天井知らずに値が付くかもね」
ソフィアは腕を組んで感心している、
「そうですわね、これに値を付けるのは難しそうです、どうしましょう、お幾ら払えばいいかしら?」
エレインも腕を組んで鏡に見入っている、
「えへへ、昨日のソフィアさんの助言が的確でした」
「そうですね、研磨もだいぶ楽になったので、そっちの新しい方も確認下さい」
ブノワトはコッキーが手にしていた方のガラス鏡を指差す、
「そうね、エレインさん見てみて、あなたの案よ」
エレインは、はいと返事をして、布を取り外した、大きさは手鏡の3倍以上、真四角に形成されておりこちらには木製の枠が付けられている、それが2枚、布に包まれていた、
「そちらはエレインさんの案によると手で持つことが多いかなと思いまして、枠を付けてます、じゃ、実際にどうなるか見てみましょうか」
コッキーは率先して枠の付いた鏡を手にすると、
「ミナちゃん、座って座って」
とミナを鏡の前に座らせ、
「こうかしら?」
とその後ろ頭に鏡を翳す、ミナは不思議そうにその仕草を鏡越しに見ていたが、
「あー、ミナの背中、ミナの頭が見えるー、えー、これホントー?」
「見える?どう見えるか知りたいですわ」
エレインがミナの隣りに座ると、
「はい、では、エレインさんも」
とコッキーがエレインの背後に立った、
「見えますね、わ、分かり易い、あら、右と左が分かりにくい?、あれ、正しいのか?こっち?こっちかしら?」
視線は一定で鏡に向かい頭だけが動いている、
「わー、面白ーい、こっちからだとミナの顔が映ってる」
鏡越しに鏡を見てはしゃぐミナ、
「これは、そうか、メイドさんのいる生活をしてないと思い付かない事よね」
ソフィアはなるほどと納得した、
「ミナ、ブノワトさんと代わってあげて、コッキーさんも、エレインさん代わってあげましょう」
「え、いや、申し訳ないですよ」
ブノワトとコッキーは遠慮するが、ソフィアとエレインは強引に二人を座らせて、その後ろ頭を鏡へ映す、
「わ、何か不思議、自分の後ろ頭って初めて見たなー」
「あ、右?左か?あはは、えー、楽しいー」
二人は疲労を忘れキャッキャとはしゃいでいる、
「じゃ、どうしましょう、2枚あるから1枚はここで、もう1枚を向うへお持ちしましょうか」
エレインはそう提案し、
「いいの?」
とソフィアが問うと、
「私も使いたいですよ」
とエレインはほくそ笑むのであった。
それからその鏡はあわせ鏡と呼称される事になった、普通の鏡としても十分使用できる品であるが、大鏡、手鏡に対して分類上の名前が必要だろうというエレインの発案からである、そして鏡の前での一騒動が落ち着いて、パトリシア訪問の準備を始める、ガラス鏡を布で包み、オリビアとケイスが朝から作成したロールケーキの籠詰めを開始する、
「この上で寝たら気持ちよさそー」
テーブルに並べられた大量のロールケーキを見たミナの感想である、
「そうね、気持ち良さそうだけど、ホイップクリームでベタベタになっちゃうわよ」
「・・・それはそれで気持ちよさそうですね」
エレインが真面目な顔で答える、
「やってみる?」
ソフィアの問いに、
「えっと、ソフィアさんの冗談は冗談に聞こえないので困ります」
「そう?それは問題ね、あれかしら、先にこれは冗談です、って前置きが必要かしら?」
「そうするとなんだか素直に笑えないですよ」
「うーん、冗談って結構難しいのよね、軽口とも違うしなー、まぁ、いっか、そうだ、ブノワトさんとコッキーさんも連れていきましょうか、荷物持ちも欲しいし」
「大丈夫でしょうか、以前も言いましたが、向うよりもこちら側が危ないですよ」
「大丈夫じゃない?何気にブノワトさんとは面識あるし、ブノワトさんが大丈夫ならコッキーさんも何とかなるわ、それにね、お客さんは多い方が楽しいものよ」
「・・・ソフィアさんがそう言うなら・・・」
ブノワトとコッキーはミナとレインと戯れながらロールケーキの籠詰めを手伝っている、籠は婦人部特製の品で、ロールケーキが2本綺麗に納まるサイズで藁を編んで作られた品である、こちらも店舗での販売を検討中であるらしい、
「じゃ、それを革袋でもいいかしら?」
「はい、この籠であれば丈夫なので少々積み重ねてもいいはずです」
ソフィアは4つの革袋に種類別に入れると、
「さて、私達はこれを持つから、ブノワトさんとコッキーさんは鏡をお願いね」
当然のように言うソフィアを、ブノワトとコッキーは不思議そうに見る、
「なによ、少し手伝いなさい、あ、エレインさん手鏡は持った?」
「はい、そこの木箱です」
「じゃ、それもお願いね」
とソフィアは革袋を二つ持って勝手口へ向かう、ミナとレインは弾むようにその背を追った、
「えっと」
とブノワトとコッキーがエレインを見る、
「ま、取って食われないから、お二人もいきましょう、良い経験になると思いますよ」
エレインも革袋を持つと玄関へ向かい、二人は何とも困った顔になるが、
「ソフィアさんの言う事だし」
「うん、エレインさんもあー言ってるし」
とブノワトは大鏡を持ち、コッキーはあわせ鏡とエレインの指差した木箱を手に取り、玄関へ向かう、玄関口ではエレインが待っており、3人は店舗の脇を抜けて寮母宿舎へ向かった、
「さて、お二人にはそうね、ここで見た事は一切他言してはいけないわよ」
寮母宿舎の前でエレインは唐突に二人に言い放った、
「えっと、それはどういう」
ブノワトが怪訝そうに問うと、
「ま、現実離れした事だから、誰に言っても信じて貰えないと思うけど、噂になったら、お二人は勿論、家族も、そして恐らく私とオリビアの命も無いから」
足を止め深刻そうに話すエレイン、
「またまたそんなー」
とコッキーは笑顔を見せるが、エレインの硬い表情は変わらない、
「えっと、そんなに大事なの?」
ブノワトが問うと、
「そうですわね、きっと楽しいと思うけど、絶対に他言しない事、お二人供これからその鏡で大儲け出来るんだから、こんな事で失敗しては駄目よ」
「はー」
二人は理解が及ばず小首を傾げた、
「あ、行くわよ、ほら、3人供いらっしゃい」
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