238 / 1,445
本編
29話 エレイン様とテラさんの優雅?な一日 その8
しおりを挟む
「美味しー、昨日の焼き菓子も美味しかったけど、コッチの方が好きー」
ミナの素直な感想が厨房内に響いた、試作の菓子が大量に盛られた皿を真ん中に置いて、女性達は楽しそうに手を伸ばしている、焼き菓子は昨日の物と比べるとだいぶ小さい品である、幼児であるミナでも一口で頬張れる大きさと厚さとなっており、ミナは一つは口中に、もう二つを両手に持って御満悦であった、また、改良点としては大きさもそうであるが、2枚の焼き菓子で硬めに作ったカスタードクリームを挟みこんでおり、ただの焼き菓子とは比べれられないほど手間のかかった品となっている、
「うむ、一口で食べれるのは確かに良いの」
「そうですね、それにこのカスタードの程良い甘味といい、焼き菓子のサクサク感といい、これは絶品です」
「カスタードクリームの柔らかな舌触りも良いです、焼き菓子との相性も抜群ですね」
「見た目も可愛いですね、これは良いんじゃないですか?」
「先程の五つの条件を考えますと、お茶請けとしても大丈夫そうですね、あとは・・・」
オリビアは指を折って思いだしつつ、
「あ、保存ですか?」
「そうね、焼き菓子は良いのですが、カスタードは日持ちしそうにないですね、作ってから3日程度は持ちそうですが」
「うむ、それについては考えていたのだが、この地でしか食べれないというのも、価値を高めるのではないかのう」
レアンが手にした焼き菓子を見つめている、
「お屋敷でのう、王都で評判と聞く菓子を頂くとどうしてもな、その硬く焼しめた菓子が多くてな、このカスタードのように柔らかい物は難しくなる、味や食感を考えると、こちらの方が断然良いと思うのだが」
「そうね、それに、遠方へ届ける事を考えるとどうしても硬パンか、塩気の多い干し肉とか、魚の干物とかになってしまいますからね、マカロンも結局は甘い硬パンと言ってしまえばそれまでですし、この品を頂く為にこちらへ来る程の品こそが価値があるのかもしれないわね」
ユスティーナもレアンと同様の意見であるようだ、
「なるほど、確かに、お二人の意見はその通りと思います」
うんうんとエレインは頷いて、
「それではどうしましょう?こちらの品で領主様へ再度確認を取りますか?それとももう少し改良を加えましょうか?」
静かに二人へ視線を向ける、
「そうだのう」
とレアンはウーンと考え込む、
「あら、どうしたの?さっき迄あんなにはしゃいでいたのに」
ユスティーナは口元に薄い笑いを浮かべてレアンを見る、
「そうですね、もう一つ、こう、面白いものが欲しいかなと考えます、味も良いですし、食べやすい、それと、見た目・・・そうか見た目だな、うん、ミナ、レイン、見た目を良くしたいのじゃ、何かないか?」
レアンはパンパンに頬を膨らませているミナと、それなりに楽しそうに皿に手を伸ばしているレインに問うた、
「ミヒャメ?」
「うむ、突然じゃのう」
ミナは驚いて顔を上げ、レインはふむと考え込む、
「そうじゃ、これではそのありきたりなのじゃ、食べてみたいと・・・そう思わせる何かが欲しいのじゃ」
レアンの曖昧な主張に、ユスティーナはあらあらと驚き、エレインはなるほどと理解を示した、
「もっと可愛くしたいの?」
焼き菓子を急いで飲み込んだミナがレアンに問い直す、
「うむ、可愛くしたいしの、それと、思わず手に取るような何かが欲しいのじゃ」
「また、フワフワとした願望ですわね・・・」
ユスティーナは困ったような顔になる、
「じゃねー、うんとねー、あ、ニャンコ、ニャンコにしたい」
「そうじゃのう、ニャンコも良いが・・・フクロウとかどうじゃ?それとワンコも良いぞ、お花も良いかもな」
「うん、昨日作ったみたいなの、可愛かったよ」
「むー、確かにあれは可愛かったが、この大きさでは難しいだろう」
「そうかの?この形も型で抜いただけじゃからな、うん、どうじゃエレイン嬢、少し手間と金がかかるが型を作ってみてはどうかのう?」
レインが不適な笑みを浮かべてエレインを見上げた、
「型ですか?」
エレインは不思議そうに問う、
「そうじゃ、泡立て器であったかあの柄で抜いたのがこれじゃろ、ならばじゃ」
「あ、そういう事ですか、なるほど、レインさん凄いですね、その発想は無かったです」
テラが気付いて大声を上げた、
「ふふん、そういう事じゃ、そうなるとの、黒板はあるか?ミナ、お絵描きじゃ」
「うん、何?何?何描くの?」
「そうじゃのう、ちっさいニャンコとワンコじゃな、それとな小さくて可愛いものをいっぱいじゃ」
「うん、分かった」
ミナがピョンと飛び跳ね、
「あ、そういう事ですか、はい、やっと分かりましたわ」
エレインが理解して、徐々にレインの意図が皆に伝わる、
「ま、やってみる価値はあると思うがの、どうじゃ?」
レインがレアンに問う、
「えっと、型はどうします?金属ですか?木で?」
オリビアが型について疑問を呈す、
「そうじゃのう、そこは任せるとするか、できるだけ薄くて刃物程は鋭利でなくて良いと思うぞ、そうじゃな、泡立て器の柄は実に理想的であったな、そういうことじゃな」
レインの説明にオリビアはなるほどと頷く、
「そうなると、ブノワトさんに発注で大丈夫そうね、うん、少しばかり加工が難しいかもだけど、今日見た焼き印を考えると、かなり細かい図柄も作れそうですし」
「そうですね、あそこまでごつい金属にする必要はないでしょうし、話しを聞く限りですとブノワトさんの技術でも作れそうですね」
エレインとテラが静かに頷き合う、レアンもうんうんと頷き、
「うむ、流石、私の右腕じゃな、よしやろう、そうするとまずは絵を描くのか?」
「そうじゃな、皆でこの大きさの可愛い形を作るのじゃ、そしてそれを型にすればよいのじゃ」
「ふん、そうじゃの、ミナ、ニャンコは渡さんぞ、可愛く描けた方を採用じゃ」
「えー、ニャンコはミナが描くのー、お嬢様はお花を描いてー」
「じゃから、可愛く描けた方じゃ、そこは譲れんぞー」
「むー、ニャンコがニャンコを描いちゃ駄目なのー」
「じゃから、私はニャンコじゃないニャー」
「ニャー、ミナはニャンコニャー、お嬢様はお花を描くニャー」
「ニャンコが描いてはいかんのじゃろー」
「いいの、ミナはニャンコなのー」
「はいはい、じゃ、事務所に行きましょうか、向こうでゆっくり描きましょう」
エレインは微笑み、一同は作業場を事務所へと移すのであった。
「へー、そうすると、結構な大事になるんでないの?」
夕食時、ソフィアはエレインから焼き菓子について仔細を聞いた、
「そうですね、でも、面白いと思います、その焼き菓子の型として作りますが、ブロンパンの型にも使えるかなと、後からですがそう考えもしまして」
「なるほどね、確かに面白そうね」
「それと、その型自体も商品になるかなと考えます、以前話題に出てました調理器具の販売というのも視野に入って来るかな・・・とも」
テラも冷静に考えている様子である、結局、テラは夕食を寮で摂る事となった、エレインがソフィアに頼み込み、ソフィアはそれを快く受け入れた形となる、ソフィアは今さら一人二人増えた所で大差は無いとの考えで、但し、他の寮生や職員の手前、無料というわけにはいかないかなとの事であった、それであればとテラはお金を支払う事を提案するが、それは面倒とソフィアは受け入れず、折衷案として、北ヘルデルから魚介類を持ち込む事として妥結した、珍しい海産物が食卓に並び、それがテラの差し入れであるとなれば、誰も文句は言えないであろうとのソフィアの意見である、
「そっかー、そうなるとあれね、いよいよ何屋さんか分からなくなるわね」
「そうですね」
ソフィアの感想にエレインとテラは微笑んだ、
「あ、でもそれ嬉しいかもですね、こっちの品も取り扱えるんでしょ?」
サビナが顔を上げる、
「はい、勿論です、紫大理石は・・・どうかなと思うんですが、コンロとか溶岩板とかは絶対に売れますね」
「そっかー、うん、今日ねほら溶岩板の方の改良を始めてね、形は何とかなりそうなのよね、クロノス様もだけど、オリビアさんの意見も入れて良い感じになりそうよ」
「それは、良かったです」
オリビアが小さく微笑む、
「あ、サビナさん、明日でいいんですけど、回転機構の打合せをしたいのですが如何ですか?」
「ん、良いわよ、何かあった?」
「はい、今日、ブノワトさんの所でその話しになりまして、お兄さんの・・・実家の鍛冶屋さん?で歯車とか作ってるみたいで、要望があれば聞きたいって事でした」
「そっか、うん、明日の午後で良い?」
「はい、オリビアが戻ってからがいいと思います、ではそうですね、お呼びします」
「りょうかーい」
「あ、それと、ソフィアさん・・・かな、テラさんでもいいのかな?リシア様に先触れをお願いしたいのですが」
「いいわよー、あ、テラさんでいいの?」
「えっと、そうですね、私は3日に一度程度向うに顔を出す予定です、暫くはですが・・・」
「そっか、うん、なら今回は木簡があれば届けるわよ」
「あ、はい、ありがとうございます、じゃ、その時で」
「はいはーい」
その日の夕食も和やかであるが、騒がしく過ぎていき、デザートとして供された良く冷えたメロンを口にして、一同は大きな歓声を上げるのであった。
ミナの素直な感想が厨房内に響いた、試作の菓子が大量に盛られた皿を真ん中に置いて、女性達は楽しそうに手を伸ばしている、焼き菓子は昨日の物と比べるとだいぶ小さい品である、幼児であるミナでも一口で頬張れる大きさと厚さとなっており、ミナは一つは口中に、もう二つを両手に持って御満悦であった、また、改良点としては大きさもそうであるが、2枚の焼き菓子で硬めに作ったカスタードクリームを挟みこんでおり、ただの焼き菓子とは比べれられないほど手間のかかった品となっている、
「うむ、一口で食べれるのは確かに良いの」
「そうですね、それにこのカスタードの程良い甘味といい、焼き菓子のサクサク感といい、これは絶品です」
「カスタードクリームの柔らかな舌触りも良いです、焼き菓子との相性も抜群ですね」
「見た目も可愛いですね、これは良いんじゃないですか?」
「先程の五つの条件を考えますと、お茶請けとしても大丈夫そうですね、あとは・・・」
オリビアは指を折って思いだしつつ、
「あ、保存ですか?」
「そうね、焼き菓子は良いのですが、カスタードは日持ちしそうにないですね、作ってから3日程度は持ちそうですが」
「うむ、それについては考えていたのだが、この地でしか食べれないというのも、価値を高めるのではないかのう」
レアンが手にした焼き菓子を見つめている、
「お屋敷でのう、王都で評判と聞く菓子を頂くとどうしてもな、その硬く焼しめた菓子が多くてな、このカスタードのように柔らかい物は難しくなる、味や食感を考えると、こちらの方が断然良いと思うのだが」
「そうね、それに、遠方へ届ける事を考えるとどうしても硬パンか、塩気の多い干し肉とか、魚の干物とかになってしまいますからね、マカロンも結局は甘い硬パンと言ってしまえばそれまでですし、この品を頂く為にこちらへ来る程の品こそが価値があるのかもしれないわね」
ユスティーナもレアンと同様の意見であるようだ、
「なるほど、確かに、お二人の意見はその通りと思います」
うんうんとエレインは頷いて、
「それではどうしましょう?こちらの品で領主様へ再度確認を取りますか?それとももう少し改良を加えましょうか?」
静かに二人へ視線を向ける、
「そうだのう」
とレアンはウーンと考え込む、
「あら、どうしたの?さっき迄あんなにはしゃいでいたのに」
ユスティーナは口元に薄い笑いを浮かべてレアンを見る、
「そうですね、もう一つ、こう、面白いものが欲しいかなと考えます、味も良いですし、食べやすい、それと、見た目・・・そうか見た目だな、うん、ミナ、レイン、見た目を良くしたいのじゃ、何かないか?」
レアンはパンパンに頬を膨らませているミナと、それなりに楽しそうに皿に手を伸ばしているレインに問うた、
「ミヒャメ?」
「うむ、突然じゃのう」
ミナは驚いて顔を上げ、レインはふむと考え込む、
「そうじゃ、これではそのありきたりなのじゃ、食べてみたいと・・・そう思わせる何かが欲しいのじゃ」
レアンの曖昧な主張に、ユスティーナはあらあらと驚き、エレインはなるほどと理解を示した、
「もっと可愛くしたいの?」
焼き菓子を急いで飲み込んだミナがレアンに問い直す、
「うむ、可愛くしたいしの、それと、思わず手に取るような何かが欲しいのじゃ」
「また、フワフワとした願望ですわね・・・」
ユスティーナは困ったような顔になる、
「じゃねー、うんとねー、あ、ニャンコ、ニャンコにしたい」
「そうじゃのう、ニャンコも良いが・・・フクロウとかどうじゃ?それとワンコも良いぞ、お花も良いかもな」
「うん、昨日作ったみたいなの、可愛かったよ」
「むー、確かにあれは可愛かったが、この大きさでは難しいだろう」
「そうかの?この形も型で抜いただけじゃからな、うん、どうじゃエレイン嬢、少し手間と金がかかるが型を作ってみてはどうかのう?」
レインが不適な笑みを浮かべてエレインを見上げた、
「型ですか?」
エレインは不思議そうに問う、
「そうじゃ、泡立て器であったかあの柄で抜いたのがこれじゃろ、ならばじゃ」
「あ、そういう事ですか、なるほど、レインさん凄いですね、その発想は無かったです」
テラが気付いて大声を上げた、
「ふふん、そういう事じゃ、そうなるとの、黒板はあるか?ミナ、お絵描きじゃ」
「うん、何?何?何描くの?」
「そうじゃのう、ちっさいニャンコとワンコじゃな、それとな小さくて可愛いものをいっぱいじゃ」
「うん、分かった」
ミナがピョンと飛び跳ね、
「あ、そういう事ですか、はい、やっと分かりましたわ」
エレインが理解して、徐々にレインの意図が皆に伝わる、
「ま、やってみる価値はあると思うがの、どうじゃ?」
レインがレアンに問う、
「えっと、型はどうします?金属ですか?木で?」
オリビアが型について疑問を呈す、
「そうじゃのう、そこは任せるとするか、できるだけ薄くて刃物程は鋭利でなくて良いと思うぞ、そうじゃな、泡立て器の柄は実に理想的であったな、そういうことじゃな」
レインの説明にオリビアはなるほどと頷く、
「そうなると、ブノワトさんに発注で大丈夫そうね、うん、少しばかり加工が難しいかもだけど、今日見た焼き印を考えると、かなり細かい図柄も作れそうですし」
「そうですね、あそこまでごつい金属にする必要はないでしょうし、話しを聞く限りですとブノワトさんの技術でも作れそうですね」
エレインとテラが静かに頷き合う、レアンもうんうんと頷き、
「うむ、流石、私の右腕じゃな、よしやろう、そうするとまずは絵を描くのか?」
「そうじゃな、皆でこの大きさの可愛い形を作るのじゃ、そしてそれを型にすればよいのじゃ」
「ふん、そうじゃの、ミナ、ニャンコは渡さんぞ、可愛く描けた方を採用じゃ」
「えー、ニャンコはミナが描くのー、お嬢様はお花を描いてー」
「じゃから、可愛く描けた方じゃ、そこは譲れんぞー」
「むー、ニャンコがニャンコを描いちゃ駄目なのー」
「じゃから、私はニャンコじゃないニャー」
「ニャー、ミナはニャンコニャー、お嬢様はお花を描くニャー」
「ニャンコが描いてはいかんのじゃろー」
「いいの、ミナはニャンコなのー」
「はいはい、じゃ、事務所に行きましょうか、向こうでゆっくり描きましょう」
エレインは微笑み、一同は作業場を事務所へと移すのであった。
「へー、そうすると、結構な大事になるんでないの?」
夕食時、ソフィアはエレインから焼き菓子について仔細を聞いた、
「そうですね、でも、面白いと思います、その焼き菓子の型として作りますが、ブロンパンの型にも使えるかなと、後からですがそう考えもしまして」
「なるほどね、確かに面白そうね」
「それと、その型自体も商品になるかなと考えます、以前話題に出てました調理器具の販売というのも視野に入って来るかな・・・とも」
テラも冷静に考えている様子である、結局、テラは夕食を寮で摂る事となった、エレインがソフィアに頼み込み、ソフィアはそれを快く受け入れた形となる、ソフィアは今さら一人二人増えた所で大差は無いとの考えで、但し、他の寮生や職員の手前、無料というわけにはいかないかなとの事であった、それであればとテラはお金を支払う事を提案するが、それは面倒とソフィアは受け入れず、折衷案として、北ヘルデルから魚介類を持ち込む事として妥結した、珍しい海産物が食卓に並び、それがテラの差し入れであるとなれば、誰も文句は言えないであろうとのソフィアの意見である、
「そっかー、そうなるとあれね、いよいよ何屋さんか分からなくなるわね」
「そうですね」
ソフィアの感想にエレインとテラは微笑んだ、
「あ、でもそれ嬉しいかもですね、こっちの品も取り扱えるんでしょ?」
サビナが顔を上げる、
「はい、勿論です、紫大理石は・・・どうかなと思うんですが、コンロとか溶岩板とかは絶対に売れますね」
「そっかー、うん、今日ねほら溶岩板の方の改良を始めてね、形は何とかなりそうなのよね、クロノス様もだけど、オリビアさんの意見も入れて良い感じになりそうよ」
「それは、良かったです」
オリビアが小さく微笑む、
「あ、サビナさん、明日でいいんですけど、回転機構の打合せをしたいのですが如何ですか?」
「ん、良いわよ、何かあった?」
「はい、今日、ブノワトさんの所でその話しになりまして、お兄さんの・・・実家の鍛冶屋さん?で歯車とか作ってるみたいで、要望があれば聞きたいって事でした」
「そっか、うん、明日の午後で良い?」
「はい、オリビアが戻ってからがいいと思います、ではそうですね、お呼びします」
「りょうかーい」
「あ、それと、ソフィアさん・・・かな、テラさんでもいいのかな?リシア様に先触れをお願いしたいのですが」
「いいわよー、あ、テラさんでいいの?」
「えっと、そうですね、私は3日に一度程度向うに顔を出す予定です、暫くはですが・・・」
「そっか、うん、なら今回は木簡があれば届けるわよ」
「あ、はい、ありがとうございます、じゃ、その時で」
「はいはーい」
その日の夕食も和やかであるが、騒がしく過ぎていき、デザートとして供された良く冷えたメロンを口にして、一同は大きな歓声を上げるのであった。
11
あなたにおすすめの小説
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)
犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。
意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。
彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。
そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。
これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。
○○○
旧版を基に再編集しています。
第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。
旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。
この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?
ばふぉりん
ファンタジー
中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!
「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」
「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」
これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。
<前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです>
注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。
(読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)
聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』
とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~
-第二部(11章~20章)追加しました-
【あらすじ】
「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」
王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。
彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。
追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった!
石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。
【主な登場人物】
ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。
ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。
アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。
リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。
ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。
【読みどころ】
「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる