セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

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本編

76話 王家と公爵家 その55

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そしてスヒーダムのレイモンド子爵邸、その一階の食堂室では、

「まぁ、そんなに酷いの?」

アンネリーンが目を丸くし、うんうんと大きく頷くユスティーナとマルヘリート、

「そうなんです、あの子の境遇を考えると・・・恐らくあれですね、家族が恋しいのですよ」

マリエッテを抱いたマリアが柔らかくもどこか寂しく微笑み、マリエッテはウバーと呻いてマリアの顔に手を伸ばした、酷いとはマリエットとイージスを溺愛し一切の思考能力を失くしてしまうエレインの事であり、少々大袈裟に且つ愛情を込めての表現となる、

「ん、マリエッテも分かる?」

再びウバーと呻いて、ブーと涎を垂れ流すマリエッテ、マリアはもうと微笑みその口元を涎掛けで拭うも、再びブフーと涎を垂らすマリエッテである、アンネリーンはその様子を温かく見つめ、

「そうかもしれないわね・・・まだ若くして、王国の反対側に送られては・・・」

とエレインの境遇を思って小さく溜息を吐いた、アンネリーンらは子爵邸の内庭を散策し、そのまま街の市場にも足を伸ばしている、馬車も用意されていたが、ユスティーナがゆっくり歩きましょうと提案し、アンネリーンもそれがいいわねと乗り気のようで、これはまた珍しいかもとマリアは感じつつも賓客の意向を優先する事とした、そして子供達を引き連れ街中へ向かう、しかし街中と言っても小さな街である、ヘルデルどころかモニケンダムと比べてもその半分も無い街となっており、しかし市場に並ぶ品々はやはり目新しいものばかりで、店主の調子のよい売り文句にこれは面白いとアンネリーンとユスティーナはヒョイヒョイと買い込み始め、従者達が慌てて自重するようにと押さえる始末、しかしその後ろでマルヘリートとレアン、子供達も他の店主に勧められるままホイホイと商品に手を伸ばしており、あっこの人達はまずもって市場での買い物に慣れていないのだと高位貴族の常識の無さを実感してしまう従者達であったりした、そして一通り街中を散策し、屋敷に戻りゆっくりとお茶を楽しむ事となる、緩やかで快適な陽の光を浴びアンネリーンにとってもユスティーナやマルヘリートにとっても素晴らしい気晴らしとなっており、その高揚感のまま茶会も上品で楽しいものとなっている、

「それでも、元気でやっているようですし、良い友人に囲まれている様子ですから、ユスティーナ様やレアン様、マルヘリート様のお力添えもあった様子、感謝致しております」

マリアがニコリと謝意を伝える、

「そんな事はないわよ、こちらこそ良い影響を受けているわね、私もだけど、レアンも・・・」

「そうですね、私も・・・エレインさんは目標としなければならないと思ってます、レアンもなのですが、やはり若くしてしっかりしている人を見ると身が引き締まる思いです」

ユスティーナはスッと子供達と共にキャーキャーと騒いでいるレアンを見つめ、マルヘリートはクッと口元を引き締めた、

「フフッ、マルヘリートさんは昨日もこう言っていたのですよ、すっかり感化されてしまったようね」

「それはもう・・・だって、レアンが銀食器の職人さん達を前にして、まるで遠慮なく注文を付けているんですよ、あれは驚きました、エレインさんもたくさんの従業員さんと楽しそうに仕事をしてましたし、それに皆さん真面目で朗らかで・・・まるで別世界に感じました、とっても輝いて見えたのです」

思わず身を乗り出して早口となってしまうマルヘリート、昨晩アンネリーンと語り明かしたのであるが、それでもまだまだ聞きたい事も話したい事もあった、なによりやはり実母であるエルシェの事は興味深く、アンネリーンもまたマルヘリートが大人になったら話したかったと思い出しつつ話してくれている、そしてタロウが言っていた創作であるとするエルシェとアンネリーンの関係もまたほぼほぼ事実であるとマルヘリートは告白されていた、実際に病床にあってエルシェはアンネリーンにマルヘリートの良き母で、良き友でいて欲しいと手を取られて託されており、アンネリーンもまたそのようにしますとエルシェの手を握り返している、それが紆余曲折あって疎遠となってしまっていた、アンネリーンは昨晩初めてマルヘリートの手をとる事ができ、やっとエルシェ様に顔向けできると涙を流し、マルヘリートもまたその感激を落涙で示す、それが昨日の最後の会話となり、二人はもう遅いわねとそれぞれの寝室に引き上げていた、日付が変わった深い夜の事となる、

「そうですね、あの子にあんな事ができるとは思いませんでした」

マリアが優しく受ける、

「そうなんですか?」

「そりゃだって・・・私が知っているエレインは・・・それこそ、マルヘリート様のお年くらいまでですからね、こちらへの輿入れが決まった頃に、丁度先の大戦でしたから、私は私でバタバタとしていて、で・・・兄の死を聞いて、夫が戻ったら一度郷里に顔を出そうかと思っていたのですけど、中々難しくて、で、そうこうしているうちにあの騒動だったらしくて、あれですね、あの子や家族の一番辛い時期に私は側に居てやれなくて・・・それこそ、いろいろあってモニケンダムで再会したときは・・・そうですね、まさか会えるとは思わなくて・・・嫁ぎ先との距離がそのまま家族との距離になるとは聞いておりましたが、やはり郷里は遠いのですよ・・・それが、まさかこんなに気軽に会えるようになるとはまるで考えておりませんでした・・・」

マリアが嬉しそうに頬を緩めてマリエッテを覗き込む、なるほどそういうものなのだろうと頷くアンネリーンとユスティーナ、エレインを中心とした物語は、その半分以上を創作としてではあるが把握している、しかしその周りの人々の物語も確実に存在しており、それぞれに葛藤があったのであろう、それも当然であり、またその一つ一つが実在の人物の物語なのである、大きな違いは記されていない事、ただその一点だけなのだ、

「あっ、そうだ、例の脚本はもう拝読されたのかしら」

アンネリーンがふと思い出す、

「はい、勿論です、ですが、あれは酷いですよ、両親がまるで悪者みたいで」

「そうみたいね、エレインさんも憤慨してました」

「ですよ、まぁ、演劇と思えばそれでもいいかなと思うんですけど、でも、あれをそのまま公演されたら両親への風当りが強くなりそうで」

「それもあるのよね、観衆はどうしても演劇そのものを受けれ入れてしまうものだから」

「そうですよね」

「だから、ほら、学園長さんですか、書き直しているとかなんとか」

「はい、それも聞いております、ですので、しっかり監視しないとって、エレインとも話しましたのですよ」

「それは大事ね」

フフッと微笑み合うアンネリーンとマリア、ユスティーナもどうやらすっかり昔のアンネリーンに戻ったようだと安堵する、ユスティーナが伏せっている間の事は分からないが、公爵夫人と伯爵夫人として面会していた頃のアンネリーンはその出自もあって大変に腰が低くまた良く笑う明るい女性であったと思う、そしてレアンが生まれユスティーナが体調を崩してからも暫く大変に気にかけてくれていた、その頃の本来のアンネリーンの優しさと配慮が戻ってきているように感じられる、いや、恐らくであるがアンネリーンはタロウの言うアンネリーンとその従者達の中にある公爵家の理想像に従って自己演出していたのであろう、さらに思い出すに昨晩、タロウが引き上げた後、アンネリーンはクンラートとレイナウトに向けてその鬱憤を盛大に吐き出していた、酒の力を借りた面も大きかったように思うし、自分とカラミッド、マルヘリートも同席していた為、二人の人格をなじるような言動は無かったが、なるほど、タロウの指摘する通りの状況であったようで、特にレイナウトに対する愚痴は金銭面での問題が多いらしく、あれはなんだこれはなんだと実に具体的な内容になってしまっていた、レイナウトも反論しようにもタロウの助言を受け入れてか渋い顔のままただただ受け止め、そのアンネリーンの狂騒が一段落してから改めて今後の対応が話し合われている、マルヘリートの扱いから始まり公爵家の統治体制にまで及んだそれはカラミッドやリシャルトらの冷静な意見も入れ、それなりにまとまったように思う、そしてタロウが最も懸念していたアンネリーンの従者達は解散される事が決定し、その後の所属についてはそれぞれの意向を聞き取って対応する事と決まった、今恐らくモニケンダムの公爵邸でその処置が進められている筈で、今日、アンネリーンに付き従っている従者はレイナウト配下の従者とメイドになっている、その数も少なかった、タロウがイフナースの屋敷でアンネリーンらを迎えた時には、それで良いとばかりに笑顔を浮かべていた事を思い出すユスティーナである、

「あっ、そうだ、明日と明後日、モニケンダムのお祭りにはいらっしゃらないのですか?」

マルヘリートが思い出したように問いかける、

「あらっ、お祭りですか?この年末に?」

マリアが不思議そうに目を丸くした、王国においては年末よりも年始に祭りをする場合が多い、実際スヒーダムでもそのようになっており、都会に比べればささやかなものであるが、町人達は勿論、子爵邸の従者達や役人達もそれに向けて準備に余念がなかったりする、

「はい、兵士さん達を歓迎する為のお祭りなのだそうです、ヘルデルの軍も含めて4つ?ですかね、軍団が集まってますから」

「それは伺っておりましたけど・・・あっ、でも、そうですよね、モニケンダムの人達はお祭り好きと聞いてます、毎月なにがしかのお祭りがあるとか」

「そうなんですよ、ほら、色んな地方の人が集まって出来た街ですから・・・カラミッド様のお父様、先代の伯爵様が月に一度にまとめろと指示を出してやっと落ち着いたのです、それまではもう、三日に一度はなんだかんだとお祭りがあったとか」

「まぁ、そんなにですか?」

「そうなんです、それじゃ忙しくて敵わんって事だったらしいです」

「確かにそれは多いですね」

「多過ぎますよ、だってその度に役所は人を出さなければならないし、衛兵だって忙しくなるし」

「フフッ、でも楽しそうですね、そういうのも」

「そうですけどね、月に一度でも大変なのに、それが三日に一度は・・・それだけで慌ただしいでしょうね」

「そうかもしれないですね」

ニコリと微笑み合う女性達、そこへ、

「失礼しますわね」

上品な笑みと装いの夫人が二人、メイドの案内で通されたらしい、そちらを振り向きサッと腰を上げるマリアにユスティーナにマルヘリート、レアンも子供達の間にあって腰を上げて背筋を正す、一人何事かと反応が遅れてしまうアンネリーンであった、

「御機嫌麗しゅう、エフェリーン様、マルルース様」

マリアがゆっくりと頭を垂れ、ユスティーナらもそれに倣う、アンネリーンはしかし座したまま、大きく首を傾げてしまう、ハテ、どこかで聞いた名前だなと思いつつ、いや、それ以上にマリアはまだしもユスティーナまでもが畏まる相手とは珍しいなと思う、そして、

「固くならないでいいわよ、今日はちょっと顔を出した程度なのだから」

オホホと微笑むエフェリーン、

「そうね、あら、そちらの御夫人はどなたかしら」

マルルースも上品な笑みを湛えたまま、どこかわざとらしい芝居口調である、エッと顔を上げるマリアにユスティーナ、マルヘリートとレアンも何もそこまでと苦笑してしまう、そして、

「さっ、こちらへどうぞ」

マリアがサッと二人を招き入れた、アンネリーンがムゥと眉を顰める、急な来客は仕方が無いと思うが、その客を招き入れる前に紹介が先だろうと思う、第一それが礼儀というものであるし、なにより貴族として最高位にある公爵夫人に対する扱いではない、先程までのマリアを見るにその程度の礼儀は弁えた貴族らしい人物であると感じていたのであるが、どうやら見誤っていたのかと思ってしまう、

「ありがとう、あら、マリエッテちゃんは今日も御機嫌のようね」

「はい、ありがとうございます、ほら、マリエッテ、エフェリーン様よー」

バーっとエフェリーンに両手を伸ばすマリエッテ、その手に指を掴ませ、

「んー、マリエッテちゃんは良い子だわねー」

「あら、姉様、私にも」

マルルースも手を伸ばし、その指を掴んでブバーって満足そうなマリエッテ、その様子にフフッと微笑んでしまう女性達、

「今日もこちらは温かいのね」

「はい、今日は特別かもしれないです」

「あらそうなの?」

「はい、だって・・・そうですね、では、ちゃんと御紹介を」

「そうなるわね」

「もう少しこのままでもいいんじゃない?」

「良くないですよ、折角の機会なのです、公式なものではないですが、礼は尽くしませんと、レイモンド子爵家の沽券に関わります」

「あら・・・それもそうよね」

「仕方ないわねー」

ウフフと微笑むエフェリーンとマルルース、マリアがそう言う事でとユスティーナに微笑むと、

「はい、アンネリーン様、御紹介したいと思います」

ユスティーナが背筋を正してアンネリーンに向かう、ムッとユスティーナを見上げるアンネリーン、

「こちら、グランセドラウル王家、第二王妃であらせられますエフェリーン様、第三王妃であらせられますマルルース様でございます」

エッと目を剥くアンネリーン、ユスティーナは続けて、

「こちら、コーレイン公爵家、公爵夫人でありますアンネリーン様でございます」

エフェリーンとマルルースにアンネリーンを紹介するユスティーナ、まるで従者のような言葉使いであった、アンネリーンはポカンとユスティーナを見つめ言葉も無く、しかしゆっくりとエフェリーンとマルルースへ視線を向ける、二人はニコリと優雅な笑みを浮かべたままアンネリーンを見つめており、そこでハッとその意味を理解して、

「お初にお目にかかります、コーレイン公爵家、アンネリーンでございます」

慌てて立ち上がり深々と腰を折るのであった。
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