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夜会の喧騒から解放された私たちは、城の最上階にあるバルコニーにいた。
眼下には、雪化粧をした帝都の街並みが、月光を浴びて青白く輝いている。
キンと冷えた夜風が、火照った頬に心地よい。
「……疲れたか?」
アレクシス公爵が、私の肩に自分のマントをかけながら尋ねてきた。
「いいえ。むしろ興奮しています。あのバーバラ夫人の悔しそうな顔、あと3回は夢に出てきて笑えそうです」
「……性格が悪いな」
「お互い様です」
私たちは手すりに寄りかかり、並んで夜景を見下ろした。
静寂。
二人きりの時間は、言葉がなくても居心地が良かった。
だが、アレクシス公爵は何か言いたげに、何度も私の方をチラチラと見ている。
「……言いたいことがあるならどうぞ。聞きますよ、3分だけ」
私が促すと、彼は少し躊躇ってから、ポツリと言った。
「……なぜ、俺を怖がらない?」
「はい?」
「今日の会場でも、皆が俺を恐れていた。俺が視線を向けただけで、悲鳴を上げる者もいた。……それが普通だ」
彼は自分の手のひらを見つめた。
そこには、制御しきれない魔力が、小さな氷の粒となってキラキラと舞っている。
「俺は生まれつき、魔力が異常だった。5歳の時、癇癪を起こして、王宮の庭園を丸ごと氷漬けにしたことがある」
「……初耳ですね。庭師が泣いたでしょうに」
「母上もだ」
彼の声が沈む。
「母上は、俺を見た。……『化け物を見る目』で。愛する息子ではなく、恐怖の対象として。その時、俺は悟ったんだ。感情を露わにすれば、周りを傷つける。誰も俺を愛さないと」
だから、心を閉ざした。
感情を殺し、表情を消し、氷の仮面を被った。
そうすれば、誰も傷つけずに済むから。
「俺は『氷の公爵』だ。冷たく、固く、誰も寄せ付けない。……お前だって、本当は怖いんじゃないのか? いつか俺が暴走して、お前を凍らせてしまうかもしれない」
彼は私を見ようとしなかった。
ずっと、夜の闇を見つめている。
その横顔は、最強の魔導師ではなく、ただの迷子の子供のようだった。
私は、ため息をついた。
「……非効率ですね」
「は?」
アレクシス公爵が、驚いて振り向く。
私は彼に向き直り、眼鏡の位置を直した。
「怯えるということは、未来の不確定要素に対して不安を抱くということです。ですが、貴方が暴走するかどうかなんて、確率論の話でしょう?」
「か、確率……?」
「貴方が感情を爆発させて暴走するリスク。それを回避するための最善策は、貴方を孤独にすることではありません」
私は一歩、彼に近づいた。
「貴方の感情を受け止め、制御し、もし暴走したらハリセンで叩いてでも止める『管理者』を置くことです」
「管理者……」
「それが私です」
私は彼の手を取った。
冷たい手だ。
でも、私の体温が伝わると、彼の手のひらにあった氷の粒が、スーッと溶けて水になった。
「アレクシス様。貴方は化け物ではありません。ただの『ハイスペックすぎる暖房器具』です」
「だ、暖房……?」
「出力調整が下手なだけです。スイッチの入れ方さえ間違えなければ、誰よりも温かい。私はそのスイッチの場所を知っています」
「……どこだ?」
「ここです」
私は人差し指で、彼の胸……心臓のあたりをトンとつついた。
「貴方が私を想ってくれる時、貴方の魔力はとても優しい。ポカポカします。だから、私は怖くありません。むしろ、冬場の光熱費が浮いて助かります」
「……ふ、くくっ」
彼は肩を震わせた。
そして、声を上げて笑い出した。
「ははははっ! 光熱費か! 俺の悩みも、お前にかかれば経費削減の話になるのか!」
「当然です。合理性が全てですから」
「……敵わないな」
彼は笑い収めると、濡れた瞳で私を真っ直ぐに見た。
今度は、逸らさなかった。
「ソフィエ。お前が管理者でよかった」
「返品不可ですよ?」
「ああ。一生、手放さない」
彼は私の腰を引き寄せ、優しく抱きしめた。
冷たいはずの彼の体から、熱が伝わってくる。
それは、彼が10年以上かけて閉じ込めてきた、人間としての熱量だった。
「……好きだ、ソフィエ」
耳元で囁かれた言葉は、もう「脅迫」には聞こえなかった。
ただただ甘く、私の胸を締め付けた。
「……知っていますよ」
私は彼の背中に手を回し、ポンポンとあやした。
「私も、貴方の作ったムニエルの次に、貴方のことが好きですよ」
「料理以下か」
「同率一位に格上げしておきます」
「……十分だ」
私たちは月明かりの下、しばらくそのままでいた。
氷の城のバルコニーで、二つの影が重なる。
この瞬間、本当の意味で『氷の公爵』はいなくなり、ただの一人の恋する青年が生まれたのだった。
***
翌朝。
私は鳥のさえずりではなく、悲鳴で目を覚ました。
「きゃぁぁぁぁぁ!! ソフィエお姉様ぁぁぁ!!」
ドタドタドタッ!
寝室の扉が蹴破られ(鍵はかかっていたはずだが)、ミーナ様が飛び込んできた。
「な、なんですか朝から。火事ですか?」
私はベッドから身を起こした。
隣では、アレクシス様が不機嫌そうに起き上がる(※昨夜は健全に、ただ一緒に寝ただけです。念のため)。
「違うの! 見て! これ!」
ミーナ様は一枚の手配書のような紙を突きつけた。
そこには、私の似顔絵(悪意あるタッチで描かれたもの)がデカデカと載っていた。
『指名手配:国賊ソフィエ・フォン・ローゼン』
『罪状:国家機密の持ち出し、王子への精神的虐待、及び公爵への洗脳』
『懸賞金:金貨10億枚』
「……は?」
私は目を擦った。
10億?
私の価値、上がりすぎでは?
「王宮がキレたみたい! 『ソフィエを捕まえた者には一生遊んで暮らせる権利をやる』って! 世界中の賞金稼ぎがこっちに向かってるって噂だよ!」
ミーナ様が震えている。
「どうしようお姉様! 私たちが売られちゃう!」
「……」
私は手配書をじっと見つめ、そして隣のアレクシス様を見た。
彼は、青筋を立てて手配書を握りつぶしていた。
「……ジェラルドか。やはり、あの時殺しておくべきだったな」
「いえ、これはチャンスです」
「チャンス?」
私はニヤリと笑った。
「金貨10億枚。つまり、私にはそれだけの価値があると、王家が公式に認めたということです」
「……ポジティブだな」
「売られた喧嘩は、高値で買い取って差し上げましょう。賞金稼ぎ? いいえ、彼らは『無料の労働力』です」
「……また何か企んでいるな?」
「ええ。ちょうど、領地の鉱山開発の人手が足りないと思っていたところです」
私はベッドから降り、ガウンを羽織った。
「来なさい、有象無象ども。私のスローライフを邪魔する代償、体で払ってもらいますわ!」
ロマンスの余韻に浸る間もなく、賞金首としてのスタートだった。
まあ、退屈しなくていいけれど。
眼下には、雪化粧をした帝都の街並みが、月光を浴びて青白く輝いている。
キンと冷えた夜風が、火照った頬に心地よい。
「……疲れたか?」
アレクシス公爵が、私の肩に自分のマントをかけながら尋ねてきた。
「いいえ。むしろ興奮しています。あのバーバラ夫人の悔しそうな顔、あと3回は夢に出てきて笑えそうです」
「……性格が悪いな」
「お互い様です」
私たちは手すりに寄りかかり、並んで夜景を見下ろした。
静寂。
二人きりの時間は、言葉がなくても居心地が良かった。
だが、アレクシス公爵は何か言いたげに、何度も私の方をチラチラと見ている。
「……言いたいことがあるならどうぞ。聞きますよ、3分だけ」
私が促すと、彼は少し躊躇ってから、ポツリと言った。
「……なぜ、俺を怖がらない?」
「はい?」
「今日の会場でも、皆が俺を恐れていた。俺が視線を向けただけで、悲鳴を上げる者もいた。……それが普通だ」
彼は自分の手のひらを見つめた。
そこには、制御しきれない魔力が、小さな氷の粒となってキラキラと舞っている。
「俺は生まれつき、魔力が異常だった。5歳の時、癇癪を起こして、王宮の庭園を丸ごと氷漬けにしたことがある」
「……初耳ですね。庭師が泣いたでしょうに」
「母上もだ」
彼の声が沈む。
「母上は、俺を見た。……『化け物を見る目』で。愛する息子ではなく、恐怖の対象として。その時、俺は悟ったんだ。感情を露わにすれば、周りを傷つける。誰も俺を愛さないと」
だから、心を閉ざした。
感情を殺し、表情を消し、氷の仮面を被った。
そうすれば、誰も傷つけずに済むから。
「俺は『氷の公爵』だ。冷たく、固く、誰も寄せ付けない。……お前だって、本当は怖いんじゃないのか? いつか俺が暴走して、お前を凍らせてしまうかもしれない」
彼は私を見ようとしなかった。
ずっと、夜の闇を見つめている。
その横顔は、最強の魔導師ではなく、ただの迷子の子供のようだった。
私は、ため息をついた。
「……非効率ですね」
「は?」
アレクシス公爵が、驚いて振り向く。
私は彼に向き直り、眼鏡の位置を直した。
「怯えるということは、未来の不確定要素に対して不安を抱くということです。ですが、貴方が暴走するかどうかなんて、確率論の話でしょう?」
「か、確率……?」
「貴方が感情を爆発させて暴走するリスク。それを回避するための最善策は、貴方を孤独にすることではありません」
私は一歩、彼に近づいた。
「貴方の感情を受け止め、制御し、もし暴走したらハリセンで叩いてでも止める『管理者』を置くことです」
「管理者……」
「それが私です」
私は彼の手を取った。
冷たい手だ。
でも、私の体温が伝わると、彼の手のひらにあった氷の粒が、スーッと溶けて水になった。
「アレクシス様。貴方は化け物ではありません。ただの『ハイスペックすぎる暖房器具』です」
「だ、暖房……?」
「出力調整が下手なだけです。スイッチの入れ方さえ間違えなければ、誰よりも温かい。私はそのスイッチの場所を知っています」
「……どこだ?」
「ここです」
私は人差し指で、彼の胸……心臓のあたりをトンとつついた。
「貴方が私を想ってくれる時、貴方の魔力はとても優しい。ポカポカします。だから、私は怖くありません。むしろ、冬場の光熱費が浮いて助かります」
「……ふ、くくっ」
彼は肩を震わせた。
そして、声を上げて笑い出した。
「ははははっ! 光熱費か! 俺の悩みも、お前にかかれば経費削減の話になるのか!」
「当然です。合理性が全てですから」
「……敵わないな」
彼は笑い収めると、濡れた瞳で私を真っ直ぐに見た。
今度は、逸らさなかった。
「ソフィエ。お前が管理者でよかった」
「返品不可ですよ?」
「ああ。一生、手放さない」
彼は私の腰を引き寄せ、優しく抱きしめた。
冷たいはずの彼の体から、熱が伝わってくる。
それは、彼が10年以上かけて閉じ込めてきた、人間としての熱量だった。
「……好きだ、ソフィエ」
耳元で囁かれた言葉は、もう「脅迫」には聞こえなかった。
ただただ甘く、私の胸を締め付けた。
「……知っていますよ」
私は彼の背中に手を回し、ポンポンとあやした。
「私も、貴方の作ったムニエルの次に、貴方のことが好きですよ」
「料理以下か」
「同率一位に格上げしておきます」
「……十分だ」
私たちは月明かりの下、しばらくそのままでいた。
氷の城のバルコニーで、二つの影が重なる。
この瞬間、本当の意味で『氷の公爵』はいなくなり、ただの一人の恋する青年が生まれたのだった。
***
翌朝。
私は鳥のさえずりではなく、悲鳴で目を覚ました。
「きゃぁぁぁぁぁ!! ソフィエお姉様ぁぁぁ!!」
ドタドタドタッ!
寝室の扉が蹴破られ(鍵はかかっていたはずだが)、ミーナ様が飛び込んできた。
「な、なんですか朝から。火事ですか?」
私はベッドから身を起こした。
隣では、アレクシス様が不機嫌そうに起き上がる(※昨夜は健全に、ただ一緒に寝ただけです。念のため)。
「違うの! 見て! これ!」
ミーナ様は一枚の手配書のような紙を突きつけた。
そこには、私の似顔絵(悪意あるタッチで描かれたもの)がデカデカと載っていた。
『指名手配:国賊ソフィエ・フォン・ローゼン』
『罪状:国家機密の持ち出し、王子への精神的虐待、及び公爵への洗脳』
『懸賞金:金貨10億枚』
「……は?」
私は目を擦った。
10億?
私の価値、上がりすぎでは?
「王宮がキレたみたい! 『ソフィエを捕まえた者には一生遊んで暮らせる権利をやる』って! 世界中の賞金稼ぎがこっちに向かってるって噂だよ!」
ミーナ様が震えている。
「どうしようお姉様! 私たちが売られちゃう!」
「……」
私は手配書をじっと見つめ、そして隣のアレクシス様を見た。
彼は、青筋を立てて手配書を握りつぶしていた。
「……ジェラルドか。やはり、あの時殺しておくべきだったな」
「いえ、これはチャンスです」
「チャンス?」
私はニヤリと笑った。
「金貨10億枚。つまり、私にはそれだけの価値があると、王家が公式に認めたということです」
「……ポジティブだな」
「売られた喧嘩は、高値で買い取って差し上げましょう。賞金稼ぎ? いいえ、彼らは『無料の労働力』です」
「……また何か企んでいるな?」
「ええ。ちょうど、領地の鉱山開発の人手が足りないと思っていたところです」
私はベッドから降り、ガウンを羽織った。
「来なさい、有象無象ども。私のスローライフを邪魔する代償、体で払ってもらいますわ!」
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