セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

今卓&

文字の大きさ
539 / 1,445
本編

53話 新学期 その14

しおりを挟む
ソフィアが目を覚ましたのは公務時間終了の鐘の音が耳に入ったからであった、これは休み過ぎたかしらと半身を上げ、頭痛も吐き気も無い事を確認して寝台から足を下ろす、ヤレヤレと首を回し、ふー、と一息吐いた、以前のようにギリギリまで耐えた上で意識を喪った訳ではない、しかし、たかが一言程度でこれ程に苦しいものかと再認識し、レインはやはり人外である事を思い知る、

「普通にしてれば普通なのにな・・・難しいもんだわ」

ソフィアはレインの事を家族の一員とは思っていても子供とは思っていない、奇妙な理由で生活を共にする事になり、それはミナにとっては死活問題であるらしいのであるが、その理由を理解出来たのはタロウだけであった、ソフィアとしてはタロウがそう言うならと子供として受け入れる事にした、故に最初はそのように接していたがやはりそれは難しく、であればと思考錯誤の末、自身の妹のような同居人のような関係となっている、ミナが姉のように慕っているのがせめてもの救いであろうか、レイン本人がそうあろうとしているのであるから、レインとミナの関係は理想的と言える、しかし、先程起きた二つの事件はレイン自身が考えるソフィアに約束した自身に対する戒めから大きく逸脱した行為であった、それほどに浮かれ思考を奪われる程の何かがあの石くれにあるのであろうか、ソフィアの知る限りレインがあそこまで歓喜し興奮しているのを見た事がない、いつもどこかつまらなそうであらゆる物事から一歩引いている感のあるレインである、その正体を考えればこの世に飽いていると言われてもそうなのだろうと頷くしかなく、であれば、あの石くれはレインを持ってしても望み得なかった代物なのであろうか、それに近い事を口走っていたような気もする、

「ミスリル・・・ねー」

ソフィアは不思議そうに呟く、まるで未知の名前である、聞き覚えがあると言えばあるし無いと言えば無い、昔話がどうとはカトカとの共通見解であるが、所詮御伽噺の類である、しかし、エルフは存在し山人も存在した、どちらも御伽噺の存在であり、さらに言えば魔族もいる、魔族もまた大戦以前は御伽噺の住人であったように思う、実際のそれは御伽噺のそれを遥かに越える知性を持った存在であり、御伽噺と同様かそれ以上に脅威と言える存在であった、それはまたエルフや山人も同様で、彼等が敵対した場合、こちら側の有利は数しかないとソフィアは感じた、大戦が終わって間もなくであった為、どうしてもそのように彼等を分析してしまったが、その憶測は間違っていないと今でも思う、そう考えるとそのミスリルとやらも価値のある物のように思えてくる、御伽噺とは何とも厄介なものだなとソフィアは軽く頭を振って腰を上げた、

「暇と爵位は不善の始まり・・・違うな、阿呆の長口上のがあってるのかな?」

ソフィアはそう呟いてつまらない事は考えない事とした、特にレインに関しては悩むだけ無駄である、なるようにしかならないだろうなとタロウも言っており、ソフィアも同じ見解である、しかし、要所要所で釘を刺さないと宜しくない事だけは分かる、そして、レインもそうする事を望んでいた、ソフィアやミナと共にこちら側の社会で生活するにあたり話し合った上での結論である、

「少しは反省したのかしら」

ソフィアは呟いて、そうであって欲しいと願って寮へ向かい、妙に騒がしい食堂へ入る、

「あっ、大丈夫ですか?ソフィアさん」

ルルがソフィアに感付いて声を上げ、同時に視線がソフィアに集まった、

「大丈夫よー、ちょっとほら調子悪いだけだから、もう平気ー」

ソフィアは笑顔になっているかしらと若干不安に思いながら笑顔を見せる、

「ならいいですけどー、無理しないで下さいよー」

ルルが口をへの字に曲げ、

「ソフィー、平気?」

ミナが駆け寄って心配そうに見上げる、

「平気だよ、心配させちゃったか、ビックリしたでしょ」

「うん、ビックリしたー」

「ふふ、ごめんね」

漸くソフィアは自然な笑顔を浮かべ、ミナは安心したのか、

「静かだったのに、うるさくなったのー」

いきなり苦情である、

「えー、そんな事言ってー」

「そうだよー、心配そうにしてたのにー」

「うー、うるさいー、静かで良かったのー、レインとご本読んでたのー」

今朝の寂しそうな顔は何処へやらである、学園から戻った寮生達によって食堂内は確かに姦く騒々しくなったようだ、なにより閑散とした雰囲気は何処に行ったのやらという程に跡形も無い、比較するのも馬鹿らしい程に華やかで和やかな食堂となっている、

「はいはい、で、初日はどうだったの?」

テーブル上には教科書であろうか数種の書物が並び、真新しい黒板とこちらも真新しい白墨が置かれている、

「そうですね、予定どおりだったと思います」

グルジアが教科書を開きながら答え、

「はい、えっと、これが教科書で、生徒一人一人に貸出なんだそうです、凄いですよねー」

レスタが嬉しそうに頬擦りしそうな勢いで書物を抱え込んでいる、

「でもー、半年は授業だけって言われたなー」

「それはだって、ジャネット先輩も言ってたじゃない」

「だけどさー、土いじりしたいのにー」

「ミナちゃんの菜園でいいんじゃない?」

「冬になるのに?土いじり?あっ、小麦の植え付けそろそろだよね、土が固くなる前にやらないと・・・」

「ミナちゃんの菜園でやるの?」

「駄目か・・・狭いしな・・・」

「でしょ、取り敢えず座学をしっかりやらないとでしょ」

「そうだけどー、学園長先生の所に通おうかなー」

「ミナも、ミナも行きたい」

「じゃ、一緒に行こうか?」

サレバとコミンも騒がしく、ミナは学園長の名が出た瞬間にサレバの側に走り寄った、

「もー、あら、先輩達は?」

「あっ、はい、今日からちゃんと授業だそうです、私達は少し早めに終わりました」

「そうですね、戻って教科書をジックリ読んでおけって事だそうです」

「あっ、それ私も言われたー」

「うん、そうだね、あと、なんだっけ、勉強の仕方を覚えるようにって言われたなー」

「私もー」

「勉強の仕方って言われてもなー」

「えっと、予習?と復習?でしたっけ、あれです、授業の内容を前の日に頭に入れて、で、授業を受けて、で、勉強したのをその日の内に見直す?」

「それって同じことを3回もやるって事?」

「大変だー」

「だねー」

「でも、覚えるにはそれが一番だって」

「レスタは真面目だニャー」

「ニャー、ニャー、ニャー」

取り敢えず若者達は今朝の緊張等欠片も残さず明るいようだ、ミナも一緒になってはしゃいでいる、ソフィアはこれならまぁいいかと判断し、

「洗濯物取り込まないとだわ」

安心した笑みを浮かべて腰を上げかけると、

「あの、ユーリ先生が先生を辞めるって聞いてました?」

ルルがおずおずとソフィアに問う、ソフィアはありゃと座り直し、

「そうね、あー、発表された?」

「はい、えっと、式典の最後に、光柱の騒動がどうとかで」

ルルが静かに答えると食堂は一転静けさに包まれる、何せ今朝まで良い教師ヅラであったユーリが突然実質的にクビになった事を知らされたのだ、生徒達としてはそれなりに衝撃的な事態なのであろう、

「聞いてはいたわよ」

ソフィアは真顔で答え、

「でも、私が聞いた所によると、研究所はそのままらしいし、上に住むのもそのままみたい」

「あっ、そうなんですか?」

「うん、何でもほら、あんな事しでかしたでしょ、責任を取るって事もあるけど、研究に専念する為とかなんとかって言ってたかな?」

ソフィアは自身の責は棚に放り上げて他人事のように答える、真相が明らかになればどちらも大した責を負う話でもない、その真相が一番の問題なのであるが、またそれが公表されたとすれば今度はユーリどころかもソフィアも寮母等やっていられないであろう、何よりも周りがいよいよ許さない状況になり、大騒ぎどころか安穏としていられない事は目に見えている、

「えっと・・・それって・・・」

「変わりないって事・・・そうね、変わるとすればユーリが常時上にいる感じになるかしら、でもな、余計忙しくなるかもね、まっ、あれだ、あんた達には何の影響もないんじゃない?」

「そうはいいますけど、ユーリ先生の授業楽しみにしてたんですよー」

「あー、私もー」

「私もです」

それなりに人望があるのであろうか、皆若干寂しそうな顔となる、

「なら、あれだ、学園終わってから教わりに行けばいいんじゃない?・・・それも迷惑かな?まぁユーリだし、大丈夫じゃないの?面倒見だけはいいしねー」

適当に口にして良いのかなと首を傾げるソフィアである、ま、ユーリであれば邪険にしつつも相手はするであろう、

「えっと、それ、いいんですか?」

「どうだろう?忙しいと駄目だと思うけど・・・ケイスさんが魔法の訓練してたはずね・・・一緒にやれば?」

「それ面白そうですね」

「うん、どんな事するんだろう?」

「楽しそう」

若者達は実に現金なものである、一転してあーだこーだと姦しく騒ぎ出し、暖炉の前に寝そべって書を開いているレインが薄く一同を睨み付けた、ソフィアもこの雰囲気であればなんとでもなるであろうと安心しつつ、しかし、締めるところは締めるべきだわねと考えを改め、

「まったく、折角なんだからまずは学園の勉強をしっかりなさい、ユーリと遊び惚けて進級できなかったなんて事になったら夕食から一品減らすからね」

ソフィアはバンと机を叩いて苦言を呈し、一同はえっと驚きつつ一斉に不満の声を上げた、何故かミナまで一緒になってブーブーと騒がしい、実に楽しそうではある、

「何言ってるの、勉強しに来たんでしょ、今日から本格的な新生活なんだから、気合を入れ直す事、良いわね?」

寮母らしい事を口にするソフィアと、不安そうな顔、やる気のある顔、得意そうに微笑む者、それぞれの感情が自然と表に現われその上でそうであったと初心を思い出す若者達であった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

10歳で記憶喪失になったけど、チート従魔たちと異世界ライフを楽しみます(リメイク版)

犬社護
ファンタジー
10歳の咲耶(さや)は家族とのキャンプ旅行で就寝中、豪雨の影響で発生した土石流に巻き込まれてしまう。 意識が浮上して目覚めると、そこは森の中。 彼女は10歳の見知らぬ少女となっており、その子の記憶も喪失していたことで、自分が異世界に転生していることにも気づかず、何故深い森の中にいるのかもわからないまま途方に暮れてしまう。 そんな状況の中、森で知り合った冒険者ベイツと霊鳥ルウリと出会ったことで、彼女は徐々に自分の置かれている状況を把握していく。持ち前の明るくてのほほんとしたマイペースな性格もあって、咲耶は前世の知識を駆使して、徐々に異世界にも慣れていくのだが、そんな彼女に転機が訪れる。それ以降、これまで不明だった咲耶自身の力も解放され、様々な人々や精霊、魔物たちと出会い愛されていく。 これは、ちょっぴり天然な《咲耶》とチート従魔たちとのまったり異世界物語。 ○○○ 旧版を基に再編集しています。 第二章(16話付近)以降、完全オリジナルとなります。 旧版に関しては、8月1日に削除予定なのでご注意ください。 この作品は、ノベルアップ+にも投稿しています。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?

ばふぉりん
ファンタジー
 中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!  「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」  「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」  これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。  <前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです> 注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。 (読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!

ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません? せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」 不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。 実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。 あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね? なのに周りの反応は正反対! なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。 勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。 ふとした事でスキルが発動。  使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。 ⭐︎注意⭐︎ 女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。

『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』

とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~ -第二部(11章~20章)追加しました- 【あらすじ】 「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」 王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。 彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。 追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった! 石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。 【主な登場人物】 ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。 ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。 アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。 リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。 ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。 【読みどころ】 「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

処理中です...