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「……近いですわ」
私はピタリと足を止め、背後を振り返りました。
そこには、忠犬のような瞳で私を見つめる護衛騎士シドの姿がありました。
「申し訳ありません! アミカブル様の安全を確保するため、半径一メートル以内を死守しておりました!」
「暑苦しいと言っているのです! 貴方の体温で私のドレスが蒸れてしまいそうですわ!」
私は扇子で仰ぎながら、わざとらしく顔をしかめました。
ターゲットは変更しました。
フレデリック殿下が予想外の進化(退化?)を遂げてしまった今、次に狙うべきは、この脳筋騎士シドです。
彼を精神的に追い詰め、辞職に追い込む。
そうすれば、「アミカブル嬢は護衛をいびり倒して辞めさせた悪女」という噂が立ち、私の評判は地に落ちるはずです。
「シド、貴方は騎士団でも有望株だと言われていますわね?」
「はっ! 過分な評価をいただいております!」
「けれど、私から見れば三流ですわ。動きに『美学』が足りません」
「び、美学……?」
シドが首を傾げます。
私はニヤリと笑い、無理難題を口にしました。
「私の護衛を務めるなら、私の視界を汚さないでください。つまり、『そこにいるのにいない』状態を作り出しなさい」
「いるのにいない……?」
「ええ。気配を完全に消し、音も立てず、影のように寄り添うのです。呼吸音すら耳障りですから、私の許可があるまで息を止めていてくださる?」
これはひどい命令です。
呼吸をするな、姿を見せるな、でも護衛しろ。
常人なら「ふざけるな!」と剣を投げ捨てて帰るでしょう。
しかし、シドは深刻な顔で顎に手を当てました。
「気配断絶……無音歩行……そして無酸素運動……。なるほど、究極の隠密行動(ステルス)こそが、最強の護衛ということか……!」
「はい?」
「承知いたしました、アミカブル様! 俺は風になります! いいえ、空気になります!」
シュパッ!
次の瞬間、シドの姿がかき消えました。
「えっ?」
私は慌てて周囲を見回しました。
廊下には誰もいません。
「シド? ちょっと、どこへ行きましたの?」
返事はありません。
まさか、本当に帰ってしまったのでしょうか?
「ふふ、案外早かったですわね。所詮は口だけの騎士でしたか」
私は高笑いしようとして――思いとどまりました。
誰もいない廊下で一人で高笑いするのは、悪役令嬢以前にただの不審者です。
私は気を取り直して、一人で優雅に庭園の散歩を楽しむことにしました。
◇
王城の庭園は、季節の花々が咲き乱れる美しい場所です。
私はベンチに座り、持ち込んだ紅茶を楽しみながら、これからの悪事の計画を練っていました。
「次は誰をターゲットにしましょうか……。メイド長? それとも料理長?」
独り言を呟きながら、ティーカップに手を伸ばした時です。
カタン。
手が滑って、スプーンがテーブルから落ちそうになりました。
「あ」
地面に落ちて泥がつく――そう思った瞬間。
ヒュンッ!
風が巻き起こり、落ちるはずのスプーンが空中で静止しました。
いいえ、静止したのではありません。
いつの間にか現れた手が、スプーンを掴んでいたのです。
「セーフです、アミカブル様」
「キャアアアアッ!?」
私は悲鳴を上げて飛び退きました。
目の前には、ベンチの裏から上半身だけをぬらりと出したシドがいました。
「シ、シド!? いつからそこに!?」
「最初からです。アミカブル様の影に潜み、心拍数すら同調させて気配を消しておりました」
シドは爽やかな笑顔で、スプーンを丁寧にテーブルに戻しました。
「いかがでしたか? 今の俺は、アミカブル様の視界を汚さずに護衛できていましたか?」
「気持ち悪いですわーっ!!」
私は思わず本音を叫んでしまいました。
「心拍数を同調って何ですの!? ストーカーですか!? 騎士団に通報しますわよ!」
「なんと……! まだ気配が漏れていましたか。やはり『殺気』ならぬ『愛気』を完全に消すのは難しい……」
「愛気とか変な造語を作らないでください! 寒気がしますわ!」
私が鳥肌を立てて腕をさすっていると、庭園の入り口から騎士団長が歩いてきました。
厳格で知られる騎士団長は、私とシドを見て目を丸くしました。
「シドではないか。こんなところで何をしている? 今日は非番では……」
言いかけて、団長はシドの立ち姿を見て言葉を失いました。
「……む?」
団長がシドに近づき、その肩に手を置こうとします。
しかし、シドは無意識にゆらりと体を揺らし、その手をすり抜けました。
「なっ……!?」
団長が驚愕の表情を浮かべます。
「今の身のこなし……残像か? シド、貴様いつの間にこれほどの体術を身につけたのだ!」
シドは直立不動の姿勢をとり、ビシッと敬礼しました。
「はっ! すべてはアミカブル様のご指導のおかげであります!」
「私!?」
団長の鋭い視線が私に突き刺さります。
「アミカブル嬢……。貴殿が、我が騎士団の若手に稽古を?」
「ち、違いますわ! 私はただ、彼に『邪魔だから消えろ』と言っただけで……」
「『消えろ』……そうか、究極の回避行動とは、敵の意識から消えること。貴殿は言葉少なく、武の真髄を彼に授けたというのか!」
団長が感極まったように髭を震わせました。
「噂には聞いていたが、公爵令嬢たる貴殿が、これほど武芸に造詣が深いとは……。いや、無駄のない所作、鋭い眼光。ただ者ではないと感じていた!」
「眼光が鋭いのはただ睨んでいるだけです! 買いかぶりすぎですわ!」
「謙遜なされるな! シドよ、その技、我々にも伝授せよ!」
「はい! アミカブル流・隠密殺法、共有いたします!」
「殺法じゃないですわよ! ただの嫌がらせですってば!」
私の抗議を無視して、団長とシドは熱く握手を交わし始めました。
「アミカブル様、ぜひ我が騎士団の特別顧問にお迎えしたい!」
「お断りします! 私はか弱い令嬢ですのよ!」
「ははは! ご冗談を。その扇子の構え、隙がない!」
団長は豪快に笑いながら去っていきました。
取り残された私は、ガックリと項垂れました。
どうしてこうなるのでしょう。
王子は執務マシーンになり、騎士は忍者になり、私は武芸の達人に祭り上げられてしまいました。
「……解せませんわ」
私は冷めた紅茶を一気飲みしました。
「こうなったら意地ですわ。次はもっと大勢を巻き込んで、私の性格の悪さを露呈させてやります!」
私は立ち上がり、不敵な笑みを浮かべました。
明日は定例のお茶会。
そこには、私をライバル視する高慢な令嬢たちが集まります。
彼女たちなら、きっと私の悪口を触れ回ってくれるはず。
「待っていなさい、社交界の蝶々たち。私の毒舌で、その羽をむしり取ってさしあげますわ!」
私の背後で、シドがまたしても気配を消し、「アミカブル様……また何か国を救う策をお考えなのですね……!」と感動していることに、私は気づかないふりをしました。
私はピタリと足を止め、背後を振り返りました。
そこには、忠犬のような瞳で私を見つめる護衛騎士シドの姿がありました。
「申し訳ありません! アミカブル様の安全を確保するため、半径一メートル以内を死守しておりました!」
「暑苦しいと言っているのです! 貴方の体温で私のドレスが蒸れてしまいそうですわ!」
私は扇子で仰ぎながら、わざとらしく顔をしかめました。
ターゲットは変更しました。
フレデリック殿下が予想外の進化(退化?)を遂げてしまった今、次に狙うべきは、この脳筋騎士シドです。
彼を精神的に追い詰め、辞職に追い込む。
そうすれば、「アミカブル嬢は護衛をいびり倒して辞めさせた悪女」という噂が立ち、私の評判は地に落ちるはずです。
「シド、貴方は騎士団でも有望株だと言われていますわね?」
「はっ! 過分な評価をいただいております!」
「けれど、私から見れば三流ですわ。動きに『美学』が足りません」
「び、美学……?」
シドが首を傾げます。
私はニヤリと笑い、無理難題を口にしました。
「私の護衛を務めるなら、私の視界を汚さないでください。つまり、『そこにいるのにいない』状態を作り出しなさい」
「いるのにいない……?」
「ええ。気配を完全に消し、音も立てず、影のように寄り添うのです。呼吸音すら耳障りですから、私の許可があるまで息を止めていてくださる?」
これはひどい命令です。
呼吸をするな、姿を見せるな、でも護衛しろ。
常人なら「ふざけるな!」と剣を投げ捨てて帰るでしょう。
しかし、シドは深刻な顔で顎に手を当てました。
「気配断絶……無音歩行……そして無酸素運動……。なるほど、究極の隠密行動(ステルス)こそが、最強の護衛ということか……!」
「はい?」
「承知いたしました、アミカブル様! 俺は風になります! いいえ、空気になります!」
シュパッ!
次の瞬間、シドの姿がかき消えました。
「えっ?」
私は慌てて周囲を見回しました。
廊下には誰もいません。
「シド? ちょっと、どこへ行きましたの?」
返事はありません。
まさか、本当に帰ってしまったのでしょうか?
「ふふ、案外早かったですわね。所詮は口だけの騎士でしたか」
私は高笑いしようとして――思いとどまりました。
誰もいない廊下で一人で高笑いするのは、悪役令嬢以前にただの不審者です。
私は気を取り直して、一人で優雅に庭園の散歩を楽しむことにしました。
◇
王城の庭園は、季節の花々が咲き乱れる美しい場所です。
私はベンチに座り、持ち込んだ紅茶を楽しみながら、これからの悪事の計画を練っていました。
「次は誰をターゲットにしましょうか……。メイド長? それとも料理長?」
独り言を呟きながら、ティーカップに手を伸ばした時です。
カタン。
手が滑って、スプーンがテーブルから落ちそうになりました。
「あ」
地面に落ちて泥がつく――そう思った瞬間。
ヒュンッ!
風が巻き起こり、落ちるはずのスプーンが空中で静止しました。
いいえ、静止したのではありません。
いつの間にか現れた手が、スプーンを掴んでいたのです。
「セーフです、アミカブル様」
「キャアアアアッ!?」
私は悲鳴を上げて飛び退きました。
目の前には、ベンチの裏から上半身だけをぬらりと出したシドがいました。
「シ、シド!? いつからそこに!?」
「最初からです。アミカブル様の影に潜み、心拍数すら同調させて気配を消しておりました」
シドは爽やかな笑顔で、スプーンを丁寧にテーブルに戻しました。
「いかがでしたか? 今の俺は、アミカブル様の視界を汚さずに護衛できていましたか?」
「気持ち悪いですわーっ!!」
私は思わず本音を叫んでしまいました。
「心拍数を同調って何ですの!? ストーカーですか!? 騎士団に通報しますわよ!」
「なんと……! まだ気配が漏れていましたか。やはり『殺気』ならぬ『愛気』を完全に消すのは難しい……」
「愛気とか変な造語を作らないでください! 寒気がしますわ!」
私が鳥肌を立てて腕をさすっていると、庭園の入り口から騎士団長が歩いてきました。
厳格で知られる騎士団長は、私とシドを見て目を丸くしました。
「シドではないか。こんなところで何をしている? 今日は非番では……」
言いかけて、団長はシドの立ち姿を見て言葉を失いました。
「……む?」
団長がシドに近づき、その肩に手を置こうとします。
しかし、シドは無意識にゆらりと体を揺らし、その手をすり抜けました。
「なっ……!?」
団長が驚愕の表情を浮かべます。
「今の身のこなし……残像か? シド、貴様いつの間にこれほどの体術を身につけたのだ!」
シドは直立不動の姿勢をとり、ビシッと敬礼しました。
「はっ! すべてはアミカブル様のご指導のおかげであります!」
「私!?」
団長の鋭い視線が私に突き刺さります。
「アミカブル嬢……。貴殿が、我が騎士団の若手に稽古を?」
「ち、違いますわ! 私はただ、彼に『邪魔だから消えろ』と言っただけで……」
「『消えろ』……そうか、究極の回避行動とは、敵の意識から消えること。貴殿は言葉少なく、武の真髄を彼に授けたというのか!」
団長が感極まったように髭を震わせました。
「噂には聞いていたが、公爵令嬢たる貴殿が、これほど武芸に造詣が深いとは……。いや、無駄のない所作、鋭い眼光。ただ者ではないと感じていた!」
「眼光が鋭いのはただ睨んでいるだけです! 買いかぶりすぎですわ!」
「謙遜なされるな! シドよ、その技、我々にも伝授せよ!」
「はい! アミカブル流・隠密殺法、共有いたします!」
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私の抗議を無視して、団長とシドは熱く握手を交わし始めました。
「アミカブル様、ぜひ我が騎士団の特別顧問にお迎えしたい!」
「お断りします! 私はか弱い令嬢ですのよ!」
「ははは! ご冗談を。その扇子の構え、隙がない!」
団長は豪快に笑いながら去っていきました。
取り残された私は、ガックリと項垂れました。
どうしてこうなるのでしょう。
王子は執務マシーンになり、騎士は忍者になり、私は武芸の達人に祭り上げられてしまいました。
「……解せませんわ」
私は冷めた紅茶を一気飲みしました。
「こうなったら意地ですわ。次はもっと大勢を巻き込んで、私の性格の悪さを露呈させてやります!」
私は立ち上がり、不敵な笑みを浮かべました。
明日は定例のお茶会。
そこには、私をライバル視する高慢な令嬢たちが集まります。
彼女たちなら、きっと私の悪口を触れ回ってくれるはず。
「待っていなさい、社交界の蝶々たち。私の毒舌で、その羽をむしり取ってさしあげますわ!」
私の背後で、シドがまたしても気配を消し、「アミカブル様……また何か国を救う策をお考えなのですね……!」と感動していることに、私は気づかないふりをしました。
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