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本編
36話 講習会と髪飾り その2
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「ふー、緊張したのー」
「ふー、疲れたー」
寮の食堂でレアンとミナがソーダ水を片手に溜息を吐いた、その隣りのレインは鼻息を荒くしたのみである、
「どうでした?講習会」
ソフィアがニコニコとレアンを労う、
「うむ、良い感じじゃ、懸念していた点はその通りであったがの、ま、後は連中の考えしだいかのう、難しいようであれば、料理の開発もエレイン会長に任せようかと思っておるのじゃ」
「あら、でも、それは大変じゃない?」
「うむ、じゃからの、今日はある意味で、何と言ったか・・・試金石かの」
「まぁ」
ソフィアは驚いて見せる、
「うむ、前向きに取り組める者とそうでない者、料理そのものは難しい物ではないが、分野としてはまるで異なる事をやらせようとしているからの、そういう意味で選別が必要かとも思っての」
「厳しいですね」
「そうじゃのう、楽しんで取り組んで貰えば嬉しいのだが、古い者には難しいかもしれん、ま、そこは母上と父上の考え次第だの」
レアンはソーダ水を大きく呷る、
「グハー、美味いのう」
「ねー、ミナもお仕事したのよー」
ミナがレアンを真似て大きく呷る、
「こら、ミナ、こぼすわよ」
「んー、大丈夫ー」
「無理するでない、まったく」
レアンがニコニコとミナを見つめ、ミナはムフフと笑顔で返す、
「しかし、あの絵は良いの、どうしたのじゃ額装するとは凝っておるの」
レアンが視線を暖炉に移した、
「でしょー、ガクエンチョーとレインと一緒に書いたのよー」
「そうか、あー、綺麗な方がレインが書いたのじゃな」
「むー、どっちも綺麗でしょー」
「そうだの、ミナの方は元気があって良いのう」
「むふふ、みんなそう言ってくれるのー」
「それと、それは何じゃ?じっくり見ても良いか?」
レアンの視線はあっさりと黒板へ移った、黒板の隣りの壁には改築予定の図面が貼られており、黒板には生徒達の要望が箇条書きで乱雑に記されている、
「どうぞ、研究の一環ですね、寮の改築計画です」
ソフィアが端的に説明する、
「ほう、どのような研究じゃ?」
「あー、地下の下水道に関してはお聞き及びですか?」
「うむ、父上から概要は聞いている、今のところは問題が無い故に放置で構わんとそう仰っていたが」
「そうですか・・・はい、それの実証実験ですね、あの遺跡でどのような事をしていたかを検証する為の改築ですね」
「ほう、それは興味があるのう」
レアンは席を立って図面に向かう、
「風呂場か・・・わざわざ作るのか・・・それと貯水槽?・・・トイレ・・・おう、この鏡の並んだ壁は良さそうだのう」
「そうですね、完成したら是非お使い下さい、歓迎しますよ」
「貯水槽とはあれか、水を貯めるのか?」
「はい、大きめの樽を使用する予定です」
「ほう、しかし、3階に貯水槽となると水を汲み上げるのが大変ではないか?風車でも置くのか?」
「あら、流石お嬢様、そこに気付くとは」
ソフィアがニコリと微笑み席を立つとレアンの側に歩み寄る、
「この図面の肝は貯水槽と上水道の配管なのです、このほそい線ですね、貯水槽から各階へ通して、最終的には外へと流れます、貯水槽への水の供給は今のところは秘密という事で御容赦下さい、完成してから目にするのが理解が早いです」
ソフィアは図面を指し示しつつ説明する、
「む、これもあれか、上の方のあれなのか?」
レアンはムッとしてソフィアを見上げる、
「そう思って頂ければ・・・今のところはですね、研究所としましても上手くいくかどうか不明な点が多くて、ここで変に知識を入れられても困るとの事でした、故に詳細は実際の物が出来てからという事でお願いします」
ソフィアは研究所の名前で上手いこと隠蔽する事としたらしい、昨日も似たような事を言ったな等と思いつつ愛想笑いをレアンへ向けた、
「むう、研究所か・・・すると、王家直轄であったか、まったく」
レアンはそれで納得したのか鼻息を荒くする、
「申し訳ありません、しかし、現時点で言えることは、こちらの検証が上手くいけばモニケンダムに・・・それどころか王国全体に富を齎す物になるとそう御理解下さい、お嬢様が力を入れている食事作法もですが、こちらの仕掛けも王国の常識を覆すほどのものになると研究所では・・・」
「それはどういうことだ?」
「そうですね、学園から報告はいっていると聞いておりますが・・・何にしろこの図面の目的が完遂されれば誰もが理解し、納得出来るはずとそう考えております」
ソフィアは曖昧な表現で誤魔化す事とした、レアンは眉根の皺をより深くするがそれ以上質問を投げる事は無かった、ムスッとした顔のまま図面へと視線を戻す、
「百聞は一見にしかず、百見は一考にしかず、百考は一行にしかず、百行は一果にしかず」
レインがボソリと呟き、
「ムー、レインがまた難しい事言ってるー」
ミナがソーダ水を弄びながら不満そうにレインを睨む、
「ふふん、そのままじゃ、そのままじゃよ」
レインはにやりと微笑み、と同時にソフィアの鋭い視線がレインへ向かう、
「おう、そうだ、スイカを持っていくか?メロンも残り少ないぞ」
ソフィアの厳しい視線を誤魔化すようにレインはレアンへ笑いかけた、
「む、あの美味いメロンか」
レアンは簡単に機嫌を直して振り返る、
「うむ、スイカも美味いぞ、な、ミナ?」
「うん、スイカもすんごい甘いのよー」
「ほう」
レアンは楽しそうに二人の元へ駆け寄った、
「いいの?二人がいいならお裾分けする?」
ソフィアがやれやれと微笑む、
「する、お裾分けー、菜園いこー」
ミナがピョンと立ち上がる、
「お裾分けか、申し訳ないのう」
レアンが言葉とは裏腹に嬉しそうな満面の笑みである、
「そうじゃの、どれ、選ばせてやるか、美味しいやつを選べるか?お嬢様に?」
レインは挑戦的な視線をレアンに投げかけ、
「む、目利き勝負か、受けて立つぞ」
「うむ、その意気やよし、行くぞ」
レインが席を立つやいなや厨房へ走り、
「うん」
ミナも駆け出した、
「む、負けるか」
レアンも負けじと走り出す、
「こら、走るな」
ソフィアの食堂を震わせる程の一喝が響いたが時すでに遅し、3人の背はソフィアの視界から綺麗に消えていた。
「こちらでしたか」
ライニールがヒョイと内庭へ顔を出した、菜園では3人がキャッキャと楽しそうに騒いでいる、
「おう、ライニールか、スイカとメロンを頂いたぞ、極上品じゃ」
レアンが嬉しそうに両手で抱えた二つの果実を見せつける、共に丸々と大きく重そうで、陽光を受けて健康的にピカピカと輝いている、
「むふふ、幻の一品なのよー」
「そうだの、しかし、お嬢様が選んだブツはどうかのう」
「むう、絶対に美味しいぞ、この大きさといい重さといい、一級品であろう、音も良いではないか」
「どれを選んでも一級品じゃぞ」
「そうなのよー」
「ならどれでもいいじゃろー」
「ふふん、どうじゃろうのう、食してみなければな」
レインの悪そうな笑顔にレアンはなにをと言い返す、3人はけたたましく騒ぎ続け、ライニールはヤレヤレと優しく微笑みつつ、
「御館様も喜ばれます、お嬢様が自慢ばかりなされておりましたから」
「そうであったか」
カラカラとレアンは笑い、
「そうか自慢しておったか」
「えへへー、美味しいもんねー」
ミナとレインも嬉しそうである、ライニールはレアンからスイカとメロンを受け取ると、
「さ、お嬢様、試作品が出来ました、試食を是非お願い致します」
笑顔はそのままに用向きを伝える、
「おう、そうか、どうだ、塩梅は?」
「上々かと、渋っていた料理長もやはりその道の熟練です、素晴らしい一皿となっております」
「そうか、うむ、ミナ、レイン行くぞ、我が家自慢の料理長が作る逸品じゃ、ソフィアさんの料理にも負けぬ味を約束しよう」
レアンが振り向いた、
「え、いいの?」
「ほう、楽しみじゃの」
「勿論じゃ、美味い物は皆で食さねばの」
「えー、でも、でも、ソフィーの料理はセカイイチなのよー、タロウが言ってたー」
「ほう、では料理長の料理はモニケンダムイチだぞ」
「えー、どっちが上なのー」
「はっはっは、どっちも美味いのじゃ、だろ?」
「そうじゃぞ、ほれ、行くぞ」
レアンが率先して厨房へ入り、ミナとレインも嬉しそうにそれに続いた、ライニールは手にした果物の処理に一瞬苦慮し、
「馬車に置きますか・・・」
そう呟いて3人の後へ続いたのであった。
「ふー、疲れたー」
寮の食堂でレアンとミナがソーダ水を片手に溜息を吐いた、その隣りのレインは鼻息を荒くしたのみである、
「どうでした?講習会」
ソフィアがニコニコとレアンを労う、
「うむ、良い感じじゃ、懸念していた点はその通りであったがの、ま、後は連中の考えしだいかのう、難しいようであれば、料理の開発もエレイン会長に任せようかと思っておるのじゃ」
「あら、でも、それは大変じゃない?」
「うむ、じゃからの、今日はある意味で、何と言ったか・・・試金石かの」
「まぁ」
ソフィアは驚いて見せる、
「うむ、前向きに取り組める者とそうでない者、料理そのものは難しい物ではないが、分野としてはまるで異なる事をやらせようとしているからの、そういう意味で選別が必要かとも思っての」
「厳しいですね」
「そうじゃのう、楽しんで取り組んで貰えば嬉しいのだが、古い者には難しいかもしれん、ま、そこは母上と父上の考え次第だの」
レアンはソーダ水を大きく呷る、
「グハー、美味いのう」
「ねー、ミナもお仕事したのよー」
ミナがレアンを真似て大きく呷る、
「こら、ミナ、こぼすわよ」
「んー、大丈夫ー」
「無理するでない、まったく」
レアンがニコニコとミナを見つめ、ミナはムフフと笑顔で返す、
「しかし、あの絵は良いの、どうしたのじゃ額装するとは凝っておるの」
レアンが視線を暖炉に移した、
「でしょー、ガクエンチョーとレインと一緒に書いたのよー」
「そうか、あー、綺麗な方がレインが書いたのじゃな」
「むー、どっちも綺麗でしょー」
「そうだの、ミナの方は元気があって良いのう」
「むふふ、みんなそう言ってくれるのー」
「それと、それは何じゃ?じっくり見ても良いか?」
レアンの視線はあっさりと黒板へ移った、黒板の隣りの壁には改築予定の図面が貼られており、黒板には生徒達の要望が箇条書きで乱雑に記されている、
「どうぞ、研究の一環ですね、寮の改築計画です」
ソフィアが端的に説明する、
「ほう、どのような研究じゃ?」
「あー、地下の下水道に関してはお聞き及びですか?」
「うむ、父上から概要は聞いている、今のところは問題が無い故に放置で構わんとそう仰っていたが」
「そうですか・・・はい、それの実証実験ですね、あの遺跡でどのような事をしていたかを検証する為の改築ですね」
「ほう、それは興味があるのう」
レアンは席を立って図面に向かう、
「風呂場か・・・わざわざ作るのか・・・それと貯水槽?・・・トイレ・・・おう、この鏡の並んだ壁は良さそうだのう」
「そうですね、完成したら是非お使い下さい、歓迎しますよ」
「貯水槽とはあれか、水を貯めるのか?」
「はい、大きめの樽を使用する予定です」
「ほう、しかし、3階に貯水槽となると水を汲み上げるのが大変ではないか?風車でも置くのか?」
「あら、流石お嬢様、そこに気付くとは」
ソフィアがニコリと微笑み席を立つとレアンの側に歩み寄る、
「この図面の肝は貯水槽と上水道の配管なのです、このほそい線ですね、貯水槽から各階へ通して、最終的には外へと流れます、貯水槽への水の供給は今のところは秘密という事で御容赦下さい、完成してから目にするのが理解が早いです」
ソフィアは図面を指し示しつつ説明する、
「む、これもあれか、上の方のあれなのか?」
レアンはムッとしてソフィアを見上げる、
「そう思って頂ければ・・・今のところはですね、研究所としましても上手くいくかどうか不明な点が多くて、ここで変に知識を入れられても困るとの事でした、故に詳細は実際の物が出来てからという事でお願いします」
ソフィアは研究所の名前で上手いこと隠蔽する事としたらしい、昨日も似たような事を言ったな等と思いつつ愛想笑いをレアンへ向けた、
「むう、研究所か・・・すると、王家直轄であったか、まったく」
レアンはそれで納得したのか鼻息を荒くする、
「申し訳ありません、しかし、現時点で言えることは、こちらの検証が上手くいけばモニケンダムに・・・それどころか王国全体に富を齎す物になるとそう御理解下さい、お嬢様が力を入れている食事作法もですが、こちらの仕掛けも王国の常識を覆すほどのものになると研究所では・・・」
「それはどういうことだ?」
「そうですね、学園から報告はいっていると聞いておりますが・・・何にしろこの図面の目的が完遂されれば誰もが理解し、納得出来るはずとそう考えております」
ソフィアは曖昧な表現で誤魔化す事とした、レアンは眉根の皺をより深くするがそれ以上質問を投げる事は無かった、ムスッとした顔のまま図面へと視線を戻す、
「百聞は一見にしかず、百見は一考にしかず、百考は一行にしかず、百行は一果にしかず」
レインがボソリと呟き、
「ムー、レインがまた難しい事言ってるー」
ミナがソーダ水を弄びながら不満そうにレインを睨む、
「ふふん、そのままじゃ、そのままじゃよ」
レインはにやりと微笑み、と同時にソフィアの鋭い視線がレインへ向かう、
「おう、そうだ、スイカを持っていくか?メロンも残り少ないぞ」
ソフィアの厳しい視線を誤魔化すようにレインはレアンへ笑いかけた、
「む、あの美味いメロンか」
レアンは簡単に機嫌を直して振り返る、
「うむ、スイカも美味いぞ、な、ミナ?」
「うん、スイカもすんごい甘いのよー」
「ほう」
レアンは楽しそうに二人の元へ駆け寄った、
「いいの?二人がいいならお裾分けする?」
ソフィアがやれやれと微笑む、
「する、お裾分けー、菜園いこー」
ミナがピョンと立ち上がる、
「お裾分けか、申し訳ないのう」
レアンが言葉とは裏腹に嬉しそうな満面の笑みである、
「そうじゃの、どれ、選ばせてやるか、美味しいやつを選べるか?お嬢様に?」
レインは挑戦的な視線をレアンに投げかけ、
「む、目利き勝負か、受けて立つぞ」
「うむ、その意気やよし、行くぞ」
レインが席を立つやいなや厨房へ走り、
「うん」
ミナも駆け出した、
「む、負けるか」
レアンも負けじと走り出す、
「こら、走るな」
ソフィアの食堂を震わせる程の一喝が響いたが時すでに遅し、3人の背はソフィアの視界から綺麗に消えていた。
「こちらでしたか」
ライニールがヒョイと内庭へ顔を出した、菜園では3人がキャッキャと楽しそうに騒いでいる、
「おう、ライニールか、スイカとメロンを頂いたぞ、極上品じゃ」
レアンが嬉しそうに両手で抱えた二つの果実を見せつける、共に丸々と大きく重そうで、陽光を受けて健康的にピカピカと輝いている、
「むふふ、幻の一品なのよー」
「そうだの、しかし、お嬢様が選んだブツはどうかのう」
「むう、絶対に美味しいぞ、この大きさといい重さといい、一級品であろう、音も良いではないか」
「どれを選んでも一級品じゃぞ」
「そうなのよー」
「ならどれでもいいじゃろー」
「ふふん、どうじゃろうのう、食してみなければな」
レインの悪そうな笑顔にレアンはなにをと言い返す、3人はけたたましく騒ぎ続け、ライニールはヤレヤレと優しく微笑みつつ、
「御館様も喜ばれます、お嬢様が自慢ばかりなされておりましたから」
「そうであったか」
カラカラとレアンは笑い、
「そうか自慢しておったか」
「えへへー、美味しいもんねー」
ミナとレインも嬉しそうである、ライニールはレアンからスイカとメロンを受け取ると、
「さ、お嬢様、試作品が出来ました、試食を是非お願い致します」
笑顔はそのままに用向きを伝える、
「おう、そうか、どうだ、塩梅は?」
「上々かと、渋っていた料理長もやはりその道の熟練です、素晴らしい一皿となっております」
「そうか、うむ、ミナ、レイン行くぞ、我が家自慢の料理長が作る逸品じゃ、ソフィアさんの料理にも負けぬ味を約束しよう」
レアンが振り向いた、
「え、いいの?」
「ほう、楽しみじゃの」
「勿論じゃ、美味い物は皆で食さねばの」
「えー、でも、でも、ソフィーの料理はセカイイチなのよー、タロウが言ってたー」
「ほう、では料理長の料理はモニケンダムイチだぞ」
「えー、どっちが上なのー」
「はっはっは、どっちも美味いのじゃ、だろ?」
「そうじゃぞ、ほれ、行くぞ」
レアンが率先して厨房へ入り、ミナとレインも嬉しそうにそれに続いた、ライニールは手にした果物の処理に一瞬苦慮し、
「馬車に置きますか・・・」
そう呟いて3人の後へ続いたのであった。
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※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
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