セカンドライフは寮母さん 魔王を討伐した冒険者は魔法学園女子寮の管理人になりました

今卓&

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本編

76話 王家と公爵家 その62

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「ウヘヘー、楽しみー」

夕食を終えまったりと白湯を楽しむ時間となる、ミナとレイン、テラとニコリーネが入浴中で、ハナコは暖炉の前でコロンと転がりクークーと寝息を立てていた、ソフィアとティル、オリビアとルルが厨房で後片付け中となる、

「だねー、でもちいさい種だねー」

「うん、でもこれが本当に種なんですか?」

コミンが顔を上げる、その先のタロウは多分ねーと気の無い返事を口にした、

「またそんな言い方してー」

ユーリがジロリとタロウを睨み、なんだよと睨み返すタロウ、大丈夫ですよーと微笑むコミン、

「まぁ・・・ほら、ちゃんと完熟してるとは思うから、でも、そのうちの半分も芽を出さばいい方だとは思う、なんかね、発芽力っていうのかな?そういうのが弱いらしい・・・だから・・・そういうものなのかもね、種はいっぱい採れるけど、全部が全部芽を出す訳じゃないって感じ?」

タロウも流石にそっけなかったかと少しばかり反省し、なんとなく思い出した知識を付け加えてみる、

「そうですね、他の野菜も似たようもんです、芽を出して根を張るまでが大変なんです」

ムフンと微笑むサレバ、ダネーとコミンも笑顔となる、

「いいなー、実家に持って帰りたいなー」

ケイスも羨まし気にトマトの種を覗き込む、タロウの指導でトマトの果実から選り分けられたそれは清潔な手拭いの上で乾燥中となっていた、

「ですねー」

レスタもニコリと同意する、

「ねー、でも確かに美味しかったね」

「うん、それほど酸っぱく無いし、美味しかった・・・」

「塩漬けのもいいなー」

「ですね、あれなら保存が利きそう」

「ねー、パンに挟んだだけでも美味しそうだよね」

「あっ、それ思った、あれだ、蒸しパンならもっと美味しいかも」

「だねー」

「でも食べちゃったねー」

「ねー」

と女生徒達の視線がゆっくりとタロウに向かい、タロウは確かにそれも旨そうだなー等と思いつつ白湯を傾けた、

「ねー」

と今度はカトカがじっとりとした目つきでタロウを伺い、お前は違うだろとサビナが目を細めるも、タロウはまるで気付いていない、蒸しパンかー等と考えつつアッと振り返り腰を上げると、

「まだやってないかな?」

とガラスのショーケースへ向かった、カトカもアッと小さく声を上げる、ここ数日朝食前と夕食後にショーケース内のビーカーを軽くかき混ぜ、温度の確認と魔法板への魔力補充が日課となっている、カトカは朝は無理であったが、夕食後には細かく記録を取っていた、ゾーイもあっ忘れてたと腰を上げる、

「どうなりました?」

「変化あります?」

タロウの両隣から顔を覗かせるカトカとゾーイ、逃げられたーと恨めし気にタロウの背中を睨む女生徒達となる、

「んー、どうだろう?少し泡が出て来たかな・・・」

タロウは一応と左目を閉じて観察する、現時点では順調と言える生育具合だと思われる、それぞれに多少の差はあれど、黴の発生も無い、このまま育ってくれればなと思うタロウであった、

「あっ、ほんとだ」

「これでいいんですか?」

「うん、いい感じ、少し早いかなって思うけど、出てないのもあるからね、そっちはそっちでそれでいいと思うけど・・・まぁ、もう少し様子見かな・・・」

「ですかー・・・」

カトカがショーケースに立てかけてあった黒板に手を伸ばし、ゾーイはタロウのお手伝いとばかりにビーカーの一つ一つを取り出し始めた、

「じゃ、布は軽く洗ってだね」

「はい、いつも通りで」

ゾーイとタロウが蓋代わりの布を取り外し始め、

「で、それってさ、結局どうなるのよ」

ユーリが当然の疑問を口にする、まったくだと同意する生徒達、

「んー、美味しいものになるのだよー」

「それは聞いてたけどさ」

「じゃ、とりあえずそれでいいだろさ」

「適当ねー、第一果物を水に漬けてるだけでしょ、それで何がどうなるのよ」

「それが何かになるんだよー」

どこまでものらりくらりと適当なタロウ、こうなるとこの男は決してその真意を口にする事は無い、ユーリはこれだから駄目なのよとその背を睨み、女生徒達も困ったものだと苦笑する、

「まぁ、成功するかどうかも分からんからね、成功したら褒めてくれればいいよ、それまではお預けってやつだねー」

ビーカーの中身を軽く攪拌しながらタロウは呟き、ゾーイは蓋をしていた布を手にして厨房へ向かう、

「何がどうなれば成功なのよ」

ユーリがムスッと返す、

「美味しいものが出来たら」

結局堂々巡りである、黒板に何やら書き付けているカトカもモウと顔を顰めてしまう、

「あっ」

とそこでグルジアがスッと背筋を伸ばした、何だろうとレスタが振り向く、

「忘れてた、すいません、タロウさん、あれが届いてました」

サッと立ち上がり壁際のテーブルに向かうグルジア、

「あっ、それね」

とエレインも立ち上がる、今度は何だと振り返る生徒達と大人達、

「なにー?」

「あれです、大きなタオルです」

素直に答えるグルジアにそこは少し意地悪しないとなーと目を細めてしまうユーリ、エレインも折角からかう機会だったのになーとほくそ笑む、

「あっ、そっか、マルヘリート様がそんな事言ってたねー」

「そうですね、マルヘリート様のお屋敷にも届けました、これはこっちの分です」

グルジアとエレインが革袋からそのタオルを取り出し大きく広げた、オオゥと小さな驚きの声が広がる、それほどに巨大な生地となっており、思わず立ち上がる生徒達と大人達、

「へー、大したもんだ、ちょっと待ってね、こっち終わったら」

丁度ゾーイが戻ってきて固く絞った手拭いでもって攪拌の済んだビーカーに蓋をし始め、タロウは魔法板の確認を始める、

「わっ、綺麗ですねー」

「うん、柔らかそー」

「ですね、すんごい気持ちが良いですよ、寝ころびたいくらいです」

「あー、分かるー」

「うん、良い感じー」

「でも、こんなに大きく出来るんだー」

「ねー、すごーい」

巨大なタオル生地に群がる女性達、それは彼女達が寝台で使用しているシーツと同じ大きさであった、成人男性でも包み込めるほど巨大な生地となっている、この大きさが王国産の生地の最大サイズとなっていた、

「ですね、でも、やっぱりまだ少し雑な部分があるかも、織機の調整が必要ですね」

グルジアが厳しい視線でタオルを見下ろし、確かにとエレインも生地を撫でる、

「そうですか?」

「綺麗ですよ」

「見た目はね、後はほら耐久性とかもあるし」

「そうね・・・でもあれね、大きいからかしら、膨らみが足りないような感じもあるわね」

「比べてみます?」

「そうね」

とエレインが頷くとグルジアが懐から手拭いとして使用しているタオルを取り出す、グルジアもそうであったしエレインもであったがすっかり手拭いとしてのタオル生地を気に入ってしまっていた、それは他の生徒達も大人達も同様である、やはり手触りも吸水性も段違いに気持ちが良いのだ、タロウが手拭いと言えばタオル生地になるぞとまで言っていたがその通りだと実感していたりする、

「・・・あっ、ホントだ・・・」

「同じですね・・」

「うん、そっか、大きいとそう感じるだけ?」

「恐らくは・・・なるほどねー、面白いですね」

「うん、面白い」

そのタオル生地と手拭いとしてのタオル生地、その二つに製法の違いは無い、そりゃそうなるだろうなとタロウはショーケースを閉め、カトカも記録を終えた、さてとタオルを囲む輪にちょっとごめんねと分け入る、

「で、これで何を作るんですか?」

エレインがタロウに問いかける、そこへ片付けを終えたソフィア達も食堂に戻って来たようで、

「あら、今度は何?」

と手を拭いながら苦笑する、

「あっ、タオル生地です、おっきいやつ」

「あー、言ってたわねー」

「ですね」

とソフィア達が入る隙間を開ける生徒達、どんなもんだかと割り込む四人、

「へー、でっか・・・」

「これなら服を作れるんじゃないですか?」

ルルの当然の感想であった、

「その通りだねー」

とタロウもニヤーとほくそ笑む、

「ふーん・・・で、どうするの?」

やれやれとソフィアがタロウを見上げ、興味津々と全員の視線がタロウに向かう、

「んー・・・どうしようかな、パジャマだからねー、キッチリした服じゃないし・・・適当でいいんだけどなー」

「パジャマ?」

「あー、寝間着の事」

「前に言ってたやつ?」

「それだね」

「この生地を使う意味あるの?」

「大有りなんだなー」

タロウが再びニヤーと微笑む、これはとサビナが黒板を探すとカトカがサッと黒板を差し出した、ありがとうと受け取るサビナ、

「で、それは素直に言う気があるのよね」

ユーリがジロリとタロウを見上げる、

「素直って・・・俺はいつでも素直だよー」

アン?とユーリは目を細め、それは嘘だと顔を顰める全員である、

「・・・あれ?駄目?」

タロウも流石にその雰囲気に気付いたのか首を傾げた、

「駄目も何も・・・まぁ、いいわ、で、どういう理屈?」

「何が?」

「この生地とネマキ?」

「あぁ、難しく無くてね、寝てるときってさ、割と汗をかくんだよ、そういう実感ない?」

「・・・そう言われれば・・・」

「かもしれないですね・・・」

「うん、起きるとベタベタしてるかも」

「それはジャネット先輩だからじゃないですか?」

「あっ、ルルっちそれ酷い」

「えー、だってー、お風呂でもちゃんと身体洗わないじゃないですかー」

「あー、そうだー」

「確かにー、ジャネットめんどくさがるからー」

「ちょ、それはそれでしょー」

ギャーとジャネットが喚くも、ジローっと冷たい視線がジャネットに集まる、

「そりゃ駄目だねー」

とタロウは微笑みつつ、

「まぁ、その汗をね、このタオルであれば気持ち良く吸収してくれるんだよね、するとどうなると思う?」

ニヤーと一同を見渡すタロウ、全員がんーと素直に首を傾げてしまう、

「・・・気持ち良く寝れますね・・・」

短い沈黙の後にレスタがポツリと呟いた、

「そだね、その通り」

タロウはニコリと微笑む、それでいいのと無言の視線がタロウに集まった、なんとも簡単な答えであった、それであれば喉元まで出かかっていたと誰もが不満そうである、

「でもすんげー大事だぞ、多分だけどさ、ミナの寝相が悪いのはね、その汗の管理が難しいからなんだ」

「そうなの?」

ソフィアがタオル生地を撫でながらタロウを見上げた、

「だからあくまで多分、なんだけどさ、ほら、子供の頃はどうしてもね、暑くなりやすいもんで、となると寒くもなりやすいもんなんだ、身体が小さいからだろうね、で、暑いなーと思って毛布を蹴って、で、寒くなったら寒いって毛布を手繰り寄せて、それを繰り返すもんだからあっちこっちと動いちゃう?挙句昼間と同じ服だからね、その上から毛布を被ったら、そりゃねさらに動きにくくなるだろうし、どうだろう、そういう経験っていうか、気持ち分かるんじゃない?」

再び一同に問いかけるタロウ、今度は確かにそうかもと頷く一同となる、

「だけどね、このタオル生地ならそのへんね、丁度良い感じに調整してくれる筈、それにこれを着る時は下着とこれだけになるからね、動きやすくもなるだろし、まぁ、そんな感じだ」

タロウはニヤリと微笑む、なるほどその理屈は分かるかもと頷く一同、しかし、

「寒くないですかね・・・」

コミンがウーンと首を捻る、

「それは大丈夫だと思うよ、寒かったらね、毛布を一枚下に引いてみな、それだけですんごい温かくなるぞ」

「マジですか!!」

カトカが叫んでギッとタロウを睨む、

「うんこれはマジ、俺も経験あるんだけど、全然違う」

「・・・あんた、そんな事した事あったかしら?」

ソフィアが眉を顰めるも、

「あの・・・その場合はユタンポはどこに?」

「人が入る所だよ、だから、どうだろ、図にすると」

と壁の黒板に向かうタロウ、また話が変わっているなーと思いつつそちらに引き寄せられる女性達、

「寝台があって、毛布を置いて、枕を置いて、湯たんぽ置いて、で、できれば薄手の木綿を一枚・・・いや、これこそそのタオル生地が良いと思うんだけど・・・それと綿の入った布団があればより温かい・・・で、その上にもう一枚毛布、こんな感じ、あー・・・でもこの綿の入った布団がお高いんだっけか?」

タロウは黒板に記しながら振り返る、

「そうねー、それっばかりはねー」

「毛布の二倍ぐらい?」

「それで済むかしら?」

「じゃ、三倍?」

「そんなもんじゃない?」

「へー、そんなにするの?」

「しますね、だから、ミナちゃんのあれってすんごい高級品なんですよ」

グルジアがムーと食堂の寝台を見つめる、それはもうすっかりミナの寝台となっており、寝心地を良くするためとエレインが綿の入った薄い敷物を提供してくれていた、

「あー・・・そっか、綿の布団となるとそれになるか・・・」

「すいません、そのフトンってなんですか?」

ルルの純粋な疑問にタロウはアッと振り返る、どうやら布団に類する単語が王国には無いらしい、確かに毛布とはよく聞くが掛け布団を表す単語が無いように思う、タロウはアーと呻いて、

「うん、俺の国の言葉でね、寝る時に使う掛布団と敷布団があって、合わせて布団って呼んでる、で、俺が言ってるのは毛布みたいに寝る時に掛ける厚手の布の事になるかな、その薄い掛物みたいな感じで、それは敷物になるんだろうけど、大雑把に言えば寝るときに使う布製品全般の事だね」

これで意味が通じるかなとタロウは首を傾げ、これには素直にヘーっと納得する女性達、

「で、詳しく言えば・・・そうだね、綿が入っててフカフカしてるんだよね、他には羽が入ってるのもある」

「羽って・・・」

「鳥の?」

「そっ、鳥の」

エッと驚く女性達、

「待って下さい、それってそんなの作れるんですか?」

「羽であればだって、いっぱい捨ててます」

「あっ、もしかしてマクラの蕎麦殻みたいな感じですか?捨てるものを使う的な?」

「それ凄いです」

「うん、精々あれですよ、立派な羽は羽ペンにするくらいです、それも鷹とか鷲とかの?」

「綿の代わりになるんですか?」

エッと驚くのはタロウの番であった、そう言えば王国には羽毛布団も羽毛の寝具も見当たらない、作るのが大変そうだし高価になるのは必然だから貴族様が使っているのかなと適当に考えていたタロウである、その貴族様であるエレインまでもが目を丸くしていた、となれば、羽毛を使った製品自体が無い可能性が高い、

「そうだね・・・うん、そっか、それもあるか・・・いや、良いと思うよ、羽毛の布団?それと枕とか、蕎麦殻の枕も好きだけどね、パンパンに羽の詰まった枕も気持ちいいんだ・・・うん」

とタロウが続けると、それは凄いと目を輝かせる女性達、

「テラさん、あっ、いない、グルジアさん、羽毛の伝手ってありますか?」

「・・・難しいですね、お肉屋さんですかね、鳥の羽となると、精肉業者が大量に廃棄していると思います」

「そうなるわよね」

「気持ちよさそうだなー、羽のマクラかー」

「ねー、なんかフワフワしてそう・・・」

「うん、そんな事考えてたことも無かったー」

「いいなー、タロウさん、それって実物あるんですかー」

「俺は持ってない、っていうかあるもんだと思ってた・・・」

「なんですかそれー、もー、なんでも知ってるのにー」

「いや、無いという事を証明するのは何気に難しいんだよ、在るという事を証明するよりもはるかに難しい・・・」

「わっ、難しい事言ってるー」

「ねー」

そこへ、

「上がったー」

と湯気をホコホコと纏ったミナが食堂に駆けこみ、

「お先しましたー」

とテラとニコリーネ、レインも入ってくる、バッと振り返る女性達、

「どしたのー?」

ミナの純粋な疑問が食堂に響くのであった。
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