21 / 28
21
しおりを挟む
「……ん」
意識が浮上する。
後頭部に鈍い痛み。
手足が動かない。
目を開けると、薄暗くカビ臭い天井が見えた。
「あら、やっとお目覚め? 悪役令嬢さん」
聞き覚えのある、ねっとりとした甘い声。
私は重い頭を振って、声の主を見た。
そこは、どこかの地下室のようだった。
石造りの壁は湿っており、唯一の明かりは、テーブルの上に置かれたランタンのみ。
そして、そのテーブルの前で、白衣(サイズが合っていない)を着て、怪しげな鍋をかき混ぜているのが、リナ男爵令嬢だった。
「リナ様……」
「『様』なんてつけなくていいわよぉ。どうせあんたは、ここで終わるんだから」
リナは鍋からお玉で液体をすくい上げ、ニタリと笑った。
液体はドロドロとした紫色で、ボコッ、ボコッと不気味な泡を吹いている。
「状況を整理させてください」
私は冷静に言った。
手首と足首は、荒縄で椅子に縛り付けられている。
公爵閣下の姿はない。
「閣下は? アレクシス様はどこですか?」
「公爵様なら、森の入り口に捨ててきたわよ」
リナはケラケラと笑った。
「私の狙いはあんただけだもの。公爵様は、あんたがいなくなれば、また私の魅力に気づいて戻ってくるはずだから」
「……論理的思考が欠落していますね。私が消えても、閣下が貴女を選ぶ確率はゼロです」
「うるさいっ!!」
リナが鍋をバンと叩いた。
「あんたさえいなければ! あんたさえいなければ、全部うまくいってたのよ!」
彼女は充血した目で私を睨みつけた。
「私が聖女になって、カイル様と結婚して、国母としてチヤホヤされるはずだったの! それを……物理だの法律だの、小難しい理屈で邪魔して!」
「それを『正当な指摘』と言います」
「黙りなさいよ! この泥棒猫!」
リナはヒステリックに叫び、棚から数本の小瓶を取り出した。
「見てなさい。……王城の混乱に乗じて、地下宝物庫から『イイモノ』を盗んできたのよ」
「……窃盗罪の追加ですね。量刑が重くなりますよ」
「ふん! これが成功すれば、罪なんて関係ないわ!」
リナは小瓶の一つを掲げた。
ラベルには、ドクロマークと『取扱厳禁』の文字。
「これは『洗脳の秘薬』……禁じられた古代魔法薬よ。これを飲ませれば、あんたは私の言いなりになる奴隷人形になるの」
「……」
「あんたを操って、国民の前で言わせてやるわ。『私はリナ様を虐めました』『私は公爵様を騙していました』『リナ様こそが真の聖女です』ってね!」
リナは恍惚とした表情を浮かべた。
「そうすれば、私の名誉は回復! あんたは処刑! カイル様も公爵様も、私のもの! 完璧なシナリオでしょう!?」
「……シナリオの完成度は5点ですね」
私は冷めた目で彼女を見た。
「その薬、成分が沈殿していますよ。使用期限が百年くらい過ぎているのでは?」
「う、うるさいわね! 効果はあるはずよ! ……たぶん」
「それに、煮込みすぎて揮発しています。この部屋、換気が悪いですから、貴女自身も吸い込んでラリっているように見えますが」
「なっ……!?」
言われてみれば、リナの目は虚ろで、足元もフラフラしている。
自分の撒いた毒ガスで自滅するタイプか。
相変わらず、詰めが甘い。
「まあいいわ。……飲ませればわかることよ」
リナはお玉に紫色の液体をなみなみと注ぎ、私に近づいてきた。
「さあ、飲みなさい! 悪役令嬢の最期にふさわしい、毒々しいスープよぉ!」
「お断りします。衛生管理がなっていません」
「拒否権なんてないのよ!」
リナが無理やり私の口をこじ開けようとする。
その時。
ガタッ。
入り口の扉が開いた。
入ってきたのは、薄汚れた身なりの男たちだった。
ゴロツキのような風貌で、手には棍棒を持っている。
「おい、嬢ちゃん。……話が違うじゃねえか」
男の一人が、不機嫌そうに言った。
「ああん? 何よ。今、忙しいんだけど」
「『公爵家の娘を誘拐すれば、身代金で大儲けできる』って言ったよな? なんで『薬で洗脳』とか始めてんだよ」
「うるさいわね! 身代金なんてどうでもいいのよ! 私は復讐がしたいの!」
「ふざけんな! 俺たちは金のためにリスク冒したんだぞ! 相手はあの『冷徹公爵』だぞ!? バレたら殺されるんだよ!」
男たちが殺気立つ。
どうやら、リナが雇ったゴロツキたちと、仲間割れが発生しているようだ。
(……チャンスですね)
私は眼鏡(奇跡的に無事だった)の奥で目を光らせた。
この状況、利用できる。
「あの」
私は男たちに声をかけた。
「あ? なんだ人質」
「貴方たちの雇い主であるリナ様ですが、支払い能力がないことはご存知ですか?」
「は?」
「彼女の実家である男爵家は、カイル殿下への貢ぎ物と、彼女のドレス代で破産寸前です。身代金どころか、貴方たちへの報酬も払えないと思いますが」
「な、なんだと……!?」
男たちがリナを見る。
「ち、違いますぅ! こいつを洗脳して、公爵家から金を引き出せば……!」
「洗脳が成功する保証はありません。先ほども言いましたが、その薬は期限切れの産業廃棄物です」
私が淡々と告げると、男たちの顔色が変わった。
「おい、どうなってんだ!」
「俺たちを騙したのか!」
「ひぃっ! ち、違うのよぉ!」
リナが後ずさる。
男たちが詰め寄る。
「……内輪揉めをしている間に、失礼しましょうか」
私は手首をひねった。
実は、さっきからコソコソと動かしていたのだ。
リナの縛り方は、彼女の性格と同じで「雑」だった。
本結びになっておらず、ただグルグル巻きにしただけ。
(摩擦係数を減らせば……抜ける)
私は手首を脱臼しないギリギリの角度で折りたたみ、強く引いた。
スルッ。
抜けた。
「……よし」
次は足だ。
私は男たちがリナを吊るし上げている隙に、足の縄も解いた。
「さて」
立ち上がる。
ドレスは少し汚れてしまったが、怪我はない。
ここで逃げ出すのが定石だが、私はふと、テーブルの上の「薬」を見た。
(証拠品として押収しておきましょう)
私はリナが持っていた小瓶を、そっとポケットに入れた。
そして、出口へと向かう。
「待てコラァ! 逃げる気か!」
男の一人が気づいた。
「チッ……! おい、捕まえろ!」
「ひぃぃ! 待ってぇ、置いていかないでぇ!」
リナとゴロツキたちが一斉にこちらを向く。
「……やれやれ。穏便に済ませたかったのですが」
私は近くにあった「あるもの」を手に取った。
それは、リナが鍋をかき混ぜていた、鉄製のお玉(レードル)だった。
「調理器具の不適切な使用ですが、緊急避難ということで」
私はお玉を構え、ニヤリと笑った。
公爵邸での激務で鍛えられた体力と、物理計算に基づいた打撃術。
見せてあげましょう。
意識が浮上する。
後頭部に鈍い痛み。
手足が動かない。
目を開けると、薄暗くカビ臭い天井が見えた。
「あら、やっとお目覚め? 悪役令嬢さん」
聞き覚えのある、ねっとりとした甘い声。
私は重い頭を振って、声の主を見た。
そこは、どこかの地下室のようだった。
石造りの壁は湿っており、唯一の明かりは、テーブルの上に置かれたランタンのみ。
そして、そのテーブルの前で、白衣(サイズが合っていない)を着て、怪しげな鍋をかき混ぜているのが、リナ男爵令嬢だった。
「リナ様……」
「『様』なんてつけなくていいわよぉ。どうせあんたは、ここで終わるんだから」
リナは鍋からお玉で液体をすくい上げ、ニタリと笑った。
液体はドロドロとした紫色で、ボコッ、ボコッと不気味な泡を吹いている。
「状況を整理させてください」
私は冷静に言った。
手首と足首は、荒縄で椅子に縛り付けられている。
公爵閣下の姿はない。
「閣下は? アレクシス様はどこですか?」
「公爵様なら、森の入り口に捨ててきたわよ」
リナはケラケラと笑った。
「私の狙いはあんただけだもの。公爵様は、あんたがいなくなれば、また私の魅力に気づいて戻ってくるはずだから」
「……論理的思考が欠落していますね。私が消えても、閣下が貴女を選ぶ確率はゼロです」
「うるさいっ!!」
リナが鍋をバンと叩いた。
「あんたさえいなければ! あんたさえいなければ、全部うまくいってたのよ!」
彼女は充血した目で私を睨みつけた。
「私が聖女になって、カイル様と結婚して、国母としてチヤホヤされるはずだったの! それを……物理だの法律だの、小難しい理屈で邪魔して!」
「それを『正当な指摘』と言います」
「黙りなさいよ! この泥棒猫!」
リナはヒステリックに叫び、棚から数本の小瓶を取り出した。
「見てなさい。……王城の混乱に乗じて、地下宝物庫から『イイモノ』を盗んできたのよ」
「……窃盗罪の追加ですね。量刑が重くなりますよ」
「ふん! これが成功すれば、罪なんて関係ないわ!」
リナは小瓶の一つを掲げた。
ラベルには、ドクロマークと『取扱厳禁』の文字。
「これは『洗脳の秘薬』……禁じられた古代魔法薬よ。これを飲ませれば、あんたは私の言いなりになる奴隷人形になるの」
「……」
「あんたを操って、国民の前で言わせてやるわ。『私はリナ様を虐めました』『私は公爵様を騙していました』『リナ様こそが真の聖女です』ってね!」
リナは恍惚とした表情を浮かべた。
「そうすれば、私の名誉は回復! あんたは処刑! カイル様も公爵様も、私のもの! 完璧なシナリオでしょう!?」
「……シナリオの完成度は5点ですね」
私は冷めた目で彼女を見た。
「その薬、成分が沈殿していますよ。使用期限が百年くらい過ぎているのでは?」
「う、うるさいわね! 効果はあるはずよ! ……たぶん」
「それに、煮込みすぎて揮発しています。この部屋、換気が悪いですから、貴女自身も吸い込んでラリっているように見えますが」
「なっ……!?」
言われてみれば、リナの目は虚ろで、足元もフラフラしている。
自分の撒いた毒ガスで自滅するタイプか。
相変わらず、詰めが甘い。
「まあいいわ。……飲ませればわかることよ」
リナはお玉に紫色の液体をなみなみと注ぎ、私に近づいてきた。
「さあ、飲みなさい! 悪役令嬢の最期にふさわしい、毒々しいスープよぉ!」
「お断りします。衛生管理がなっていません」
「拒否権なんてないのよ!」
リナが無理やり私の口をこじ開けようとする。
その時。
ガタッ。
入り口の扉が開いた。
入ってきたのは、薄汚れた身なりの男たちだった。
ゴロツキのような風貌で、手には棍棒を持っている。
「おい、嬢ちゃん。……話が違うじゃねえか」
男の一人が、不機嫌そうに言った。
「ああん? 何よ。今、忙しいんだけど」
「『公爵家の娘を誘拐すれば、身代金で大儲けできる』って言ったよな? なんで『薬で洗脳』とか始めてんだよ」
「うるさいわね! 身代金なんてどうでもいいのよ! 私は復讐がしたいの!」
「ふざけんな! 俺たちは金のためにリスク冒したんだぞ! 相手はあの『冷徹公爵』だぞ!? バレたら殺されるんだよ!」
男たちが殺気立つ。
どうやら、リナが雇ったゴロツキたちと、仲間割れが発生しているようだ。
(……チャンスですね)
私は眼鏡(奇跡的に無事だった)の奥で目を光らせた。
この状況、利用できる。
「あの」
私は男たちに声をかけた。
「あ? なんだ人質」
「貴方たちの雇い主であるリナ様ですが、支払い能力がないことはご存知ですか?」
「は?」
「彼女の実家である男爵家は、カイル殿下への貢ぎ物と、彼女のドレス代で破産寸前です。身代金どころか、貴方たちへの報酬も払えないと思いますが」
「な、なんだと……!?」
男たちがリナを見る。
「ち、違いますぅ! こいつを洗脳して、公爵家から金を引き出せば……!」
「洗脳が成功する保証はありません。先ほども言いましたが、その薬は期限切れの産業廃棄物です」
私が淡々と告げると、男たちの顔色が変わった。
「おい、どうなってんだ!」
「俺たちを騙したのか!」
「ひぃっ! ち、違うのよぉ!」
リナが後ずさる。
男たちが詰め寄る。
「……内輪揉めをしている間に、失礼しましょうか」
私は手首をひねった。
実は、さっきからコソコソと動かしていたのだ。
リナの縛り方は、彼女の性格と同じで「雑」だった。
本結びになっておらず、ただグルグル巻きにしただけ。
(摩擦係数を減らせば……抜ける)
私は手首を脱臼しないギリギリの角度で折りたたみ、強く引いた。
スルッ。
抜けた。
「……よし」
次は足だ。
私は男たちがリナを吊るし上げている隙に、足の縄も解いた。
「さて」
立ち上がる。
ドレスは少し汚れてしまったが、怪我はない。
ここで逃げ出すのが定石だが、私はふと、テーブルの上の「薬」を見た。
(証拠品として押収しておきましょう)
私はリナが持っていた小瓶を、そっとポケットに入れた。
そして、出口へと向かう。
「待てコラァ! 逃げる気か!」
男の一人が気づいた。
「チッ……! おい、捕まえろ!」
「ひぃぃ! 待ってぇ、置いていかないでぇ!」
リナとゴロツキたちが一斉にこちらを向く。
「……やれやれ。穏便に済ませたかったのですが」
私は近くにあった「あるもの」を手に取った。
それは、リナが鍋をかき混ぜていた、鉄製のお玉(レードル)だった。
「調理器具の不適切な使用ですが、緊急避難ということで」
私はお玉を構え、ニヤリと笑った。
公爵邸での激務で鍛えられた体力と、物理計算に基づいた打撃術。
見せてあげましょう。
55
あなたにおすすめの小説
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
物置部屋に追いやられた伯爵令嬢ですが、公爵様に見初められて人生逆転しました〜妹の引き立て役だったのに、今では社交界の花と呼ばれています〜
丸顔ちゃん。
恋愛
伯爵家の令嬢セレナは、実母の死後、継母と義妹に虐げられて育った。
与えられた部屋は使用人以下の物置、食事は残飯、服はボロ。
専属侍女も与えられず、家の運営や帳簿管理まで押し付けられ、
失敗すれば鞭打ち――それが彼女の日常だった。
そんなある日、世間体のためだけに同行させられた夜会で、
セレナは公爵家の跡取りレオンと出会う。
「あなたの瞳は、こんな場所に閉じ込めていいものではない」
彼はセレナの知性と静かな強さに一瞬で心を奪われ、
彼女の境遇を知ると激怒し、家族の前で堂々と求婚する。
嫁ぎ先の公爵家で、セレナは初めて“人として扱われ”、
広い部屋、美味しい食事、優しい侍女たちに囲まれ、
独学で身につけた知識を活かして家の運営でも大活躍。
栄養と愛情を取り戻したセレナは、
誰もが振り返るほどの美しさを開花させ、
社交界で注目される存在となる。
一方、セレナを失った伯爵家は、
彼女の能力なしでは立ち行かず、
ゆっくりと没落していくのだった――。
虐げられた令嬢が、公爵の愛と自分の才能で幸せを掴む逆転物語。
身代わりで呪いの公爵に嫁ぎましたが、聖女の力で浄化したら離縁どころか国一番の溺愛妻になりました〜実家が泣きついてももう遅い〜
しょくぱん
恋愛
「お前のような無能は、死神の生贄にでもなっていろ」
魔力なしの無能と蔑まれ、家族に虐げられてきた伯爵令嬢レティシア。 彼女に命じられたのは、近づく者すべてを病ませるという『呪いの公爵』アレクシスへの身代わり結婚だった。
鉄格子の馬車で運ばれ、たどり着いたのは瘴気に満ちた死の城。 恐ろしい怪物のような男に殺される――。 そう覚悟していたレティシアだったが、目の前の光景に絶望よりも先に別の感情が湧き上がる。
(な、何これ……汚すぎるわ! 雑巾とブラシはどこ!?)
実は、彼女が「無能」と言われていたのは、その力が『洗浄』と『浄化』に特化した特殊な聖女の魔力だったから。
レティシアが掃除をすれば、呪いの瘴気は消え去り、枯れた大地には花が咲き、不気味だった公爵城はまたたく間にピカピカの聖域に塗り替えられていく。 さらには、呪いで苦しんでいたアレクシスの素顔は、見惚れるほどの美青年で――。
「レティシア、君は一体何者なんだ……? 体が、こんなに軽いのは初めてだ」
冷酷だったはずの公爵様から、まさかの執着と溺愛。 さらには、呪いが解けたことで領地は国一番の豊かさを取り戻していく。
一方で、レティシアを捨てた実家は、彼女の『浄化』を失ったことで災厄に見舞われ、今さら「戻ってきてくれ」と泣きついてくるが……。
「私は今、お城の掃除と旦那様のお世話で忙しいんです。お引き取りくださいませ」
これは、掃除を愛する薄幸令嬢が、その愛と魔力で死神公爵を救い、最高に幸せな居場所を手に入れるまでのお話。
『魔力ゼロの欠陥品』と蔑まれた伯爵令嬢、卒業パーティーで婚約破棄された瞬間に古代魔法が覚醒する ~虐げられ続けた三年間、倍返しでは足りない~
スカッと文庫
恋愛
「貴様のような無能、我が国の王妃には相応しくない。婚約を破棄し、学園から追放する!」
王立魔道学園の卒業パーティー。きらびやかなシャンデリアの下、王太子エドワードの声が冷酷に響いた。彼の隣には、愛くるしい表情で私を嵌めた男爵令嬢、ミナが勝ち誇ったように寄り添っている。
伯爵令嬢のリリアーヌは、入学以来三年間、「魔力ゼロの欠陥品」として学園中の嘲笑を浴び続けてきた。
婚約者であるエドワードからは一度も顧みられず、同級生からはゴミのように扱われ、ミナの自作自演による「いじめ」の濡れ衣まで着せられ……。
それでも、父との「力を隠せ」という約束を守るため、泥を啜るような屈辱に耐え抜いてきた。
――だが、国からも学園からも捨てられた今、もうその約束を守る必要はない。
「さようなら、皆様。……私が消えた後、この国がどうなろうと知ったことではありませんわ」
リリアーヌが身につけていた「魔力封印の首飾り」を自ら引き千切った瞬間、会場は漆黒の魔力に包まれた。
彼女は無能などではない。失われた「古代魔法」をその身に宿す、真の魔道の主だったのだ。
絶望する王太子たちを余目に、隣国の伝説の魔術師アルベルトに拾われたリリアーヌ。
彼女の、残酷で、甘美な復讐劇が今、幕を開ける――。
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
「無能」と捨てられた少女は、神の愛し子だった――。 凍てつく北の地で始まる、聖獣たちと冷徹公爵による「世界一過保護な」逆転生活。
秦江湖
恋愛
魔法適性「鑑定」がすべてを決める、黄金の国ルミナリス。 名門ベルグラード公爵家の末娘アデリーンは、十五歳の鑑定式で、前代未聞の『鑑定不能(黒の沈黙)』を叩き出してしまう。
「我が家の恥さらしめ。二度とその顔を見せるな」
第一王子からは婚約破棄を突きつけられ、最愛の三人の兄たちからも冷酷な言葉とともに、極寒の地「ノースガル公国」へ追放を言い渡されたアデリーン。
着の身着のままで雪原に放り出された彼女が出会ったのは、一匹の衰弱した仔狼――それは、人間には決して懐かないはずの『伝説の聖獣』だった。
「鑑定不能」の正体は、魔力ゼロなどではなく、聖獣と心を通わせる唯一の力『調律師』の証。
行き倒れたアデリーンを救ったのは、誰もが恐れる氷の公爵ゼノスで……。
「こんなに尊い存在を捨てるとは、黄金の国の連中は正気か?」
「聖獣も、私も……お前を離すつもりはない」
氷の公爵に拾われ、聖獣たちに囲まれ、これまでの不遇が嘘のような「極上溺愛」を享受するアデリーン。
一方で、彼女を捨てた黄金の国は、聖獣の加護を失い崩壊の危機に直面していた。
慌ててアデリーンを連れ戻そうとする身勝手な王族たち。
しかし、彼らの前には「復讐」の準備を終えたアデリーンの兄たちが立ちはだかる。
「遅いよ。僕らのかわいい妹を泣かせた罪、一生かけて償ってもらうからね」
これは、すべてを失った少女が、真の居場所と愛を見つけるまでの物語。
辺境伯夫人は領地を紡ぐ
やまだごんた
恋愛
王命によりヴァルデン辺境伯に嫁ぐことになった、前ベルンシュタイン公爵令嬢のマルグリット。
しかし、彼女を待っていたのは60年にも及ぶ戦争で荒廃し、冬を越す薪すら足りない現実だった。
物資も人手も足りない中、マルグリットは領地の立て直しに乗り出す。
戦しか知らなかったと自省する夫と向き合いながら、少しずつ築かれていく夫婦の距離。
これは、1人の女性が領地を紡ぎ、夫と共に未来を作る「内政×溺愛」の物語です。
全50話の予定です
※表紙はイメージです
※アルファポリス先行公開(なろうにも転載予定です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる