セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

今卓&

文字の大きさ
295 / 1,445
本編

34話 研究会と講習会 その8

しおりを挟む
では次にとエレインは白墨を持ち直すと、

「調理器具は、泡立て器と型ですね、これもブノワトさんへ発注すれば良いと・・・レアン様としてはどうでしょう、泡立て器はあの通りの品なのですが、型について何かありますか?」

「何かとはなんじゃ?」

レアンが不思議そうに聞き返す、

「はい、例えば、種類を増やしたいとか、使い勝手をこうしたいとかですね」

「ふむ、使い勝手に関しては良いと思うぞ、見た目はあれだが、そういう道具であろう?」

「はい、その通りですね」

「うむ、種類に関しては・・・うん、多いに越したことは無いとも思うが、あまり多くしてもな」

「そうですね、一応、今後の商品展開を考えて、大きさとか種類とか増やしていきたいとは考えてました、しかし、やはり、売れるかどうかを見てからでも良いかなとも思いますね」

「そうだの、ふむ、売れなければ駄目じゃな、うん」

レアンは何度か頷き、

「はい、そうしますと、調理器具も現状のままで発注しましょう、あ、泡立て器はそのままでも良いと思いますが、型の方は木箱・・・は高いかな?藁箱・・・でいいかな?」

エレインは事務所の隅に重ねられた木箱へ視線を送る、その箱にはロールケーキ用に大量に作らせた藁箱が入れられていた、

「そうですね、丁度良い大きさだと思いますよ、何気に重宝する大きさですよね」

テラも木箱に視線を向けて同意を表す、

「そうなると、クレオの一時の製品化か、どう考えておるのだ?」

レアンが黒板の項目を目で追って問いかける、

「はい、そうですね、まずは手に取り易い価格が良いと思います、そうなると現在のブロンパンと同じ価格が良いかなと思っておりました」

「なるほど、確かにあの価格であれば手を伸ばしやすいな」

「はい、そこで、型の種類が9つでしたか?」

エレインがテラに問う、

「そうでしたっけ」

テラが眉根に皺を寄せ天井を見る、

「で、あったか?」

レアンも小首を傾げた、

「そうなの?」

ユスティーナがレアンに問う、

「持ってきますね」

テラは小さく笑顔を浮かべて厨房へ向かい、藁箱を持って戻る、その中身をテーブルに並べ、

「そうですね、9種類です、それと細工用の型がバツ印と丸と三角と楕円かなで4種ですね」

「そうよね、うん」

「ふふ、流石、エレイン会長じゃのう」

「可愛いわよね、この型だけでも」

「うむ、そうは言いますが、鉄ですからね無骨言えば無骨、実に道具らしくてカッコイイとも思います」

レアンが型の一つを手にする、

「少し考えたのですが、今後の展開としまして、型のみでも売れる品にはなるかなと思うのですね」

「そうだの、型の原型か、皆で書き出した時はもっと種類があったからのう」

「そうね、楽しかったわね」

ユスティーナは思い出し笑いを浮かべる、

「そうなのです、私の書いた蜘蛛は落選してしまいました・・・可愛かったのに・・・」

残念そうに呟くレアン、

「それは仕方ないわよ」

「はい、あれはちょっと・・・」

ユスティーナとライニールは慰める気もないようである、

「なにおー、可愛く無い物を可愛くしてこそであろうがー」

「可愛くなかったですよ」

ライニールの辛辣な一言である、

「可愛かったであろうがー、丸々として愛嬌があったであろう」

レアンもそこは譲れないらしい、

「確かに、愛嬌はあったけど・・・」

「はい、それに食べ物ですからね、蜘蛛を嫌う人は多いですし」

「むきー、何じゃ二人してー」

「まぁまぁ」

エレインが静かに仲裁に入る、しかし、

「会長としてはどうじゃ、あれは可愛かったであろう」

レアンのすがるような視線がエレインに向かう、

「そうですね、ですが、一番最初の商品に持って来るのは難しいかと・・・実際の所、一目でそれと分かる形でないと難しいですから・・・」

エレインはやんわりと宥める、

「むう、それは聞いたわ、まったく、その通りとも思うがの」

ブツブツとレアンは呟きつつ、何とか飲み込んだようである、

「はい、では話しを戻しまして」

エレインは黒板に向き直り、

「この9種を一つずつ入れて一包みとして販売するか、単純に例えば20個程度を一包みとするかですね」

「はい、それに関しては少しばかり検討が必要かと思います」

テラが小さく手を上げ、

「実際に作ってみますとクレオの一時に関しては手間が多いのですよね、午前の早いうちに仕込みをして、それを調理しながら販売するという現状の店舗での流れでは難しいと思います」

「・・・なるほど、確かにそうですね」

「はい、さらに、藁籠に詰めて店舗に並べるとなると、新たな仕事の流れが必要になると考えます、ま、これは従業員の皆さんの意見を聞いて対応する必要があると思いますが、価格も含めて今ここで決定するのは難しいかと・・・」

テラの現実的な意見である、

「そうね・・・うん、では、この部分は私共に一任して頂けますでしょうか」

エレインがレアンとユスティーナに許可を求め、

「うむ、異存はない、お任せしよう」

「そうね、それでいいですわ」

二人は理解しつつ了承の意を表した、

「ふう、そうなると、はい、今月のお祭りを目途に提供していきたいかなと思うのですが、それと利益分配ですね」

「今月は、20日か・・・間に合うかの?」

「そうですね、クレオの一時そのものは何とかなりますね、それを屋台で提供できればと考えます、調理器具については、木簡と合わせての販売なので、店舗での取り扱いになりますね、そちらも20日以降かなと考えます」

「なるほど、うむ、そちらがそれで良いのであれば異論はないの」

レアンは小さく頷き、ユスティーナも同様に頷く、

「そうなりますと、利益ですね、木簡3種と焼き菓子の型、それとクレオの一時の販売益の一部をクレオノート家にお支払いする必要があると考えます」

エレインは黒板の該当商品名に下線を引き、

「そうですね、売上金額のどの程度をお渡しすればよいでしょうか、失礼かと思いますが、率直な御意見を頂ければと思います」

エレインがレアンとユスティーナに向き直る、

「・・・うむ、それなのだがな」

「そうね、カラミッド様とリシャルト、ライニールも交えて話したのですが」

ユスティーナはライニールの顔をチラリと確認し、

「その分をお安くする事は出来ますか?」

「お安く?ですか」

エレインは不思議そうに問い返し、テラも小首を傾げている、

「うむ、父上としては、この菓子をモニケンダムの新たな名物にしたいと考えている様でな、恐らく利益の話しが出るであろうが、と前置きされての、その場合には、その利益の分だけ安くして、できるだけ多くの人に楽しんでもらって、広めたいとそうお考えなのじゃな」

「まぁ、それはまた・・・」

エレインは小さく驚いた、

「そうね、そして、できればですが、様々な店舗で手軽に食せる品としても普及させたいとそうも仰っておられて」

「まぁ」

エレインは再び驚く、

「どうであろう、エレイン会長としては利益が薄くなるであろうし、営利を目的とした商会としては相反するものなのではないかと、懸念するのだが・・・」

レアンは難しい顔でエレインを上目遣いでみつめる、エレインはなるほどと頷き、テラはさらに難しい顔である、

「可能は・・・可能ですね、一般に広めるという点については、木簡の販売を画策した時点で目的の一つでした、それに先程も話した通り、私としても皆に楽しんで貰えて、家族でも作れる品となって欲しいと思います」

「そうですね、それによって調理器具の販売に繋げるのが戦略の要ですからね」

エレインとテラは顔を見合わせつつ、

「それ以上に広めたいと・・・そうお考えという事ですよね」

「うむ、様々な商店でクレオの一時が売られていて、平民が毎日でも食べれるような、と、父上はそのように語っていたのだが・・・」

レアンも悩まし気である、

「なるほど・・・すいません、その点に関しては・・・そうですね、クレオの一時を売るか売らないかはその各商店の判断に委ねられると思います」

「そうですね、実際の所、売れる品ではあると思いますし、作成方法も有料ではありますが安価で開陳されますし、しかし、領主様の意向であるから取扱えと私どもが口にしていいことではないかなと・・・」

エレインとテラは他商店での取扱いという点に懸念を持った様子である、二人は揃って困った顔で口を閉ざした、

「・・・一つ宜しいですか」

ゴホンとライニールが咳払いをする、皆の視線が集まるとニコリと笑みを浮かべ、

「御館様曰く、それほど真剣になる必要は無いとの事です、レアンもユスティーナも生真面目で、エレイン会長もそのような質だから、悩むであろうと懸念されておりました、端的に言えば、クレオノート家としては利益を取る気はないから、そのかわり安く、そして貴族と言わず平民と言わず、多くの人に楽しんで貰えるようにして欲しいとの事です」

「それは先に話したであろう」

レアンがむくれてライニールを睨む、

「はい、それだけでいいという意味です」

ライニールは笑顔を崩さない、

「なるほど、分かりました、つまり他の商店を巻き込むような事迄はしなくてよいと」

「はい、そうなります、実際、その点は難しい事と思いますし、領主としてそれをやってしまっては市場原理に反するというもの、エレイン会長には六花商会として、しっかりと安く美味しい物を販売して、作成方法もできるだけ安く広く売って欲しい、重複になりますが、そのようにお受け取り下さい」

「ふん、同じことを何度も何度も」

レアンは不貞腐れた顔となり、ユスティーナはまぁまぁとレアンを宥めつつ、

「そうね、そういう事だから、難しく考えないで、お安く提供して欲しいと、こちらとしては利益を頂く事はしない、そういう事にしましょうか」

優しい笑みをエレインへ向けた、

「分かりました、領主様の思い、しかと肝に銘じます」

エレインは静かに頭を垂れ、テラもそれに倣う、

「しかしじゃ、父上は他の商店でも売るようになって、モニケンダムの皆が楽しめる菓子にしたいとそうおっしゃっておったであろう、それが一番大事と思っておったのじゃ」

レアンが癇癪を起こしたようである、やや甲高い声が事務所内に響いた、

「あら、久しぶりにおむずかりかしら?」

「いや、母上そういうわけでは」

落ち着いたユスティーナの声にレアンはあっさりと落ち着きを取り戻す、

「なに、ライニールに嫉妬した?」

「そういうわけでは・・・」

レアンはブスッとした顔でゴニョゴニョと言葉にならない声を発する、

「申し訳ありませんお嬢様、私も御館様からお二人をしっかりと補佐するようにと厳命されておりますので」

「だから、そういうわけではないわ」

レアンは鼻息を荒くし顔を真っ赤にしてソッポを向いた、レアンは単に実の父とライニールとの関係に嫉妬したのであろう、特に焼き菓子については自分があくまで中心であると自覚し、そう行動していた為に、黙していたライニールから父の本意が語られ、自分がないがしろにされたと、そう感じたのであった、

「あらあら」

ユスティーナはレアンの本心に感づいているのか、単に感情を爆発させた娘が可愛いらしかったのか楽しそうに微笑み、エレインも優しく微笑みながら、

「ふふ、レアン様も良い従者に恵まれたようですわね」

どこか楽し気な一言である、レアンは大人独特の余裕を見せる二人を見比べ、

「ふん、言っておれ」

さらにへそを曲げたようである。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?

ばふぉりん
ファンタジー
 中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!  「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」  「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」  これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。  <前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです> 注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。 (読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』

とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~ -第二部(11章~20章)追加しました- 【あらすじ】 「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」 王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。 彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。 追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった! 石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。 【主な登場人物】 ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。 ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。 アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。 リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。 ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。 【読みどころ】 「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...